AGAとは、男性型脱毛症(男性ホルモン型脱毛症)のことを言います。
30代〜50代の男性に多く見られ、抜け毛や薄毛に悩む男性の多くは、このAGAが原因といわれています。
近年では20代の男性に発症するケースも増えており、放置すると徐々に進行し薄毛が目立つようになるため、早めに治療することが大切です。
この記事では、発症したら終わりなのか、どう対策をしたら良いのか、完治するのかなど、AGAにお悩みの方の疑問にお答えします。

大村アラン先生メッセージ
おおかみ美容のクリニックで技術指導顧問を務めております、医師の大村亞蘭です。
佐賀大学医学部を卒業後、これまで美容外科・美容皮膚科などで幅広い臨床経験を積み、医療の現場で一人ひとりの患者さまと向き合ってまいりました。 当院は「元気もキレイも叶えたい」という想いを大切に、まるで美容院に通うような気軽さで来ていただけるクリニックを目指しています。
「この治療を試してみたい」 「まずは気になる部分だけやってみたい」 「初めての美容医療で不安…安心して相談できる場所を探している」 そんなお気持ちに寄り添い、医学的根拠に基づいた安全で効果的な治療をご提案いたします。
経歴
- 佐賀大学医学部 卒業
- 久留米大学医学部附属病院
- 大手美容外科 院長/技術指導医
- 盛岡美容外科 院長
- 医療法人社団医新会 理事
- 吉祥寺アイビークリニック 院長
- おおかみ美容のクリニック 技術指導顧問
- 日比谷セントラルクリニック 技術指導顧問
- ビラビューティークリニック 院長/代表
資格
日本美容外科学会 会員
ボトックスビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ®バイクロス 認定医
AGAは発症したら終わりって本当?

実は日本人男性の3人に1人が、AGAを発症するといわれています。
AGAは完治が難しいことから「発症したら終わり」と思われがちですが、AGAを発症したからといって終わりではありません。
AGAは早期に正しい治療を始めれば症状の改善が十分に見込めます。
- 最近抜け毛が増えた
- 頭皮がすけて見える気がする
- 生え際が少しずつ後退してきた
上記のような症状がある場合は、早めに治療を行うことが「発症したら終わり」にしないためのカギとなるでしょう。
AGAは発症したら終わりと言われる主な理由
「AGAは発症したら終わり」という言葉は、薄毛に悩む方にとってはドキッとするワードだと思います。
最近ではSNSなどでこのようなことを目にするようになりました。
「発症したら終わり」と言われる理由としては、AGAの特徴が関係しています。
AGAの特徴には、以下のようなものがあります。
- 改善させるには治療が必要
- 即効性のある治療がない
- 治療は長期継続が必要
特に、改善には長期的な治療が必要であることが、「AGAは発症したら終わり」と言われている原因でしょう。
AGAは自然治癒しないから
AGAは、男性特有の脱毛症のことをいいます。
「男性ホルモン型脱毛症」ともいわれており、自然治癒することはありません。
放置すると徐々に薄毛が進行し、最終的には側頭部や後頭部以外の髪の毛が全て抜けてしまう可能性があります。
つまり、AGAを発症後、治療せずにそのまま放置するとどんどん薄毛が進行していってしまうのが、「AGAは発症したら終わり」と言われてしまう原因のひとつです。
AGAは継続治療が必要だから
AGAを発症した場合、薄毛の進行を防ぐには治療をする以外方法がありません。
しかし、AGA治療は短期間で効果を実感することが難しいという特徴も。
髪の毛には毛周期と言われるサイクルがあり、新しい髪の毛が生えてくるまでに数ヶ月必要です。
そのため、効果を実感できるようになるまでには、3ヶ月から6ヶ月以上治療を続ける必要があります。
AGA治療は継続することが大切で、途中で治療をやめてしまうと再び抜け毛が増えてしまいます。
治療を中断するとリバウンドしてしまうという点も、「AGAは発症したら終わり」と言われる原因です。
AGAは治る時代?完治した人はいる?
AGA治療は近年大きく進化を遂げ、投薬以外にも様々な方面からアプローチが可能になりました。
- 内服薬
- 外用薬
- 再生医療
- 自家植毛
- メソセラピー など
また、AGA治療に特化したクリニックも増えているおり、長期的な治療で症状の改善が期待できます。
では、実際にクリニックで治療を行った場合、AGAが完治することはあるのか解説します。
現時点では完治は難しい
AGA治療は進化しているものの、実際には完治させることは難しいといわれています。
AGAは男性ホルモンの影響で脱毛が進行する疾病です。
現在の医療では男性ホルモンの作用を完全に止めることができないため、根本的な治療が確立されていません。
AGAは進行型の脱毛症で、現代の医学をもってしても完全に治すことはできません。
進行を遅らせることはできる
AGAは完治が難しい病気ですが、正しく治療を行えば進行を遅らせることは可能です。
また、治療を長期継続することで、薄毛が目立たない状態まで発毛を促すことも。
AGAを発症したからといって諦めず、早い段階で専門のクリニックを受診するようにしましょう。

AGA治療は早期治療が大切です。
早めの治療を行うことで脱毛を抑制し、髪の毛の成長を促すことができます。
後悔しないために!AGA発症後にできる対策法


AGAの改善を目指すためには、治療と並行してセルフケアを行うと、より効果が期待できます。
つむじや分け目が気になってきた・・・
前髪が後退してきた気がする・・・
このような自覚症状が現れたら、セルフケアを始めるようにしましょう。
この章では、AGA発症後の効果的な対策を紹介します。
生活習慣全般を見直す


治療と並行して、生活習慣全般を見直すことが大切です。
特に見直すべき生活習慣として、
- 睡眠不足
- 過度な飲酒
- 偏った食生活
- 運動不足
- 過度なストレス
などがあります。
これらの習慣は頭皮環境を悪化させる原因となり、AGAの進行を早めてしまいます。
睡眠時間は最低でも6時間、可能であれば8時間は取るようにしましょう。
特にゴールデンタイムと呼ばれる22:00から2:00までは、成長ホルモンの分泌が盛んになるため睡眠に充てるようにしましょう。
食生活ではジャンクフードやお菓子類は控えめにし、髪の毛の成長に必要なたんぱく質、亜鉛、ビタミンB群などを積極的に摂るようにしてください。
また、ストレス解消や運動不足解消のため、ストレッチやウォーキングなどの適度な運動も効果的です。
頭皮のケアを行う


頭皮環境が悪い状態だと、健康的な髪の毛の成長が妨げられてしまいます。
頭皮環境を整えるためには、正しい頭皮ケアが必要です。
- 自分に合ったシャンプーを使う
- シャンプーの際はぬるめのお湯で洗う
- 予洗い・すすぎをしっかりする
- 爪を立てて洗わない など
また、頭皮マッサージを毎日のケアに取り入れるのも効果的です。
シャンプー中やお風呂上がりに指の腹で優しく頭皮を揉みほぐすことで、血行が促進され、髪の毛への栄養供給がスムーズになります。
頭皮ケアは毎日続けることで頭皮環境の改善につながっていくため、ぜひ習慣にしてください。
病院やクリニックで適切な治療を受ける


最も効果的なAGA対策は、病院やクリニックで適切な治療を受けることです。
AGA治療には、内服薬や外用薬をはじめ、メソセラピーや自毛植毛といった医療アプローチがあります。
AGA治療のやめどきはいつ?継続を中止するきっかけについて


AGA治療は長期継続が前提ですが、治療のやめどきについても解説します。
AGA治療はその特徴から、治療を続けるべきかどうか悩む方も多い治療のひとつです。
そのため、どのような場合に治療を辞める決断をするのか、明確な基準を持っておきましょう。
- 1年以上治療を続けても効果が見られない場合
- 期待していた効果が十分に感じられた場合
以上のような場合は、治療の中止を検討すべきと考えます。
この章では、AGA治療のやめどきや、継続を中止するきっかけについて詳しく説明します。
1年以上治療を続けても効果が出ない
次に、治療を続けて1年以上経っても効果が見られない場合も治療の中止を考えましょう。
AGA治療は、約3ヶ月から半年ほどで何らかの効果が出始めることが一般的です。
そのため、治療から1年以上が経過しても変化を感じられない場合、その治療が体質や症状に合っていないことが考えられます。
1年以上経っても効果が現れない時は、医師に相談のうえ治療方針の見直しが必要です。
納得のいく発毛効果を得られた
納得のいく発毛効果が十分に得られた場合は、AGA治療をやめることを検討しましょう。
理想としていた発毛効果が得られた場合、治療を継続しても経済的・身体的な負担が続くだけです。
ただし、AGA治療を自己判断で急に中止すると、再び脱毛が進行するリスクも。
治療をやめる際は自己判断で中止せず、医師に相談のうえ段階的に減薬していくことが大切です。
頭皮トラブルが生じた
頭皮トラブルが生じた場合や、頭皮に違和感を感じた場合は、AGA治療の継続を慎重に見直すべきです。
特に外用薬として使用される「ミノキシジル」は、皮膚に関する副作用が報告されています。
- 頭皮の発疹
- かゆみ
- フケ・かぶれ
- 熱感 など
また、「プロペシア」の服用後、一部の人に頭皮のかゆみが生じたケースもあります。
特に頭皮のかゆみやかぶれ、炎症などがあった場合はアレルギーが原因であることも考えられます。
頭皮に違和感やトラブルを感じた時は、治療薬の使用をすぐに中断し、早めに医師へ相談することが大切です。
パートナーとの子作りを考えている
パートナーとの子作りを考えている場合、AGA治療の継続を検討する必要があります。
実は、AGAの治療薬である「フィナステリド」と「デュタステリド」には、妊娠中の女性や胎児に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
妊娠中の女性が触っただけで皮膚から成分が吸収され、胎児に影響(特に男児の生殖器の発達に影響)を及ぼす可能性があります。
そのほか、「フィナステリド」と「デュタステリド」には下記のような副作用も報告されています。
- 性欲減退
- 勃起不全
- 精液量減少
このように、生殖器に関わる副作用のほか、薬の成分が精液に混入する場合もあります。
精液中に混入する有効成分は微量ではあるものの、リスクがゼロとは言いきれません。
子作りを検討する際には、最低1か月前には薬の服用を中止することをおすすめします。
経済的負担が大きくなってきた
AGA治療は長期にわたるため、毎月の治療費が経済的な負担となっている場合、治療の中止や見直しを検討しましょう。
AGA治療は薬の処方を受けた場合、ひと月あたり10,000円から30,000円ほど、年間にすると数十万円かかることも。
経済的な負担が大きくなった場合、無理に治療を続けても精神的なストレスになることもあるため、治療を継続するかどうか今一度検討するようにしましょう。
AGA発症したら終わりのよくある質問・Q&A
まとめ
AGAは進行性の脱毛症で、その特徴から「発症したら終わり」と感じる方もいると思います。
しかし、クリニックでの適切な治療と、毎日のセルフケアを並行しながら継続することで、症状の進行を防ぎ、発毛を促すことは可能です。
髪の毛に変化を感じたらなるべく早めに受診し、対策を始めることが重要です。
そして、専門医の指導のもとで根気よく治療を続けましょう。