「仕事を続けたいけど、いつも短期間で辞めてしまう」「相談したいけど、どこに話せばよいかわからない」そんな悩みはありませんか?
仕事を続けるうえで、心身の健康は必要です。
しかし、統合失調症を抱えているとさまざまな業務に制限が生まれます。真面目に仕事をしているのに「ミスが多い」と怒られるなどと指摘を受けると、仕事が嫌になるでしょう。
そこで今回の記事では、統合失調症の方が仕事で抱えやすい悩みや、向いている職業についてお伝えします。仕事探しの方法や、続けるうえでの注意点も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
統合失調症でも働ける・向いている仕事3選
統合失調症の人が向いている仕事は以下の3つです。
いずれも、仕事内容が明確でやることが決まっている職種です。少しずつ慣れていき、無理のない範囲で業務をこなすように心がけましょう。
事務
事務職はルーティンワークの仕事が多いので、おすすめです。
書類整理や郵便物の仕分けなど一人でできる業務が多く、自分のペースを保ちやすいでしょう。職場によっては、電話や来客対応が必要な場合があります。
しかし、職場と相談して電話や来客対応の業務を外してもらえるか相談してもよいでしょう。とくに障害者枠での雇用の場合は合理的配慮をしてもらえるケースがあるため、事前に意思を伝えておきましょう。
軽作業
倉庫内で荷物を梱包したり、仕分けたりする仕事です。業務内容はシンプルで覚えやすいことが多いでしょう。
ただし、倉庫内で長時間立ちっぱなしという状況があり得るため、体力的に疲れることが考えられます。
さらに、寒暖差が激しい中で仕事をする可能性もあります。とはいえ、一人の時間が多いため精神的には働きやすいのではないでしょうか。
商品管理
ドラッグストアやスーパーなどで商品の在庫数を調べたり、棚卸したりする仕事です。
商品がたくさんあるため、似ているパッケージの商品と間違えないように気を付ける必要があります。
黙々とできる仕事ですが、他の職種に比べると集中力が必要です。商品を一つひとつ、数えまちがいのないようにしましょう。
淡々と仕事をこなしていくのが好きな人に向いています。
統合失調症の方が仕事で抱えやすい5つの悩み
統合失調症の方が仕事上で抱える悩みは以下の5つです。
上で示したように、一生懸命頑張っているのに「うまくいかない」と感じることが多いのではないでしょうか。
症状が強い日は仕事がつらい
寝られない、やる気が起きないなど、症状が強い日の仕事はつらいです。自分の意志とは関係なく症状が現れます。
そのため、コントロールできず苦しくなる方もいるのではないでしょうか。
また、ストレスを溜めると余計に症状が悪化するなどの悪循環に陥ります。
さらに、仕事への意欲が低下して、モチベーションが下がると言うこともあります。症状が強い日は無理せず休むなど、自分のペースで仕事に取り組みましょう。
頑張っていてもやる気がないと思われる
統合失調症の方は、頑張っているのにやる気がないと周りに思われてしまうことがあります。
認知機能障害の影響で、記憶力や判断力が低下していることがあります。これは、本人の頑張りではどうにもならない部分です。
そこで周囲の人たちに統合失調症の特徴を知ってもらうことで、円滑な人間関係が構築できるようになるでしょう。
とはいえ、すべての人から理解してもらうことは難しいので、信頼できる人を見つけて頼ることがベストな選択です。
周りの目が気になり集中できない
周りの目が気になり業務に集中できない悩みを抱える方が多くいます。
周りの人は気にしていないのに本人の中で見られている感覚になり、業務に支障をきたすことがあります。
そのため、視界に入らないようにパーテーションを設置するなどの対策が必要です。
パーテーションが難しいようであれば、他の場所に移動するなど職場の状況に応じた方法を試してください。
仕事を続けられるか心配
遅刻や早退、欠勤を繰り返していると仕事が続くのかと心配する方もいるのではないでしょうか。
とくに、一般企業に勤めている方は気になるポイントです。
体調が優れないのであれば、有給や傷病手当金で金銭的リスクを抑えたうえで、休む方法があります。
また、会社を続けることを第一に考えて、勤務日数を減らせないか相談してみることもおすすめです。
給与が低い
平成30年障害者雇用実態調査結果によると、精神障害者の1ヶ月の平均賃金は12.5万円。
その中で週30時間以上勤務している人は18.9万円であり、障害者年金とあわせれば月20万円ほどです。
平均的な収入なので、1ヶ月10万円以下で生活している方もいるのではないでしょうか。
それでも経済的に苦しい方は、生活保護などの申請も検討に入れる必要があります。
統合失調症の方向け仕事を探す場所
統合失調症の方向けの仕事を探す場所は下記の3つです。
いずれも一人ひとりと向きあう機関なので、安心してお使いいただけます。
自分がどの機関が向いているのかよく分からない方は、クリニックに相談に来てみてください。1人でぐるぐる悩むより、一緒にあなたに合った仕事探しを考えていきましょう。
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地域障害者職業センター
地域障害者就業センターとは、各都道府県に設置されている障害者向けに就労支援を行っている公的支援機関です。
ハローワークと協力して就職の相談や職業適正の評価などを行い、個人の状況に応じたサービスが利用可能になります。
また、かかりつけ医や医療機関とも連携して、雇用上の課題を分析して専門的な支援を実施しています。地域障害者就業センターを利用したい場合は、電話かFAXで事前連絡が必要です。
就労移行支援
就労移行支援とは、障害者の社会参加を支援するサービスのことです。
原則、2年間の中で就労に向けて社会スキルを身に付けたり、コミュニケーションの方法を学んだりして就職を目指します。
賃金は発生しないものの、面接対策や職場での対人スキルの獲得など、社会で働くために必要な能力を身につけられます。
職場体験なども行えるため、自分にあった職場を探せるでしょう。
ハローワーク
障害のある方向けの「専門援助部門」窓口があり、一人ひとりに対応しています。
求人票の書き方から、特性にあった仕事探しの相談に乗ってくれるため、安心して利用できるでしょう。必要に応じて職業訓練校の紹介も行っています。
技術的なスキルを身に付けて社会で活躍したい方におすすめです。
統合失調症の人におすすめの職場環境条件3選
統合失調症の方があっている職場環境は以下の3つです。
上記の条件を参考に、ストレスの少ない環境で継続的に働くことが大切です。
統合失調症へ理解がある
他の人より仕事を覚えるスピードが遅かったり、ときどき休むことがあったりしても理解を得られる職場がおすすめです。
統合失調症の方は周りの反応を敏感に読み取るため、人間関係を気にして仕事に行けなくなる方がいます。
さらに、仕事を一つひとつていねいに覚えるため、ゆっくりでも気にならない職場環境であることが重要です。会社全体で統合失調症の特性に対して情報が共有されていると仕事がしやすいでしょう。
統合失調症の特性にあっている
統合失調症の特性にあっている環境を選ぶことが大切です。
判断力や集中力が低下していると、細かな作業や計算が必要な仕事は難しいでしょう。
調子が悪いときでも問題なく行える仕事を持つ職種をおすすめします。具体的には落ち葉清掃など体力的、精神的に負担が少ない仕事が最適です。
短時間勤務ができる
短時間勤務から始められる職場がおすすめです。
新しい仕事や人間関係は、慣れるまで時間が必要です
特に統合失調症の方は、一つひとつ仕事をていねいに覚えるため、なおさら時間をかけた方がよいでしょう。
仕事に慣れてきたら勤務時間を伸ばすなど、状況に応じた勤務が理想的です。
統合失調症の方が仕事を続けるときの注意点3つ
統合失調症の方が仕事を続けるときに気を付けるポイントは以下の3つです。
さまざまな人や機関と関わりを持ちながら向きあう疾患なので、長期的な視点で向きあいましょう。
仕事をはじめたときや仕事に悩んだときは、早めにクリニックに相談して悩みが軽いうちに解決していきましょう。それも、仕事を続けて行くためのポイントになります。
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勝手に断薬しない
勝手な断薬はおすすめしません。断薬すると離脱症状が表れて、日常生活すら送れなくなる可能性があります。
めまいや頭痛、だるさなど抗うつ剤の離脱症状はさまざま存在します。特に、薬の摂取量が多い人ほど離脱症状が出やすいです。自己判断の断薬は、離脱症状をもたらすきっかけになるため、必ず主治医に相談しましょう。
カウンセリングを定期的に受ける
臨床心理士など専門家のカウンセリングを受けるのがよいでしょう。自分の気持ちを受け止めてくれる存在は大きな支えです。
かかりつけ医を相談相手に選ぶ方もいますが、薬の処方に関する話が中心になるため、日常の悩みを話す時間はほとんどありません。
カウンセリングは1時間程度の時間が設けられてさまざまなことを共有するので、自分の気持ちに気づきやすくなるでしょう。
再発の前兆を把握しておく
再発の前兆を把握しておくことで、仕事ができるかどうかの判断基準を決められます。
考えがまとまらない、眠れないなど、特定の症状が出たら仕事を休むと決めておくと落ち着いて対応ができるでしょう。
また、かかりつけ医にどのような症状が出たら休んだ方がよいか確認しておくことも有効です。
まとめ
統合失調症をお持ちの方は、自分の特性にあった環境で働くことがおすすめです。医師やカウンセラーと話しあって、どのような症状が出たら仕事を休むのか決めておくことで、継続的な就労が実現します。支援機関は複数あるので、ご自身にあうところへ相談してよいでしょう。
1人で解決しようとすると、長い時間が必要になるため支援機関や専門家の意見を聞きながら治療していくことをおすすめします。「こんなことで相談してもいいのかな…」と悩まずに、お気軽にご相談くださいね。
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