オンライン心療内科のデメリットは?注意点を知って心の不調を改善しよう







「心療内科はオンライン診療で受けられる?」
「オンライン心療内科ってどんなデメリットがあるの?」

心に不調を抱えたときに受診を考える心療内科。

オンライン診療が身近になってきた昨今、オンライン心療内科も便利な選択肢として注目されています。

一方で「オンライン心療内科ってきちんと診てもらえるのだろうか」という不安を感じる方もいるでしょう。

心の不調をそのままにしておくと、つらい症状が長引いたり悪化してしまうことがあります。そのため、自分に合った方法で早めに受診することが大切です。

この記事では、オンライン心療内科を受ける前に知っておきたポイントデメリットを軽減するための方法をお伝えします。

オンライン心療内科のデメリット

オンライン診療内科には、次のようなデメリットがあります。

ひとつずつ詳しくみていきましょう。

診断が難しいことがある

心療内科を受診する患者さんの精神的な不調は、さまざまな形で現れます。

そのため、患者さんの些細な変化を見落とさないことが心療内科では重要です。

オンライン心療内科では患者さんの表情や声のトーン、身体的な様子を直接確認できません。そのため対面の診察と比べて会話以外の情報が把握しにくく、患者さんの感情を読み取ることが難しいケースがあります。[1]

オンラインで病状の判断が難しいと医師が判断したときには、対面の診察を勧められることもあるのです。

精神的サポートが不足することがある

オンライン心療では、医師からのサポートが十分に感じられないことがあります。

たとえば不安や悲しみを抱える患者さんに対して、対面診療では落ち着く言葉をかけたり表情や態度で寄り添ったりすることが可能です。

一方オンライン診療では画面越しのやりとりになるため、こうした寄り添い方が難しいことがあります。

十分なサポートが届かないと心のケアが不十分になり、精神的な不調が悪化したり長期化したりする恐れもあるでしょう。

薬の処方に制限がある

オンライン診療では、初診の患者さんには処方できない薬があります。

たとえば、心療内科で処方する可能性がある向精神病薬です。[2]

オンライン診療では、なりすましや詐病(さびょう※)を見抜くことが対面よりも難しいとされています。そのため、抗精神病薬が不正に取得されたり転売されたりするリスクを防ぐ目的で処方に制限が設けられているのです。

オンライン心療内科の初診で抗精神病薬の処方が必要と判断されたときには、対面の診察が求められるケースがあることを知っておきましょう。

※詐病(さびょう):意図的に病気のふりをすること

ネット環境やスマホ・PCのトラブルが起こる可能性がある

オンライン診療では、インターネット接続が欠かせません。

そのため、通信環境の不具合やスマホ・PCのトラブルによって診療が中断するリスクがあります。

診療中に接続が途切れると医師と患者さんのコミュニケーションが遮られ、正確な診断が難しくなることも。

診療が思うように進まない状況は、心の不調を抱える患者さんにとってストレスの増加につながる可能性もあります。

プライバシーを守るための配慮が必要となる

オンライン心療内科を検討している方のなかには「心療内科に通院していることを知られたくない」という方もいるでしょう。

オンライン診療は自分の好きな場所で受けられる利便性がある一方で、プライバシーの確保については患者さん自身で注意が必要です。

たとえば自宅での診察は他の家族や同居人がいると、プライバシーが守られにくい状況になる可能性があります。

心の不調を抱える患者さんのなかには、家族の目を気にして本音を話しづらくなる方がいるかもしれません。

オンライン心療内科のデメリットを軽減するための対策

オンライン心療内科を安心して利用するための対策は次の通りです。

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

定期的に対面診療を受ける

心療内科では言葉や表情、行動などを総合的に判断して患者さんを診察します。

オンライン診療のみでは医師との十分な意思疎通が図れない可能性があるため、定期的に対面の診察を受けると安心です。

オンライン診療をメインにしつつ定期的に対面診療も受けることで、医師の的確な診断や細やかな精神的サポートを受けることができます。

診察前にネット環境のチェックをする

診察中に医師との会話が途切れないよう、診察場所のネット環境が安定しているか事前に確認しましょう。

また使用するスマートフォンやパソコン、タブレットが正常に動作するかどうかも診察前に点検しておくと安心です。

こころちゃん
こころちゃん

バッテリーの残量も確認しておくと安心ですよ。

プライバシーが守られる場所で診察を受ける

オンライン心療内科の診察を受ける前に、診察を受ける環境をととのえておくことが大切です。

たとえば家族と同居している方で診察の内容を知られたくないときには、以下のような対策をとるとよいでしょう。

・ひとりになれる部屋を確保する
・家族がいる時間帯を避ける
・家族に診察の時間を伝えて、入室しないでほしいことを伝える など

仕事や授業の合間に診察を受けたいケースでも、周囲の協力を得てプライバシーを確保しましょう。

オンライン心療内科のメリット

オンライン心療内科には、オンラインならではのメリットもあります。

待ち時間は自由に過ごせる

オンライン診療では、待ち時間を自分のペースで過ごすことができます。[3] 

自宅でリラックスしたり他の用事を済ませたりすることができるため、時間を有効活用できます。

病院の待合室に座って何時間も待つ必要がないため、心身の負担が少ないといえるでしょう。

好きな場所で診察を受けられる

オンライン心療内科は、自宅や職場など自分の好きな場所で診察を受けられることがメリットのひとつ。

近隣に自分に合った心療内科がないという方も、診察を受けることができます。

「心の不調を抱えて外出が不安な方」「子育てや仕事で通院が難しい人」などにとって、心療内科受診のハードルが下がるポイントになるでしょう。

他人との接触が少ない

心の不調を抱えているときは「人と関わるのが怖い」「人に会いたくない」と思うこともありますよね。

オンライン心療内科は、通院する必要がないため他の患者さんに会うことなく受診できます。

基本的には医師と1対1での画面越しの会話となるため、医療スタッフとの接触も最低限

他人と接触を控えたい方にとっては大きなメリットです。

オンライン心療内科に適さないケースとは

心療内科に通院しにくい方にとって便利なオンライン心療内科。

ただし、オンライン心療内科の受診には適さないケースがあります。 

・抑うつ・不安・パニック発作などの症状が初めて生じた方
・薬物を過剰内服した方
・命に関わる強い精神症状のある方

上記のように強い症状が出ている方や早急な対応が必要と考えられる方は、オンライン心療内科ではなく対面の診察で適切な治療を受けることが大切です。 

まとめ

心の不調を感じながらも、さまざまな理由で心療内科の受診ができていない方は多くいます。

オンライン心療内科にはデメリットもありますが、事前に対策をとったうえで利用すれば便利な受診方法です。

オンライン心療内科のデメリットを不安に思う方は、今回ご紹介した対策を意識するとよいでしょう。

おおかみこころのクリニックでは、オンライン心療内科の相談や診察を受けることが可能です。夜間や休日も対応していますので、心の不調をひとりで悩まず、早めに相談してみてください。

参考文献・参考サイト

[1]日本精神科病院協会「オンライン診療に対する日本精神科病院協会の見解」
https://www.nisseikyo.or.jp/news/topic/detail.php?@DB_ID@=554

[2]厚生労働省「『オンライン診療の適切な実施に関する指針』」の見直しのポイントについて
https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000859371.pdf

[3]厚生労働省「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38226.html

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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