ハッキリした理由もないのに不安に押しつぶされそうになる時はありませんか?
急に強い不安に襲われたら、どうしていいか分からなくなりますよね。
不安にはさまざまな原因があります。置かれている環境や周囲との関係など、人それぞれです。
不安へのアプローチはたくさんあるので、心配はいりません。
あなたができるものを、1つでよいので試してみてください。
心を穏やかに保ち、安心感を得られる毎日に変えていきましょう。
不安で押しつぶされそうになる6つの原因
不安に押しつぶされそうになるのは、6つの原因が関係していると考えられます。
1つずつ見ていきましょう。
人間関係
不安を感じる原因の1つに人間関係があります。
社会に出ると、多様な価値観や異なる環境で育った人たちと働くことになります。時には意見の食い違いや考え方の違いによって、衝突することがあるかもしれません。
こうした人間関係のトラブルは、大きなストレスになり得ます。
相手の機嫌を損ねたり、ぎこちない空気になったりすると不安を感じることがあるでしょう。
精神疾患
強い不安で押しつぶされそうと感じるのは、不安障害やうつ病といった精神疾患の可能性があります。[1][2]
不安障害は、パニック障害や全般性不安障害などがあり、身体症状もみられます。もし心配なら、精神科など専門の医療機関で相談してみるとよいでしょう。
たとえ精神的な疾患ではなかったとしても、カウンセリングを受けると心が軽くなることもあります。「不安なだけでお医者さんにかかるなんて……」と思わず、心の中の重りを下ろすような気持ちでいれば大丈夫です。
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身体の不調
頭痛や腹痛、肩こりなど、身体の具合が悪いと不安が強まることもあります。
関節の慢性的な痛みや睡眠障害、疲労の蓄積などでストレスを感じ、不安になるケースです。
「病気ではないか」と悩み続けると心のバランスが崩れ、常に不安に押しつぶされそうな気持ちを抱えることになるかもしれません。もし身体に気になる点があるなら、一度受診してみるとよいでしょう。
毎日仕事や家事に忙しくしていると難しいかもしれませんが、医師に診断してもらうことで漠然とした不安感が和らぐ可能性があります。
体調悪いときって落ち込みますよね💦
過度の心配性
不安の原因として「過度の心配性」も挙げられます。これは常に悪い結果を想像してしまい、不安が募るケースです。
ただ、心配事のほとんどは自分の思い込みによるものとされています。まず自分の思考の癖を自覚しましょう。
「どんな時に不安になるのか」「どんなことで不安になるのか」「不安になったらどうなるのか」など、一つひとつ確かめてみてください。考え方の傾向や癖が見えてくるはずです。
自分のことがわかってきたら、少しずつでもよいのでポジティブな思考を意識しましょう。
不安が強い人は、よければこちらの記事も参考にしてみてください。
不安定な環境
家庭や職場など、自分の置かれている環境が良くないと不安を感じやすくなります。たとえば不仲な両親に育てられた、ハラスメントを繰り返す上司と働いているなどです。
あなた自身は何も悪くないのに、周りにいる人達のピリピリ感が伝わると大きな不安につながる恐れがあります。心が悲鳴をあげる前に、できる範囲で距離を置くように心がけましょう。
過去のトラウマ
人間関係のトラブルや仕事の失敗などがトラウマとなり、強い不安を感じるケースもあります。
「あの時のように、また間違えてしまったらどうしよう……」と考えると、過去を思い出して不安がふくれ上がってしまうでしょう。
失敗体験は小さなものでも心の傷になります。時間が経ってもなかなか癒えないかもしれません。
そんなときは、まずどんなことでもいいので成功体験の積み上げが大切です。「私にもできた」「うまくいった」と感じられる経験が増えれば自己肯定感が高まり、不安が軽減される可能性があります。
不安で押しつぶされそうな時の対処法【職場編】
職場でどうしようもなく不安になったら、この方法を試してみてください。
1つだけでも大丈夫です。
順番に解説します。
小休憩をとる
職場で不安やストレスを感じたら、その場を離れて短い休憩をとりましょう。
数分でよいのでデスクから離れ、軽いストレッチをしたり温かいものを飲んだりすると、緊張や不安が和らぎます。
可能であれば、静かな場所でひとりで過ごすのがおすすめです。思考の整理ができ、今の自分の感情と向きあえます。
ほんの数分、誰にも影響されずにすむ時間を作ってみてください。
少しずつ休憩をとりましょう♪
深い呼吸を繰り返す
不安や緊張が高まると、呼吸は速く浅くなります。苦しさを感じてさらに不安が増すかもしれません。
職場で不安に襲われたら、まずゆっくり鼻から息を吸い、口から細く長く吐いてみてください。このとき、お腹が膨らんだりへこんだりするのを感じましょう。[3][4]
吸うときは新鮮な空気を取り入れて、吐くときは悪いものが体外に出すことをイメージするとさらに効果的です。
完璧にやろうとしない
完璧主義の傾向があると、過度のプレッシャーを自分に課してしまいがちです。
しかし人間は完璧にできることの方が少ないもの。完璧を目指す代わりに、現実的で達成可能な目標を設定して成功体験を重ねていきましょう。
このとき、人と比べて自分の能力を測ってはいけません。
得意なことは人によって違います。「誰にでもできないことはある」と寛容になる意識を大切にしましょう。
タスクを小分けにする
日々のタスクを分解してみるのも不安の軽減に有効です。
1個のタスクを細かく分けると「今日は何をすればいいのか」「このタスクはいつまでに終わればいいのか」などが明確になります。
たとえば大きなプレゼンに参加するとしたら以下のようなタスクが考えられます。
- 現状分析
- ターゲット設定
- アイディア出し
- プランニング
- リスク・コスト分析
- 企画書の作成
やることがとても多いですが、こうして小分けにすることで「いつまでに何をするか」「誰が何をするか」を決めるのがスムーズになります。
期限とやるべきことを見える化すると、仕事に追われている感覚が薄れ、落ち着いて業務に取り組めるようになるでしょう。
業務の優先順位を決める
仕事が忙しくなると、どうしても物事の優先順位を決めるのも後回しになります。結局効率が上がらず、終わらない仕事を前に不安を抱えてしまうこともあるでしょう。
「一分一秒でも惜しい」と思うかもしれませんが、まずは抱えている仕事の棚卸しをしてみてください。
業務を4つに分類し「急ぎかつ重要な業務」から取り掛かりましょう。優先度順にリストアップするとスムーズに仕事が進み、不安解消につながります。
上司や同僚に助けを求める
どうしても自分の力だけではこなせない業務量なら、同僚や上司に相談してみましょう。
仕事はひとりで抱え込まず、みんなで分け合えば意外と早く片付くものです。
「周りに負担をかけてしまう」と思わずに、困っていることを打ち明けてみてください。
他の人は、あなたが困っていることに気づいていないかも知れません。勇気がいるかもしれませんが「助けてほしい」と伝えましょう。手を差し伸べてくれる人がきっといます。
不安で押しつぶされそうな時の対処法【プライベート編】
プライベートの時間に不安が押し寄せてきたら、以下の方法を暮らしの中に取り入れてみてください。生活習慣や行動を見直すと、不安が小さくなる効果が期待できます。
1つずつ見ていきましょう。
十分な睡眠をとる
プライベートで感じる不安を軽減するためには、しっかり眠ることが大切です。良質な睡眠は心身の回復と脳の休養を助けてくれます。脳が休まればストレスや不安感も軽減されるでしょう。[5][6]
睡眠は疲労回復と活力アップの第一歩です。
心と身体は繋がっています。心が疲れたと感じたら、身体をしっかり休めることも意識するとよいでしょう。
マインドフルネスに取り組む
マインドフルネスは「今ここ」に意識を向けて行うリラクセーション法です。簡単なものを暮らしの中に取り入れてみましょう。
最初は3分程度の瞑想がおすすめです。
- ベッドや布団、椅子にどっしりと座り目を閉じる
- 手は自然に下ろし、背筋を伸ばして深い呼吸を数分繰り返す
- 頭の中に何らかの考えが浮かんだとしても追及せず受け流す
朝の起床時、または眠る前など、静かな空間でやってみると心が落ち着きますよ。
不安を打ち消そうとしなくても大丈夫です。あるがままを感じ、否定も肯定もせず、ただぼんやりと流してかまいません。
「今ここ」に存在している自分と向き合う時間を作ってみてください。不安の原因や望んでいることが少しずつわかってくるでしょう。
日常生活の中に、ほんの少しだけ「自分と向き合う時間」を作ることから始めてみませんか?
無理のない範囲で身体を動かす
不安の解消には運動も効果的です。ヨガやストレッチなど、身体に負担をかけないもので十分なので、朝や寝る前の数分から始めてみましょう。[7]
身体を動かすことで1日の活動と休養のバランスが整います。すると心の状態も安定し、不安感が小さくなるのを感じるでしょう。
また、運動によって血流が促されると身体のコリがほぐれて楽になります。慢性的な不調が改善すると、どんよりしていた心も次第に明るく前向きに変わっていきます。まずはお散歩から始めて、運動の楽しさを感じてみましょう。
ポジティブな言葉を声に出す
不安を感じる時に、あえてポジティブな言葉を声に出してみましょう。「私はできる」「大丈夫」と言うだけでもストレスや不安感を軽減する効果があります。
言葉の力は意外に大きいものです。何度か繰り返していると、徐々に楽観的な思考に変わっていきますよ。
声に出さなくとも、手帳に書いたりスマホの待ち受け画面にスクショを設定したりするのもよいでしょう。ポジティブな思考をいつでも思い出せるようにすることが大切です。
思い込むことも時には大切です!
自分が楽しいと感じることをやってみる
休日は「楽しい」と感じる趣味や活動に取り組んでみましょう。幸福感や達成感が得られます。
自分を大切にできている感覚も育てられるので、自己肯定感が高まり不安が小さくなる効果が期待できるでしょう。
子供の頃から好きだったことや、現在興味を持っていることはありませんか?
これ!と思うものがなくてもいいのです。
行きたい場所に行く、美味しいものを食べるなど、小さな幸せを感じられれば心が穏やかになります。
信頼できる相手に今の気持ちを聞いてもらう
不安やストレスを感じるときは、心から信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。気の置けない相手にすべて打ち明けることで「受け入れてくれている」と安心感が得られます。
友人、家族、またはカウンセラーなど、自分の感情や考えをオープンにしてみましょう。少し勇気がいりますが「この人は私を否定しない」と信じられる相手なら大丈夫です。
誰かと話すことで解決策が見つかったり、客観的な意見が思わぬ発見につながったりします。怖がらずに不安な気持ちを伝えてみましょう。
まとめ
不安を感じる原因は1つではありません。もしかしたら、いくつもの原因が絡み合っている可能性もあります。
自分で不安の理由がわかっていれば、対処しやすいと言えます。しかし、不安で落ちつぶされそうな時に冷静に理由を分析するなど難しいのではないでしょうか。
まずはあなたの心が落ち着きを取り戻すことです。今回紹介した12の対処法は、すべて実践する必要はありません。あなたが取り入れやすいものだけを試してみてください。
不安の特効薬は「無理をせずゆったりと構える」ことです。
なかなか難しいかもしれませんが、「不安を感じる自分」をありのまま受け入れてあげましょう。少しずつ心が安定し、いつしか不安も小さくなっているはずです。
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【参考文献】
[1]MSDマニュアル「不安症の概要」
[2]心もメンテしよう「不安障害」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html
[3]厚生労働省 こころもメンテしよう「こころと体のセルフケア」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_03.html
[4]日本医師会「腹式呼吸のやり方」
https://www.med.or.jp/komichi/holiday/sports_02_pop.html
[5]健康長寿ネット「睡眠のメカニズム」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-suimin/suimin-mechanism.html
[6]MSDマニュアル「睡眠の概要」
[7]健康長寿ネット「ストレス緩和の運動とは」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shippei-undou/undou-sutoresu.html
- この記事の編集者
- 佐藤恵美
介護福祉士・社会福祉士保有。リハビリ病棟にて介護職を7年経験し、デイサービスや介護老人保健施設の相談職に従事。現在はフリーのWebライターとして活動中。