認知のゆがみで人生変わる!10種類一覧と直し方【自分で治す方法も】




認知のゆがみとは、物事を客観的に捉えられず、考え方に偏りがある状態のことです。

仕事でミスをして上司から注意されたときに、

「自分はだめな人間だ」

「上司は自分のことが嫌いだからミスを指摘してきた」

と考えてしまうことはありませんか。

もし上記のような考えが浮かぶ方は、認知のゆがみが起きているかもしれません。

今回は認知のゆがみのパターン全10種類直し方について解説します。

自身の認知のゆがみに気づき、適切に対処することでネガティブな感情を起こさないような助けになれば幸いです。

認知のゆがみとは

認知のゆがみとは、物事の捉え方が偏っている状態です。[1]

認知は人によって異なり、些細なことでも落ち込んで、心がつらくなる人もいるでしょう。

たとえば、AさんとBさんが職場の上司から同じように「今年も残り1か月だから頑張ろう」と言われても、

Aさん:「励ましてもらった!」

Bさん:「自分の頑張りが足りないから、もっと仕事をするように言われている」

のように、認知の違いによって受け取る側が抱く感情が変わってくるのです。

こころちゃん
こころちゃん

人によって感じ方が違いますよね

認知のゆがみが起こる理由

認知のゆがみは、幼少期の親からの虐待、学校でのいじめなどのつらい記憶が原因となることがあります。

「自分は誰からも愛されない」「他人は自分を傷つける存在」という信念が生まれて、以下のようなゆがんだ価値基準をつくります。[1]

・自分についての価値基準
  例:私は誰からも愛されない

・他者についての価値基準
  例:みんな自分のことしか考えていない

・将来についての価値基準
  例:私は何もできない

上記の価値基準をもとに、さまざまな場面で認知のゆがみが起こってしまうのです。

認知のゆがみのパターンチェックリスト【全10種類】

認知のゆがみのパターンは全10種類あり、一覧は以下の通りです。

こころちゃん
こころちゃん

あてはまるものがないか、チェックしてみましょう

全か無か思考

全か無か思考とは、物事を極端に捉えて完璧にこだわってしまうことです。[1]

「白黒思考」とも呼ばれ、一度失敗しただけで大きな挫折をしたと感じてしまいます。

全か無か思考を持つ方は自分だけでなく、周囲に対しても完璧を求めてしまうことがあります。

人間関係を悪化させたり、抑うつ症状を招きやすくなったりするため、気をつけなければなりません。[2]

すべき思考

自分が決めたルールで自分や周囲を縛ってしまうのが、すべき思考です。[1]

「~すべき」だと自分自身にプレッシャーをかけて追い込んだり、まわりの些細な行動が気になったりしてしまいます。

すべき思考は、決めたルールを守れなかったときに不甲斐なさを感じたり、自分を責めたりするという問題があります。[2]

また、周囲にも「〜すべき」という考えを押しつけると、お互いに窮屈さを感じてイライラしてしまうでしょう。

こころちゃん
こころちゃん

自分で自分を追い込んじゃうことありますよね💦

マイナス化思考

マイナス化思考を持つ方は、すべてのことをマイナスに捉えて、悪い評価として受け取ってしまいます。[1]

仕事で褒められたり、結果を出したりしても「お世辞で言ってくれた」「運が良かっただけ」と思ってしまい、自分の良い面を見ることができません。

すべてのことをマイナスに捉えていると「行動しても上手くいかない」と考えてしまうため、新しいことにチャレンジするのが難しくなってしまうでしょう。

結論の飛躍

結論の飛躍とは、根拠のないストーリーをつくって自分の中で不幸に完結させることです。[1]

自分の将来などについて誤った先読みをする「先読みの誤り」と、相手の気持ちを読みすぎてしまう「心の読みすぎ」の、2つのパターンがあります。

「~に決まっている」と勝手に不幸な結末にしてしまうので、注意してください。

拡大解釈・過小評価

自分の失敗や短所は「だから自分はだめなんだ」と大げさに解釈し、一方で褒められたことや長所は「そんなことない」と過小に評価することは、認知のゆがみの一つです。[1]

他者が褒められているときは「あの人は期待されているんだ」と思い、他者に対しては拡大解釈をして、失敗や短所を見逃します。

拡大解釈・過小評価をすると、傷つかなくていい場面で傷ついたり、喜んでいい場面で喜べなかったりして、ネガティブな感情が出てしまいます。[2]

レッテル貼り

レッテル貼りをする方は、自分や相手に対して「こんな人間だ」と勝手に決めつけてしまいます。[1]

自分自身に「だめ人間」とレッテルを貼ったり、相手に対して「あの人は話を聞いてくれない人」と決めつけたりすると、一方的な見方しかできなくなるでしょう。

相手に対してレッテルを貼ると、人間関係が悪くなる可能性があるため、注意しなければなりません。

心のフィルター

心のフィルターとは、物事を客観的に見られず、悲観的に捉えてしまうことです。[1]

自分だけでなく、世の中に対しても良い面が見えなくなり、現実に起こるすべてが悪いことと思ってしまいます。

「どうせいいことなんかない」と思いこんで、行動することを拒んでしまうため、注意が必要です。

こころちゃん
こころちゃん

ぐるぐるとネガティブ思考になっちゃいます💦

感情的決めつけ

物事を客観的にではなく、感情で判断して決めつける方は、感情的決めつけをしています。[1]

「不安に感じるのは、自分に向いていないからだ」と、自分の感情が物事の真実だと見誤ってしまいます。

感情的決めつけは、苦手なことに取り組むときに起こりやすいです。

物事について判断する材料が足りないときに、客観的な事実ではなく、自分の感情や気分を拠り所にしようとするのです。[2]

一般化のしすぎ

一般化のしすぎとは、一つの出来事だけですべてを判断してしまうことです。[1]

悪いことが一度でもあると、それをすべての出来事につなげて、悪い結果が起こると予測してしまいます。

一度試合に負けただけで「もう二度と勝てない」と思ったり、ある人との関係が悪くなっただけなのに「みんなから嫌われた」と考えたりすることがあります。

一部のマイナス面を大きく広げてしまうため、ネガティブな感情が起こりやすくなってしまうでしょう。

個人化

何でも自分のせいだと考えて自分を追い詰めるのが、個人化です。[1]

直接自分が原因になっていないのに、自分のせいだと考えて自己嫌悪に陥ってしまいます。

「他人が不機嫌になっているのは自分が原因だ」と考えることも、個人化と言えるでしょう。

さらに勝手に背負った義務感から「私のせいだ」と自分を追い詰めてしまうことがあります。

他人が行動した結果は、自分には関係ないと割り切るようにしてみてください。

こころちゃん
こころちゃん

割り切って考えるの大切ですね

認知のゆがみの直し方

うつ病など精神疾患のある方が認知のゆがみを直すために、認知行動療法が使われます。

認知行動療法とは、困難にぶつかったときに乗り越えられる心の力を育てる方法のことです。[3]

認知行動療法について気になる方は、以下の記事もご覧ください。

認知行動療法の中でも、コラム法は自分で治すことに役立つので、取り組みやすいでしょう。

コラム法では、紙に状況・気分・考えを書き出すことで、認知のクセに気づいて、物事を客観的に捉えることを目的としています。[3]

(例)

状況友達に挨拶をしたけど無視された
気分悲しい(80%)、怒り(50%)、恥(20%)
考え〇自分は嫌われている
どうして無視をしたのか

浮かんだ考えの中で、そのときの気分に最もあてはまるものには〇をつけましょう。

上記のように紙に書き出すことで、自分がどんな状況でどんな考えが浮かぶのかを整理できます。

こころちゃん
こころちゃん

まずは、はじめてみることが大切です

まとめ

今回は認知のゆがみのパターンを全10種類、認知のゆがみの直し方について解説しました。

認知のゆがみが起こる原因は、幼少期のつらい記憶が原因となる場合があります。

ですが、考え方の偏りをなくしたいという気持ちがあれば、認知の仕方を変えることができるでしょう

認知を変えれば、前向きに行動することにもつながります

紙に書き出すコラム法は取り組みやすいので、ぜひ試してみてください。

もしネガティブな感情が止まらないという方は、一度おおかみこころのクリニックにご相談ください。

経験豊富なカウンセラーがカウンセリングしますので、悩みを解決するためにサポートいたします。

24時間予約受付中

【参考文献】

[1]図解 認知のゆがみを直せば心がラクになる
https://amzn.asia/d/df39n1e

[2]悩み・不安・怒りを小さくするレッスン 「認知行動療法」入門
https://amzn.asia/d/bHfKYop

[3]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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