生理中の情緒不安定に悩まされていませんか?
多くの女性が経験する情緒不安定は、ホルモンバランスの変化が原因です。イライラや落ち込みなどの感情の起伏が激しくなり、日常生活に影響を及ぼします。
対処法や事前対策を知れば、症状を和らげることができます。また、重度であればPMSやPMDDの可能性もあり、医療機関での受診が必要です。
この記事では、生理で情緒不安定になる原因、生理中の情緒不安定への事前対策について解説します。あなた自身やパートナーとの関係を大切にしながら、より快適な生活を送るために役立てれば幸いです。
この記事の内容
生理で情緒不安定になる原因
生理による情緒不安定は、多くの女性が経験する現象です。原因はホルモンバランスの急激な変化にあります。
生理前になると、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの濃度が大きく変動します。これらのホルモンは、脳内にあるホルモンや神経伝達物質に影響を与えるため、気分の変化を引き起こすのです。[1]
たとえば、セロトニンという幸福感をもたらす神経伝達物質の分泌が減少すると、イライラや落ち込みを感じやすくなります。[2]また、ホルモンの変化は身体にも影響を与え、倦怠感や頭痛などの症状を引き起こします。身体に不調が出ることも、情緒不安定になる要因となるのです。
生理中の情緒不安定への対処法3つ
生理中の情緒不安定に対する対処法を3つ紹介します。
情緒を安定させることで、周囲に感情をぶつけなくなり気持ちを落ち着かせられるでしょう。それぞれ詳しく見ていきましょう。
素直に謝る
生理中は、些細なことで怒りや悲しみが爆発してしまうときがあります。そんなときは素直に謝ることが大切です。。
自分の感情をコントロールできなかったことを認め、相手に謝罪の言葉を伝えましょう。「急に怒ってごめんなさい。生理中で情緒不安定になっているみたい」と正直に伝えれば、相手の理解を得やすくなります。
親しい関係の人には自分の状況を説明すれば、サポートをしてもらえるでしょう。素直に謝ることは関係を修復させる第一歩となり、あなたの心の安定にもつながります。
素直に謝ると許してもらえることって意外と多いですよ♪
落ち着いて話し合う
情緒不安定な状態でも、冷静に話すことを心がけましょう。深呼吸をして気持ちを落ち着かせてみてください。その後、相手とゆっくりと話し合いの時間を持ちましょう。
話し合うときは「私は〇〇と感じています」というように、自分の感情を主語にして伝えることが効果的です。相手を非難するのではなく、自分の気持ちを素直に表現すれば、前向きな会話ができます。
お互いの気持ちを理解し合えば、相手との関係性を良好に保てます。
自分の感情を振り返る
相手にイライラをぶつけてしまったら、自分の感情を振り返りましょう。
その日の出来事や自分の感情を記録する「感情日記」をつけてみるとよいでしょう。自分の感情のパターンや傾向を把握しやすくなります。[3]
振り返りができたら「なぜそのように感じたのか」「どうすれば良かったのか」を考えられます。次に同じような状況に直面したときに、より適切に対応できるようになるのです。自己理解を深めることは、情緒の安定につながる大切なステップになります。
生理中の情緒不安定への事前対策3つ
生理による情緒不安定への事前対策には、次の3つがあります。
実践することで生理中の情緒不安定を和らげ、より快適に過ごせるでしょう。それぞれの対策を解説します。
身体を動かす
生理前のメンタル不安定を和らげるためには、適度な運動が効果的です。[4]運動はストレス解消や幸せホルモンであるセロトニンの分泌促進につながり、心身のバランスを整えられます。
ウォーキングやランニング、ダンスなど、自分に合った運動を実践してみましょう。激しい運動は避け、軽めの有酸素運動を1日20〜30分ほど行ってみてください。[5][6]
定期的に体を動かす習慣をつけると、生理周期による体調の変化にも対応しやすくなります。身体を動かすと心身ともにリフレッシュするため、情緒不安定を予防できるでしょう。[7]
予定を詰めすぎないようにする
生理前は余裕を持ったスケジュール管理を心がけましょう。
生理前は心身の不調が起きやすい時期です。予定を詰めすぎると、ストレスがたまって情緒不安定を引き起こす原因となってしまいます。
とくに生理1~2週間前は、重要な予定や負担の大きい仕事を入れすぎないようにしましょう。趣味の時間やリラックスできる時間をできるだけ確保し、自分のペースで過ごせるよう工夫してみてください。
元気なときでも予定がたくさんあると疲れちゃう💦
パートナーに生理周期であると伝える
パートナーに自分の生理周期を伝えておくことは大切です。生理による情緒不安定は、パートナーとの関係にも影響する可能性もあります。オープンなコミュニケーションを取れば、お互いの理解を深められます。
たとえば「来週は生理前で少し情緒が不安定になるかもしれない」と伝えておくと、パートナーも心の準備ができ、サポートをしてくれるでしょう。
生理中に自分がどのような変化を感じるのか、どのようなサポートがあると嬉しいかなどを具体的に伝えておくのもよいです。パートナーの理解と協力を得れば、情緒不安定による悪影響を最小限におさえられます。
生理による情緒不安定と上手く付き合うコツ
情緒不安定と上手く付き合うためには、次の3つがあります。
- 自分の気持ちを書き出す
- リフレッシュできる時間をつくる
- 情緒が不安定になっている自分を責めない
自分の気持ちを書き出すことは、情緒不安定に効果的です。気持ちの変化を書き出すと感情を整理でき、客観的に状況を見つめ直せるようになります。
生理前にはリフレッシュできる時間をつくりましょう。好きな音楽を聴いたり、アロマオイルを使ったりすると、リラックスできます。
また、情緒が不安定になっている自分を責めないことも大切です。生理前の情緒不安定は、ホルモンバランスの変化による自然な現象です。「生理前だから仕方ない」と気楽に考えるようにしてみてください。
割り切って考えることも大切です!
生理による情緒不安定はPMSやPMDDの可能性も
生理に伴う情緒不安定が日常生活に大きな影響を与えるときは、PMSやPMDDの可能性があります。
PMS(月経前症候群)は、生理前におこる身体的・精神的症状の総称です。軽度から中程度の症状を指し、多くの女性が経験します。イライラや気分の落ち込み、食欲の変化などがおもな症状です。[1]
一方、PMDD(月経前不快気分障害)はPMSよりも重い状態です。PMDDでは、抑うつや激しい気分の変動などの症状があらわれ、日常生活に著しい支障をきたします。[4]
日常生活に大きな影響を与えるときは、精神科や婦人科の受診を検討してみてください。治療によって症状を和らげることができます。
PMDDについては下記の記事で詳しくご覧ください。
まとめ
生理による情緒不安定は、ホルモンバランスの変化が原因です。多くの女性が経験しますが、適切に対処することで症状を改善できます。日常生活に大きな支障があるときは、医療機関の受診を検討してみてください。
情緒不安定はつらい経験ですが、対策を取ればより快適な生活を送れるようになります。情緒不安定で泣いたりイライラしたりして悩んでいたら、おおかみこころのクリニックにご相談ください。
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【参考文献】
[1]月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)|公益社団法人 日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/
[2]月経前症候群(PMS)|MSDマニュアル家庭版
[3]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf
[4]精神科からみたPMS/PMDDの病態と治療,大坪天平
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/22/3/22_258/_pdf
[5]体を動かす|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html
[6]習慣的に運動しよう|とうきょう健康ステーション
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kensui/undou/undou.html
[7]共通「メンタルヘルス対策」安全衛生のポイント
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/02_common_mental_jp.pdf