自分が毒親と気づいたら?治し方や子どもとの関係を良好にする方法も










「子どものためを思って連絡しているのに拒絶されてしまった」

「自分が毒親と気づいたらどうすればよい?」

子どもの幸せを誰よりも願っているからこそ、うまくいかない関係に胸を痛めていませんか。

子どもへの過干渉や執着がコントロールできないとき、あなたの過去の経験や心理的な背景が関係している可能性があります。

毒親になってしまう原因を正しく理解し、適切な対処法を知ることで自分を責める悪循環から抜け出せるようになるでしょう。

この記事では、自分が毒親と気づいたときに知っておきたいことを解説します。

子どもとの適度な距離感を見つけ、お互いが心地よく過ごせるようになる手助けとなれば幸いです。

自分が毒親になっていないかチェック

まずは、子どもへの接し方を振り返ってみましょう。下記のチェックリストにあてはまる行動がないか、確認してください。[1]

  • 兄弟や他人と比較している
  • パートナーへの不満や愚痴を聞かせている
  • 服装や髪型、交友関係に細かく口出しする
  • 子どもをけなしたり笑いものにしたりしている
  • 体調不良や悩みを「気のせいだ」と無視している
  • 「あなたのため」と言いながら親が望む進路を押しつける
  • 「産まなきゃよかった」と子どもの存在を否定する言葉を使っている
  • 「ここまで育ててやった」と子どもに恩着せがましい態度をとっている

こうした行動の背景には、親の不安や愛情を受けなかった過去が隠れている可能性があります。

もし多くの項目に当てはまったとしても「わたしは毒親かもしれない」と気づけたことを前向きに捉えましょう

怖いのは「無自覚のまま」でいることです。あなたが行動を自覚できたことで、子どもとの関係を再構築するきっかけになります。

こころちゃん
こころちゃん

気づけたことを褒めましょう!

「もしかして、わたしも毒親に育てられていたのかも…」と思ったら、下記の毒親に育てられた人の特徴の記事をご覧ください。

自分が毒親と気づいたときに知っておきたいこと

自分が毒親と気づいたときに、次の3つを知っておきましょう。

まずは現状を受け入れ、これからどう行動を変えていくかに焦点をあててください。

ひとりで抱え込まない

自分が毒親だと気づいたら、ひとりで抱え込むのはやめましょう

「わたしが変わらなければ」と悩み続けると、精神的な余裕がなくなります。

その結果、不安や焦りから再び子どもに感情をぶつけてしまう悪循環になるからです。[2]

他者の力を借りることは、決して恥ずかしいことではありません。つらいときは、迷わず下記の場所を頼ってください。

第三者に話を聞いてもらうだけでこころが軽くなり、客観的な視点を取り戻せるようになります。

子どもの気持ちを受け入れる

子どもの気持ちを否定せずに、そのまま受け止めてあげてください

たとえ親にとって耳の痛い「放っておいて」「嫌だ」という言葉であっても、それは子どもなりの意思表示です。

「親に向かってその言い方はなんだ」と抑えつけるのではなく、一度その感情を認めてあげましょう。[2]

子どもは自分の気持ちを受け止められることで、初めて「大切にされている」と実感し、親への信頼感を回復させます。

また、一方的に指示するのではなく「どうしたいの?」と問いかけ、子どもが言葉にするのを急かさずに待ってみましょう。

子どもの言葉を最後まで聞く姿勢が、安心できる関係を築きます。

こころちゃん
こころちゃん

イラッとしても、一度受け止めてみましょう!

完璧な親を目指さなくてよい

自分が毒親と気づいても、完璧な親を目指す必要はありません

「理想の親でなければならない」「失敗は許されない」という完璧主義の考えは、あなた自身を追い詰めます。そのピリピリとした空気は、子どもに対しても圧力となって伝わってしまうのです。

「今日はうまくいかなかったけど次は気をつけよう」「まあいいか」と自分を許す余裕を持ちましょう[3]

親が肩の力を抜いてリラックスすることで家庭内の緊張がやわらぎ、子どもにとっても居心地のよい環境が作られます。

自分が毒親と気づいたときの治し方

自分が毒親と気づいたときの治し方には、次の3つがあります。

あなたの行動を変えるために、思考のクセや毒親になった原因に向き合っていきましょう。

子どもを主体に考える

日常の判断や行動の基準を「わたし」から「子ども」へ意識的に切り替えてください。[4]

過干渉な行動をとってしまうとき「わたしが心配だから連絡する」「わたしが恥ずかしくないように行動させる」と、親の感情を優先してしまいがちです。

子どもになにか言いたくなったときは一度立ち止まり、子どもの気持ちを考えましょう

次のように主語を「子ども」に変えると、子どもの立場に立って考えられるようになります。

  • 「子どもはこの進路を望んでいるか?」
  • 「子どもは今連絡を必要としているか?」

視点を子どもに変えることで、相手のための行動なのかを冷静に判断できます。

あなたの過去を振り返る

自分が毒親と気づいたときは、あなたが育った家庭環境や親との関係を振り返りましょう

子どもの頃に親から十分に愛されなかったり、過干渉や暴言を受けたりした経験があると「親とはこういうものだ」と考えてしまいます。

その結果、あなたの子どもにも同じことを繰り返す「世代間連鎖」を引き起こす可能性があるのです。[5]

過去のあなたが傷ついていた事実を認め「あの時はつらかったね、よく頑張ったね」と幼い頃の自分を労わってあげましょう。

あなたのこころの傷を癒やすことが、子どもへの執着を手放すポイントとなります。

カウンセリングを受ける

自分が毒親と気づいたときは、迷わずカウンセリングを受けてください

過干渉や感情の爆発は不安障害やうつ病、発達障害などの医学的な要因が隠れているケースがあります。[4]

あなただけで解決しようとしても、状況をこじらせてしまうかもしれません。

カウンセラーとの対話を通じて、あなたの考えのクセや感情を整理し、具体的な対処法を見つけられるでしょう。

また、心療内科や精神科などで適切な治療を受けることで、イライラや不安がやわらぐこともあります。

専門家のサポートを受けることは、あなたと子どもの未来を守るきっかけになるでしょう。

子どもとの関係を良好にする方法

子どもと関係がうまくいってないときは、成長段階に合わせたかかわり方が大切です。

年齢によって、親に求める距離感が異なるからです。

子どもが小学生くらいのときは、以下のような親からのストレートな愛情と安心感がポイントとなります。

小学生くらい
・「あなたが悪い」と言い訳はせず、親の非を認める姿勢をみせる
・感情的に怒鳴ってしまったら時間を置かずに「さっきはごめんね」と謝る

親が過ちを認めて謝ることで、子どもは「わたしは大切にされている」と安心し、信頼を取り戻していきます。

一方、子どもが中学生以上であれば、以下のように物理的・心理的な距離を保つことを優先してください。

中学生以上
・部屋への立ち入りやスマホのチェックをしない
・毎日の連絡や返信を強要せず子どもからの連絡を待つ

干渉したい気持ちを抑えて見守ることが、自立しようとする子どもの信頼を取り戻し、新たな親子関係が築けるでしょう

まとめ

自分が毒親かもしれないと気づくことは、親子関係を変えるきっかけになります。

まずはあなたの行動を振り返り、過干渉や否定的な言動がなかったか確認しましょう。もし原因があなたの過去やこころの傷にあると感じるなら、ひとりで抱え込まず専門家の力を借りることが大切です。

親が変わろうとする姿勢は、言葉以上に子どもに伝わるものです。子どもの自立を信じて見守り、適切な距離感を保つことから始めていきましょう

おおかみこころのクリニックでは、オンライン診療を実施しています。自宅からスマホひとつで医師の診察を受けられるため、誰にも会わずに相談が可能です。ひとりで悩み続けず、まずはお気軽にご相談ください。

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【参考文献】
[1]毒親とその言動に対する子の捉え方および態度に関する検討,吉田彩花,橋本創一,板倉あい,佐藤翔子,田口禎子
https://www2.u-gakugei.ac.jp/~scsc/bulletin/vol21/21_03.pdf

[2]体罰等によらない子育てのために(素案)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000573078.pdf

[3]“マルトリートメント”による子どものこころと脳への影響 ―親(家族)への支援、親子関係再構築の提言―|一般社団法人平和政策研究所
https://ippjapan.org/archives/8667

[4]「毒親」の正体ー精神科医の診察室からー,水島広子,新潮社
https://www.shinchosha.co.jp/book/610756

[5]毒親概念の倫理:自らをアダルトチルドレンと「認める」ことの困難性に着目して,高倉久有,小西真理子
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/86374/cpnl_4_126.pdf

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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