あなたは、
利用者から職員の悪口を聞かされたときの対応方法を知りたい
悪口を言われないようにするにはどうすれば良いか気になる
悪口が他の利用者に広がるのを防ぐ方法を知りたい
このようにお悩みではありませんか?
利用者から職員の悪口を聞くと、困ってしまいますよね。結論からお伝えすると、利用者が職員の悪口を言ったときの対処法は、以下のとおりです。
- 冷静に対応する
- 利用者の本音を探る
- 内容を具体的に整理する
- 改善策を考える
- チームで共有する
- 自分を大事にする
- ケアマネージャーに報告する
そこでこの記事では、
利用者が職員の悪口を言ったときの7つの対処法
利用者から職員の悪口を聞いたときにやってはいけない5つの対応
職員の悪口を減らす5つの方法
職員の悪口が広まるのを防ぐ3つの対策
職員が悪口で悩まない施設の3つの特徴
について、解説しています。
この記事を読んで、利用者からの悪口に適切に対応するための参考にしてください。
利用者が職員の悪口を言ったときの7つの対処法
利用者が職員の悪口を言ったときの7つの対処法は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
冷静に対応する
利用者が職員の悪口を言ったときは、冷静に対応することが必要です。
職員の悪口を聞いたときに、対応した職員が冷静でないと、話が実際の内容より膨らんでしまう可能性があります。職員が焦ってしまうと、反応をみて利用者がさらに違う悪口を話すおそれがあるでしょう。注意しなければいけないのが、やり取りをほかの利用者が聞いてしまい、悪口が広がってしまうケースです。
悪口を言っているときは、職員が落ち着いてから聞くようにしてみてください。姿勢や発言はよく観察されているため、穏やかな声掛けから話し始めるのがオススメです。聞き方によってはさまざまなリスクにつながるため、悪口を聞いた職員は冷静に対応し、問題の発展を防ぎましょう。
利用者の本音を探る
職員の悪口を聞いたときは、利用者の本音を探ってみてください。
利用者が悪口を言うときは、職員に対して不安な感情や不信感をもっているときが多いです。悪口を聞いたときにやるべきことは、利用者の口を閉ざしてもらうのではなく、本心を聞くことです。
ありのままの気持ちを聞き出すことで、利用者は開放感を感じ、話を聞いてもらったことでの安心感も得られます。利用者と信頼をつくるよい機会にもなるため、ぜひ話をゆっくり傾聴してみてください。
内容を具体的に整理する
利用者が職員の悪口を言っていたときは、内容を具体的に整理しましょう。悪口は普段からの不満が溜まって話すときもあれば、感情的になって言うときもあります。
そのため、以下のようなポイントに意識して話をまとめてみましょう。
- 職員の悪口を言っている理由
- 悪口の対象になっている職員に対しての不満
- 嫌な思いをしたタイミング
内容を具体的に整理すれば、悪口への対処法も分かってきます。いつ誰が、どのような言動をしたのか把握することで、状況を客観的にみられます。ノートなどにメモを取ったり、他の職員に確認したりするのもよいでしょう。
改善策を考える
利用者が悪口を言っていたら、改善策を考えるようにしてみましょう。職員の悪口を聞いた時点で適切な対応をとらないと、状況は悪化します。
とるべき改善策は、以下のとおりです。
- 悪口を言う利用者の気持ちに寄り添う
- 利用者の希望を聞く
まずは利用者の気持ちに寄り添うために、話をじっくり聞いてみましょう。注意点としては、そのときにアドバイスなどしてはいけません。大事なのは話を傾聴し、利用者の不満やストレスを減らすことです。その後、利用者の希望を聞いて職員の動き方を決めるのが必要となります。
利用者が気持ちよく生活できるようになれば、自然と職員の悪口は減るため、ぜひ傾聴を実践してみてください。
チームで共有する
利用者が悪口を言ったときの対処法として、チームで共有するのはよい方法です。チームで悪口の内容を共有すれば、職場としてどのように動くかを決められます。
チームで共有するメリットは、以下のとおりです。
- 職員同士で悪口の内容を共有できる
- 悪口を言っている理由を把握できる
- 悪口に対する対処法を職員が各自で考えられる
- 職員同士のコミュニケーションにつながる
チームで情報を伝え合うことで、職員の悪口を言うようになったきっかけや理由を知れます。ほかにも、職員が話し合うまでに各自で対応方法を考えられるメリットもあるのです。職員同士のコミュニケーションを増やし、チームワークを強める機会にもなるため、日頃から共有するようにしましょう。
ケアマネジャーに報告する
職員の悪口を聞いたらチームでの共有と同時に、ケアマネジャーにも報告しましょう。
ケアマネジャーは、介護サービス計画の作成や調整を行う専門家です。そのときの状況を報告することで、利用者に直接会いに来たり、家族に説明したりするよい機会になります。担当している利用者が、施設でどのように生活しているかも知りたがっているため、こまめな状況報告は欠かせません。利用者が職員の悪口をいっているのを家族に伝えることで、家族側からのアプローチにも期待できるのです。
利用者の担当制を取り入れている施設では、担当職員の変更や利用者との個別面談なども検討してもらえるでしょう。ケアマネジャーに報告することで、問題の早期解決や再発防止に繋がる可能性が大いにあります。困ったときは、一人で抱え込まず、ケアマネジャーにも相談してみましょう。
自分を大事にする
利用者から職員の悪口を聞いたときは、自分を大事にするようにしましょう。日々、職員の悪口を聞いていると自分の気持ちも落ちていってしまいます。
利用者に自分の悪口を言われていた場合も精神的な負担が大きくなるため、自分を労るのを忘れないようにしてください。たとえば、休日には自分の趣味を楽しんだり、友人に話したりする時間をつくるとよいでしょう。自己肯定感も大事になるため、自分を責めないようにして、冷静に対応してみてください。
どのようにしても自分だけで悪口に対処できないときは、ほかの職員に頼るのがオススメです。周りに助けを求めるのも、自分を大事にする1つの方法といえるでしょう。
利用者から職員の悪口を聞いたときにやってはいけない5つの対応
利用者から職員の悪口を聞いたときにやってはいけない5つの対応は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
感情的に反論しない
利用者から職員の悪口を聞いたとき、感情的に反論するのは絶対に避けましょう。利用者の主張に対して感情的に反論してしまうと、かえって関係を悪化させてしまう可能性が高くなるからです。家族からクレームが入る危険もあるため、慎重な対応が求められます。
利用者が職員の悪口を言うときは、何かしらの理由があるはずです。体調が悪くてイライラしていたり、寂しさや不安を感じたりすることから悪口を言っている可能性があります。介護士に必要なのは正当な主張ではなく、利用者の気持ちを理解することです。
悪口を聞かされた時は深呼吸して、利用者が悪口を言う理由について考えてみましょう。相手の気持ちに寄り添うことが、問題解決の第一歩になります。
利用者を無視しない
職員の悪口を聞いたときは、利用者を無視しないようにしましょう。無視は相手を傷つけ、信頼関係を壊してしまうからです。
たとえば、利用者からほかの職員の悪口を聞かされているときに、相槌も打たないような反応をしてしまうと、悪い印象を与えてしまいます。自分の話を聞かなかったエピソードとして、ほかの利用者や職員に話されてしまう可能性もあるでしょう。
無視するのは「あなたの話は聞きたくない」と言っているのと同じです。介護の現場では利用者の言葉に耳を傾け、真摯に向き合うことが求められます。困っていることがないか、普段のやり取りで優しく声をかけてみてください。利用者の不安な気持ちや不満を和らげることができたら、深い信頼関係を築くことができるでしょう。
一緒に悪口を言わない
利用者が悪口を言う場面では、一緒に悪口を言わないようにしましょう。職員が同調すると、利用者との信頼関係が崩れてしまうからです。
悪口に共感すると、利用者は一時的に安心しても長期的には不信感が強まり、問題がさらに悪化する可能性があります。一緒に話している職員も仲間だと思ったり、自分の非を認めなかったりするでしょう。
そのような状況が続くと、上司からの評価が下がり、職場での印象も悪くなります。利用者と悪口を言っている職員は、周りの職員から見ても非常に悪い印象が残るため、やめておくのが賢明です。
利用者を責めない
職員の悪口を聞いても、利用者のことは責めないようにしましょう。介護士として利用者を責めるのは間違っており、傷つけてしまう可能性があるからです。
施設で生活する利用者はさまざまな疾患をもっている方がいて、気分によって体調が大きく左右されてしまう場合もあります。悪口を言っているのを理由に責めてしまうと、その後の生活に活気が生まれなくなるケースもあるでしょう。
利用者を責めても解決どころか、状況は悪化することが多いため、いかに悪口をやめてもらえるように話を運べるかが重要になります。
憶測で自分の意見を言わない
利用者から悪口を聞いても、憶測で自分の意見を言うのはやめましょう。事実を確認しないまま発言してしまうと、誤解をまねく可能性があるからです。
悪口に対して自分の憶測だけで意見を言うと、利用者が言葉のとおりに受け取ってしまい、反感を買うおそれがあります。ほかにも利用者からの悪口がさらに悪化したり、職員の間で悪い評判がまわる可能性もあるのです。
そのような現場の状況がケアマネジャーの耳に届くと、責任者のもとへ連絡が入るリスクも考えられます。悪口を聞いても、最初は「そうなんですね」など話を合わせ、意見を伝えるのは事実を確認してからにしましょう。
職員の悪口を減らす5つの方法
職員の悪口を減らす5つの方法は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
日ごろから積極的にコミュニケーションをとる
職員の悪口を減らすには、普段から積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
利用者とコミュニケーションをとるのは、信頼関係をつくる上で基本となります。コミュニケーションが不足すると、利用者が職員に対して誤解や不満を抱きやすくなります。たとえば、利用者が特定の職員が冷たいのをほかの職員に話す場合、その背景には職員との交流不足があるかもしれません。
日ごろから利用者と話すようになると、利用者の誤解が減り、悪口も少なくなります。それまで聞けなかった話やほかの職員には話せない内容を話してくれるようになることもあるでしょう。
会話の時間を増やす
利用者の悪口を減らすためには、会話の時間を意識して増やすのが効果的です。
利用者が職員と話す機会が増えることで、お互いに対しての理解が深まり、不満が軽減されます。利用者が「あの職員は私の話を聞いてくれない」と訴えているとき、該当の職員がなるべく利用者との会話時間を増やすことで、利用者の不満が解消されて悪口が減る可能性があります。
会話の時間が短いと、距離を縮めるのにも時間がかかってしまうため、短時間でも定期的に話すことが大切です。安心して話してもらえる関係になれば、悪口を言う前に利用者から相談してくれるときもあるでしょう。
相手の立場に立って考える
利用者の悪口を減らすためには、職員が相手の立場に立って考えることが必要です。
利用者は疾患や性格などが原因で、自分の思いをうまく伝えられないことが多いです。そのような状態が続くと不満がたまり、職員にその思いをぶつけてしまいます。職員に必要なのは利用者がどのようなことに困っているのか、何が心配なのかを想像し、寄り添うことです。
日々のケアで、少しでも利用者の気持ちを理解しようとすれば、信頼関係を築くきっかけになります。利用者にとって安心できる環境を提供することが、悪口を未然に防ぐのに重要な役割を果たします。
小さな変化に気づく
利用者の悪口を減らすには、利用者の小さな変化に気づくことが非常に重要です。
表情や態度の変化を見逃さず早めに対応できれば、利用者が不満を抱え込んでしまう前に原因を解消できます。行動や発言に変化が起きるのには必ず理由があり、そのような変化を感じ取ることで、職員は早い段階でのサポートが可能になるでしょう。
小さな変化に気づくと、利用者が「自分のことをよく見てくれている」と感じるため、信頼関係を深められるようにもなります。結果的に信頼を寄せられ、職員の悪口は減らせます。
感謝の気持ちを伝える
悪口を減らすためには、職員が利用者に対して感謝の気持ちを日々伝えることが必要です。
利用者は感謝されることで、職員に対してポジティブな感情を抱きやすくなり、強い信頼関係につながります。自分が大切にされているのを感じてもらえれば、不満を抱きにくい環境を作れるでしょう。
大事なのは特別な場面だけでなく、日常のケアの中でさりげなく伝えることです。「ありがとう」と普段から言えば、利用者は嬉しくなって悪口ではない話題で話したいと思うはずです。感謝の気持ちは人間関係の土台となり、利用者の満足感や安心感を高められます。
職員の悪口が広まるのを防ぐ3つの対策
職員の悪口が広まるのを防ぐ3つの対策は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
悪口を聞いたらすぐに対応する
職員の悪口を聞いたらすぐに対応するようにしましょう。迅速に対処することで、ほかの利用者に広まるのを防げるからです。
悪口を言っている利用者がいたら、以下の方法で対応してください。
- 落ち着いて話を傾聴する
- 不満の理由を確認する
- 対応策を提案する
悪口を聞いたら冷静に話を聞き、利用者が不満に思っている理由を丁寧に確認しましょう。その後すぐに具体的な対応策を提案することで利用者は安心し、悪口が広まるのを防げます。
利用者同士の関係性に注意する
職員の悪口が広まらないようにするには、利用者同士の関係性にも注意しましょう。仲のよい利用者の間では、さまざまな情報が共有されているからです。
仲の悪い利用者同士であれば、普段からの会話も少ないため、注意する必要はありません。対して、仲のよい利用者たちの話題にはアンテナを張っておくとよいでしょう。
悪口を聞いたほかの利用者も特定の職員に対し、嫌悪感を抱いてしまうおそれがあるため、発覚した時点で速やかに上司への報告と利用者とのコミュニケーションに注力するのをオススメします。
丁寧なコミュニケーションをとる
悪口が広まるのを防ぐには、丁寧なコミュニケーションをとるようにしましょう。利用者の話をしっかり聞くことで、話したい気持ちが満たされるからです。
人は、誰かと話しているときに話し足りない気持ちを感じると、普段より口数が多くなる傾向にあります。施設の職員は利用者にとって、若くて貴重な話し相手のため、話しているだけでもワクワクするような気持ちを感じているのです。
職員側から気の利いたことを無理して言う必要はなく、傾聴を主体に話を進めてみてください。悪口を言っているときは、頭ごなしに止めるのではなく、話を聞く姿勢をみせることから始めてみましょう。
職員が悪口で悩まない施設の3つの特徴
職員が悪口で悩まない施設の3つの特徴は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
すぐに相談できる環境がある
職員が悪口で悩まない施設は、上司や同僚にすぐ相談できる環境があります。
誰かに相談すれば、1人で悩むことなく悪口への対処法を考えられます。上司や同僚の性格、経験によってアドバイスの内容が変わってくるため、さまざまな人に話を聞いてもらうのがよいでしょう。
たとえば介護経験の浅い職員に相談すると、利用者の話を聞くなどの答えが返ってくるだけです。対して経験豊富な職員の場合は、利用者の言い分と職員の雰囲気や態度、上司の動き、家族との問題などさまざまな視点からアドバイスがもらえます。
すぐに相談できれば悪口で悩む必要がなくなり、集中して仕事に取り組めるようにもなります。
職員の悪口を防ぐ研修がある
職員の悪口を防ぐ研修があることで、悪口で悩むことはなくなるでしょう。
職員の悪口を防ぐには、利用者とコミュニケーションをとって信頼を重ねるのが基本です。それとは別に研修によって悪口の発生や広まるのを防いでいる施設もあります。
悪口を減らす研修は、以下のとおりです。
- コミュニケーションスキルの向上
- フィードバックと対人スキルの向上
- ストレス管理
- ハラスメント対策
一般職員が対象のものから、管理者用まで、さまざまな研修マニュアルが厚生厚労省から提示されています。介護施設は作成されているマニュアルを参考にしているため、時間があるときに確認しておくのがオススメです。
厚生厚労省による研修資料は、【厚生労働省:介護現場におけるハラスメント対策】を参考にしてみてください。
職員同士が認め合っている
悪口で職員が悩まない施設は、職員同士が認め合っている特徴があります。
利用者による悪口がない施設は、職員がお互いをリスペクトしている姿勢が強く感じられます。ある職員がミスをしても、ほかの職員がサポートし、なぜミスが起きてしまったのかを責めることなく話し合うのです。
施設全体の職員が頻繁に関わり合うことで、お互いのよいところを取り入れるようになります。悪い雰囲気になることもなく、成長し合う好循環な環境ができるでしょう。
職員の姿勢は施設の雰囲気となるため、よい人間関係であれば利用者も悪口を言えません。悪口が多い施設は、職員同士でよいところを見つけ合うのが、よい施設づくりの第一歩です。
【経験談】利用者が職員の悪口を言ったときにやったこと
私が職員の悪口を聞いていたときは、利用者と職員になにがあったのかを聞き取っていました。職員が失礼な対応をした可能性を否定するためにも事実確認をし、職員側に問題がないようであれば「最近なにか悩んでますか?」など利用者の気持ちを探っていました。
認知症を抱えていても、そうでなくても一時的な気分の低下から、職員の悪口を言う方がいるのも事実です。介護施設に入居している高齢者は自宅や家族から離れて暮らしており、さまざまな葛藤の中、暮らしています。
少しでも気分を晴らしてもらうためにも、過去に家族と一緒に行った旅行先の話など、想像を膨らませてもらえるような会話を意識していました。そうすることで、お互い楽しくコミュニケーションの幅を広げられるのでオススメです。
まとめ:職員の悪口を聞いたら利用者に寄り添う
今回は、利用者が職員の悪口を言ったときにやるべき内容や減らす方法を解説しました。
結論からお伝えすると、利用者が職員の悪口を言ったときの対処法は、以下のとおりです。
- 冷静に対応する
- 利用者の本音を探る
- 内容を具体的に整理する
- 改善策を考える
- チームで共有する
- 自分を大事にする
- ケアマネージャーに報告する
利用者が職員の悪口を言っているときは、ただ言いふらしたいのではなく、不安や不信感がたまっている可能性があります。まずは話をしっかり聞き、心が楽になってもらえるように対応しましょう。
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