SNS依存とは|依存度チェックと今日からできる対策を紹介










「ふと気づくとSNSばかり見ている」

「通知が来るとすぐにチェックしてしまう…」

このような経験はありませんか。

それはSNS依存のサインかもしれません。

SNSはわたしたちの生活に欠かせないツールですが、使い方を間違えると自己肯定感の低下やうつ症状、睡眠障害などの問題を抱えてしまうこともあります。

この記事では、あなたのSNS依存度をチェックし、原因心身の変化SNSと健全に付き合っていくための具体的な方法を解説します。

SNSとの心地よい付き合い方を見つけ、より充実した日常にしていきましょう。

SNS依存とは

SNS依存とは、SNSを頻繁に利用して日常生活に支障が出ている状態です。

具体的に「〇時間SNSを見ていたら依存症です」のような明確な定義はありません。

SNS依存になると、利用時間を自分でコントロールできない状態になり、やるべきことがあってもSNSの閲覧を長時間続けてしまいます。

ギャンブルやアルコール依存症と同じように、利用を妨げられると不安になったり、現実から逃避するためにSNSを利用したりすることもあります。[1]

あなたがSNS依存かどうか、SNS依存尺度でチェックしてみましょう。[2]

以下のSNS依存チェック8項目のうち、5項目以上該当するものを依存者と定義しています。

【SNS依存チェック項目】

▢ もともと予定していたより長時間SNSを利用してしまう

▢ SNSを利用していない時も、SNSのことを考えてしまう

▢ SNSを利用していないと、落ち着かなくなったり、憂うつになったり、落ち込んだり、いらいらしたりする

▢ SNSの利用時間を減らそうとしても、失敗してしまう

▢ ますます長時間SNSを利用しないと満足できなくなっている

▢ 落ち込んだり不安やストレスを感じたとき、逃避や気晴らしにSNSを利用している

▢ SNSの利用が原因で家族や友人との関係が悪化している

▢ SNSを利用している時間や熱中している度合いについて、ごまかしたりウソをついたことがある

引用文献:SNS依存とSNS利用実態とその影響

当てはまる項目が多いときは、ムリをせずあなたのペースで、SNSと距離を置くための対策を始めていきましょう。

「SNSをやめたい…」と思ったら、下記の記事をご覧ください。

SNS依存症の3つの特徴

SNS依存には、以下のような3つの特徴があります。

当てはまる行動がないか確認してみましょう。

スマホが使えないときに不安になる

SNS依存の人は、スマホが利用できない状況下で強い不安や焦りを感じてしまいます。

仕事中や友人と会っているとき、電波が届かない場所にいるときにSNSの通知がないか気になって落ち着かないことはありませんか。

電池切れや圏外になったときに、世界から切り離されたような感覚になり、手が震えたり冷や汗をかいたりする人もいます。

休みの日は、目覚めた瞬間から寝るまで、数分おきにスマホを開いてしまうのもSNS依存の特徴です。

SNSの時間をコントロールできない

SNS依存の人は、家族や友人との会話中や会議中でもSNSが気になって集中できず、睡眠時間の減少や仕事・学業への集中力低下が起こります。

「あと5分だけ」と思いながらも長時間やめられず、重要なタスクを後回しにしてしまい、生活に支障が出るでしょう。

さらに、深夜までSNSを見続けることで睡眠不足になり、翌日の体調不良や判断力低下を招くこともあります。

自分でも問題だと認識していても、SNS依存者は行動をコントロールできない点が特徴です。

こころちゃん
こころちゃん

気づいたら2時間経っていた…なんてありませんか?

自分の投稿へのコメントや反応が過度に気になる

SNS依存になると、自分の投稿への評価が気になり落ち着かない状態になります。

投稿後すぐに「いいね」の数やコメントをチェックし、反応が少ないと落ち込んだり、自信が持てなくなったりします。

より多くの反応をもらうために、本来の自分とは異なる内容を投稿してしまうこともあるでしょう。

また、批判的なコメントに対しては過敏に反応し、一日中コメント内容が頭から離れなくなるケースも見られます。

SNS依存になる原因

SNS依存になる原因として、SNSの構造自体が依存しやすい仕組みになっている点が挙げられます。

具体的には、次のような仕組みが依存しやすい原因です。

SNSの仕組みを理解し、依存しない程度に楽しく利用するように心がけましょう。

自己表現できる

SNSは気軽に自己表現できる場として最適であり、リアルな環境で自分を表現する機会が少ないと依存しやすいでしょう。

リアルな環境では周囲の目を気にして言えないことも、SNS上では匿名性や距離感を活かして表現できます。

とくに会社の上司への愚痴や家族への不満など「直接本人に言うのは怖いけれど共感が欲しい」という場合に気持ちを発散しやすい場です。

文章だけでなく、写真や動画を使って自分らしさをアピールし、個性を発揮できる点も魅力のひとつです。

また、よく見える部分だけを切り取って発信できるため、着飾って自己表現できる点もSNSに依存しやすい一因と言えます。

承認欲求を満たしてくれる

SNS上では「いいね」やコメント、シェアなどの反応により称賛や共感が得られ、承認欲求が得られるため依存しやすくなります。

リアルな人間関係とは異なり、趣味や興味が似ている人が集まる場であるため、反応が得られやすい点も魅力です。

たとえば、イラストを描くことが得意な人は、自分で描いたイラストを載せて投稿すると、仲間から評価がもらえ承認欲求が満たされます。

とくに自己肯定感が低かったり、日常生活で同じような趣味の人がおらず評価される機会が少なかったりすると、SNSでの反応に強く依存する傾向があります。

承認欲求については下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

流行の話題や情報が手に入る

SNSは最新の情報やトレンドにあふれており、常に新しい情報を求めたいという思いから、SNSに依存してしまいます。

ニュース・芸能情報・友人の近況など、多様な情報が次々と更新されるため、「見逃したくない」という気持ちになるでしょう。

SNSを見ないと「みんなの輪に入れない」「社会から疎外されてしまう」という不安から、SNS依存へとつながっていきます。

学校や社会での話題の多くがSNS発信の情報で、話題についていけなくなることへの不安感も、SNSを手放せない理由のひとつなのです。

こころちゃん
こころちゃん

SNSを上手く使い分けれるとよいですね!

SNS依存による心身の変化

SNS依存になると、身体こころにも変化があらわれます。

体調を崩さないように気を付けて、SNSと上手く付き合いましょう。

SNS依存による身体面の変化

SNSに依存すると、スマホの利用時間が長くなり、以下のような症状が出てきます。[4]

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 視力低下
  • 睡眠不足
  • 運動不足

長時間同じ姿勢でスマホを眺めていると首や肩に負担がかかり、頭痛が生じることもあります。

画面を見続けることで起こる目の疲れやドライアイ、視力低下も気がかりです。

SNSを見る時間が増えることに伴い、寝る時間や運動する時間が減り、睡眠不足や運動不足にもなりやすいため注意してください。

スマホのおやすみモードを使って睡眠時間を確保したり、ストレッチする時間を作ったりして睡眠や運動の時間を確保しましょう。

SNS依存による精神面の変化

SNSに依存すると、以下のような精神面の変化があらわれます。

  • 不安
  • うつ症状
  • 自己肯定感の低下

自分なりに上手く撮れたと思った写真や、よい作品・文章を投稿したときに、思うような反応が得られないと、自己肯定感が低下してしまうのです。

また、他人の華やかな生活や成功体験の投稿を見て、自分の生活と比較して落ち込んでしまうこともあるでしょう。

ほかにも、一度たくさんの好評価が得られると、今後も認めてもらえるような投稿をしなくてはとプレッシャーを感じることもあります。

スマホ使用時間増大によって、睡眠時間が不足したり眠りが浅くなったりすると、抑うつ症状を引き起こしやすくなるので注意が必要です。[3]

少しでも精神的に不安や抑うつ感があるときは、周りの人に相談したり、心療内科や精神科を受診したりするようにしましょう。

おおかみこころのクリニックは、「なんだか分からないけど、最近元気がでないな…」のような相談もお受けしています。まずは、お気軽にお問い合わせください。

おおかみこころのクリニック

SNS依存にならないための対策

SNS依存にならないために、次の対策をとりましょう。

自覚症状のあるときは早めに対策をとり、心身の健康を保つようにしてください。

アプリの位置や種類を整理する

スマホのアプリの位置や種類を整理して、アプリを開く回数を減らしましょう。

SNSアプリがホーム画面の目立つところにあると、つい無意識に開いてしまいます。

まずは、アプリを目立たない位置に移動したり、ホーム画面から削除したりしてください。

複数のSNSアプリを利用している場合は、使用頻度の低いものは削除し、利用するSNSの種類を減らすのもひとつの手段です。

こころちゃん
こころちゃん

見えないと触る機会が減りますね!

人と会う時間や外出する時間を増やす

SNS依存にならないためには、人と会う時間や外出する機会を増やすのがひとつの方法です。

自宅でゆっくりしていると、ふとした瞬間にSNSを開いてしまいます。

友人と外食に出かけて直接話したり、映画鑑賞やスポーツ観戦などに出かけたりしてください。

新たな趣味や活動に挑戦することで、SNS以外の楽しみを見つけ、人生をより豊かなものにしていきましょう

スクリーンタイムを活用して時間を制限する

SNS依存にならないための3つ目の方法は、スクリーンタイムを活用して利用時間を制限することです。

スクリーンタイムはアプリの利用時間の上限を設定したり、利用時間を確認したりできます。

まずは自分がどれくらい、SNSに時間を充てているのか知ることから始めてみてください。

夜間の利用制限を設けることで、睡眠時間が確保できます。

​​たとえば、夜21時以降は通知が来ないように設定したり、SNSアプリの利用を制限することも可能です。

SNSと上手く付き合い、心身ともに健康な毎日にしよう

SNS依存は、SNSのことが頭から離れず、日常生活に支障をきたしたりこころや身体に症状があらわれる状態です。

SNSは自己表現する場として最適であり、上手く付き合えば楽しめるサービスです。

依存しないように、以下のような対策をとりましょう。

  • スマホアプリの整理
  • スクリーンタイムの活用
  • 人と会う時間や外出を増やす

適度な距離感をもって、SNSと上手く付き合い、身体もこころも健やかに楽しく過ごしてください。

気になる症状があるときは、ひとりで抱え込まず早めに精神科や心療内科を受診しましょう。

おおかみこころのクリニックでは、いつでもどこからでも受診できるようオンライン診療も実施しています。

どんな些細なことでも大丈夫ですので、お気軽にお問い合わせください。

おおかみこころのクリニック

【参考文献】
[1]ネット依存の現状と課題―SNS依存を中心として|橋元 良明
https://www.jstage.jst.go.jp/article/stresskagakukenkyu/33/0/33_2018005/_pdf/-char/ja

[2]SNS 依存と SNS 利用実態とその影響|河井 大介 、天野 美穂子、小笠原 盛浩 、橋元 良明 、小室 広佐子、大野 志郎、堀川 裕介
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasi/26/0/26_0_265/_pdf

[3]睡眠がメンタルヘルスに与える影響に関する研究動向と今後の展望 
2019-23-30.pdf

[4井上病院附属診療所
http://inouefuzokucl.aijinkai.or.jp/image/koramu29.8.pdf

この記事の執筆者
すみこ
作業療法士歴13年の経験を活かし、医療記事を中心に活動するWebライター。 読者の皆様のこころと身体の健康をサポートし、前向きな気持ちになれる文章を心がけています。


執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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