HSPとは「Highly Sensitive Person」の略で、感受性が極端に高い人を指します。日常の出来事に対して反応しやすく、ストレスに弱くて疲れやすい特徴があるのです。
そのため、HSPの人に対しては、配慮ある言葉かけが求められます。HSPの特性を否定する言葉、他人の悪口などは、HSPの人の心を傷つける可能性があるでしょう。
この記事では、HSPの人に言ってはいけない言葉、接し方のポイントについて解説します。HSPの人との良好な関係を築くための手がかりになれば幸いです。
HSPの人に言ってはいけない言葉7選
HSPの人に対して言うべきではない言葉には、以下の7つがあります。
HSPの人は、他人の言動や感情に敏感に反応します。相手の気持ちを考えて、慎重に言葉を選ぶことが大切です。
「気にしすぎだよ」
「気にしすぎだよ」という言葉は、HSPの人に言うべきではありません。
HSPの人は、情報の細かい部分まで受け取り、そこからさまざまな思考や空想を広げます。[1]「気にしすぎだよ」と言われると、自分が理解されていないと感じ、傷ついてしまうのです。
似た言葉に「そんなことで気にする必要ないよ」「小さなことで気にしないで」などもあります。非HSPよりも敏感に物事を捉えるのが、HSPの長所だと考えるようにしましょう。
「さっさとしてよ」
「さっさとしてよ」といったHSPを急かせる言葉は使わないようにしましょう。
HSPの人は、行動に時間がかかる傾向があります。焦らせる言葉を使うと、さらに緊張感を高めてしまい、かえって行動を遅らせてしまうでしょう。
「もっと早く動いてよ」「早くしないと間に合わないよ」などの言葉も避けてください。HSPの人には、ゆっくり丁寧に行動できるよう、寛容な態度で接することが重要です。
「あの人、本当に嫌い」
HSPの人がいる前では、他人の悪口を言わないようにしてください。
HSPの人は、正義感が強い傾向があります。[2]そのため、悪口や陰口はHSPの正義感や道徳観を傷つけてしまうでしょう。
HSPの人には、共感的な言葉で接することが求められます。悪口や陰口は避け、相手の立場に立って考えましょう。相手の気持ちを理解しようとすれば、良好な関係を築けるようになります。
人の悪口を聞くと心がモヤっとしちゃうんです💦
「もっと強くならないと」
「もっと強くならないと」といった言葉は、選ばないようにしてください。HSPの人は繊細さを否定されると、自分自身を否定的に捉えてしまいます。無理に変化を求めるのは避けましょう。
似たような言葉に「もっと頑張らないと」「普通の人よりもっと強くならないと」などが挙げられます。HSPの人には、個性を認めてあげ、現状のままでも十分だと伝えてくださいね。
「普通はこうするものだ」
一般論を押し付ける言葉は、使わないようにしましょう。
HSPの人の中には、素早く行動したり、積極的にコミュニケーションをとったりなど、まわりと同じようにできない人もいます。一般論を伝えると、自分が劣っていると感じさせてしまうでしょう。
他にも「一般的にはこうするのが当たり前」「ほとんどの人はこうやっているよ」などの言葉は避けて、HSPの個性を尊重してください。
「早くしないと置いていくよ」
HSPを焦らせるような言葉を使うと、逆効果になってしまいます。「早くしないと置いていくよ」といった言葉は、焦りや不安を引き起こし、かえって早く行動できなくなるのです。
同様の言葉として「早くしないと間に合わないから」「もっと急いで行動しないと」なども控えましょう。時間をかけてもいいと、寛容に待つ姿勢でいてください。
「そんなに落ち込むことない」
「そんなに落ち込むことはない」と、HSPの繊細さを否定してはいけません。
感受性が強い人であれば、物事をネガティブに考えてしまうことがあります。[1]相手が落ち込むのを軽く考えるのはやめましょう。
似た言葉に「それほど大きな問題じゃないよ」「別にそこまで気にする必要はないよ」などが挙げられます。落ち込んでいる相手の話を聞いて、気持ちに寄り添うことが大切です。
HSPとの接し方のポイント
HSPの人との適切なコミュニケーションを心がけるためには、以下の3つのポイントに気をつけましょう。
HSPの特性を理解して、相手の気持ちに寄り添ってくださいね。
HSPの特性を理解する
HSPの人とうまく接するには、HSPの特性を理解しましょう。
日常の出来事、他人の感情に対して敏感に反応するため、ストレスに弱く疲れやすい傾向があります。[1]HSPの特性を理解すれば、HSPの人とどうやってコミュニケーションを取ればいいかを考えられるようになります。
HSPの人には、無理のない範囲で活動するよう配慮しましょう。情報を処理するまでに時間がかかるので「あなたのペースでいいからね」と待ってあげてください。
相手のペースに合わせましょう
穏やかな口調で話をする
HSPの人とコミュニケーションを取るときは、穏やかな口調で話しましょう。
機嫌が悪かったり、不穏な空気が流れていたりすると、HSPの人は自分が責任をとらなくてはと考えてしまいます。雰囲気の悪さに影響されるときもあるため、不機嫌をぶつけて、八つ当たりしないようにしましょう。[1]
丁寧な口調で、ゆっくりとした言葉遣いで話しかけることが重要です。HSPの人が落ち着いて話を聞けるよう、コミュニケーションを取ってくださいね。
疲れていたら無理をさせない
HSPの人は刺激を受けすぎたり、ネガティブになったりすると疲れを感じやすい傾向があります。[1]そのため、無理のない範囲で活動できるように、適度に休んでもらいましょう。
HSPの人のペースに合わせず、急かせたり焦らせたりするのは避けてください。疲れを感じたら、無理をさせずに休んでもらうことが、HSPの人と良好な関係を築くポイントとなります。
HSPの人が言われて嬉しい言葉3選
HSPの人は、まわりの人の言葉に敏感に反応します。以下の3つの言葉をかけると、とても喜ばれるでしょう。
HSPの気持ちに寄り添った言葉をかけてあげてくださいね。
「ゆっくりでいいからね」
「ゆっくりでいいからね」と声をかければ、HSPの人は自分のペースで取り組めます。
HSPの人は、非HSPに比べて行動が遅い傾向にあります。そのため、焦らせたり早めに行動するよう言葉をかけると、強いストレスを感じてしまうのです。
焦らずに、ゆっくりでもいいと伝えることが重要です。HSPの人にとって、時間的な余裕を感じられる言葉かけは、安心感につながるでしょう。
「あなたの意見も聞きたいな」
「あなたの意見も聞きたいな」と尋ねると、HSPの人は安心して自分の考えを伝えられます。
HSPの人の中には、自分の意見をうまく伝えられない人もいます。[3]他人の目を気にしたり、自信がなかったりするため、なかなか自分の考えを話せません。 HSPの人の意見を積極的に引き出して受け入れれば、良好な関係を築くことができるでしょう。
意見を聞いてもらえると答えやすくなります
「あなたの気づきのおかげで助かったよ」
「あなたの気づきのおかげで助かったよ」と伝えると、HSPの人は力になれて嬉しいと感じるでしょう。
HSPの人の鋭い観察力や洞察力は、周囲にとって有益となります。HSPの特徴の中にも長所があると理解し、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
まとめ
HSPの人に言ってはいけない言葉には、繊細さを否定する「気にしすぎだよ」「もっと強くならないと」、急かせるような「さっさとしてよ」「早くしないと置いていくよ」などが挙げられます。
HSPの人と接するときには、敏感で刺激を受けやすいという特性を理解し、穏やかに話をするようにしましょう。ペースを尊重する言葉や観察力を褒める言葉を伝えると、喜ばれるでしょう。
HSPの人と良好な関係を築くために、言葉を選びながら、コミュニケーションを取ってくださいね。
【参考文献】
[1]【HSPチェックリスト付き】鈍感な世界に生きる 敏感な人たち,イルセ・サン,ディスカヴァー・トゥエンティワン
https://amzn.asia/d/6s7H9in
[2]【第104号】「繊細な子ども『HSC』ってどんな子?」|大阪市
https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000549823.html
[3]『HSP』をご存知ですか?|生駒市
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000028156.html