ファスティングは体質改善だけでなく、美容やダイエットにも効果的な健康法として注目されています。
初心者でも取り入れやすいため実践する人が増えていますが、やり方を誤ると体調を崩す原因になりかねません。
ファスティングってどうやるの?
どのくらいの期間すればいいの?
そんな方のために、本記事ではファスティングの正しいやり方を紹介します。
ファスティングの効果や、ファスティング期間に欠かせない酵素ドリンクの目安や、おすすめの期間について解説。
ファスティングに興味がある人は、安全に行い、効果を引き出すために参考にしてください。

大村アラン先生メッセージ
おおかみ美容のクリニックで技術指導顧問を務めております、医師の大村亞蘭です。
佐賀大学医学部を卒業後、これまで美容外科・美容皮膚科などで幅広い臨床経験を積み、医療の現場で一人ひとりの患者さまと向き合ってまいりました。 当院は「元気もキレイも叶えたい」という想いを大切に、まるで美容院に通うような気軽さで来ていただけるクリニックを目指しています。
「この治療を試してみたい」 「まずは気になる部分だけやってみたい」 「初めての美容医療で不安…安心して相談できる場所を探している」 そんなお気持ちに寄り添い、医学的根拠に基づいた安全で効果的な治療をご提案いたします。
経歴
- 佐賀大学医学部 卒業
- 久留米大学医学部附属病院
- 大手美容外科 院長/技術指導医
- 盛岡美容外科 院長
- 医療法人社団医新会 理事
- 吉祥寺アイビークリニック 院長
- おおかみ美容のクリニック 技術指導顧問
- 日比谷セントラルクリニック 技術指導顧問
- ビラビューティークリニック 院長/代表
資格
日本美容外科学会 会員
ボトックスビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ®バイクロス 認定医
ファスティングとは一定期間固形物を摂取しない健康法
ファスティングとは、一定期間固形物を摂らずに水や酵素ドリンクなどの水分で過ごす健康法です。
内臓を休ませることで消化にかかる負担が減り、体の回復や新陳代謝がスムーズになるのが特徴です。
正しい方法で行うことで腸内環境の改善や美容効果、ダイエット効果が期待できるため、実践する人が増えています。

ファスティングを行うタイミングは、過食が続いたり乱れた生活習慣をリセットしたいときがおすすめです。
自分の体調や現在の生活を見極めながら、適切なタイミングでファスティングを開始しましょう。
ファスティングの効果


ファスティングを行うことで消化器官を休ませて、代謝や体の回復にエネルギーを回せるようになります。
すると、腸内環境の改善をはじめとして、美肌やメンタルの安定など健康面と美容面両方にメリットがもたらされます。
ファスティングが注目される理由ともいえる、効果について見ていきましょう。
腸内環境のリセット
固形物を控えて消化器官を休ませると、体内に溜まった老廃物や毒素の排出がスムーズになります。
これによって、腸内の悪玉菌のエサが減り、数が少なくなっていきます。
その一方で善玉菌が活動しやすくなり、腸内フローラのバランスが整っていくのです。
肌荒れ・むくみ改善
腸内に老廃物が蓄積されると血流が滞りやすくなり、肌荒れやニキビ、むくみなどの原因となります。
ファスティングによって老廃物の排出が進むと、血液やリンパの流れがスムーズになり、体内のデトックス機能が向上。
その結果、肌のコンディションが整い肌荒れが改善されれるだけでなく、むくみの解消にも有効です。
体重減少効果が期待できる
ファスティングを行うと摂取カロリーが減り、体は蓄積された脂肪をエネルギー源として使用し始めるため、短期間でも体重の減少が期待できます。
また、腸内の老廃物や余分な水分が排出されることで、体重が一時的に減少することもあります。
さらに、ファスティングをすることで、食事内容や量の見直しをする機会があるため、生活習慣改善のきっかけになりやすいのもポイントです。
このような点から、体重減少のサポートにも効果的とされています。
メンタルの安定
ファスティングを行うことで血糖値が安定しやすくなり、イライラや気分の浮き沈みを軽減させ、心身をリフレッシュする効果が期待できます。
さらに、ファスティングでもたらされる下記の現象もメンタルの安定に関係しています。
- コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が調整される
- セロトニン(幸福ホルモン)の分泌が促される
- ケトン体の生成で脳がリラックスしやすくなる
ただし、ファスティングがメンタルに及ぼす影響については、個人の体調や生活リズムによって個人差があります。
【基本】ファスティングのやり方


ファスティングは「準備期」「ファスティング期」「復食期」の3ステップで行うのが基本です。
準備期で食事を減らしていき、ファスティング期は水分摂取で過ごし、復食期で徐々に食事を戻していきます。
体調を崩さず、安全に行うためこの流れを守ることが重要です。
【準備期】食事内容を調整する


準備期には食事内容を胃に負担が少ない、消化の良いものに切り替えます。
具体的なおすすめ食材と避けた方がいい食材は下記の通りです。
- 味噌汁や野菜スープなどの汁物
- おかゆや雑炊
- 発酵食品(納豆など)
- いも類
- 植物性タンパク質(豆腐など大豆製品)
- 油っぽいもの
- 刺激物
- ジャンクフード
- お菓子
- 動物性たんぱく質(肉や魚など)
- パンなどの小麦製品
準備期はファスティング期と同じ日数、もしくはそれ以上の日数を設けることが推奨されています。
準備を丁寧に行うことで、ファスティング期の体への負担が軽減されるので、しっかり時間をかけて行いましょう。
【ファスティング期】水分の摂取


ファスティング期間中は固形物の摂取を避けて、水や酵素ドリンク、ノンカフェインのお茶やハーブティーなどの水分のみで過ごします。
この期間は次の2点に注意して過ごします。
- 水分摂取:1日2リットル目安。一気に飲まずこまめに摂るよう心掛ける
- 運動:激しい運動は避け、散歩やストレッチなどの軽い運動を行う
脱水症状を防ぐため、こまめに水分を補給することが重要です。
また、激しい運動は低血糖を引き起こす可能性があるためやめましょう。
違和感や体調不良を感じた場合はすぐに中止してください。
【復食期】少しずつ食事を戻す


ファスティング後はいきなり普通の食事に戻さず、復食期を設けて徐々に普通の食事に戻していきます。
- 最初の食事:おかゆや具のないスープなど消化に良いもの
- 徐々に食事を増やす:消化の良いタンパク質から野菜、魚、卵と徐々に取り入れていく
いきなり、脂肪の多い食事を摂ると胃に負担がかかり、リバウンドの原因にもなりかねません。
この期間も、ファスティング期間と同じ日数かそれ以上かけて行うのが理想です。
おすすめのファスティング期間は?
ファスティングには、1日で終わる短期間のものや、数日かけて行う中・長期間のものがあります。
ファスティングを行う期間は個人の目的や体調によって異なりますが、一般的には初心者は短期間から、慣れている人やダイエット効果を狙っている人は数日かけて行うといいでしょう。
ここでは、無理なく取り組める16時間ファスティングとダイエットにおすすめの3日ファスティングのやり方を紹介します。
初心者は16時間ファスティングがおすすめ
16時間ファスティングは1日のうち16時間は食事を控え、残りの8時間以内で食事を摂る方法で「プチ断食」とも呼ばれています。
例えば、夜の8時に夕食を終えた場合、翌日の昼12時までは食事を摂らないというスタイルです。
ポイントは次の通り。
- 食べる時間を8時間以内に設定する
- 食べない時間は水やお茶など、糖分やカロリーを含まない飲み物で過ごす
- 食べる時間はバランスよい食事を適量摂る
16時間ファスティングは体への負担が少なくファスティング効果を感じやすいため初心者に最適です。
準備がほとんどいらず、無理なく日常に取り入れやすいのも魅力です。
ダイエット目的なら3日ファステイングを検討
ダイエットや体質改善をダイエットや体質改善を目的とする場合、3日間のファスティングがおすすめです。
一般的な3日間ファスティングの流れを紹介します。
準備期(2~3日間)
準備期はファスティングの2~3日前から始めます。
油っこい食事や甘いもの、アルコールを避け野菜中心の消化に良い食事を心がけましょう。
ファスティング期に向けて胃腸を慣らしていきます。
ファスティング期(3日間)
固形物を食べずに、水や酵素ドリンクやハーブティーなどで過ごします。
酵素ドリンクはビタミンやミネラルを含んでいるため、初めて数日間のファスティングをする人に最適です。
そして、水分は1日につき2~3リットル目安にこまめに摂りましょう。
めまいや強い頭痛、吐き気などがあれば、すぐに中止してください。
復食期(3~4日間)
急に普段の食事に戻すと胃腸の負担がかかるため、復食期では段階的に食事を再開することが大切です。
例えば、「重湯→おかゆ→汁物→軽めのタンパク質→通常の食事」といった順で少しずつ慣らしていくと安心です。
この時期も脂っこい食事やアルコールをさけ、ファスティング期と同様に3日程度かけて戻しましょう。
ファスティング中に酵素ドリンクを飲む目安量について


ファスティング中には固形物を食べられないため、酵素ドリンクでビタミンやミネラルを摂取します。
酵素ドリンクには様々な種類があり、摂取量は製品ごとに異なります。
製品の指示に従って適量を摂取するようにしましょう。
基本は製品の推奨量に従う
酵素ドリンクはメーカーによって栄養成分や濃度が異なるため、まずはラベルに記載されている推奨量を守ることが基本です。
本来は栄養補給や空腹のサポートに役立つ酵素ドリンクですが、飲み方を間違えると十分な効果が得られない恐れがあります。
特に、ファスティング期は普段より体がデリケートな状態なので、製品に記載の指示に従いましょう。
酵素ドリンクによって1回の摂取量が異なるので注意
酵素ドリンクはメーカーによって1回の摂取量が異なります。
さらに、原液で飲むタイプや水で希釈するタイプなど、飲み方もさまざまです。
「1回」の摂取量が記載されている場合もあれば、「1日の目安量」が記載されていることもあるので気をつけましょう。
意味ないって本当?ファスティングをするデメリット
ファスティングは正しく行えばダイエットに役立ちますが、リバウンドの可能性や体調面や精神面においてのリスクも存在します。
デメリットを理解し、目的に応じて適切なファスティングをすることが重要です。
ファスティングのデメリットを解説するので、参考にしてください。
リバウンドが起こりやすい
ファスティング後は食事を抜いた反動から、過食になりやすいため気をつける必要があります。
特に、復食期に徐々に食事を戻さず、一気に元に戻してしまうと、リバウンドするばかりか体重増加につながる可能性も。
リバウンドを防ぐためにも、正しいファスティング手順を守りましょう。
長期ファスティングは精神面が不安定になることがある
ファスティング中は空腹感からイライラやストレスが増しやすいため、精神的な不安定を引き起こすことがあります。
強い空腹感がストレスホルモンの分泌を促進するため、特に空腹感に慣れていない人や長期間のファスティングを行う場合は注意が必要です。
急に長期間のファスティングに挑戦するのはおすすめできません。
16時間ファスティングや1日ファスティングなど短期間のファスティングを経験して空腹感やファスティングに慣れてから、中・長期のファスティングを行うとよいでしょう。
集中力の低下
ファスティングで頭がすっきりするという人がいる一方で、固形物を摂取しないため、糖質やビタミン、ミネラルなどの栄養素の不足から集中力や作業効率が落ちることもあります。
そのため、ファスティング期間中は下記のような危険を伴う作業は避けましょう。
- 長時間の運転
- 高所での作業
- ハードな運動
- 仕事を詰め込みすぎる
ファスティング期間はできるだけ予定のない休暇を利用して、リラックスして過ごすと安心です。
体調不良を引き起こす場合も
栄養や糖質の不足から体調不良を引き起こすリスクもあります。
ファスティング中に次のような症状が現れた場合、直ちに中止してください。
- 強い頭痛
- めまい
- 吐き気
- 冷や汗
- 動機 など
体調に変化を感じた場合は無理をせず、常温の水や経口補水液などで水分とミネラルを補給しながら、消化に優しいものをゆっくり食べましょう。
胃に食べ物を入れ、ゆっくり休んでも改善しない場合は医療機関に相談することも大切です。
ファスティングの注意点


今では酵素ドリンクが簡単に購入でき、手軽に行えるようになったファスティングですが、注意点がありファスティングをしてはいけないパターンもあります。
正しい方法を守り、体調に不安がある人は医師に相談するようにしてください。
また、ファスティングを開始しても自分の体調に気を配り、不調を感じたら中止することも念頭に置いて行いましょう。
準備期間をしっかり設ける
ファスティングは準備期間をしっかり設けることが重要です。
いきなりファスティングを始めると胃腸に負担がかかります。
準備期間をしっかりとり、徐々に普段の食事から胃に優しい食事へ切り替えていき、ファスティングに慣れさせましょう。
アルコールを避ける
ファスティング中のアルコールには下記の3つのリスクがあります。
- 肝臓への負担が大きくなる
- 低血糖を起こしやすい
- 利尿作用で脱水を悪化させる
ファスティング中は体がデリケートになっているため、通常よりアルコールによる影響を受けやすくなります。
肝臓や血糖値に対する負担が増え、脱水が進むなど健康に対するリスクだけでなく、結果的に消化器官が休まらずファスティングの効果を妨げる要因にもなりかねません。
ファスティングの効果を引き出すためにもアルコールは避けましょう。
妊娠中や子どもはファスティングをしない
妊娠中や子どもはファスティング避けましょう。
妊娠中には、栄養不足により低血糖や貧血、ホルモンバランスが崩れるリスクがあり、母体と赤ちゃんの両方に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、子どもは成長に必要な栄養が足りず、発育に影響があるだけではなく、集中力や学習意欲の低下につながることも。
妊娠中の女性や子どもは、十分な栄養を摂る必要があるため、この時期のダイエットやファスティングは控えてください。
持病がある人は自己判断での実施はNG
糖尿病や心疾患、腎疾患などの持病がある人は、ファスティングを行う際に特に注意が必要です。
ファスティングによって血糖値の管理が難しくなるため、必ず医師に相談しましょう。
また、過去に摂食障害の既往歴がある人も、食事のリズムが変わるため、避けた方が安心です。
体調不良を感じたら直ちに中止する
ファスティング中は、体調の変化に気を配り、違和感があれば中止する判断も必要です。
具体的に、頭痛やめまい、強い倦怠感などの症状が現れた場合、無理してファスティングを続けると危険です。
消化の良い食事をゆっくり摂り、休んでも回復しない場合は医療機関を受診しましょう。
ファスティングとはのよくある質問・Q&A
まとめ
ファスティングは腸内環境の改善や美容・ダイエットにも役立つ健康法です。
準備期・ファスティング期・復食期の流れを守り、正しい方法で行うことが大切です。
酵素ドリンクには様々な種類があるので、記載された使用方法を守り、体調と目的に合う期間のファスティングを実施してください。
無理せず安全に取り入れて、健康の変化を実感していきましょう。