HSPとは「とても敏感な人」という意味で、アメリカの精神分析医であるエレイン・アーロンによって提唱された言葉です。HSPの人は、さまざまな刺激を受けやすいため、自分に適した仕事を探すのに悩んでいるのではないでしょうか。
自分に合う仕事を見つけることは、充実した人生を送るために大切なことです。HSPに向いてる仕事には、特性である創造性や感受性を活かせる仕事があります。
この記事では、HSPに向いている仕事、向いていない仕事について解説します。HSPに向いてる仕事を探すポイントも紹介するので、やりがいを感じながら続けられる仕事を見つける手助けができれば幸いです。
この記事の内容
HSPに向いてる仕事
HSPに向いている仕事には、3つの特徴があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
創造性を発揮できる
HSPの人は、豊かな想像力と独創性を持っているため、以下のような創造性を発揮できる仕事に向いています。[1]
- 映像編集者
- 音楽作曲家
- ライター・編集者
- イラストレーター
- ウェブデザイナー
- フォトグラファー
- ゲームデザイナー
- アートディレクター
- グラフィックデザイナー
- インテリアデザイナー
音楽や絵など芸術に関わる仕事では、HSPならではの繊細な感性、独特の視点を活かせます。また、広告やマーケティングの分野でも、HSP特有の創造力は役立つでしょう。消費者の気持ちを敏感に察知し、心に響くようなキャンペーンを考えられるのです。
HSPの人は相手の立場になって考えるのが得意です
繊細さや感受性を活かせる
HSPの人は、他人の気持ちや雰囲気を敏感に感じ取れることが長所です。この特性を活かせる仕事には、以下のものがあります。
- 看護師
- 社会福祉士
- カウンセラー
- アロマセラピスト
- マッサージセラピスト
相手の気持ちを深く理解し、適切なケアを提供できるHSPの人には、看護師やカウンセラーなどの対人サービス職が適しています。[2]人の面倒を見たり、お世話したりするのが好きな人は、周囲のケアができるような仕事を探してみてください。
黙々とできる環境で働ける
HSPの人は刺激の多い場所で長時間過ごすと疲れやすいため、静かな環境で集中して作業できる仕事が向いています。
- 司書
- 人事
- 総務
- 秘書
- 研究者
- 一般事務
- 経理事務
- 司法書士
- プログラマー
- 税理士・会計士
事務職やプログラマーなどは、静かな環境で黙々と作業できます。研究者といった一人で深く考えながら進める仕事も、HSPの人には適しているのです。
黙々と働ける環境であれば、HSPの集中力や注意力をより発揮できるでしょう。黙々と仕事を進めるのが好きな人は、参考にしてみてください。
HSPに向いていない仕事
HSPに向いていない仕事には、おもに3つの特徴があります。
就職や転職の際に、それぞれのポイントを参考にしてみてくださいね。
職場が騒がしい
HSPの人にとって、騒がしい環境は大きなストレス要因です。[3]
具体的には、以下のような仕事があります。
- 飲食店スタッフ
- 工事現場の作業員
- コールセンターのオペレーター
大規模なお店やコールセンターなど、常に人の声や機械音が飛び交う場所での仕事は避けましょう。また、飲食店のようなさまざまな人が集まる環境も、HSPの人にとって負担に感じる可能性があります。
騒がしい環境では、HSPの人の繊細な感覚が過剰に刺激されます。その結果、集中力が下がったり、疲れがたまったりしやすいのです。静かな環境で、自分のペースで働ける職場を選んでみてください。
騒々しい環境にいるだけでも疲れちゃいます💦
頻繁に環境が変わる
HSPの人にとって、頻繁に環境が変わる仕事は向いていない傾向があります。
- 旅行添乗員
- 救急救命士
- 外回り営業職
HSPの人は環境の変化に敏感なので、慣れるまでに時間がかかります。常に移動を伴う仕事、多くの人々と関わったりする仕事は、HSPの人にとって、ストレスに感じるのです。
シフト制で勤務時間が不規則に変わる仕事も、生活リズムが乱れるため、HSPの人には負担が大きいでしょう。安定した環境で働ける仕事を選ぶことが重要です。
厳しいノルマや締切がある
HSPの人には、厳しいノルマや締切のある仕事は向かない傾向があります。[3]
- 証券営業
- 新聞記者
- 不動産営業
情報をより深く処理して考えるため、疲れやすかったり、判断に時間がかかったりします。厳しいノルマがある仕事、常に締切に追われる仕事は、大きなストレスとなってしまうのです。成果主義が強い職場も、HSPの人には負担が大きいでしょう。
ノルマや締め切りが厳しい環境では、HSPの人の繊細さ、丁寧さなどの長所が十分に発揮できません。むしろ、短所として働いてしまう可能性があります。仕事を見つけるためには、自分のペースで質の高い仕事ができる職場を選びましょう。
HSPに向いてる仕事を探すポイント
HSPの人に向いている仕事を探すには、3つのポイントを意識してください。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
強みと弱みを把握する
HSPとして、自分の特性をよく理解しましょう。
強みには「繊細さ」「感受性の高さ」「創造性」などがあります。一方で弱みには「騒がしい環境が苦手」「ストレスに弱い」「疲れやすい」などがあります。[1]
また、どんな環境で集中できるか、どんな仕事をしているときにやりがいを感じるかなどを具体的に書き出してみましょう。これらの情報をもとに、自分に合った仕事を探せるのです。
自己分析をしていく中で強みと弱みを把握して、仕事探しに活かしてみてください。
自分がどのHSPの種類にあるのか知ることも大切です。詳しくは下記の記事をご覧ください。
興味がある業界で調べる
HSPの人は好きだったり、興味があったりする業界で仕事を探しましょう。自分の好きな分野で仕事をできれば、続けるためのモチベーションとなります。
HSPの人が活躍できる仕事は、さまざまな業界にあります。たとえば、芸術や文化に関する仕事、福祉の仕事、IT関連の仕事などです。自分が興味を持っている業界について、どのような職種があるか調べてみてください。
興味のある業界で働いているHSPの人の体験談を探してみるのも良いでしょう。実際の経験談を参考にすれば、より具体的に自分に合う仕事をイメージできます。
「好き」をエネルギーに変えましょう
職場の雰囲気が良いとこを選ぶ
HSPの人にとって、職場環境はとくに重要です。
同調圧力が強かったり、上司がパワハラをしたりする職場では、仕事のパフォーマンスが上がらなくなってしまいます。[2]静かで落ち着いた雰囲気の職場、個人の特性を尊重してくれる職場、無理な残業がない職場などは、HSPの人に適しているでしょう。
職場見学や面接の際には、オフィスの雰囲気や社員の様子をよく観察してみてください。福利厚生や働き方についても確認しておきましょう。自分のペースで働ける環境を選べば、HSPの特性を活かしながら長く働き続けられます。
まとめ
HSPの人に向いてる仕事には、創造性や感受性を発揮できたり、黙々と進められたりする仕事があります。一方で、頻繁に環境が変わったり、ノルマや締切が厳しかったりする仕事は、向いていない傾向があります。
自分に向いている仕事を探すためには、自己分析をして強みと弱みを把握したり、雰囲気が良い職場を選んだりしてみましょう。自分に合う仕事ができれば、人生もより充実したものになるのです。
おおかみこころのクリニックでは、カウンセリングを受け付けています。仕事についての悩みや不安を話したい人は、ぜひお気軽にお越しください。
【参考文献】
[1]【HSPチェックリスト付き】鈍感な世界に生きる 敏感な人たち,イルセ・サン,ディスカヴァー・トゥエンティワン
https://amzn.asia/d/czIbGOP
[2]繊細な人が快適に暮らすための習慣 医者が教えるHSP対策,西脇 俊二,KADOKAWA
https://amzn.asia/d/77k5a1F
[3]「HSP」「生きづらさが続く」などで悩んでいる方の相談窓口|蒲郡市保健医療センター|愛知県蒲郡市公式ホームページ
https://www.city.gamagori.lg.jp/site/hokencenter/hsp.html