燃え尽き症候群を繰り返す2つの理由【職場復帰で再発のリスクあり】

燃え尽き症候群を繰り返す2つの理由【職場復帰で再発のリスクあり】

燃え尽き症候群はいちど治っても症状を繰り返すことがあります。とくに職場に復帰したタイミングで繰り返しやすいとされています。

良くなったはずなのに気づいたら「やる気が出ない」「仕事に行きたくない」などの症状が出て、困っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、燃え尽き症候群を繰り返してしまう理由や再発を防ぐ方法について解説します。

身体や心の変化に気づき、再び燃え尽き症候群になるのを防ぐ手助けになれば幸いです。

目次

燃え尽き症候群を繰り返す理由

燃え尽き症候群を繰り返す理由

「うつ病」や「統合失調症」などの精神疾患では、状態が良くなっても再び症状が出やすいです

うつ病の再発率は60%、統合失調症では30〜70%程度とされており、症状が繰り返すことに多くの人が悩んでいます。[1][2][3]

燃え尽き症候群も同じように一度良くなってから、再び症状があらわれることがあります。

燃え尽き症候群を繰り返しやすい理由は、以下の2つです。

それぞれ解説していきます。

以前と同じようなストレスを受ける【なりやすい職場】

「元の職場に復帰したとき」や「新しい職場に移動したとき」は、燃え尽き症候群を繰り返す可能性があります。

以前、燃え尽きた経験がある職場に戻ると、再び「過度な業務量」や「高い目標」を設定されるかもしれません。

また、違う部署や業務内容が変わっていても
「あの職場に出勤するのか……」
「新しいこと覚えなきゃ……」

とネガティブな気持ちを抱きやすいです。新しい業務や人間関係の構築は、身体や心に負担がかかります。

そのため「元の職場への復帰」や「新しい職場への移動」は、始めこそ頑張ろうと思っていても、次第にやる気が失われやすいです。

とくに「対面での関わりが多い職場」や「正当な評価を受けられない職場」などは、燃え尽き症候群になりやすい傾向にあります。

燃え尽き症候群になりやすい職場について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

身体や心が完全に回復していない

身体や心が回復していないのに職場に復帰した人も、燃え尽き症候群を繰り返しやすいです。とくに「自己判断で薬の使用をやめた人」や「治ったと勘違いした人」に、多い傾向があります。

また、責任感が強い人やまじめな人も注意が必要です。「早く復帰しなきゃ」と焦ってしまい、回復する前に仕事に戻ってしまうのです。

治っていない状態で再びストレスを感じやすい環境で過ごすのは、心への負担が大きく燃え尽き症候群を再発する原因になります。

燃え尽き症候群が回復するには1カ月〜1年以上かかり、治るまでの期間には個人差があります。仕事に復帰するタイミングは、周りの人や専門家の意見を聞いてから決めるようにしましょう。

燃え尽き症候群から回復するコツを知りたい人は、こちらをご覧ください。

燃え尽き症候群が繰り返すのを防ぐ方法3選

燃え尽き症候群が繰り返すのを防ぐ方法3選

燃え尽き症候群を繰り返さないために、気を付けるポイントが3つあります。

ひとつでも意識して、再び燃え尽き症候群にならないように予防してみましょう。

仕事のやる気は70%程度におさえる

仕事をする際のやる気は常に100%ではなく、70%程度におさえてみてください。

「仕事に復帰するタイミング」や「通常の業務」では、自分に負担をかけすぎないのが良いでしょう。

全力を注ぎたい仕事でも自分だけが100%で取り組む必要はありません。少し余力のある90%を意識し、周りの人とも協力しながら業務を進めてみてください。

体調・心境の変化を気にかける

自分の体調や心境の些細な変化を見逃さないようにしましょう。

早い段階で違和感に気づければ、燃え尽き症候群になるのを未然に防げるかもしれません。

以下のような症状には注意が必要です。

  • 横になっても眠れない
  • 身体が疲れやすい
  • 集中力が途切れやすい
  • 周りの人と関わろうとしない

自分が認識するまえに、身体や心に症状が出ていることがあります。少しでも変化があったら気づけるように、自分の体調や気持ちを意識してみてください。

定期的なカウンセリングを受ける

病院やクリニックでのカウンセリングを定期的に受けるようにしましょう。

専門家に診てもらうことで、自分がどれくらい回復しているか分かりやすくなります。自分では治ったと思っても、専門家からすると十分に回復していないケースもあります。

「燃え尽き症候群かどうか診断するとき」や「なり始めのタイミング」でカウンセリングを受ける人は多いです。ですが回復していくにつれて、通う回数は減っていきます。

仕事に復帰したあとでもカウンセリングを利用してみてください。

カウンセリングでは「普段の生活で意識すること」や「復帰するタイミング」などを相談してみましょう。

まとめ

今回は燃え尽き症候群を繰り返す理由や予防方法ついて解説しました。

燃え尽き症候群は「職場に復帰したとき」や「完全に回復していないとき」に繰り返しやすい傾向があります。自分では気づかないうちに燃え尽き症候群の症状があらわれ、再び悩まされることも多いです。

「頑張りすぎない」「変化に気づくようにする」と、再発を繰り返せるかもしれません。

おおかみこころクリニックでは、専門医によるカウンセリングを実施しています。ひとりひとりの状態に合わせてお話を伺っています。ぜひお気軽にご相談くださいね。

参考文献
[1] 厚生労働省:地域におけるうつ病対策検討会「うつ対応マニュアル-保健医療従事者のために-」「コラム・活動事例・資料編」「資料1:うつ病について」
[2] NHK「統合失調症の再発率と治療法、薬とリハビリを組み合わせた方法とは」
[3] こころの耳 職場復帰のガイダンス(働く人へ)厚生労働省

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この記事を書いた人

保(たもつ)のアバター 保(たもつ) 編集者・ディレクター

理学療法士として働きつつ医療・健康分野を
中心にライターとして活動中。
「燃え尽き症候群」や「うつ病」などの
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