恋愛依存症の治し方に悩む女性へ|つらい恋から抜け出す方法










恋愛をしていると、相手に夢中になることは珍しいことではありません。

ただし、「恋人がいないと耐えられない」「恋人の言動が気になってつらい」と感じるときは、恋愛依存症の可能性があります。

恋愛依存症を放置すると苦しい気持ちが続くだけでなく、気づかないうちにあなた自身を大切にできない恋愛を繰り返してしまうでしょう。

恋愛依存症は、治し方を知り正しいステップを踏めば克服することができます。

この記事では、恋愛依存症にみられるおもなパターンや、自立した恋愛関係を築くための具体的な対処法を紹介します。

「あなたらしさ」を取り戻し、恋愛による悩みや不安を解消するきっかけとなれば幸いです。

恋愛依存症の女性にみられる4つのパターン

恋愛依存症の女性にみられる特徴には個人差があります。

以下に、恋愛依存症の4つのパターンをまとめました。[1]

タイプ特徴
依存欲求恋人の存在が「こころの支え」となっている。
恋人に対して過剰に期待したり、言動に過敏になりやすい。
依存拒否親密な関係になっても「依存してはいけない」と自分を律する傾向がある。
過去の経験から恋人を頼ることに不安を感じ、距離を取りがちになる。
適応的依存様式恋人の存在により安心感が得られる。
恋人とほどよい距離感と支え合いの関係を築けている。
不適応的依存様式自信のなさや不安が強く、恋人に見捨てられることを極端に恐れている。
恋人の顔色を過度にうかがってしまう。

たとえば、恋人に強く依存する「依存欲求」のパターンは、恋人がこころの中心となり、友人関係が疎かになる傾向があるとされています。[2]

そのような状態では、恋人との関係が崩れたときに精神的にダメージを受けやすくなるのです。

恋愛依存のパターンは、生まれ持った気質だけでなく「育ってきた環境で十分に甘えられなかった」「過去の恋愛で深く傷ついた経験がある」といった、あなたのせいではない経験が関係していることもあります。

とくに、自信が持てない「自己肯定感の低さ」が、恋愛依存の共通の原因と考えられます。次の見出しでは、自己肯定感を高め恋愛に依存しないための方法を見ていきましょう。

恋愛依存症かどうかをチェックするには、下記の記事をご覧ください。

恋愛依存症の治し方7選

恋愛依存症から抜け出すには、こころのあり方や日々の行動を少しずつととのえることが大切です。

以下の7つの治し方を参考にしてください。

それぞれ詳しく解説します。

感情を言葉にする

恋愛依存症を治すためには、あなたの感情を言葉にしましょう。

つらい感情を抱え込んでいると視野が狭くなり、どうすればいいか分からなくなってしまいがちです。

言葉にするとあなたの感情を客観的に見つめられ、冷静になることができます

たとえば、「さみしい」「イライラする」などの感情を紙に書き出したり、信頼できる人に話したりすると、気持ちが落ち着くのを感じられます。

感情に気づいて言葉にすることは、恋愛依存症から抜け出すための一歩です。

こころちゃん
こころちゃん

「ありがとう」と言うと、こころが元気になります♪

自分を大切にする

恋人中心の考えから離れ、あなたが「どう感じるか」「どうしたいか」を大事にする視点を持ちましょう。

恋愛に依存していると恋人を優先しすぎてしまい、あなたの気持ちや欲求を無視するのが当たり前になります。

たとえば、次のような行動をしていないか振り返ってみてください。

  • ムリして恋人のスケジュールに合わせる
  • 嫌なことや悲しいことがあっても感情に出さない
  • 見たい映画があるのに恋人が興味ないからと我慢する

こうした行動は、あなた自身を傷つけることになります。

まずは「今日は自分の好きなごはんを選ぶ」「急な誘いは断る」など、日常生活の中であなたの気持ちを大事にする練習をしましょう。

ひとり時間を楽しむ

ひとりの時間を心地よく過ごせるようになると、恋愛依存から抜け出せるようになります。

誰かといることで満たされていたこころを、あなた自身が満たすのです。

そうすると、ひとりの時間を過ごすとしても幸福度を高められるでしょう。[3]

たとえばカフェで読書をしたり自然の中を散歩したり、あなただけの時間を満喫してください。

「ひとりでも大丈夫」と感じられることが、自立した恋愛へのステップになります。

小さな成功を重ねる

恋愛以外の場面で「できた」を少しずつ積み重ねることは、恋愛依存症から抜け出す方法のひとつです。

恋愛中心の生活になっていると、自分の価値を恋人の反応で判断してしまいます。

そのため、あなた自身で自分を認められるようになりましょう

たとえば、「今日は朝ごはんを作れた」「カフェでのんびりした」など、どんなに小さなことでも、自分を認める体験はあなたの成功になります。

自信がついてくると、恋人に依存しすぎずに恋愛を楽しめるようになるでしょう。

こころちゃん
こころちゃん

小さな「できた」を積み重ねましょう!

こころの支えを増やす

恋愛に依存しないように、恋人以外にもこころの支えを増やしましょう。

恋愛以外にも、こころのより処があると安心感が増します。

支えがひとつだけでは、失ったときに不安や孤独が大きくなってしまうからです。

たとえば、趣味を楽しんだり友人や家族と過ごす時間を意識的に増やしたりすると「恋愛がすべて」という状態から抜け出せるようになります。

恋愛以外の世界にも、あなたのこころを支え豊かにしてくれる場所はたくさんあります。こころの支えを増やし、恋愛依存症を克服しましょう。

前向きな思考を意識する

恋愛依存症から抜け出すために、前向きな思考を意識しましょう。

恋愛依存症の状態では「ひとりになるのが怖い」といった考えにとらわれやすくなるからです。

ポジティブな思考を心がけることで、否定的な考えから抜け出しやすくなります

たとえば、恋人の返信が遅いときに「嫌われたのかもしれない」と考えるかもしれません。そんなときは「ただ仕事が忙しいだけかも」「今はスマホを見ていない時間なだけかもしれない」と捉えるようにしましょう。

前向きな思考は、自分を責めすぎずに物事を客観的に判断できる力となります。

医師やカウンセラーに相談する

恋愛依存症から抜け出すためには、医師やカウンセラーなどの専門家に相談しましょう。

恋愛に依存している理由には過去の経験やこころの傷が関係していることもあり、自力での回復が難しいケースもあるからです。

専門家に相談することで、ひとりでは気づけない視点に気づきやすくなります。

恋愛の悩みを医師やカウンセラーに相談することに抵抗を感じるかもしれません。

しかし相談することで、あなたの感情や行動パターンを整理できるきっかけになります。

「ひとりでは限界かもしれない」と感じたら、医師やカウンセラーといった専門家に相談してください。

恋愛依存症と関連性のある病気

恋愛依存症には、以下の3つの病気と関わりがあります。

  • うつ病
  • 不安障害
  • 境界性パーソナリティ障害

恋愛依存症では、悲観的になったりイライラしやすくなったり、うつ病に似た症状がみられます。とくに失恋をすると自信がなくなったり孤独を感じやすくなったりと、うつ病のきっかけとなるケースもあるのです。

失恋が原因でうつ病になりやすい人の特徴を詳しく知りたいときは、下記の記事もご覧ください。

また、「見捨てられるのでは」と不安になり恋人の行動を過剰にチェックしてしまうのは、不安障害の症状と共通しています。

とくに、相手に執着して束縛することは、強迫性障害の強迫行為(特定の行為をしないと落ち着かない)とも似ているところがあるのです。[4]

さらに、感情のコントロールが難しく、見捨てられる不安が極端に強い境界性パーソナリティ障害も、衝動的な行動が恋愛依存と結びつきやすい状態といえるでしょう。[5]

まとめ

恋愛依存症を克服するためには、まずあなたのこころの状態を理解することが大切です。

感情を言葉にしてあなた自身を大切にしながら、こころの支えを作ってみましょう。

ひとりの時間を楽しみ、小さな成功体験を重ねることで自己肯定感も高まります。

また、恋愛依存症に悩み、紹介した治し方に取り組んでもうまくいかないときは医師やカウンセラーに相談することも大切です。自分自身と向き合いながら、今より過ごしやすい人生を歩んでいきましょう。

おおかみこころのクリニック

【参考文献】
[1]恋人への依存性と親子関係との関連性|岡田みゆきほか 日本家政学会資ol.71 No.10 p.673-679(2020)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/71/10/71_673/_pdf

[2]青年期後期の恋人への依存性に関する研究:恋人との関係評価及び依存対象との関連から 田中純
https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/18426/p139.pdf

[3]中年女性における「ひとりの時間」の意味 増渕裕子ほか

[4]不安障害|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html

[5]境界性パーソナリティ障害(BPD) – 境界性パーソナリティ障害(BPD) – MSDマニュアル プロフェッショナル版

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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