Vineland‐Ⅱ適応行動尺度で適応行動を評価!メリットを解説

この記事は検査の内容を含むため、
結果に影響を与える可能性があります。
検査を受ける本人でない場合のみ、お進みください。

発達検査のひとつであるVineland‐Ⅱ適応行動尺度

子どもが発達障害かもしれないと不安を感じたり心配になったりしていませんか?

この記事では、Vineland‐Ⅱ適応行動尺度の目的や検査を受けるメリットなどを解説します。

「子どもにどのように支援すれば良いのかわからない」と考えるあなたの悩みを解決できる助けになれると幸いです。

他の発達検査は下記の記事よりご覧ください。

目次

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度とは

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度(ヴァインランド・ツー)とは適応行動(個人的、社会的な日常生活の能力)を評価する検査です。[1]ここでは、この検査の目的やおおまかな方法などを詳しく紹介します。

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度の目的

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度の目的は、普段の生活のなかでの行動を評価して、今後どのように支援するのか明らかにすることです。

子どもの成長と発達を考えるうえで、知的な能力だけではなく日常生活の能力を評価することは欠かせません。[2]

知的能力が高くてもうまく生活できない場合、一方では知的能力が低くてもほかの人とのやり取りに問題のない場合などさまざまなケースがあるためです。知的能力の評価だけでは、生活の困りごとがわかりません。

発達障害や知的障害の方への支援は障害の特性をなくすことではなく、生活への適応力を高め充実した生活を送れるようにサポートすることです。

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度の検査では、生活で困っていることが分かるため、本人の生活に合わせた支援を受けられるでしょう。

日常生活が生活しやすくなることで、子ども自身のストレスだけでなく
親の育児ストレスの軽減にも影響しますね✨

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度の概要

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度の概要については以下の表を見てください。

スクロールできます
検査の概要
検査時間20分~60分
対象年齢0歳~92歳
検査方法半構造化面接(あらかじめ面接の目的や質問を決めておくが、相談者の反応に合わせながら質問を変える面接のこと)[3]
回答者本人をよく知っている人(保護者、配偶者、養育者、支援者、介護者など)
質問数全385項目(年齢に応じて質問が指定されているため全385項目を尋ねない)

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度は、子どもではなく保護者や養育者に面接する検査です。本人の同席は必要ありません。

自閉症スペクトラム障害(ASD)やアスペルガー症候群といった発達障害のほかに、知的障害や精神障害などの疑いがある方を対象に検査をおこないます。

本人不在で検査ができるため「ちょっと発達面が気になるな」という方は、検査してみやすいですね!

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度で分かること

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度で評価できるのは、2つの構成にわけられます。4つの適応行動評価と1つの不適応行動評価です。

領域下位領域
コミュニケーション・受容言語
・表出言語
・読み書き
日常生活スキル・身辺自立
・家事
・地域生活
社会性・対人関係
・遊びと余暇
・コーピングスキル
運動スキル・粗大運動
・微細運動
不適応行動・不適応行動指標
・不適応行動重要事項

参照元:日本版 Vineland-II適応行動尺度の概要|児童青年精神医学とその近接領域

検査により、それぞれの領域の点数がわかります。

同じ年齢の一般人の点数をもとに、適応行動のレベルを評価するため、本人にどのような強みや弱みがあるのか明らかになるのが特徴です。

具体的には「周囲の人とコミュニケーションを取れているのか」「日常生活を過ごせるスキルはあるのか」「運動の能力はあるのか」が明らかになります。

不適応行動の点数もあらわすことができるため、本人が困っていることへの理解やサポートに役立つでしょう。

困っていることへの支援やサポートを考える参考になります。

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度のメリット

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度のメリットは、発達障害や知的障害などの障害を持った方が適切な支援を受けられることです。

先述した資料のように、それぞれの領域の適応行動や不適応行動が点数であらわすことができ、生活での困りごとが明らかになるためです。[4]

たとえば、『友達とのトラブルが多いと悩むケース』で考えてみましょう。
Vineland‐Ⅱ適応行動尺度で評価すると「社会性の対人関係」や「コミュニケーションの表出言語」に弱みがある可能性があります。気持ちを表現する力が弱く行動で示すことでトラブルになりやすいのです。
そのため、言葉や態度で適切に表現したり、ルールを守る練習を支援するというケースがあります。

保護者や養育者の主観や経験にもとづいた支援ではなく、本人の普段の生活や社会生活に沿った支援ができるのです。

自己肯定感にも関係してきます

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度のデメリット

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度のデメリットは、検査を受けるすべての方の適応行動を評価できないことです。

検査を受ける方の生活している環境をよく見たり聞いたりしなければ、適応行動を正しく捉えられないためです。[4]

日常生活で困っていることが明らかとなると本人の自尊心が低下する恐れがあります。さらに、本人が困りごとを意識すると余計、解決しにくくなったりする場合もあります。

そのため、事前によく話し合い専門家に相談したうえで検査を受けましょう。

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度を受けられるところ

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度の検査は、以下の場所で受けられます。

  • 精神科
  • 心療内科
  • 小児科
  • 児童精神科
  • 児童神経科
  • 発達外来

検査を実施していないところもあるため、ホームページを見たり電話したりして確認しましょう。

検査を受けることに不安がある方は、カウンセリングのうえで必要な検査を提案できるので、一度相談にきてくださいね

まとめ

Vineland‐Ⅱ適応行動尺度は、適応行動を評価する検査です

コミュニケーションや日常生活スキルなど4つの領域を点数であらわすことができます。そのため、日常生活や社会生活での困りごとが明らかになり、本人に合った支援が受けられます。

おおかみこころのクリニックでは、Vineland‐Ⅱ適応行動尺度は実施していませんが、性格・人格に関する心理検査を実施しています。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

【参考文献】
[1]Vineland‐Ⅱ適応行動尺度|日本文化科学社
https://www.nichibun.co.jp/seek/kensa/vineland2.html

[2]日本語版不適応行動尺度の作成の試み
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/65/4/65_4_516/_pdf

[3]半構造化面接|こころの耳
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1674/

[4]日本版 Vineland-II適応行動尺度の概要|児童青年精神医学とその近接領域https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscap/57/1/57_26/_pdf/-char/ja

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