依存症になりやすい人の特徴と原因は?自力でできる対処法も解説










「スマホやゲーム、買い物がやめられない…」

「わかっているのに、自分でコントロールできない」と、ひとりで責めていませんか。

依存症はあなたの意志や性格の問題ではなく、脳のしくみが関係する病気であり、誰にでも起こりうるものです。

とくに、責任感が強かったり人に頼るのが苦手だったりするほど、依存症になりやすい傾向があります。

この記事では、依存症になりやすい人に共通する3つの特徴と、買い物依存・スマホ依存などの種類別の特徴を解説します。さらに、依存症の背景にある理由とうまく付き合うための対処法を紹介します。

あなたが抱える「やめられない」苦しさを正しく理解するための参考にしてください。

依存症になりやすい人の特徴3選

依存症になりやすい人には、性格や考え方にいくつかの共通点があります。おもな特徴は以下のとおりです。[1][2][3][4]

依存症になりやすい人の3つの特徴について解説します。

ストレス解消法が少ない

ストレスを発散する方法が少ないと、手軽にストレスを忘れられるものに頼りやすくなります。

そのため、アルコールやゲーム、ギャンブルなどの強い刺激で嫌な気分を麻痺させてしまいがちです。

ストレス解消法のレパートリーが限られていると、特定の対象に依存しやすくなるのです。

自信がなく孤独を感じやすい

自信を持てず孤独を感じていると、こころに空いた穴をなにかで埋めようとします。

「わたしは価値がない」というむなしさや「誰もわかってくれない」というさみしさは、人にとって大きな苦痛になるでしょう。

一時的にでも満たされた気持ちになるために、手軽に満足できるものに頼ってしまうのです。

責任感が強く人に頼るのが苦手

責任感が強く、プレッシャーをひとりで抱え込みがちなことも依存症になりやすい特徴です。

「失敗してはいけない」「完璧にやらなければならない」とあなた自身を追い込み、ストレスを抱えやすいでしょう。

一方で、周りの人に弱みを見せたり本音で相談したりするのが苦手なため、ストレスをうまく発散できずに抱え込んでしまいます。

誰かに頼ってこころを軽くする代わりに、なにかに依存してこころのバランスを保とうとする心理が背景にあるのです。

【依存症別】なりやすい人の特徴

依存する対象によっても、なりやすい人の傾向に特徴があります。ここでは、以下の3つの依存症について解説します。

それぞれの特徴について、具体的にみていきましょう。

アルコール依存症になりやすい人

アルコール依存症は、強いストレスや生きづらさを一時的にやわらげるために飲酒を繰り返すことで発症する傾向があります。[5]

そのため、ひとりでは対処できないほどのつらさを抱えていると、アルコール依存症になるおそれがあるでしょう。

具体的には、次のような状況がきっかけとなることがあります。[6]

  • 激しい怒りやイライラを抑えたいとき
  • 人前での強い緊張や不安をごまかしたいとき
  • うつ病や不安障害、不眠などの精神的な不調を抱えているとき

「意志が弱い」「自分に甘い」といった性格の問題ではありません。

耐えがたいこころの痛みや苦しさをお酒の力で対処しすぎた結果、依存してしまうのです。

買い物依存になりやすい人

買い物依存は、自分に自信がなく空虚感を抱えている人がなりやすい傾向があります。[7]

買い物をすると一時的に気分がよくなり、嫌なことを忘れられたり承認欲求が満たされたりする人も少なくありません。

不安や劣等感といったネガティブな感情を打ち消すための手段として、買い物を繰り返してしまう心理があります。

また、ストレス解消の手段として「ショッピング」という行動が社会的に受け入れられやすいため、とくに女性に多いのも特徴です。[8]

こころちゃん
こころちゃん

ストレス溜まっているときお買い物するとスッキリしちゃいます!

SNS依存になりやすい人

SNS依存になりやすい背景には、孤独感や人とのつながりを強く求める心理がかかわっています。[9]

現実でのさみしさを埋めるためにスマホを手に取りますが、SNSでほかの人の充実した生活を目にすると、自分と比べてしまい、余計に孤独感が強まってしまいます。

そのつらさを忘れるために、さらにSNSにのめり込んでしまうのです。[10]

また、「周りの話題についていけなくなるのが怖い」「自分だけ取り残されてしまうのではないか」という不安が強いと依存状態になりやすいでしょう。

SNSを常にチェックしていないと落ち着かなくなり、スマホが手放せなくなってしまうことです。[11]

さみしさや不安を埋めるための「つながり」を、SNSに求めすぎてしまうことが原因のひとつです。

スマホ依存症かも?と思ったら以下の記事をご覧ください。

依存症になりやすい理由

人がなにかに依存してしまう理由は、おもに以下の3つです。

依存症になりやすい理由を理解し「わたしが弱いからではない」と知ることで、まずはあなた自身をいたわってあげてください。

依存症になるまでの段階については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

脳のしくみの変化

依存症は、脳の神経回路に変化が起きることで発症します。[12]

わたしたちの脳には、おいしい食事や楽しい会話などを「ごほうび(報酬)」として認識し、「またやりたい」とやる気を出させるしくみがあります。

一方で、アルコールやギャンブルなどの強い刺激を求め続けると、脳が刺激に慣れてしまい、以前と同じ量や頻度では喜びを感じにくくなります。

その結果、同じ快感を得るためにより多くの量や強い刺激を求めてしまうのです。[12]

さらに進行すると、本来大切だったはずの食事や睡眠、人間関係などの活動にも、興味が薄れていきます。

脳のしくみ自体が変化してしまうため、理性では「やめよう」と思っても、強い欲求を止められなくなるのが依存する理由です。

幼少期の体験や親とのかかわり

「なぜか自信が持てない」「人に頼るのが怖い」といった生きづらさが依存症の根本的な原因となる可能性があります。

「自己評価の低さ」や「人に頼れない」のような特徴は、育ってきた環境、とくに幼少期の体験や親とのかかわりが関係します。

たとえば、次のような経験はありませんか。

  • ありのままの自分を認めてもらえた感覚が薄い
  • 自分の気持ちを素直に表現することを許されなかった
  • 親の期待に応えるため、いつも「いい子」でいなければならなかった

こうした不安定な体験から人への信頼感が育まれず「人とかかわっても大変なだけだ」「友達と会話しても疲れてしまう」と人間関係の中でのストレスを感じやすくなります。

そのため、人に頼って悩みを解消することなく、なにかに依存して苦しさをやわらげようとしてしまうのです。[13]

強いストレスや孤独を感じる環境

あなたが今置かれている環境も、依存症のきっかけとなる理由のひとつです。

強いストレスや孤独を感じる状況が続くと、こころを守るためになにかにすがりたくなるのは自然な反応といえます。

ある研究では、仲間外れにされたり疎外感を抱いたりしたときに、脳の中で「物理的な痛み」を感じるときと同じ領域が反応することがわかっています。[14]

つまり、孤独を感じることは、身体にケガをしたときと同じような「痛み」として脳に認識されるのです。

手軽に「痛み」を麻痺させてくれるゲームやアルコールなどに頼ってしまうことは、ある意味で脳があなたを守ろうとする反応ともいえるでしょう。

こころちゃん
こころちゃん

こころが疲れたからこそ、依存症になったのかもしれませんね。

依存症とうまく付き合う3つの方法

依存症は再発しやすい病気とされていますが、うまく付き合いながら、ふだんの生活を取り戻すことも可能です。

ここでは、依存症とうまく付き合う以下の3つの方法を紹介します。

あなたがもし依存症に苦しんでいるなら、できそうなものからやってみましょう。

依存症の治し方や相談先については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

依存しているものから距離をおく

「やめよう」という意志の力だけでコントロールするのは、脳のしくみからみても簡単なことではありません。

意志に頼るだけでなく「やめやすい環境」をととのえる工夫をしてみましょう。

たとえば、以下のような方法があります。

  • スマホ依存:寝室に持ち込まない、通知をオフにする、特定のアプリを削除する、タイムロックコンテナを使う
  • 買い物依存:クレジットカードを持ち歩かない、限度額を下げる、通販サイトのメルマガを解除する
  • アルコール依存:家にお酒を買い置きしない、飲み会への参加を控える、ノンアルコール飲料に置き換える

依存するものと物理的に距離をとることで、衝動的に手を出してしまうのを防げます。しくみや環境を変えることで、あなた自身を助けてあげることが大切です。

自力でできるストレス対処法をみつける

依存しているものは、あなたにとっての「ストレス対処法」のひとつだったのかもしれません。

依存しているものをムリに取り上げるのではなく、ストレス対処法のレパートリーを増やしていくことが大切です。

ムリのない範囲で、次のようなことを試してみましょう。

  • 信頼できる友人と話をする
  • 軽い運動(ウォーキングやストレッチ)で身体を動かす
  • 好きな音楽を聴いたり、趣味に没頭したりする時間をとる

複数のストレス対処法を持つことで「これがないとダメだ」と思い詰めてしまう気持ちを軽くできます。できそうなことから少しずつ、あなたのペースで試してみてください。

こころちゃん
こころちゃん

「できそうかな?」と思えるものから始めてみましょう!

ひとりで抱え込まず専門家に相談する

依存症は「孤独の病気」とも呼ばれます。[15]

ひとりで悩んで解決しようとしても、うまくいかずにあなた自身を責め、さらに依存が深まってしまうかもしれません。

依存症に関する専門知識を持つ機関や同じ悩みを持つ仲間とつながることは、あなた自身のつらさを分かち合い、解決策を見つけるための助けになります。

具体的には、以下の相談先があります。[15]

医療機関
心療内科や精神科で、専門的な治療やアドバイスを受けられます。
公的な相談窓口
精神保健福祉センターや保健所では、本人や家族からの相談を無料で受け付けています。
自助グループ
同じ依存症の問題を抱える仲間が集まり、体験を分かち合うことで回復を目指す場です(AA、断酒会、GAなど)。

専門家と一緒に考えることで、あなたに合った解決策が見つかるでしょう。

おおかみこころのクリニックもあなたの相談をお待ちしています。いつでもお気軽にお問い合わせください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

まとめ

今、あなたが特定の行動をやめられずに苦しんでいるのは、決して「意志が弱いから」や「ダメな人間だから」ではありません。

あなたがプレッシャーと戦ってきたことや、ひとりで抱え込んできた独感や生きづらさが関係しているの可能性があります。

まずは、なにかに依存しないといけないほどのあなた自身のつらさを認めてあげてください。

対処法を試してもうまくいかないときや、根本的な原因に向き合うのが怖いときは、精神科や心療内科で相談することを検討してみてください。

おおかみこころのクリニックでは、オンラインでのご相談も可能です。あなたがコントロールを取り戻すためのサポートをしています。まずはお気軽にご相談ください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

【参考文献】
[1]Roos CR, Witkiewitz K. Adding tools to the toolbox: The role of coping repertoire in alcohol treatment. J Consult Clin Psychol. 2016 Jul;84(7):599-611.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4919128

[2]Safari Hajat Aghaii S, Kamaly A, Esfahani M. Meta-Analysis of Individual and Environmental Factors that Influence People’s Addiction Tendencies. Int J High Risk Behav Addict. 2012 Fall;1(3):92-9.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4070113

[3]Kılınçel Ş, Kariveliparambil A, Ashraf M, et al. Social media addiction, loneliness, and fear of missing out: A meta-analysis and directions for future research. Psychiatry Clin Psychopharmacol. Published online October 30, 2025.
https://psychiatry-psychopharmacology.com/Content/files/sayilar/1/PCP_20251152_nlm_new_indd.pdf

[4]Schindler A (2019) Attachment and Substance Use Disorders—Theoretical Models, Empirical Evidence, and Implications for Treatment. Front. Psychiatry 10:727.
https://www.frontiersin.org/journals/psychiatry/articles/10.3389/fpsyt.2019.00727/full

[5]Turner S, Mota N, Bolton J, Sareen J. Self-medication with alcohol or drugs for mood and anxiety disorders: A narrative review of the epidemiological literature. Depress Anxiety. 2018 Sep;35(9):851-860.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6175215

[6]松本俊彦「人はなぜ依存症になるのか─子どもの薬物乱用─」児童青年精神医学とその近接領域,2018 年 59 巻 3 号 p. 278-282
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscap/59/3/59_278/_pdf/-char/ja

[7]Zerach, G. (2016). The mediating role of emptiness and materialism in the association between pathological narcissism and compulsive buying. International Journal of Mental Health and Addiction, 14(4), 424–437.
https://psycnet.apa.org/record/2015-43110-001

[8]碇朋子「買い物依存症における要因とその本質に関する一考察」明星大学経済学研究紀要 Vol. 50 No. 1
https://meisei.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=1563&file_id=22&file_no=1

[9]Jing Z, Yang W, Lei Z, Junmei W, Hui L, et al. (2025) Correlations between social media addiction and anxiety, depression, FoMO, loneliness and self-esteem among students: A systematic review and meta-analysis. PLOS ONE 20(9): e0329466.
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0329466

[10]Lapierre MA, Zhao P, Custer BE. Short-Term Longitudinal Relationships Between Smartphone Use/Dependency and Psychological Well-Being Among Late Adolescents. J Adolesc Health. 2019 Nov;65(5):607-612.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31477510

[11]Blackwell, D., Leaman, C., Tramposch, R., Osborne, C., & Liss, M. (2017). Extraversion, neuroticism, attachment style and fear of missing out as predictors of social media use and addiction. Personality and Individual Differences, 116, 69–72.
https://psycnet.apa.org/record/2017-25354-015

[12]厚生労働省「依存症についてもっと知りたい方へ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html

[13]板橋 登子, 小林 桜児, 黒澤 文貴, 福生 泰久, 吉松 尚彦, 西村 康平, 岩井 一正「小児期逆境体験が物質使用障害の重症度に及ぼす影響―不信感,被拒絶感,ストレス対処力の低下を媒介としたモデル検討―」神奈川県立精神医療センター 精神神経学雑誌 122: 357-369, 2020
https://journal.jspn.or.jp/Disp?style=ofull&vol=122&year=2020&mag=0&number=5&start=357

[14]Eisenberger NI, Lieberman MD, Williams KD. Does rejection hurt? An FMRI study of social exclusion. Science. 2003 Oct 10;302(5643):290-2.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14551436

[15]依存症対策│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html

この記事の執筆者
片桐 はじめ
公認心理師、臨床心理士として精神科病院・クリニックで精神疾患を抱える方のカウンセリングや心理検査に従事。臨床経験をもとに、身近な例からわかりやすく説明する文章を心がけています。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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