恋愛依存症をセルフ診断しよう|原因やなりやすい人の特徴を解説










「嫌われるのが怖くてムリをしてしまう…」

「恋人のことで頭がいっぱいで、仕事や友人との時間もどこか上の空になりがち」

恋愛にこころをかき乱されて苦しくなっていたら、恋愛依存症の可能性があります。

恋愛依存症とは、ひとりでいることや見捨てられることへの恐怖から、恋人に過度に依存してしまうこころの状態です。

この記事では、恋愛依存症の特徴原因チェックリスト治し方などを解説します。

あなたがあなたらしく、恋人と対等で健やかな関係を築くきっかけとなれば幸いです。

恋愛依存症とは

恋愛依存症とは、ひとりでいることや見捨てられることを恐れ、恋人に執着する状態です。[1]

その結果、関係をつなぎとめようと恋人に尽くしすぎたり、逆にコントロールしようとしたりして、こころの健康や日常生活に支障をきたすことがあります。

「好きだから」という理由で本人や周囲が問題に気づきにくいことも、恋愛依存症の特徴です。

純粋な愛情から尽くすことの違いは「恋人を喜ばせたい」という気持ちがあるかどうかです。

恋愛依存症は「自分が安心したい」「嫌われたくない」という不安から、尽くしすぎる傾向があります。

恋愛依存症に早く気づくことは、あなたのこころの安定や恋人との健全な関係を築くために大切です。

こころちゃん
こころちゃん

「尽くしすぎかな?」と思ったら、ちょっと立ち止まって考えてみてください。

恋愛依存症の原因

恋愛依存症には、次の3つの心理的な背景が関係します

  • 自己肯定感が低い
  • 孤独や不安を抱えている
  • 親と依存的な関係になっている

自己肯定感が低いと「自分を好きになってくれる人なんて他にいない」と思い込み、恋人と離れるのが恐いと考えてしまいます。

また、学校や職場などで居場所がないと感じていると、孤独や不安を埋めようとして恋愛に強く依存する傾向があるのです。

さらに、親との関係が依存的であると「わかってほしい」「そばにいてほしい」という気持ちが恋愛関係でも抱きやすく、恋人に過度な期待を抱きやすくなる傾向があります。[2]

以下の記事では、自己肯定感が低い原因や高める方法を解説しているので、参考にしてください。

恋愛依存症になりやすい人の特徴

恋愛依存症は誰にでも起こりうるものですが、共通した特徴を持つとより依存になりやすいです。

以下の3つの特徴は、恋愛依存症になりやすい人に多くみられます。

それぞれの特徴を次で詳しく解説します。あてはまる部分がないかチェックしましょう。

孤独を怖いと感じる

恋愛依存症になりやすい人は、孤独を怖いと感じる傾向があります。[1]そのため、孤独への不安を恋人で埋めようとして、強く依存してしまうのです。

たとえば、連絡がこないだけで不安になったり「別れたらひとりになってしまう」と感じてムリに関係を続けようとします。

孤独を過度に恐れる気持ちは、恋愛への依存を強めてしまう要因のひとつです。ひとりでも安心して過ごせるこころの土台を育てることが、恋愛依存症から抜け出す第一歩となるでしょう。

無条件に愛されたい欲求がある

無条件に愛されたいという欲求を抱えていると、恋愛依存症に陥りやすくなります。[1]

無条件に愛されたいという気持ちの根底には、見捨てられることへの強い不安や、人間関係に対する自信のなさがあると考えられます。

不安や自信のなさから恋人に過度に依存したり、顔色をうかがい尽くしすぎたりする行動につながるのです。

たとえば、「自分を好きになってくれる人はめったにいない」という思い込みがあると、恋愛関係において「このチャンスを逃してはいけない」と考えてしまいます。その結果、恋人からの無条件の愛を求めて執着する傾向が強まるのです。

「愛されていないと自分に価値がない」と感じるときは、愛情ではなく依存かもしれません。

強い愛情欲求や期待は、健全な関係を依存関係に変えてしまう可能性があります。

こころちゃん
こころちゃん

好きだから不安になることもありますよね💦

友人や仕事よりも恋人を優先する

恋愛依存症の人は恋人との関係を最優先し、友人関係や仕事など他のことを後回しにすることがあります。[1]

恋人を優先する背景には、見捨てられることへの強い不安や、常に愛情を確認したい気持ちがあります。

そのため、恋人との時間を確保することや気を引くことにエネルギーを注ぎ、結果として他の活動がおろそかになるのです。

友人や仕事よりも恋人を優先するときには、次のような行動がみられます。

  • 恋人との時間を優先するために仕事を休む
  • 恋人の誘いがあると友人との約束を簡単にキャンセルする
  • 意見の違いがあっても気持ちを押し殺して恋人に合わせる

恋人を優先するあまり、心身のバランスや周囲との関係に支障をきたしていたら、恋愛依存のサインと考えましょう。

恋愛依存症の診断チェックリスト

恋愛依存症かどうかを確認できるチェックリストを以下に作成しました。[1][3]

恋愛スタイルを見つめ直し、恋人と健全な関係性を築く第一歩として参考にしてください。

当てはまる項目が多いほど、恋愛依存症の傾向があると考えられます。

▢ 恋人に無条件で愛情を与え続けてしまう

▢ 恋人にすべてを受け入れてもらえないと不安になる

▢ 見返りを求めず常に恋人からの愛情を欲してしまう

▢ 楽しみや喜び安心感のほとんどを恋人に頼っている

▢ 恋人の行動や持ち物を把握していないと落ち着かない

▢ 恋人に見捨てられ、ひとりになることが怖いと感じる

▢ 体調が悪くても恋人に呼ばれたらムリをしてでも会いに行く

▢ 関係を壊したくなくて自分さえ我慢すればいいと考えてしまう

▢ 恋人には「自分だけのものであってほしい」と強く願ってしまう

▢ 恋人との時間を最優先にし他の予定は後回しにすることががある

▢ 恋人との関係が終わると急に無気力になったり不安定になりやすい

▢ 自己評価が低く「自分を好きになってくれる人はめったにいない」と思っている

恋愛依存症は本人や周囲が自覚しづらいため、恋愛の傾向やこころの状態に気づくことが大切です。

恋愛依存症の治し方

恋愛依存症のおもな治し方は、以下の2つです。

  • 恋愛依存症に気づく
  • 自己肯定感を高める

まずは、あなたが恋愛に依存していることに気づくことが、回復への第一歩です。

恋愛依存症は本人も自覚しづらく周囲からも気づかれにくいため「これは愛情なのか、それとも依存なのか?」とあなたの感情を客観的に見直しましょう。

あなたの気持ちや恋人とのできごとを紙に書き出して整理し、じっくりと向き合うのも方法のひとつです。

また、自己肯定感を高めることも恋愛依存症を克服するポイントです。

自分自身を肯定できるようになると他人や恋人からの評価に頼らずに、あなたの軸を持てるようになります。[4]

以下の記事では、恋愛依存症の治し方についてまとめていますので参考にしてください。

まとめ

この記事では、恋愛依存症の特徴やセルフ診断・なりやすい人の特徴・治し方について解説しました。

恋愛依存症は、自己肯定感の低さや孤独への不安から恋人に過度に依存してしまう状態を指します。

恋愛による不安や苦しさを抱えていたら、ひとりで抱え込まずにカウンセラーに相談することも検討しましょう。

おおかみこころのクリニックは、些細なことでも気軽に相談できる場所を目指して日々診療しています。

オンライン診療も受け付けていますので、恋愛依存や不安があると感じたときはお気軽にご相談ください。

おおかみこころのクリニック

【参考文献】
[1]愛着スタイルと境界性パーソナリティが恋愛依存に与える影響|公益社団法人 日本心理学会
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/77/0/77_3AM-060/_pdf/-char/ja

[2]恋人への依存性と親子関係との関連性|J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/71/10/71_673/_article/-char/ja

[3]青年に対する恋愛依存傾向尺度の再構成と信頼性・妥当性の検討 | 久留米大学
https://irdb.nii.ac.jp/01236/0002929142

[4]自己肯定感研究の概観|法政大学大学院
https://hosei.ecats-library.jp/da/repository/00031206/grad_94_p91.pdf

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




関連記事一覧

予約方法