HSPとは、外部からの刺激に敏感な「繊細さん」のことです。
HSPの特徴には「音や匂いに敏感」「他人への共感力が高い」などがあります。
自分がHSPかもしれないと感じている人や、HSPについて詳しく知りたい人もいるのではないでしょうか。
この記事では、HSPのセルフチェック、HSPがうまく生きるコツについて解説します。
自分自身のHSP傾向を理解すれば、より快適な生活を送るためのヒントを見つけられます。HSPの特性を活かしながら、自分らしく生きるための方法を一緒に探っていきましょう。
この記事の内容
HSPのセルフチェック
以下の設問に0点(当てはまらない)~4点(完全に当てはまる)で点数をつけてみましょう。点数をつけたら、【グループA】と【グループB】のそれぞれの合計を求めてください。
【グループA】
・美しい音楽を聴くと、興奮する
・どんな失敗が起こるかを予測して、対応策を考えるのに多くの労力を費やす
・すぐにインスピレーションを受けて、よいアイデアをたくさん思いつく
・痛みを感じやすい
・他の人にとっては些細に思えることにも、打ちのめされてしまう
・休みなしで他人と2、3時間以上も一緒にいると、疲れ果ててしまう
・緊迫した空気が流れていると、その場から離れたくなる
・誰かの怒りを感じると、自分に向けられていなくてもストレスになる
・創造力がある
・芸術作品を観ていて、喜びで胸がいっぱいになる
・大量の情報や刺激にすぐに耐えられなくなってしまう
・遊園地やショッピングセンターなど刺激の多い場所に行くのが好きではない
・テレビで暴力シーンを観ると、その後何日間も影響されてしまう
・動物や植物の状態を感知するのが得意
・常にアンテナを張っていて、周囲の人がどんな気持ちでいるか察知できる
・良心が傷んで、後ろめたい気持ちになったり、罪悪感を抱いたりしやすい
・仕事中に誰かに見られていると、ストレスを感じる
・真実が何かを見抜き、他人の嘘にもすぐ気づける
・すぐに驚いてしまう
・強いつながりを持ち、深く交流できる
・他の人が不快に思わないような音も、苛立たしく思う
・1人の時間を楽しめる
・流れに任せて即座に行動せず、よく考えてから動く
・涙もろい
【グループB】
・事前準備なしに、新しい体験に飛び込むのが好きだ
・相手の裏をかいて、自分の言い分を通せると満足な気分になる
・社交の場で疲れることはない
・プレッシャーを感じながら働くのが好き
・うまくいっていない人は、その人自身に責任があると思う
・自分のまわりで何が起きていようと影響されない
・心配しすぎることはめったになく、いつも冷静に対処できる
・友人たちと過ごすのが好きで、途中で1人になる時間は必要ない
・友人や知り合いが突然やって来るサプライズ訪問が大好きだ
『【グループA】の合計ー【グループB】』の合計の数字が大きいほど、HSPの可能性があります。[1]ただし、点数が高いからといって、必ずHSPと決まる訳ではありません。あくまでも、自分の敏感性を把握するためのヒントとして受け取ってくださいね。
HSPの種類については下記の記事をご覧ください。
HSPの特徴
HSPには、以下の3つの特徴があります。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
慎重に行動できる
HSPの人は、周囲の状況を細かく観察し、慎重に行動する傾向があります。[1]
感受性が高く、周囲の反応に敏感なため、行動する前にさまざまな可能性を考えるのです。新しい環境に入るときは、まずは様子を見てから行動を起こす人もいるのではないでしょうか。
慎重さはリスクを避け、より適切な判断をするのに役立ちます。ただし、行動が遅くなりすぎないよう、バランスを取ることも大切です。
音や匂いに敏感である
HSPの人は、五感から得られる情報にとても敏感です。とくに、音や匂いに対する感度が高いことが特徴的です。[1]
音については、他の人が気にならないような小さな音でも気になってしまいます。隣の部屋のテレビの音、遠くで鳴っている救急車のサイレンなどにも敏感に反応するでしょう。
環境の変化に早く気づけるという利点がありますが、騒がしい場所や強い匂いのする場所が苦痛になってしまうのです。
他人への共感力が高い
HSPの人は、他人の感情や気持ちを敏感に感じ取り、深く共感する能力を持っています。[1]
高い共感力は、HSPの人が持つ繊細な感受性によるものです。他人の表情や声のトーンの微妙な変化を察知し、相手の状態を理解できます。友人が悩みを抱えているときに、言葉で表現されていなくても、その友人の気持ちを深く理解して支えようとするのです。
人間関係を築く上で大きな強みとなりますが、同時に他人の感情に影響されすぎてしまう可能性もあるため、適度な距離感を保つことが大切です。
気づきすぎて疲れちゃうときあります💦
HSPの人が恋愛をするときのポイントについては、下記の記事をご覧ください。
HSPを治すことはできる?
HSPは、完全に治すのは難しいです。なので、HSPを「病気」ではなく「気質」であると考えましょう。
HSPは生まれつきの特性なので、完全になくしたり、薬で治療したりすることはできません。ですが、繊細な感受性を持っているからこそ、芸術や音楽を深く理解したり、他人の気持ちを察したりできるのです。
HSPの特性に悩んでいる人は、カウンセリングを受けるのも有効です。日常生活での対処法を学べたり、ストレス管理の方法を身につけたりできます。
HSPを病院で治療する方法について気になる人は、以下の記事もご覧ください。
HSPがうまく生きるコツ
HSPがうまく生きるためのコツには、以下の3つがあります。
自分の特性を理解し、うまく付き合っていけば、より快適な生活を送れます。それぞれのコツを見ていきましょう。
HSPであることを楽しむ
うまく生きるためには、HSPであることを楽しんでください。HSPの特性は、豊かな感受性を持つ長所として捉えられます。[1]
HSPの人は、芸術や音楽を深く理解したり、他人の気持ちを察したりできます。たとえば、美しい風景や芸術作品に深く感動したり、友人の微妙な気持ちの変化に気づけたりするでしょう。
これらの経験を大切にし、自分の感受性を肯定的に捉えて、HSPを楽しみましょう。
良いところたくさんあります♪
刺激を受けすぎないようにする
HSPの人は外部からの刺激に敏感なため、刺激を受けすぎないようにしましょう。
過度な刺激は、HSPの人にストレスや疲労をもたらします。そのため、自分にとって心地よい環境を整えることが大切です。
外からの刺激のうち80%は、視覚から入ると言われています。[1]疲れたときは、スマホやパソコンを見るのを控えてみましょう。また、十分な睡眠や休息を取るのも、刺激を受けすぎないためのコツです。
友人と遊びに行った次の日に疲れて何もできなかったら、限界サインかもしれません。自分の限界を知って、適度に休憩を設ければ、より快適に過ごせるようになります。
他人との境界線をはっきり引く
HSPの人は、自分と他人との間に境界線を引くことが重要です。他人の感情を敏感に感じ取って、影響されてしまうからです。
「NO」と言うべきときにはきちんと断ったり、自分の時間を優先したりしましょう。また、他人の感情に共感しつつも、マイナスの感情に飲み込まれないよう意識してください。
適切な境界線を引けば、より良好な人間関係を築き、自分自身を保てます。
まとめ
HSPには、慎重に行動したり、他人に共感したりする特徴があります。自分がHSPにあてはまるか気になる人は、HSPのセルフチェックを参考に、敏感度を把握してみてください。
HSPの人がうまく生きるためには、HSPの能力を楽しんで、外からの刺激を受けすぎないようにしましょう。
おおかみこころのクリニックでは、カウンセリングを実施しています。経験豊富なカウンセラーがおりますので、悩みがある人はお気軽に相談に来てくださいね。
【参考文献】
[1]【HSPチェックリスト付き】鈍感な世界に生きる 敏感な人たち,イルセ・サン,ディスカヴァー・トゥエンティワン
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