毒親の特徴5選|接し方やチェックリストを使って診断してみよう!










「毎日母親から連絡がきて返信が遅れると責められる」

「親の顔色ばかり気にしてしまい、わたしの人生を生きている気がしない」

親との関係に息苦しさを感じていても、育ててもらった恩や罪悪感から誰にも相談できずに苦しんでいませんか。

親と一緒にいると体調が悪くなったり精神的に不安定になったりするのは、あなたのこころが弱いからではありません。「親が毒親であること」が原因の可能性があります。

この記事では、毒親の特徴チェックリストを紹介します。親との関係を客観的に把握し、良好な関係を築くためのヒントとしてお役立てください。

毒親とは

毒親とは子どものこころの領域に踏み込み、コントロールし続ける親のことです。[1]

毒親は医学的な診断名ではありません。親の支配的な言動によって、成長した後も人間関係の構築が困難になったり自尊心が低下したりするケースがあります。

親は子どもをひとりの人間として尊重せず自分の所有物のように扱うため、子どもは常に「親を怒らせないか」と恐怖心を抱きながら生活することになるのです。[2]

結果として、大人になってからも「自分は愛される価値がない」という感覚に苦しめられてしまいます。

毒親の特徴5選

毒親には、共通してみられるおもな特徴が5つあります。

あなたの親の状況と照らし合わせながら確認しましょう。

毒親に育てられた人の特徴については下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

過干渉になる

毒親の特徴に、過干渉が挙げられます。[3]

進路や人間関係など子どもが決めるべきことにまで口を出し、すべて親が決めようとします。

毒親は子どもの領域に侵入し、常に子どもを支配していないと気が済まないのです。

たとえば、あなたが選んだ服や持ち物に対して「そんな趣味の悪いものやめなさい」と横から口を出し、あなたの好みを否定して親のセンスを押しつけます。

親の過干渉が続くと、子どもは自分で判断する力を失ってしまうのです

否定ばかりする

毒親は、子どもの存在や人格を否定する言葉を日常的に浴びせます。具体的には、下記のような言葉を投げかけるのです。[2]

  • 内面の否定:「がっかりだ」「意地悪だ」など
  • 容姿の否定:「ブサイク」「太っていてみっともない」など
  • 存在の否定:「産まなきゃよかった」「あなたさえいなければ」など

否定の言葉を浴びせ続けられると子どもは「自分には価値がない」と思い込み、自己否定感を抱くようになります

親からの言葉はこころに残り、大人になってからも自信を持てない原因となるのです。

子どもに依存している

子どもへの依存は、毒親の特徴のひとつです。

子どもを自分の所有物だと認識しているため「寂しさを埋めるための人形」のように扱い、精神的に依存する傾向があります。[2]

たとえば、親が不満や愚痴を子どもに聞かせたり、常に一緒に行動することを強要したりします。子どもは親をケアする役割を背負わされるため、精神的に疲れてしまうのです。

母親と娘が親友のような関係になる「一卵性母娘」も、度が過ぎると依存関係に陥りやすい原因となります。[4]

「あなたのため」と言う

毒親は「あなたのため」という言葉を使い、子どもに親の価値観や期待を押しつけることがあります。

「あなたのために」という言葉は、親が自分の支配欲を正当化するための手段に過ぎません。

言葉では子どもの幸せを願っているように見せていますが、実際は「自分の思い通りに動かしたい」という考えが隠されているのです

具体的な行動例として、進路や就職について「1番を取りなさい」と強要したり、結婚相手まで親の好みを強制したりします。[2]

子どもからすれば、自分の意思を無視された支配でしかありません。ただし、親は「あなたのため」と主張するため、子どもは拒否することに罪悪感を覚えてしまうのです。

こころちゃん
こころちゃん

親の都合のいいように伝えるための手段かもしれません

気分の浮き沈みが激しい

毒親には、気分の浮き沈みが激しいという特徴があります。

親の機嫌が悪い原因をすべて子どものせいにして攻撃し、ストレスを発散しようとするためです。

たとえば、さっきまで優しく話していたのに些細なことで態度が急変し「お前のせいでイライラする」と理不尽に怒鳴り散らします。

子どもはいつ爆発するか分からない親の顔色を窺うようになり、家でもこころが休まらなくなってしまうのです。[2]

毒親の特徴チェックリスト

あなたの親が毒親にあてはまるか、下記のチェックリストを使って確認しましょう。[2][3]

  • 親の世話や介護を当然のように期待する
  • 進路や就職先など人生の重要な決定を勝手にくだす
  • 人格や能力、容姿を否定する暴言を日常的に浴びせる
  • 服装や髪型、人間関係など細かいことにまで口を出す
  • 親の価値観や世間体を、子どもの気持ちより優先する
  • ここまで育てた恩を過剰に強調し、罪悪感を抱かせる
  • 子どもを自分の所有物や寂しさを埋める道具扱いする
  • 体調不良や真剣な悩みを相談しても心配してくれない
  • 兄弟姉妹と自分を比較し、明らかに差別的な扱いをする
  • 機嫌の良し悪しが激しく、常に顔色を窺わないと会話ができない

あてはまる項目が多いほど、親が毒親である可能性が高くなります。

親を「毒親」と認めることはつらいかもしれません。

ただし、現状を把握することがあなた自身を守り、自由な人生を取り戻すきっかけとなります

毒親になる原因

親が毒親になってしまう原因には、次の2つがあります。

  • 発達障害やアルコール依存症などの病気を抱えている
  • 幼少期に愛されなかったり、厳しくされたりした経験がある

まず、脳の働きや病気の症状によって、感情をうまくコントロールできないことがあります。
イライラを抑えられなかったりお酒を飲むと人が変わったようになったりして、衝動的に子どもを攻撃してしまうのです。[5]

もうひとつは、親自身も幼少期に愛されなかったり、厳しくされたりした経験があるケースです。
「子どもは厳しく育てるものだ」「親の言うことは絶対だ」と思い込んでいて、間違った接し方をしてしまいます。[5]

毒親との接し方

毒親と接する際は、3つのポイントを意識しましょう。

あなたのこころを守るために、できることから始めてください。

物理的に離れる

毒親と接する際は、物理的な距離を取りましょう

同じ空間にいると、親のコントロールから完全に逃れることは困難です。顔を合わせれば干渉され、言葉をかけられればこころが揺さぶられてしまいます。

実家で暮らしているなら、家を出てひとり暮らしをする準備を始めましょう

すでに離れて暮らしているケースでも、帰省や連絡の頻度を意識的に減らしてみてください

「仕事が忙しい」と角が立たない理由をつけて接触を減らすだけでも、こころの平穏は戻ってきます。まずは物理的に離れ、あなたが安心できる場所を確保してください。

こころちゃん
こころちゃん

連絡の頻度を減らしてみましょう

親の期待に応えようとしない

親の要求に対して「もう期待に応えなくていい」とあなた自身に許してあげましょう。

親の言葉に振り回されてしまうのは「親に認められたい」「愛されたい」という思いがあるからです。

しかし、毒親の要求はエスカレートし続けるため、あなたがどれだけ努力しても親が満足することはないのです。

親になにか言われても「親の意見であって、わたしの意見ではない」と明確に線引きをしてください。

期待を裏切ることに罪悪感を持つ必要はありません。

あなたは親の所有物ではなく、あなたの人生を生きる権利があります。あなたの気持ちを大切にすることを恐れないでください。

親にも事情があったと考える

親と接するときは「親にも事情があったんだ」と考えましょう。

親の言動を客観的に分析することで感情的に巻き込まれるのを防ぎ、冷静さを保てるようになるためです。

「親も昔はつらい思いをしたんだ」「発達障害の特性で感情が抑えられないのかもしれない」と考えることで、親の言動をうまく流せるようになります。[5]

あなたのこころを守るための手段として、分析する視点を取り入れてみてください。

まとめ

毒親は、過干渉や依存などさまざまな形で子どもを支配しようとします。

もしチェックリストに多くの項目があてはまるなら、あなたが感じている生きづらさは「親との関係性」が原因である可能性が高くなります。

親と距離を置くことは親不孝ではなく、あなた自身を守るためです。

どうしてもつらいときは、心療内科やカウンセリングなどの専門機関を頼ってください。

おおかみこころのクリニックでは、オンライン診療も実施しています。自宅にいながら受診できるので、仕事や家事で忙しいときも外出する必要はありません。「もしかして毒親かも?」と感じたときは、お気軽にお問い合わせください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

【参考文献】

[1]親の養育態度が子の社会人生活に及ぼす影響ー仕事に影響する毒親から受けた心の傷ー,金森史枝,蛭田秀一
https://nagoya.repo.nii.ac.jp/record/2006675/files/njhpfs_46_1_33.pdf

[2]毒親とその言動に対する子の捉え方および態度に関する検討,吉田彩花,橋本創一,板倉あい,佐藤翔子,田口禎子
https://www2.u-gakugei.ac.jp/~scsc/bulletin/vol21/21_03.pdf

[3]毒親と子どもたち,斎藤学
https://www.hitachi-zaidan.org/mirai/02/paper/pdf/saito_treatise.pdf

[4]青年期の母娘関係における距離と精神的自立についての一考察ー精神的健康との関連からー,高橋文子,生島博
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tokusimabunriu/94/0/94_39/_pdf/-char/en

[5]「毒親」の正体ー精神科医の診察室からー,水島広子,新潮社
https://www.shinchosha.co.jp/book/610756

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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