「相手の反応が気になって一日中落ち着かない」
「嫌われたくなくてムリをしてしまう」
このように、人に依存する自分自身を責めてしまう人は少なくありません。
人に頼ったり支え合ったりすることは、生活する中でごく自然にみられるものです。[1]
ただ、そのバランスが崩れて依存が生まれると、生活の中心が他者になり心身が疲れてしまいます。
この記事では人に依存する人の特徴や原因、つらさを楽にするための方法を解説します。
つらさをひとりで抱え込まずに、あなたのこころが少しでも軽くなるきっかけを見つけましょう。
人に依存する人のこころの特徴
人に依存する人は、相手の反応に敏感になりやすい傾向がみられます。
依存しやすい背景には、自分自身を大切にする感覚が育っていないことがあるため、以下のように相手中心の気持になりやすいのです。[2]
- 相手の表情が暗いと自分まで暗い気持ちになる
- 返信が遅いと「もうわたしに興味がないのかも」と考える
- 相手が怒っているように見えると「悪いことをしたかな」と不安になる
このように、相手のささいな感情にも敏感に反応することで、不安が大きくなりやすいのが特徴です。
人に依存する人の行動の特徴
人に依存する人は、自分より相手を優先した行動を取りやすい傾向がみられます。
相手との関係を失いたくない気持ちが強いため、日常の動きや時間の使い方が相手中心になりやすいのです。
たとえば、以下のような行動が挙げられるでしょう。
- 呼ばれたらムリをしてでも会いに行く
- 相手から返信が来るまで何度もスマホを確認する
- 「大丈夫?」「嫌じゃなかった?」と何度も確認する
このような行動の背景には、相手との関係を保ちたいという思いがあります。
依存的な行動をするあなた自身を責めるのではなく、背景にある相手を失いたくない不安を理解することが大切です。

相手に合わせてばかりだと疲れちゃいますよね💦
人に依存する人の原因
人に依存してしまう原因として、以下が挙げられます。
それぞれ解説します。
依存症になりやすい人については以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
見捨てられる不安を抱えている
幼少期に親の機嫌をうかがいながら過ごした経験があると「嫌われたら居場所がなくなる」という感覚を抱きやすくなります。
たとえば、相手のご機嫌を取るような行動をしたり、相手の期待に応えようとムリをしたりすることがあるでしょう。
このように相手を優先した生活が続くと、自分を犠牲にしてその場をやり過ごすクセがつきやすくなります。[3]
その結果「相手に合わせれば安心」というパターンが強まり、依存的なかかわりにつながりやすくなるのです。
自分を大切にする感覚が薄れている
人に依存しやすい背景には、相手を優先しすぎて自分を大切にしづらい傾向がみられます。
いつも相手の都合や気持ちを優先していると「わたしはどう感じているんだろう?」という感覚がぼやけていき、こころの中で相手の存在が大きくなってしまうのです。
例として、以下のような行動が挙げられます。
- 都合が悪くても断れない
- 感謝されないと不安になる
- 相手に合わせて予定を変える
このような状態は、他人の中にしか自分の価値を見出せない状態とも言えるでしょう。
その結果「わたしは誰かの役に立てないと意味がない」という感覚が強まり、人への依存につながるのです。
「〇〇じゃないと愛されない」という思い込みがある
人に依存しやすい人の中には「〇〇じゃないと愛されない」という思い込みを持つケースがあります。
例として、以下のような場面が挙げられるでしょう。
- よい人でなければ嫌われる
- 頼られなければ意味がない
- わがままを言ったら見放される
幼少期から「よい子でいること」を求められる場面が多いと、大人になっても相手に合わせて安心を得るパターンが続きやすくなります。[4]
このような思考は「ありのままの自分では愛されない」という不安を生み、結果として人への依存を深める原因となるのです。
人に依存する人がもつ悪循環
依存の悪循環とは、不安をやわらげるための行動により、かえって不安が強まっている状態です。[2]
不安を感じたときに安心する行動をとると、その瞬間はほっとしますが次の不安が生じやすくなり同じ行動が強化されやすくなります。
例として、次のような悪循環が繰り返されます。
- 不安が高まる(例:相手の返信が遅い)
- 不安を消したくて相手に確認する(例:何度もメッセージを送る・電話をかける)
- 一時的に安心する(例:返信が来る・優しい言葉をもらえるなど)
- また同じ不安を感じる(メッセージや電話で確認したい気持ちが強くなる)
この繰り返しによって不安をやわらげるための行動が習慣化し、依存的なかかわりが強まりやすくなるのです。
人に依存するあなた自身を責める必要はない
人への依存は弱さではなく、つらさから自分を守ろうとするこころの反応であるため、あなた自身を責める必要はありません。
不安や孤独をひとりで抱えることが難しいとき、人は「誰かとのつながり」で安心を得ようとします。[2]
これはごく自然な反応であり、決して恥ずかしいことではないのです。
ただ、依存が強くなりすぎると相手の反応に一喜一憂したり自分を見失ったりして、かえって苦しくなることがあります。
大切なのは依存をなくすことではなく「自分も相手も大切にできる関係性」を育てることです。
人への依存を減らす方法を試しながら、人との関係やこころのバランスを少しずつととのえていきましょう。
人に依存するつらさを楽にする方法
人に依存するつらさを楽にする方法として、以下が挙げられます。
それぞれ解説します。
依存症の治し方や相談先については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
自分中心の時間を増やす
人に依存する状態を楽にするには、自分中心の時間を増やすことが大切です。
そのために、あなたの予定を優先する時間を作ることから始めましょう。
例として、以下が挙げられます。
- スマホの電源を切って家事や身支度をする
- 連絡を待つ時間に散歩やストレッチで身体を動かす
- ひとりでできる予定を入れる(例:コンビニに行く)
このように、あなたが心地よく過ごせる時間を意識的に増やすことで、相手に依存しすぎない関係を保ちやすくなるでしょう。

あなたらしい時間を過ごしましょう!
不安になったら行動で切り替える
不安や孤独を感じたときは、身体を動かすことで気持ちを切り替えやすくなります。
例として、以下が挙げられるでしょう。
- スマホを置いて外の景色を見る
- ストレッチをして身体がゆるむのを感じる
- お気に入りのアロマや飲み物の香りを嗅ぐ
このように、五感を使いながら行動することで、今この瞬間へ意識が戻りやすくなります。
気持ちがととのうのを待つより身体を動かすことで、不安がやわらぎやすくなるのです。
頼り方を変える
不安や寂しさをひとりで抱えないために、頼る相手をひとりに絞らないことが大切です。
たとえば、以下のように頼れる輪を広げましょう。
- 家族や友人など信頼できる人を複数持つ
- 趣味やコミュニティに参加して気持ちを共有する
- 安心して過ごせる逃げ場を作る(図書館やカフェなど)
身近な人には話しにくいときは、専門家に相談するのもひとつの方法です。
おおかみこころのクリニックでは、自宅から医師に相談できるオンライン診療にも対応しています。
安心できるつながりを増やすことで、人との距離の取り方も穏やかに変わっていくでしょう。
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まとめ|人に依存する人の特徴を知り、自分を責めずに向き合おう
依存は決して弱さではなく、こころが不安や寂しさを乗り越えようとする反応のひとつです。
ムリに依存をなくそうとする必要はありません。
大切なのはひとりの相手に重心を置きすぎず、支えてくれる人や場所を少しずつ増やしていくことです。
自分を責めずあなた自身の時間や感情を大切にしていけば、関係の形も穏やかに変わっていきます。
もし「誰かに頼りすぎてつらい」「ひとりでは整理できない」と感じたときは、おおかみこころのクリニックにお話しください。
ご自宅からの相談を希望されるときは、オンライン診療のご利用が便利です。
医師があなたの思いを丁寧に受け止め、こころの整理をお手伝いします。
24時間予約受付中
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【参考資料】
[1]森 祐子 大学生の同性友人関係における健康的依存に関する研究
https://www.obirin.ac.jp/academics/postgraduate/psychology/course_clinical/papers_masters/r11i8i000000imwd-att/7fl296000007kfv1.pdf
[2]柿澤 暁 共依存症問題についての考察 1. 4 依存関係と親密性の問
[3]小宮山未結 青年期におけるアサーションの獲得という体験の検討 ―母子関係の変化に着目して― 2.全事例を統合した結果 (1)“幼少期の母親との関係性”
https://www.bunkyo.ac.jp/faculty/human-in/wp-content/uploads/2025/03/232b8eaa6ce9f6a96094a0752fe48859.pdf
[4]思春期・青年期女性のアイデンティティ形成過程への心理臨床的援助 ― 青年-両親関係における第二の個体化過程の視点 - 2. 第二の個体化過程が遅延する要因 (3) 成長モデルの不在
- この記事の執筆者
- とだ ゆず
精神科看護師としての経験を活かし、メンタルヘルスを中心とした記事を執筆。こころと身体のつながりを大切にしながら、そっと寄り添う文章を心がけています。
保有資格:看護師、保健師、上級心理カウンセラー、漢方養生指導士









