「rTMS療法は本当に効果があるの?」
「わたしにも効くの?」
そのような不安から、興味があっても一歩を踏み出せない方は少なくありません。
rTMS療法は、薬が効きにくいうつ病や強迫性障害に対して効果が報告されている新しい治療法です。
身体への負担が少なく副作用も軽度であることから、治療の新しい選択肢として注目されています。
この記事では、rTMS療法の効果が期待できる疾患や治療スケジュールの目安、よくある質問についてわかりやすく解説します。
rTMS療法があなたに合った治療なのかを考えるヒントとしてご活用ください。
この記事の内容
rTMS療法とは|薬とは異なる新しいうつ病治療
rTMS療法(反復経頭蓋磁気刺激)は、磁気の力で脳を刺激し精神的な症状をやわらげる治療法です。
専用の機器を使って脳を刺激する治療で、薬や心理療法とは異なるアプローチとして注目されています。
日本でも2019年にうつ病の治療として保険適用が認められ、医療現場での導入が進んでいます。[1]
rTMS療法は身体への負担が少なく副作用も軽度であり、安全性の高い治療法です。
rTMS療法について詳しく知りたいときは、下記の記事をご覧ください。
rTMS療法は何に効くのか
rTMS療法については現在も研究が進められている段階ですが、とくに効果が報告されているのは以下ふたつの疾患です。
それぞれ解説します。
うつ病
rTMS療法は、抗うつ薬が効きにくい「治療抵抗性うつ病」の症状改善が期待できる治療法です。
一定期間、抗うつ薬を使用しても十分な改善がみられない中等症以上のうつ病に対して、脳の働きを調整し症状の改善を目指します。
厚生労働省により2019年に保険適用が認められており、安全性も評価されています。
実際にrTMS療法を受けた方のうち、うつ病になる前のレベルまで回復した人の割合は15〜25%です。[2]
そのため、薬だけでは治らないと感じたときに、回復の可能性を広げられる治療法と言えるでしょう。
強迫性障害
rTMS療法は、強迫性障害に対しても効果が期待されている治療法です。
2025年8月の時点では強迫性障害に対するrTMS療法は保険適用の対象外となっているため、自由診療として実施している医療機関があります。
実際にrTMS療法を受けた強迫性障害の患者のうち、約39.5%に治療への反応がみられたと報告されています。[3]
rTMS療法は、薬や心理療法だけでは改善が難しいときに、新たな治療の選択肢となるでしょう。
気になるときは主治医に相談し、あなたに適した治療かどうか確認してください。
rTMS療法の効果が期待できる期間
rTMS療法の治療効果を実感するまでには個人差があり、一概に「何回目から効く」と断言はできません。
治療の一般的なスケジュールは、週5日の頻度で4〜6週間ほど継続して行うとされています。[2]
1回の治療時間は約40分とされていますが、おおかみこころのクリニックはrTMSの一種である「iTBS(間欠シータバースト刺激)」という方式を採用しているため、3〜6分での治療が可能です。
「iTBSってなに?」と詳しく知りたいときは、こちらの記事を合わせてご覧ください。
効果や治療の進め方は個人差が大きいため、医師が安全性を確認しながら一人ひとりに合った計画を立てます。
「わたしの場合、どのくらいで効果が出るの?」と気になるときは、医師に相談しておおよその見通しを教えてもらいましょう。
Q1:rTMS療法の効果を実感できないときは?
rTMS療法の効果には個人差があり、改善を実感するケースもあれば実感しにくいケースもあります。
ただ、rTMS療法は副作用が少なく身体への負担が軽い治療法のため、治療の途中でも中止したり他の治療へ切り替えたりすることが可能です。
また、治療を目的とした利用であれば、自由診療であっても医療費控除の対象になる可能性があります。
詳しくは、税務署や医療機関に確認しましょう。
効果や費用への不安があるときは、安心して治療を始められるよう事前に主治医へ相談してください。
Q2:副作用は?痛みはある?
rTMS療法は身体への負担が少ない治療法とされています。
おもな副作用としては軽度の頭痛や頭皮の違和感などが挙げられます。
痛みは自然におさまるケースがほとんどですが、気になるときは市販の痛み止めで軽減させることが可能です。
また、治療中に痛みを感じたときは磁気の出力を調整できるため、あなたのペースに合わせて安全に治療を進められます。
rTMS療法の副作用や安全性について詳しく知りたいときは、こちらの記事をご覧ください。
Q3:rTMS療法の費用は?
rTMS療法は保険が適用になるケースと自費診療になるケースがあります。
費用は治療内容や保険の適用条件によって異なるため「どのくらいかかるのか」「自分は保険が使えるのか」などは、前もって主治医に確認しましょう。
rTMS療法の費用については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
まとめ|rTMS療法は薬の効果が感じられないときの選択肢
rTMS療法は、抗うつ薬の効果を実感しづらいときや副作用に悩んでいるときの希望となる治療法です。
強迫性障害に対しても症状の改善が期待され、一部の医療機関では自由診療で治療が行われています。
治療効果には個人差がありますが、副作用や身体への負担が少ないため、ムリなく試せる治療法です。
あなたが対象になるのか、保険は適用されるのかなどは当院の医師と相談できるため、お気軽におおかみこころのクリニックにお問い合わせください。
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【参考資料】
[1]朴秀賢 反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の臨床と基礎 P95 はじめに
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyushuneurop/68/3_4/68_95/_pdf/-char/ja
[2]日本精神神経学会 反復経頭蓋磁気刺激装置適正使用指針
https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/Guidelines_for_appropriate_use_of_rTMS_202404ver2.pdf
[3]TMS for the Treatment of OCD
https://www.psychiatrictimes.com/view/tms-for-the-treatment-of-ocd