HSPとは、外部からの刺激に敏感な「繊細さん」のことです。
HSPの特徴には「音や匂いに敏感」「他人への共感力が高い」などがあります。
自分がHSPかもしれないと感じている人や、HSPについて詳しく知りたい人もいるのではないでしょうか。
この記事では、HSPのセルフチェック、HSPがうまく生きるコツについて解説します。
自分自身のHSP傾向を理解すれば、より快適な生活を送るためのヒントを見つけられます。HSPの特性を活かしながら、自分らしく生きるための方法を一緒に探っていきましょう。
この記事の内容
HSPのセルフチェック
HSPかどうかをチェックするために、19の質問項目に当てはまるか5段階で回答してください。
- 全く当てはまらない
- あまり当てはまらない
- どちらとも言えない
- やや当てはまる
- とても当てはまる
質問内容
質問内容は以下のとおりです。
1.強い音や光の刺激を受けると極度のストレスを感じますか
2.他人の気分に左右されますか
3.痛みにとても敏感ですか
4.忙しい日々が続くと、一人だけの場所に逃げたくなりますか
5.明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、近くのサイレン音などにゾッとしやすいですか
6.毎日の生活が明るく楽しいですか
7.大きな音で不快になりますか
8.美術や音楽に深く感動しますか
9.自分に対して正直ですか
10.ビクッとしやすいですか
11.短時間にたくさんのことをするとき、オロオロしますか
12.一度にたくさんのことを頼まれるとイライラしますか
13.いろんなことが起こると、不快な気分が高まりますか
14.生活に変化があると混乱しますか
15.繊細(細やか)な香り・味・音・芸術作品などが好きですか
16.一度にたくさんのことが起こっていると不快になりますか
17.大きな音や雑然とした光景のような強い刺激に悩まされますか
18.緊張するといつもの力を発揮できなくなりますか
19.親や先生はあなたのことを「敏感だ」「内気だ」と思っていますか
引用文献:Highly Sensitive Childが学校生活で抱える困難と教員の対応|大河原萌加・古池雄治
採点方法
5段階の配点は以下のとおりです。
- 全く当てはまらない:1点
- あまり当てはまらない:2点
- どちらとも言えない:3点
- やや当てはまる:4点
- とても当てはまる:5点
最高点は5点× 19 項目= 95点で、最低点は1 点× 19 項目= 19 点です。
合計点数 75 点以上がHSPとされています。ただし、セルフチェックはあくまで目安として考えてください。
HSPであることでこころが苦しいと感じたら、おおかみこころのクリニックへ相談にお越しください。あなたの生きづらさについて一緒に考えましょう。
HSPの種類については下記の記事をご覧ください。
HSPの特徴
HSPには、以下の3つの特徴があります。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
慎重に行動できる
HSPの人は、周囲の状況を細かく観察し、慎重に行動する傾向があります。[1]
感受性が高く、周囲の反応に敏感なため、行動する前にさまざまな可能性を考えるのです。新しい環境に入るときは、まずは様子を見てから行動を起こす人もいるのではないでしょうか。
慎重さはリスクを避け、より適切な判断をするのに役立ちます。ただし、行動が遅くなりすぎないよう、バランスを取ることも大切です。
音や匂いに敏感である
HSPの人は、五感から得られる情報にとても敏感です。とくに、音や匂いに対する感度が高いことが特徴的です。[1]
音については、他の人が気にならないような小さな音でも気になってしまいます。隣の部屋のテレビの音、遠くで鳴っている救急車のサイレンなどにも敏感に反応するでしょう。
環境の変化に早く気づけるという利点がありますが、騒がしい場所や強い匂いのする場所が苦痛になってしまうのです。
他人への共感力が高い
HSPの人は、他人の感情や気持ちを敏感に感じ取り、深く共感する能力を持っています。[1]
高い共感力は、HSPの人が持つ繊細な感受性によるものです。他人の表情や声のトーンの微妙な変化を察知し、相手の状態を理解できます。友人が悩みを抱えているときに、言葉で表現されていなくても、その友人の気持ちを深く理解して支えようとするのです。
人間関係を築く上で大きな強みとなりますが、同時に他人の感情に影響されすぎてしまう可能性もあるため、適度な距離感を保つことが大切です。

気づきすぎて疲れちゃうときあります💦
HSPの人が恋愛をするときのポイントについては、下記の記事をご覧ください。
HSPを治すことはできるのか
HSPは、生まれもった気質のため治すことはできません。[2]
しかし、HSPはマイナス特性ばかりではなく、うまく特性を活かすことで周囲の人の大きな力になることができます。
ただし、HSPの特性に悩んでいる人は、カウンセリングを受けるのも有効です。日常生活での対処法を学べたり、ストレス管理の方法を身につけたりできます。
HSPを病院で治療する方法について気になる人は、以下の記事もご覧ください。
HSPがうまく生きるコツ
HSPがうまく生きるためのコツには、以下の3つがあります。
自分の特性を理解し、うまく付き合っていけば、より快適な生活を送れます。それぞれのコツを見ていきましょう。
HSPであることを楽しむ
うまく生きるためには、HSPであることを楽しんでください。HSPの特性は、豊かな感受性を持つ長所として捉えられます。[1]
HSPの人は、芸術や音楽を深く理解したり、他人の気持ちを察したりできます。たとえば、美しい風景や芸術作品に深く感動したり、友人の微妙な気持ちの変化に気づけたりするでしょう。
これらの経験を大切にし、自分の感受性を肯定的に捉えて、HSPを楽しみましょう。

良いところたくさんあります♪
刺激を受けすぎないようにする
HSPの人は外部からの刺激に敏感なため、刺激を受けすぎないようにしましょう。
過度な刺激は、HSPの人にストレスや疲労をもたらします。そのため、自分にとって心地よい環境を整えることが大切です。
外からの刺激のうち80%は、視覚から入ると言われています。[1]疲れたときは、スマホやパソコンを見るのを控えてみましょう。また、十分な睡眠や休息を取るのも、刺激を受けすぎないためのコツです。
友人と遊びに行った次の日に疲れて何もできなかったら、限界サインかもしれません。自分の限界を知って、適度に休憩を設ければ、より快適に過ごせるようになります。
他人との境界線をはっきり引く
HSPの人は、自分と他人との間に境界線を引くことが重要です。他人の感情を敏感に感じ取って、影響されてしまうからです。
「NO」と言うべきときにはきちんと断ったり、自分の時間を優先したりしましょう。また、他人の感情に共感しつつも、マイナスの感情に飲み込まれないよう意識してください。
適切な境界線を引けば、より良好な人間関係を築き、自分自身を保てます。
まとめ
HSPには、慎重に行動したり、他人に共感したりする特徴があります。自分がHSPにあてはまるか気になる人は、HSPのセルフチェックを参考に、敏感度を把握してみてください。
HSPの人がうまく生きるためには、HSPの能力を楽しんで、外からの刺激を受けすぎないようにしましょう。
おおかみこころのクリニックでは、カウンセリングを実施しています。経験豊富なカウンセラーがおりますので、悩みがある人はお気軽に相談に来てくださいね。
【参考文献】
[1]【HSPチェックリスト付き】鈍感な世界に生きる 敏感な人たち,イルセ・サン,ディスカヴァー・トゥエンティワン
https://amzn.asia/d/bmKPDE3
[2]HSPの心を理解する―当事者と私たちにできること―|渡邊 真代
https://www.keiwa-c.ac.jp/wp2021/wp-content/uploads/2021/08/vt028-5.pdf