心穏やかに過ごせる仕事の特徴3選|仕事しんどいを手放す簡単なコツ







仕事の忙しさや人間関係がストレスになってしんどいです。心穏やかに過ごせる仕事ってありますか?

浅田先生
浅田先生

心穏やかに過ごすためには「どのような職業か」よりも「どのような環境か」が大事だよ。詳しく説明するね

厚生労働省によると「自分の仕事や職業生活に関することで強い不安,悩み,ストレスとなっていると感じる事柄がありますか」 という質問に「ある」と答えた労働者は、全体の 54.2%となっています。[1]

仕事のストレスが続くと心身の不調に悩んだり、退職や休職などにつながったりするためムリせず自分に合った環境で働きたいですよね。

今回は、心穏やかに過ごせる仕事過ごせない仕事それぞれの特徴を解説します。

記事の最後には心穏やかに仕事をするコツも紹介するので、あなたのしんどさを軽減するお手伝いができれば幸いです。

心穏やかに過ごせる仕事とは

心穏やかに過ごせる仕事は、職場でストレス対策がされています。

具体例として以下7つが挙げられます。[2]

  • 仕事の役割や責任が明確である
  • 職場でよい人間関係が保たれている
  • 将来や昇進・昇級の機会が明確である
  • 職場の決定事項を検討する場に参加できる
  • 仕事のやりがいがあり、労働者の技術が活用される
  • 労働者の生活に合わせて勤務形態の配慮がされている
  • 仕事量が多すぎず少なすぎず、作業ペースの調整ができる

どのような職業でもストレスになることはあるため、心穏やかに仕事をするためには職場環境が大切です。

こころちゃん
こころちゃん

やりがいを感じられて、気軽にコミュニケーションがとれる職場環境が理想的!

心穏やかに過ごせる仕事の特徴

心穏やかに過ごせる仕事の特徴として以下3つが挙げられます。[3]

それぞれ解説します。

適度な雑談ができる

心穏やかに過ごすためには、適度な雑談が必要です。[4]

職場で穏やかに過ごせない原因のひとつとして、お互いの信頼感が低い状態が挙げられます。

信頼感がないと「仕事の相談をしたいけど、評価が下がるかもしれない」「もっとこうしたら仕事がしやすいと思うけど、意見したらどう思われるかな?」と不安になってしまうでしょう。

適度な雑談をすることで以下が明確になり、安心感が生まれます。

  • 相手がどのような人か
  • どのような考えを持っているのか
  • 自分に対してどう感じているのか

気軽に雑談できる環境が相談のしやすさや新たなアイディアを生み、心穏やかに仕事をするための安心感を作り出すのです。

適度な休憩がとれる

心穏やかに過ごすためには、適度な休憩が不可欠です。

休憩をとると作業効率や疲労感が改善され、仕事に対するモチベーションを保ちやすくなります。

VDT作業(パソコンやタッチ画面などを使用する作業)をする場合、60分の作業ごとに10~15分程度の休憩が必要です。[5]

休憩中は以下のように過ごすとよいでしょう。

  • 仮眠をとる
  • 飲み物を飲む
  • おやつを食べる
  • 景色をながめる
  • ストレッチをする

ただ「休憩中は○○すべき」と頭で考えすぎると余計に疲れてしまいます。

あなたが心地よいという感覚を大切にして、心身がリフレッシュする方法で過ごしましょう。

やりがいを感じられる

仕事で心穏やかに過ごすためには、適度なやりがいが大切です。

やりがいを感じられる状態とは「高いレベルの仕事を任されるが、自分を信頼して自由にやらせてもらえる状態」をいいます。[2]

反対に、自分で決められないことが多い状態で多くの仕事を任されてしまうと、強いストレスとなりやりがいを感じられません。

「自分の仕事が会社の役に立っている」「信頼してくれるみんなのために頑張りたい」という前向きな気持ちで仕事ができると、仕事が忙しくても心穏やかに過ごせるのです。

心穏やかに過ごせない仕事の特徴

悩みやすい仕事のストレスとして、以下3つが挙げられます。[1][6]

  • 人間関係の悪さ
  • 仕事の量・質のかたより
  • 仕事の失敗・責任の発生

このような職場はギスギスした雰囲気がただよい、心穏やかに過ごせません。

心穏やかに過ごせない仕事環境の例として、以下が挙げられます。[4]

・社内の情報共有は会議の場だけである

・業務上必要な情報がどこにあるのか毎回迷う人たちが多い

・業務上必要な情報が更新されておらず、最新情報の理解にばらつきがある

・業務に直接関係をもたない情報はほとんど共有されていない

・情報発信はされているが発信者の意図が伝わらない

・何かを自由に発言する雰囲気がない

・お互いがどんな思いをもって仕事に取り組んでいるかよくわからない

・そもそもお互いどんな人なのかよく知らない

・成果をみんなで共有する機会がない

・成果を振り返り学習する習慣がない

・成功体験や失敗体験が活かされず同じような過ちを繰り返すことが多い

・職場以外(社外含む)の人たちと智慧を交流する場がない

引用:hasegawa_jinjijitsumu.pdf

半分以上に心当たりがある場合は、心穏やかに過ごせない可能性が高いといえます。

「仕事のことを考えると気持ちが沈む」「よく眠れない」などのサインがあるときは、こころと身体が疲れている状態です。

頑張りすぎて倒れてしまう前に、おおかみこころのクリニックにご相談ください。オンライン診療も受け付けているため、ご自宅からの受診も可能です。

「仕事は続けたいけど会社に行くのが怖い」「もしかして適応障害?」というときは、こちらの記事をご覧ください。

心穏やかに仕事をするコツ

心穏やかに仕事するコツとして、以下3つが挙げられます。

それぞれ解説します。

「期間限定」だと考える

心穏やかに仕事をするために「嫌なことは期間限定」と考えましょう。

異動の希望をして「〇月になれば異動できる」と考えたり、異動できないときは「〇月に退職の相談をしよう」と区切りをつけたりすることが大切です。

心身の健康より大切な仕事はありません。

自分に合わないと思ったときは、ムリせず早めに自分に合った環境を探しましょう。

「心身の調子が悪くて休職したい」「診断書ってどうやったらもらえるの?」とお悩みのときはこちらを参考にしてください。

仕事中にセルフケアを取り入れる

心穏やかに仕事をするには、手軽にできるセルフケアが有効です。

ストレスを感じると呼吸が浅くなり、自律神経が不安定になってイライラしやすくなります。[3]

以下の方法を試してストレスを逃がしましょう。

  1. 体中の空気を吐き出すつもりで息を吐き切る
  2. 4秒かけて息を吸う
  3. 8秒かけて息を吐く
  4. 2~3を心地よくなるまで繰り返す

ほかにも「アロマオイルのにおいをかぐ」「手をギュッと握ってパッと開き、身体のゆるみを感じる」などの方法もあります。

「家に帰ったらストレス発散しよう」と後回しにせず、その場でストレスを軽減させるのが大切です。

変えられること・変えられないことリストを作る

変えられること・変えられないことリストを作りましょう。

どこにいても自分に合わない人や環境はなくならないものです。

「あの人に気に入ってもらうためにはどうすればいいかな」「この職場の雰囲気に合う人にならなきゃ」とムリする必要はありません。

変えられることと変えられないことを区別するために、以下の方法を試してください。[6]

  1. 不安や悩みを紙に書き出す
  2. 自分で変えられることに〇、変えられないことに✕をつける
  3. 〇をつけたことにだけ集中する

イメージとしては以下のような形です。

➀不安や悩みを紙に書き出す
例:
「お局のAさんが電話に出ない」
「上司がAさんにガツンと言ってくれたらいいのに」
「あの仕事を納期に間に合わせなきゃ」
「できないことはできないって言いたいな」

②自分で変えられることに〇、変えられないことに✕をつける
例:
「お局のAさんが電話に出ない」
→✕:Aさんが電話に出るか出ないかはAさん次第

「上司がAさんにガツンと言ってくれたらいいのに」
→✕:上司に期待するだけムダかもしれない

「あの仕事を納期に間に合わせなきゃ」
→〇:自分次第で変えられる。作業ペースを上げて取り組もう!

「できないことはできないって言いたいな」
→〇:言い方を工夫すればできそう。いい例文を調べてみよう

③〇をつけたことにだけ集中する
例:
・今からは「仕事のペースを上げて納期に間に合わせること」に集中しよう
・すき間時間に「できないことを断る例文」も調べよう
・お局のAさんや上司には期待するのをやめて、自分に集中しよう(✕をつけたことは心の中でゴミ箱に捨てるイメージをする)

1〜3を通してあなたを苦しめているストレスを手放し、自分で変えられることにだけ集中すると心穏やかに過ごしやすくなります。

まとめ

心穏やかに仕事するためには「どのような職業か」よりも「どのような環境か」が大切です。

心穏やかに過ごせる仕事では、以下のような環境が整っているでしょう。

  • 適度な雑談ができる
  • 適度な休憩がとれる
  • やりがいを感じられる

以下3つの心穏やかに仕事をするコツを知っておくことも大切です。

  • 「期間限定」だと考える
  • 仕事中にセルフケアを取り入れる
  • 変えられること・変えられないことリストを作る

つらい環境でムリを続けると、心身の不調が現れる危険性があります。

ひとりで頑張り続けず、おおかみこころのクリニックにご相談ください。

ご自宅からの受診をご希望の方は、オンライン診療をご利用いただけます。

ストレスになっていることを気軽に話してくださいね。

【参考文献】
[1]職場環境とメンタルヘルス
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2022/08/pdf/014-024.pdf

[2]職場環境改善ツール|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/manual

[3]やさしくわかる うつ病からの職場復帰|山本晴義 ナツメ社

[4]風通しのよい職場づくりの3要素
https://files.microcms-assets.io/assets/919db704cddc4f58ba845152944f8cb8/1d7cb89651054bf5860b15c084ebfd61/hasegawa_jinjijitsumu.pdf

[5]厚生労働省|情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/000580827.pdf

[6]職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全|井上智介 大和出版

この記事の執筆者
とだ ゆず
メンタルヘルスの記事を中心に執筆する看護師・保健師ライター。 精神科勤務での患者さんとの関わりや自身のうつ病経験から「人の心についてもっと知りたい」と思い、上級心理カウンセラーの資格を取得。 エビデンスに基づいた読者の心に寄り添う記事を心がけている。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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