HSPだと思っていたけど発達障害かも?同じだと言われる理由や違いを解説










「人の言葉にすごく傷つきやすい」

「人と一緒にいると、気を使ってクタクタになる」

このように悩み「HSPなんだろうな」と思いながら過ごしている方も少なくありません。

ただ、周りとうまくなじめなかったり生活そのものがつらく感じたりして「HSPだけじゃないのかも…発達障害なのかな…」と不安を抱えていませんか。

HSPと発達障害の違いを知ることで「HSPの気質が強かったんだ」「ちょっと病院で相談してみようかな」と今後どうすべきかを考えるきっかけになるかもしれません。

この記事では、HSPと発達障害が似ていると言われる理由特徴の違い病院に行く目安について解説します。

あなたが少しずつ安心して、自分らしく生活を送るきっかけになりますと幸いです。

HSPと発達障害が同じだと言われる理由

HSPと発達障害は、似た特徴があるため「同じなの?」と疑問に感じる方も少なくありません。

HSPと発達障害は別物ですが、似ているように感じられる部分があるため混同されがちです。

たとえば、以下のような共通する特徴がみられます。[1]

  • 感覚が過敏で音・光・ニオイ・人の気配に反応しすぎる
  • 相手の言動に敏感に反応しすぎてしまい対人ストレスが溜まりやすい
  • 「自分だけうまくいかない」と思いやすく日常生活での生きづらさを感じる

また、HSPは正式な診断名がないため「本当は発達障害なのかな」と不安に思ってしまうこともあります。

HSPと発達障害は似ている部分はあっても、根本的には異なるということを知っておくことが大切です。

HSPと発達障害の違いについては、次で詳しく解説します。

HSPと発達障害の違い

HSP発達障害には以下のような違いがあります。[1][2]

HSP
発達障害
原因性格・気質脳機能の発達
診断セルフチェック医師による診断が必要
特徴的な行動・共感力が高い
・深く考えすぎる
・些細な変化に気づく
・忘れ物が多い
・落ち着きがない
・こだわりが強い
対人関係人に気を遣いすぎる・距離感をつかむのが苦手
・空気を読むのが苦手

発達障害の特徴はASDやADHDなど、タイプによって異なります。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

HSPの特徴

HSPは医学的な診断名ではなく、生まれ持った性格や気質です。[3]

ただし、日常生活の中で生きづらさを感じやすく周囲との違いに悩むことが多くあります。

HSPの方によく見られる特徴は以下の6つです。[3]

  • 刺激に敏感に反応する
  • 直観力がありひらめきが強い
  • 慎重で自分のペースで行動することが好き
  • 同じことをしていても他の人よりも疲れやすい
  • 自分や相手の気持ちを深く考えることができる
  • 周りの人の気持ちを理解しすぎて自分が疲れてしまう

たとえば、人混みに行くとニオイや音が気になったり、同じ仕事をしていても人より疲れやすかったりします。

ほかにも、身近な人が悲しんでいたりイライラしていたりすると、自分のことのように気持ちが引っ張られることもあるでしょう。

このように、HSPは環境の変化や刺激に強く反応するため、人一倍疲れやすくなることがあります。[1]

発達障害の特徴

発達障害は、脳機能の発達に関係する障害です。[4]

コミュニケーションの苦手さやこだわりの強さなどにより、人とかかわる中で困難さを感じることがあります。

代表的な発達障害は、以下のとおりです。[4]

  • ASD(自閉スペクトラム症)
  • ADHD(注意欠如・多動症)
  • SLD(限局性学習症)

ASDは、コミュニケーションが一方的になったり気になることや強いこだわりがあったりします。

ADHDでは、気が散りやすく集中が続かないことや衝動的に行動することが特徴的です。

SLDでは、読む・書く・計算するなどの学習が極端に苦手なことがあります。

また、発達障害は子どもだけでなく大人にも見られます。

たとえば、空気を読むことが苦手だったり人間関係がうまくいかなかったりする背景には、発達障害が隠れているケースも少なくありません。

大人の発達障害の特徴は以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

HSPと発達障害の併発するのか

HSPと発達障害は、併発することがあると言われています。[1]

ただ、光や音、ニオイへの敏感さがHSPによるものなのか、発達障害によるものなのか見分けるのは難しいことがあります。

HSPは、セルフチェックや自己判断で確認できるため「HSPだと思っていたけど発達障害による感覚過敏だった」というケースも少なくありません。

たとえば、ADHDの方がHSP的な感受性を持っていたり、ASDの方が音や光に敏感になっていることもあるということです。

HSPと発達障害の併発については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

病院を受診する目安

HSPか発達障害か、自分では判断が難しく不安になることもあるでしょう。

以下のような場合は、一度病院で相談してみてもよいかもしれません。

  • 日常生活や仕事に支障をきたしている
  • 人間関係に悩みすぎてこころや身体に不調が出ている
  • 「自分はどうしてこうなんだろう」と自分を責めてしまう

とくにネットの情報を読みすぎて「わたしHSPと思っていたのに発達障害なのかな?」と混乱しているときは、病院で相談することも大切です。

病院では、問診や心理検査などを通して、発達障害の有無を専門的に判断することができます。

「診断されるのが怖い」と感じるかもしれませんが、診察を受けることで「どんな環境が心地よいのか」「どんな工夫が合っているのか」を見つけられるでしょう。

また、不安な気持ちをそのままにして過ごしていると、こころの健康によくありません。

おおかみこころのクリニックへいつでもご相談ください。

おおかみこころのクリニック

まとめ|あなたがあなたらしく生活できることが大切

「HSPかもしれない」「発達障害だったらどうしよう」と不安な気持ちのまま過ごしていると、こころが疲れてしまいます。

あなたのその繊細さや周りの刺激への過敏さは、マイナスな要素だけではありません。

HSPや発達障害で生きづらさを感じても、自分を責めるのではなく、あなた自身のよいところに注目することが大切です。

ひとりで抱え込まず、必要なときは周囲や専門家を頼ってください。

おおかみこころのクリニックは、あなたの悩みにいつでも寄り添います。

おおかみこころのクリニック

【参考文献】
[1]HSP と発達障害は区別可能なのか?|菊池 哲平
https://kumadai.repo.nii.ac.jp/record/34897/files/KKK0071_077-082.pdf

[2]発達障害の理解|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000633453.pdf

[3]日本における HSP 支援の現状と展望:障害概念と関連させて|金丸 彰寿 、平井 絵梨香
https://shoin.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/11_joks5_kanamaru_hirai.pdf

[4]発達障害障害の理解のために|発達障害ナビポータル
https://hattatsu.go.jp/uploads/2021/08/3472ab38dd1ab32712c71c61f84c8f5b.pdf

この記事の執筆者
柚木ハル
作業療法士として精神科で17年の臨床経験を積み、現在は訪問リハビリに従事。経験を生かしメンタルヘルスを中心に、やさしく寄り添う文章を心がけて執筆しています。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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