ストレスが限界に達した時に出る症状19個|対処法や病気の可能性も




「やる気がなくて何もできない」「疲れているのに眠れない」など心当たりがある方はいませんか。

上記のような症状がある場合、ストレスが限界に達しているかもしれません。

ストレスを溜めすぎてしまうと、うつ病などの病気を引き起こす可能性があります。

この記事では、ストレスが限界に達した時に出る症状対処法について解説します。

ストレスの限界サインは、気づかないうちに見逃してしまう可能性もあります

あてはまる症状があれば、なるべく早めにストレスの対処をして、症状を改善していきましょう。

下記の記事では、心が壊れる前兆を紹介しています。気になる方は合わせてご覧ください。

ストレスが限界に達した時に出る症状【5種19個】

ストレスが限界に達した時に出る症状は、おもに5つの種類に分かれます。

具体例を合計19個挙げていくので、あてはまるものがあったら注意してください。

こころちゃん
こころちゃん

それぞれ見ていきましょう

心に出る症状5つ

ストレスが限界に達した時に心に出る症状は、以下の5つがあるでしょう。

  • イライラして焦っている
  • やる気が出ない
  • 憂うつに感じる
  • 涙が出る
  • 好きなことに興味が湧かない

仕事や家庭でイライラして焦ったり、やる気が出なかったりするときは、ストレスが溜まりすぎているかもしれません。

憂うつに感じて、突然泣くときがあれば注意が必要です。

好きなことや楽しいことに興味が湧かなくなり、虚無感に苦しむというケースもあります。

体に出る症状5つ

ストレスで起こる体の異変には、以下の5つが挙げられます。

  • 疲れているのに眠れない
  • 食欲がない
  • お腹の調子が悪い
  • ふらふらする
  • 動悸がする

体が疲れているのに眠れないことは、ストレスの限界サインでしょう。

「ふらつく」「動悸がする」ときは、倒れる危険性があるので、無理をせず休むようにしてくださいね。

考え方に出る症状3つ

考え方に出る症状には、以下の3つが見られるでしょう。

  • 「どうせうまくいかない」と考える
  • 「自分は価値のない人間だ」と思う
  • 罪悪感を感じている

ストレスが限界を超えると、上記のような考えが浮かんでしまいます。

考えが止まらなくなると、強いネガティブ感情を伴った自殺への考えが支配し続ける「自殺念慮」につながるかもしれません。[1]

物事の考え方が偏っていて、客観視できない状態の「認知のゆがみ」が起きている場合があります。

認知行動療法を用いて考え方の偏りをなくすようにしてみましょう

認知行動療法について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

表情に出る症状3つ

表情に出る症状には、以下の3つが考えられるでしょう。

  • 笑顔が減る
  • 表情が硬くなる
  • 無表情になる

笑顔が減って無表情になったり、表情が硬くなったりしていたら、ストレスが限界に達している可能性があります。

表情とストレスについての研究では「抑うつ・不安」の状態には怒り表情の顔上部と下部、「不機嫌・怒り」状態時には怒り表情の顔上部に影響が出たと示されています。[2]

怒っていないのに周囲から「怒っている?」と聞かれたら、ストレスの限界サインと考えてみるといいでしょう。

行動に出る症状3つ

ストレスが限界に達した時に行動に出る症状は、以下の3つがあります。[3]

  • 人との交流を避ける
  • 身だしなみを気にしない
  • お酒やタバコの量が増える

人との交流を避けたり、身だしなみを気にしなくなったりしたら、ストレスが限界に達しているサインと考えられます。

また、ストレスを発散するために、お酒やタバコの量が増える方がいるかもしれません。

お酒やタバコを続けると精神・身体の依存や耐性が形成されて、コントロールができなくなる依存症になってしまうので、気をつけてください。[4]

ストレスが限界に達した時の対処法

ストレスが限界に達した時の対処法を3つ紹介します。

生活習慣が乱れていると思ったら、ストレスを溜め込まないためにも、改善していきましょう。

一度に全部を取り組まなくてもいいので、できそうなものから試してみてくださいね

こころちゃん
こころちゃん

できるものから「少しずつ」です♪

十分な睡眠をとる

十分な睡眠をとることは、ストレスを感じにくくし、メンタルヘルス不調の発生リスクを減らせます。[5]

良い睡眠をとるポイントは「量」「リズム」「質」の3つです。[5]

睡眠を6時間以上取ると、日中の眠気と疲労感が改善され、ストレスを感じにくくなってうつ状態になるリスクを減らせます。

睡眠は体内時計によってコントロールされているため、朝起きたら日光を浴びて朝食をとるようにしましょう。

寝室が明るいと眠りの質が悪くなるので、寝るときは月明り程度にしてみてください。

運動を取り入れる

有酸素運動などの適度な運動は、生活習慣の改善、うつ病など精神疾患の予防の観点から、重要な意義を持つと考えられています。[6]

さらにジェームズ・ブルメンタールの研究では、16週間運動療法を受けたうつ病の患者は、抗うつ薬を服用した患者のグループと同等の治療効果があると分かっています。[7]

運動は一日に何時間もやるのではなく、毎日または定期的に続けることが大切です。

毎日続けやすいウォーキングやラジオ体操などの軽い運動から、取り入れてみてください。

栄養バランスの良い食事をとる

栄養バランスの良い食事をとることは、ストレスを減らすことにつながるでしょう。

3食とらなかったり、一回の食事量が少なかったりすると必要な栄養素をとれません。[8]

食事の時間はなるべく一定にして、一回の食事で主食・主菜・副菜をそろえてバランスの良い食事を心がけてみてください。

ストレスが原因で引き起こされる病気

ストレスが原因で引き起こされる病気は、以下の3つがあります。

心身の不調が現れたら、なるべく早めに医療機関で受診してくださいね。

こころちゃん
こころちゃん

それぞれ見ていきましょう

うつ病

うつ病とは気分障害の一つで、抑うつ気分などの「精神症状」と疲労感などの「身体症状」が現われる病気です。

精神的・身体的ストレスなどの原因だけでなく、結婚や就職などの嬉しい出来事の後にも発症することがあります[9]

うつ病の治療には、薬物療法と精神療法があります。[9]

薬物療法ではおもに抗うつ薬が使われますが、自分の判断で薬の量を変えたり中断したりせずに使用してください。

精神療法では、支持的精神療法という基本的な治療法に加えて、認知行動療法や対人関係療法もおこなっていきます。

自律神経失調症

自律神経失調症は、一般内科で症状を訴えても、明らかな身体の病気がない状態のことです。[10]

自律神経失調症の症状は、倦怠感や頭痛、動悸などです。

ストレスなどで自律神経のバランスが乱れると、身体機能の調整がうまくいかなくなり、さまざまな不調が出てきてしまいます。[11]

治療は心身の両面からおこない、健康習慣を身につけて心身のリラックスを図ります

自律神経失調症について気になる方は、下記の記事もご覧ください。

適応障害

適応障害とは、環境の変化などによるストレスで起こる情緒面・行動面の不調のことです。[12]

症状には憂うつ気分や不安感、頭痛や不眠などがあり、仕事や学業を続けることが難しい状態となってしまいます。[13]

適応障害に対する治療は、まだ有効性を示すものは見つかっていません。[14]

「環境に慣れること」「ストレスを減らすこと」などが、適応障害の回復に大切です。

まとめ

今回はストレスが限界に達した時に出る症状や対処法について解説しました。

ストレスが限界に達した時に出る症状は「心」「体」「考え方」「表情」「行動」に分かれて出てきます

自分だけでは気づけない部分もあるので、周囲から心配されたときもストレスが限界に達した時の目安にしてみてください。

ストレスを減らすためには「十分な睡眠をとる」「運動を取り入れる」など、日々の生活習慣から改善していきましょう

この記事で紹介した症状にあてはまると思ったら、一度医療機関を受診してみてください。おおかみこころのクリニックでは、24時間来院の予約受付をしています。ストレスが限界を超えてしまう前に、相談に来てみてくださいね。

24時間予約受付中

【参考文献】

[1]希死念慮:用語解説|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1534/

[2]意図的表情に及ぼす顔部位効果と心理的ストレス要因の分析
https://www.ieice.org/publications/conference-FIT-DVDs/FIT2011/data/pdf/J-034.pdf

[3]3 ストレスへの気づき:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh003/

[4]アルコールと依存 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-05-001.html

[5]e-ラーニングで学ぶ 15分でわかる働く人の睡眠と健康|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/e_sleep/data/e-learning.pdf

[6]身体運動によるストレスへの対策
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/35/1/35_15/_pdf

[7]Effects of Exercise Training on Older Patients With Major Depression
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/485159

[8]ストレスを感じたときに必要な食事|伊勢市
https://www.city.ise.mie.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/506/recipe146.pdf

[9]うつ病|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=9D2BdBaF8nGgVLbL

[10]自律神経失調症:用語解説|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1591/

[11]眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話
https://amzn.asia/d/c2cz0jP

[12]こころの病気 解説|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/mental-illness/

[13]適応障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-041.html

[14]適応障害の診断と治療
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1200060514.pdf

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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