「病院に行かなければいけないとわかっていても、体が動かない」
「周りにどう思われるかが不安で受診できない」
「受診したいけれどお金がない…」
うつ病を疑う症状があって「病院に行きたい」と思っているのに、なかなか踏み出せず困っていませんか?
病院へ行けないと心や体のつらい症状が改善できず、苦しむ期間が長くなってしまいます。
うつ病の症状により、生活に悪影響が続くのはつらいですよね。
この記事では、うつ病で病院に行けないときの対処法や受診する方法を解説します。
うつ病の症状がつらくても病院に行く方法を知って、少しずつ前向きな生活を取り戻していきましょう。
おおかみこころのクリニック
うつ病で病院行けない理由
うつ病で病院に行けない理由は以下の3つが考えられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
体がだるくて動けない
うつ病は精神症状に加えて身体症状が現れるため、体が重く動けなくなることがあります。
うつ病で現れるおもな症状は以下の通りです。[1]
区分 | 症状 |
精神症状 | 気分の落ち込み、興味や喜びの喪失、注意力・集中力の低下、過度な自責感 |
身体症状 | 睡眠障害(不眠・過眠)、倦怠感、食欲の変化(食欲不振・過食)、体の痛み |
症状は1日の中で変動することがあり、人によっても違いが見られます。
症状がひどくなると、家から出られなくなったり人と話せなくなったりします。
通院していることを周りに知られたくない
「うつ病だと知られたらどうしよう…」と不安に感じることも病院に行けない理由のひとつです。
とくに職場では、昇進や評価に影響するのではないかという心配が受診をためらわせることがあります。
また家族や友人に知られることで「心配をかけたくない」と思い、自分の気持ちを隠してわざと明るくふるまってしまうこともありますよね。
病院に行くと、うつ病であることを周りに知られる可能性が高くなるため、病院に行けなくなってしまうのです。
診療費や薬代の負担が厳しい
うつ病の症状によって思うように働けず、診療費や薬代に不安があるときも病院に行けません。
症状の悪化でやむを得ず休職や離職を選んだり、仕事が上手くいかず給料が減ってしまったりすることも。
「うつ病の治療は薬をずっと飲まなければいけない」「カウンセリング代は高い」などのイメージがあり、一体いくらかかるのか不安になりますよね。
経済的な不安が、受診をためらわせる理由のひとつです。
うつ病で病院行けないときの対処法
うつ病で病院へ行けないと、治療ができず症状が悪化するおそれがあります。
受診が難しいときには、以下の対処法を検討しましょう。
それぞれ詳しく解説します。
身近な人に助けを求める
家族や親しい友人など、信頼できる人に助けを求めることが大切です。
周りに頼るのは決して悪いことではありません。
自分だけで解決しようとすると、ネガティブな考えにとらわれてどんどんつらくなるケースもあります。
そんなときこそ、身近な人にサポートを求めましょう。
いきなり全てを話すのが難しいと感じるなら、少しずつ伝えてみるのもひとつの方法です。
最初は小さな悩みからで構いません。自分の困りごとや感じている不安を少しずつ話すと、心が軽くなることがあります。
また、相手に話すと自分の気持ちを整理できるメリットもあります。
悩みを共有することで孤独感がやわらぎ、少しずつ状況の改善が目指せますよ。
国や自治体の支援を利用する
経済的な理由で受診が難しいときには、国や自治体の支援を受ける方法があります。
うつ病の方が受けられる支援は、以下の通りです。[2]
制度 | 内容 |
自立支援医療 | 実費負担が3割から1割になる。1割の負担についても世帯の所得により負担額の上限あり。 |
高額療養費制度 | 入院や外来で所得に応じた自己負担限度額を超えた場合、上回った金額が後日払い戻される。 |
都道府県による心身障害者医療費助成制度 | 医療費の助成。※対象者が都道府県により異なる |
医療費控除 | 生計が同一である家族内で、1月から12月までの医療費が10万円以上ならば、所得税の控除が受けられる。 |
精神障害者福祉手帳 | 医療費助成、公共交通機関の料金割引や税金の減免・控除などが受けられる。 |
以上に加え、働いている方は傷病手当金・失業手当を受け取れる可能性もあります。[3][4]
手当が受けられるかどうかは、会社や自治体に確認しましょう。
また、まずは地域の保健所に相談する、国が運営する相談窓口に連絡するという方法もあります。[5]
公的な制度や手当などを利用し、安心して治療を受けましょう。
お住いの自治体の制度を確認してみてくださいね。
心のセルフケアに取り組む
受診が難しいときには、生活習慣の改善や考え方の変化で症状がやわらぐ可能性があります。
食事の栄養バランスをととのえ、適度な運動を取り入れると体の調子がよくなり気持ちも整いやすくなります。
ゆったり入浴する、好きな音楽を聴くなどのリラックス方法でストレスを解消するのもよいでしょう。
また、物事に対して「〜をしなければいけない」という考え方は視野を狭める可能性があります。
柔軟な考え方を持ち「よいことに目を向ける」と気持ちも落ち着きやすくなりますよ。
うつ病で病院行けない状態が続くときの影響
うつ病で病院に行けなくなると、症状が悪化したり、回復のための療養期間が長くなってしまったりするおそれがあります。
また、外出や人付き合いが困難になると社会的に孤立する形となり、必要な支援が受けられなくなってしまう可能性も考えられます。
うつ病は早めに治療することで、早く回復へ向かうといわれています。
うつ病の症状を軽減し、自分らしい生活を送るためにも適切な治療を早めに受けることが大切です。
うつ病で病院行けないときでも受診する方法
うつ病で受診が難しいときには、以下を参考にしてください。
具体的にみていきましょう。
身体の症状で受診することから始める
「いきなり精神科に行くのは緊張する」のであれば、まずは身体の症状で受診するところから始めるのもひとつの方法です。
たとえば、以下のような症状があるケースです。
・眠れない、だるい
・下痢、便秘
・耳の聞こえ方がおかしい
・身体の痛み
まずは内科や耳鼻科などを受診し、症状に合わせた治療を行います。
必要に応じて医師から精神科や心療内科を案内してもらう可能性もあり、うつ病の受診にスムーズにつながることが考えられます。
ネットから予約できる病院を探す
電話ではなく、ネットから受診予約ができる病院を探すのも受診のハードルを下げる方法です。
電話となると緊張して声が震えたり、頭が真っ白になってしまったりして受診の予約ができないことがありますよね。
ネット予約であれば、基本的に電話で話す必要はありません。
診察時間内に予約をしなければならない電話予約と異なり、ネット予約はいつでもできるので忙しい方にもぴったりです。
最近ではLINEから予約ができる便利なシステムを持つクリニックも。
ネットから予約が可能か、受診したい病院のホームページで確認してみてください。
オンライン診療を利用する
「受診したいけど通院が大変」「通院しているところを誰かに見られたくない」というときにはオンライン診療が便利です。
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンを使い自宅から医師の診察を受けられる仕組みです。
直接病院に行かずに診療が受けられるため、通院が難しいときに利用しやすい方法として注目されています。
好きな場所で受けられて、人目を気にしなくてもよいオンライン診療であれば受診のハードルは下がります。
通院による心身の負担が減ると、治療も継続しやすくなると考えられます。
オンライン診療も通常の診察と同様に医療費控除の対象となったり、診断書を発行したりすることも可能です。
病院へ行けないと悩んでいる方は、ぜひオンライン診療を試してみてください。
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まとめ
うつ病で病院に行けない理由には、症状で体が思うように動かないことや、周囲に知られたくないという不安があります。
うつ病は、早めの治療が回復への近道です。
受診をためらう理由への対処法をいくつかお伝えしました。まずは試しやすい方法から取り入れてみてはいかがでしょうか。状況によってはオンライン診療も選択肢に入れると通院のハードルが下がります。
おおかみこころのクリニックでは、精神科・心療内科のオンライン診療を行っています。うつ病かなと悩んでいる方や通院に迷っている方は、ぜひご活用ください。
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【参考文献・サイト】
[2]経済的な支援|厚生労働省
[4]ハローワークインターネットサービス – よくあるご質問(雇用保険について)[5]相談窓口案内|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト