「オンライン診療を受けたいけど、顔出さないで受けられる?」
「顔出さないのがダメな理由を知りたい」
オンライン診療の受診を考えている方のなかには、このような疑問を持つ方もいるでしょう。
オンライン診療は、オンラインツールを利用して医師の診察を受けられる便利な方法です。
ただし、オンライン診療はリアルタイムでビデオ通話にて行う必要があり、現状ではチャットや写真のみでの診察は禁止されています[1]。
オンライン診療において顔を出さないことが禁止されているのはどのような理由なのでしょうか。
この記事では、オンライン診療で顔出しが求められる理由や顔出ししたくないときの工夫をお伝えします。
おおかみこころのクリニック
オンライン診療で顔出しを避けたい理由
オンライン診療は便利な反面、患者さんのなかには顔出しを避けたいと考える方も少なくありません。その理由には、次のようなものが挙げられます。
詳しい内容をみていきましょう。
緊張や恥ずかしさがある
オンライン診療で顔を見せることに、緊張や恥ずかしさを感じる患者さんもいるでしょう。
とくに初対面の医師と顔を合わせるケースでは、緊張感が増す方もいるかもしれません。また、顔とともに部屋や周囲の環境がカメラ越しに映ってしまうことに恥ずかしさを感じることも…。
画面越しでの顔合わせや周囲の環境を見られることに抵抗があると「変に思われていないか」と考えたり、緊張や恥ずかしさから診察に集中できなくなったりする可能性があります。
診察を受ける環境がととのいにくい
オンライン診療は自分の好きな場所で診察を受けられることがメリットです。ただ、なかにはひとりの空間の確保が難しい方もいるかもしれません でしょう。
たとえば、家族にオンライン診療を受けていることを知られたくないとき「突然ビデオ通話を始めたら、家族にどう思われるだろう」と心配になることもあります。また、受診について説明するのが面倒だと感じる方もいるでしょう。
その結果、カメラ越しに話すのを避け、電話やチャットだけで診察を受けたいと考えることもあります。
家族や同僚など、周囲の人にオンライン診療の受診を知られたくない方もいます。
そのようなケースでは、カメラ越しに医師と話をしている姿を見られたくないために、顔出しをせず電話やチャットのみで受診をしたいと考える方もいるかもしれません。
ビデオ通話に慣れていない
普段からビデオ通話を利用する機会が少ない方は、顔出しに抵抗を感じることがあります。
とくに高齢者や機械に詳しくない方は、カメラの操作や調整が難しく感じ「うまく映れるかわからない」という不安を抱えることがあるでしょう。
このような不安が、顔出しへの抵抗につながることがあります。
オンライン診療で顔出ししたくないときの対処法
オンライン診療で の利用には顔出しが必要 必須であっても、抵抗がある方もいるでしょう。
ここからは、オンライン診療の顔出しへの抵抗を軽減する3つの工夫をご紹介します。
詳しくみていきましょう。
背景を工夫する
オンライン診療を受ける環境に不安があるときには、背景を工夫するのがおすすめです。
生活感を出したくない、プライバシーを守りたいというときは以下のような方法があります。
・カーテンを閉めてその前で話す
・背景をぼかす機能を使う
・仮想背景を使う
仮想背景とは、ビデオ通話の際に、カメラに映る背景を別の画像や動画に切り替える機能のことです。この機能を使うと、実際の部屋の様子を隠しながら好きな背景を設定できます。
たとえば自宅のプライバシーを守りたいときや、散らかった部屋を見せたくないときに便利です。
仮想背景はさまざまなデザインがあるため、自分好みのものを探してみるのもいいですね。
カメラのアングルを調整する
オンライン診療の受診を考えている方のなかには、画面に映る自分の身だしなみや服装が気になる方もいるかもしれません。
そのようなときには、カメラのアングルを調整し、自信がないところは写らないように工夫してみるのもひとつの方法です。映したくない部分を避けることで、リラックスして診察を受けられるようになります。
ただし、医師の診断に必要な情報を提供できるように、アングルの調整は診察に影響のない範囲で行いましょう。
正しい診断のためと割り切る
オンライン診療は、対面診療と比較して得られる情報が少ないため、ビデオ通話による顔色や表情などの視覚的な情報が重要です。
顔出しを「正しく診断してもらうため」と割り切って診察を受けることも大切な考え方です。
緊張してしまっても大丈夫ですよ。
オンライン診療で顔出さないのがNGな理由
2024年現在、厚生労働省は日本のオンライン診療において顔出しが必須と定めています。
その理由は次のようなものが挙げられます。
以下で詳しくみていきましょう。
本人確認ができない
オンライン診療では、対面診療のように直接顔を合わせた本人確認ができません。本人確認は「患者さん本人の代わりに他人が診察を受ける」という不正行為を防ぐために重要なものです。
そのため、顔写真つきの身分証明書の掲示とビデオ通話での顔出しによる本人確認が必要です[2]。
安全なオンライン診療を提供するために欠かせないものであるともいえるでしょう。
正確な診断が難しくなる
オンライン診療で顔出しをしないことで、正確な診断が難しくなることがあります。
医師は症状を判断する際に、患者さんの顔色や表情、目の動き、動作などの視覚的な情報を重要な材料としています。
これらの視覚的に得られる情報は、声や文字だけでは不十分であるため、顔出しが求められることが一般的です。
顔出しにより、的確な診断と適切な治療を受けられるでしょう。
信頼性を保ちにくい
顔出しをせずに診察を受けると、診察の信頼性を保ちにくいことがあるでしょう。
医師と患者さんがお互いに顔を合わせてコミュニケーションをとることで、診察に対する信頼感が高まります。
お互いの表情が見えないと反応が分かりづらく、すれ違いや誤解が生じるリスクがあります。
顔出しによりスムーズ 円滑なコミュニケーションがとれると、安心感にもつながるかもしれません。。
症状を正確に伝えるための顔出し以外の3つのポイント
オンライン診療では症状を正確に伝えるために、顔出し以外にも工夫できることがあります。次の3つのポイントを活用してみてください。
詳しくお伝えします。
伝えたいことを整理する
オンライン診療では、患者さんの表情や雰囲気など言葉以外の情報を読み取りにくいことがあるため、伝えたいことは言葉にすることが大切です。
診察前に、医師に伝えたい症状や気になることをメモしておくとスムーズに診察を受けられるでしょう。
緊張しやすい方や話しにくい内容があるときには、医師と相談してチャット機能や写真を活用するのも効果的です。
表情やジェスチャーを使用する
豊かな表情やジェスチャーは、言葉を補い、自分の考えを医師に伝える手助けになります。
たとえば、痛みがあるときのケースをみてみましょう。
・痛む部位を指で差す
・痛みの度合いを手の広げ具合で示す
・眉をひそめたり顔をしかめたりする
言葉だけでなく動作を加えることで、医師がより正確に状況を把握しやすくなります。
できればマスクなしで診察を受ける
顔出しに抵抗がある方にとって、マスクの装着は顔を隠せる方法のひとつでしょう。
ただ、口元が隠れると表情が伝わりにくく、声がこもっていまい言葉が不明瞭に聞こえることがあります。 、その結果、正確な会話が成り立たない可能性も考えられます があります。
周囲の環境やプライバシーにも配慮しつつ、正しい診断を受けるためにも、可能であればマスクを外して診察を受けることを検討してみてください。
まとめ
オンライン診療において顔を出さないのは、医師に症状を正しく伝えられないリスクがあります。
ただ、カメラに映ることへの抵抗やプライバシーへの配慮に不安を抱える方もいるでしょう。
顔を出さないことは難しいのが現状ですが、できるだけ気持ちの負担をやわらげるのは大切です。顔出しによる恥ずかしさや不安を軽減し、オンライン診療で自分の症状に合った治療やケアを受けましょう。
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おおかみこころのクリニック
【参考文献】
[1]オンライン診療の適切な実施に関する指針|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001233212.pdf
[2]オンライン診療時の医師資格と本人確認について 患者の安全・安心を確保するための提言|公益社団法人 日本医師会
https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20201007_3.pdf