マンジャロは血糖値の改善や体重管理をサポートするGIP/GLP-1受容体作動薬です。
1回使い切りのペン型注射器を用いて自己注射で使用するため、うまく打てるかどうか不安に感じる人もいるでしょう?
どこに打てばいい?
失敗したらどうなる?
そんな方のために本記事では、マンジャロの打ち方・正しい使用方法を紹介します。
マンジャロのようなペン型注射は、初心者でも使いやすい設計のため、正しい使い方を抑えれば誰でも安全に使用可能です。
安心して使えるよう、打つときの注意点や、万が一投与を失敗した時の対処法も詳しく解説するので、参考にしてください。

大村アラン先生メッセージ
おおかみ美容のクリニックで技術指導顧問を務めております、医師の大村亞蘭です。
佐賀大学医学部を卒業後、これまで美容外科・美容皮膚科などで幅広い臨床経験を積み、医療の現場で一人ひとりの患者さまと向き合ってまいりました。 当院は「元気もキレイも叶えたい」という想いを大切に、まるで美容院に通うような気軽さで来ていただけるクリニックを目指しています。
「この治療を試してみたい」 「まずは気になる部分だけやってみたい」 「初めての美容医療で不安…安心して相談できる場所を探している」 そんなお気持ちに寄り添い、医学的根拠に基づいた安全で効果的な治療をご提案いたします。
経歴
- 佐賀大学医学部 卒業
- 久留米大学医学部附属病院
- 大手美容外科 院長/技術指導医
- 盛岡美容外科 院長
- 医療法人社団医新会 理事
- 吉祥寺アイビークリニック 院長
- おおかみ美容のクリニック 技術指導顧問
- 日比谷セントラルクリニック 技術指導顧問
- ビラビューティークリニック 院長/代表
資格
日本美容外科学会 会員
ボトックスビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ® 認定医
ジュビダームビスタ®バイクロス 認定医
マンジャロを打つ場所

マンジャロは週1回の皮下注射を自分で行える仕様の自己注射剤です。
薬の効果を十分に引き出し、痛みを抑えるためには正しい場所に打つ必要があります。
まずは、基本の注射部位を説明します。
基本の注射部位は腹部・太もも・上腕

マンジャロはワクチンや予防接種でよく見かける筋肉注射ではなく、皮下組織に薬剤を注入する皮下注射で投与します。
そのため、一般的に打つのに推奨されているのは、皮下組織の厚い3部位です。
- 腹部(おへそ回りは避ける)
- 太もも(両太ももの全面)
- 上腕(肩から少し下、二の腕の外側)
皮下組織は血管が少ないため、薬液がゆっくり吸収されるので安定した効果が持続します。
逆に、関節や骨が出っ張っている場所や傷跡、炎症を起こしている部分は打つのを避けましょう。
自分で注射するなら腹部か太もも

自分で自己注射を行う際は、腹部もしくは太ももが脂肪が多く安定して打ちやすいので選ばれやすい傾向があります。
目で投与を見て確認しやすく、手が届きやすい部位なのがポイントです。
上腕は自分で注射することが難しいため、基本的に医療従事者や操作方法の訓練を受けている人に打ってもらう必要があります。
実際にどこに注射するかは医師に相談して決めましょう。
マンジャロを打つタイミング
マンジャロは週1回の注射が基本です。
決まった曜日にさえ打てば、時間や食事の制限はありません。
GLP-1薬は種類によって注射を打つタイミングが異なるため、間違えないようにしっかり確認しておきましょう。
週に1回同じ曜日に注射する
マンジャロは、血中濃度を安定させるために週1回、同じ曜日に注射します。
毎回違う曜日にしてしまうと血中濃度が安定せず、適切な効果を得られないばかりか、副作用のリスクも高まります。
スマホのアラームやリマインダー機能を活用するなどして、1週間の投与間隔を必ず守ってください。
食事に関係なく朝昼晩いつでも投与可能
一方で、マンジャロを注射する時間帯についての決まりはありません。
同じ曜日に注射していれば、朝昼晩好きなタイミングで、食事の有無に関係なく投与することができます。
実際に服用している人の意見では、吐き気などの副作用が気にならないよう就寝前に投与するケースや、一日の食欲を抑えるために朝に注射するケースなど様々です。
自分のライフスタイルに合わせて時間を決めると続けやすくなるでしょう。
【マンジャロの打ち方】正しい使用方法

ここからは、マンジャロの正しい打ち方を解説します。
マンジャロは一回使い切りのペン型注射なので、安心して使うためには事前に正しい使い方をしっかり確認しておくことが大切です。
詳しく手順を紹介するので参考にしてください。
使用前に手を洗い、注射部位を消毒する

マンジャロを使用する前には必ず手を洗いましょう。
感染症のリスクを減らし、安全に注射するためです。
清潔な手で注射部位を消毒用のアルコール綿で消毒し、しっかり乾燥させます。
キャップをはずす

灰色のキャップは注射の直前に、真っ直ぐ引っ張るようにして開けます。
針の破壊を防ぐため、一度取り外したキャップは再度取り付けることは避け、すぐに捨てましょう。
キャップを外してたら針に触れないよう注意してください。
底面を皮膚にしっかりとあててロックを解除

底面(透明部分)を注射部分の皮膚に対して垂直にしっかりあてて密着させます。
そのままの状態で、注射器本体の中央より少し上にある「緑色の目印」をロック解除の向きに止まるまで回します。
このとき、注射器の中央部分を強く押しすぎると針が戻らなくなる恐れがあるので、強く握らないでください。
注入ボタンを押してそのまましばらく待つ

紫色の注入ボタンを押し込み、そのまま待ちます。
「カチッ」という音が聞こえたら注入が開始されます。
注入が終わるまで数秒待ちますが、長くても10秒程度で終わります。
2回目の「カチッ」という音がしたら注射完了

注入開始の「カチッ」から少し待ち、再び「カチッ」と鳴れば完了です。
注射器の透明な部分に灰色のゴムピストンが見えていれば注入が終えています。
針を気をつけながら注射器を垂直に引き抜き、血や薬液の漏れがないか併せてチェックしましょう。
使用済みの注射器は医師の指示に従い破棄する

使用済みの注射器を破棄する際は、処方を受けた医療機関の指示に従ってください。
一般的にマンジャロをはじめとする自己注射製剤の 使用済み器具は、事故防止のため家庭ごみとしてそのまま捨ててはいけません。
通常、専用の回収容器(シャープス容器など)に入れて回収・返却することが多いですが、クリニックにより異なるので確認するようにしましょう。
マンジャロの痛くない打ち方のコツは?

マンジャロは痛みを感じにくいペン型注射器ですが、自己注射に不安を感じる方もいるでしょう。
注射の痛みを軽減するには、薬剤を常温に戻したり注射する部位を冷やすなど、ちょっとした工夫を取り入れることで痛みを和らげることができます。
役立つポイントを紹介するのでチェックしておきましょう。
薬剤を冷蔵庫から取り出して少し置いておく
冷蔵庫から出したばかりの薬剤は冷たさで刺激を感じやすいことがあります。
そのため、取り出してすぐ使うのではなく、数分ほどおいて常温に近づけてから投与すると違和感を緩和できます。
もちろん、冷たさが気にならないのであればそのまま投与して問題ありません。
注射する部位を軽く冷やす
注射する部位の皮膚を軽く冷やすと、一時的に皮膚の感覚が鈍り、針を刺すときのチクッとした感覚をやわらげることができます。
注射前に冷やしタオルや保冷剤を使って数秒ほど冷やすといいでしょう。
ただし、冷やしすぎないように注意し、保冷材を使用する場合は必ずタオルで包み短時間で済ませてください。
皮膚を冷やした後に消毒してから注射を行います。
打つときはしっかりと注射器を固定する
注射を打つときは注射器をしっかりと固定し、左右にぶれないようにしましょう。
打つときに横にぶれたり、余計な動きがあると痛みを強く感じることがあるためです。

注射後は注射部位を揉まないようにしましょう。
注射部位を揉むと薬の吸収に影響が出る可能性があります。
もし注射の後に出血があるようであれば、清潔なガーゼやコットンで軽く圧迫して止血を行ってください。
圧迫止血を行っても出血が止まらない場合や広範囲に血腫ができたときはただちに医師に相談しましょう。
マンジャロを打つときの注意点


マンジャロに限らず皮下注射を打つときには注意すべき点があります。
それは、同じ部位に打たないことと、おへそ回りは避けることです。
安全に投与し、適切な効果を得るために必ず確認してください。
同じ部位に続けて打たない
皮下注射を何度も同じ場所に繰り返すと、皮膚の組織がダメージを受け、下記のような皮膚トラブルを引き起こす恐れがあります。
- しこりができる
- 皮膚が硬くなる
- 皮膚がへこむ
さらに、皮膚の状態が悪くなると注射の際に薬の吸収が不安定になったり、痛みや腫れも出やすくなります。
結果的に、薬剤の効果も半減させてしまうので必ず毎回違う場所に打つようにしてください。
おへそ回りは注射を避ける
おへそ回り(目安として半径5cm以内)には注射をしないようにしましょう。
おへその周りには血管や神経が集まっているうえ、おへそ周辺の皮膚の下には硬い組織が多いため、痛みを感じやすい部位でもあります。
そのため、薬の吸収も不十分になりやすく、避けるのが望ましいです。
マンジャロの投与を失敗したときの対処法


自己注射に慣れないうちは、トラブルや失敗に戸惑うこともあるでしょう。
実際に、注入完了の音が鳴らなかったり、途中で針を抜いてしまったりといったトラブルは起こりえることです。
そこで、ここからはマンジャロの投与を失敗したときの対処法をいくつか紹介します。
対処法を試しても不安が残る場合は医師に相談することをおすすめします。
注入ボタンの2回目の音が鳴らないとき
マンジャロは注入開始と完了の2回音が鳴る仕組みですが、2回目の音が鳴らない場合は薬液が十分に注入されていない可能性があります。
万が一2回目の音が鳴らないときはすぐに針を抜かず、さらに数秒間注入ボタンを押し続けてみてください。
それでも音が鳴らず、灰色のゴムピストンも見えていない場合は、一度投与を中止して、医師に相談してください。
注射器は針に注意してそのまま保管して、診察時に確認してもらいましょう。
薬剤が漏れた・途中で針を抜いてしまったとき
注入している最中に薬剤が漏れたり、針を抜いてしまった場合、無理に再注入しないでください。
使用した注射器は安全に保管しておき、次回の投与については医師に相談して指示を受けることが大切です。
自己判断で打ち直すことは絶対にやめましょう。
マンジャロを打ち忘れたとき
マンジャロは週1回、同じ曜日に投与しなければなりません。
万が一打ち忘れてしまったときは、気づいたタイミングから次の投与予定日までの期間の長さで適切な対処をしてください。
- 次の投与予定日まで3日(72時間)以上:気づいた段階で投与し、次の投与予定日(あらかじめ決めていた曜日)も通常どおり投与する
- 次の投与予定日まで3日(72時間)未満:投与せず、次の投与予定日(あらかじめ決めていた曜日)に投与する
間隔の取り方や投与のタイミングで迷ったら、自己判断を避け必ず医師に相談すると安心です。



頻繁に打ち忘れが発生する場合は、生活のリズムを見直すことをおすすめします。
忙しい時間の合間に投与するのではなく、時間や気持ちの余裕がある休日を投与日に設定することで打ち忘れを防止できるでしょう。
マンジャロ打ち方のよくある質問・Q&A
まとめ
マンジャロは腹部や太もも、上腕のいずれかに、週1回決まった曜日に自己注射します。
自分で行う場合は腹部もしくは太ももが推奨されており、へそ回りをさけ、毎回注射部位をずらして打つことがポイントです。
ペン型注射の正しい使用方法と打ち方を理解して使用すれば安全に使用できますが、万が一失敗しても焦らないことが大切です。
同じような不安は初めて自己注射するなら誰でも感じるものです。
どうしても心配な場合は医師に相談し指導を受けましょう。