「最近、不眠の症状が続いていてつらい」「不眠を自分で改善する方法が知りたい」
このように悩んでいませんか?
睡眠障害は、勉強や仕事における作業効率を下げるだけでなく、心身の健康に悪影響となります。
「病院に行くほどではないし…」と、自分ひとりで改善しようとしても、うまくいかないこともあるでしょう。
不眠を克服するための努力が逆効果になる可能性だってあります。
この記事では、自分でできる不眠症の克服方法を紹介します。
不眠症を自力で治すことは可能【生活習慣を見直そう】
症状にもよりますが、不眠症を自力で治すことは可能です。
睡眠障害は、以下のような生活習慣が乱れることで起きるため、それらを改善することで症状がよくなる可能性があるからです。
- 睡眠状況
- 寝室環境
- 運動習慣
- ストレス
- 飲酒
- コーヒー
- 生活習慣
不眠の症状が長く続いているのなら、早く病院を受診して専門家である医師のアドバイスを聞いてみるのをおすすめします。
ただ、「忙しくて病院に行けない」「まずは自分でできることから」という方は、この記事で紹介する8つの方法を試してみてください。
【厳選】不眠症を「自力で」克服する方法12選を紹介
自力で不眠症を克服する方法
① 朝イチで太陽の光を浴びる
朝起きたら、まず太陽の光を浴びるようにしましょう。
体温調整やホルモン分泌など、人間の身体のサイクルはおよそ24時間になっています。
これを「概日リズム(サーカディアンリズム)」と言います。
概日リズムは1日より少し長いため、体内時計のリズムの調整が必要です。
そこで、朝起きてすぐに太陽の光を浴びるとよいでしょう。
朝の光は体内時計をリセットできるとされています。
カーテンを開けて光を浴びる程度でもいいので、毎朝、光を浴びることを意識しましょう。
② 起きる時間を一定にする
起きる時間を一定にすることをおすすめします。
休みの前の日は夜更かしをしたり、休日には寝だめをしようとお昼ごろまで寝てしまっていませんか?
起床時間のばらつきは、体内時計の乱れにつながります。
たとえ休日でも、同じ時間に起きるように習慣化することが大切です。
休日にどうしても眠気を感じたら、30分以内の昼寝をするといいでしょう。
③ 睡眠時間にこだわらない
睡眠時間には個人差があることを知っておきましょう。
また、季節や日中の活動量によっても変わるので、他の人と比べて睡眠時間が短いからといって気にしなくても大丈夫です。
たとえば、「毎日8時間以上寝る」と決めてしまうと、焦りから逆に寝つけないこともあります。
あまり睡眠時間にこだわらないことをおすすめします。
④ 適度に運動する
ウォーキングなど、少し汗をかく程度の適度な運動は体が疲れるため、寝つきがよくなります。
激しい運動は睡眠を妨げてしまい、逆効果です。
体の負担にならない程度の運動(散歩やウォーキングなど)を毎日すると効果的でしょう。
⑤ 寝室の環境を整える
寝室の環境を整えることで眠りやすくなります。
ベッドやまくらなどの寝具は自分にあったものを選びましょう寝室の温度や湿度、音や光といったことも大切です。
なかなか寝つけなかったり、夜起きてしまったりといったことは、環境を整えるだけで改善する場合があります。
白っぽい昼白色の蛍光灯は体内時計を遅らせるため、照明を暖色系のものにしたり、遮光カーテンを使って外からの光を遮るのも効果的です。
また、温度や湿度の調整も重要で、温度や湿度が高いと眠りが浅くなると言われています。
湿度は40〜70%、室温は25℃前後を目安にするとよいでしょう。
⑥ リラックスできる環境をつくる
自分がリラックスできる環境を整えることも重要です。
アロマやお香を焚く、寝る前にストレッチをする、ヨガや瞑想をする、読書をするなど、心身ともにリラックスできる環境をつくると、快眠へとつながります。
⑦ 寝る前にお酒を飲まない
「リラックスして寝られるように」と寝酒をするのは逆効果です。
一時的によく眠れるようにかんじるかもかんじるかも効果は短時間のみになります。
また、お酒を飲むと深い睡眠の時間が減り、トイレが近くなり、朝に目が覚めることになってしまいます。
⑧ 15時以降に昼寝をしない
15時以降の昼寝は夜間の睡眠への影響が大きいため、昼寝をするときは15時までにしましょう。
どうしても眠気を感じたら、15〜20分程度の昼寝にしましょう。昼寝は頭と体の休息になります。
昼寝を長くとりすぎると寝起きに頭がぼーっとして集中できなくなることもあります。
昼寝で深い睡眠にならないよう、20分を目安に起きるようにしましょう。
⑨ カフェイン摂取量を抑える
作業中にコーヒーや紅茶などカフェインをとる方もいるでしょう。
カフェインには目が覚める効果と利尿作用があります。
夜間にとりすぎると寝付くまでに時間がかかったり、尿意で頻繁に目が覚めてしまうなど、睡眠への影響があるので、寝る時間の3-4時間前からは控えるようにしましょう。
⑩ 就寝1時間前からブルーライトを避ける
最近はパソコンやスマホ、タブレットなどさまざまな端末があり、寝る直前までSNSや動画、ゲームなどで画面を見ていることも多いでしょう。
ブルーライトは、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイからも発生します。
明るい光による刺激のため、脳は興奮状態になり、睡眠へとつながりにくくなります。
寝る1時間前からはブルーライトを避けて、暖色系の光へ変更し、ストレッチや読書、音楽を聴くなど、リラックスして過ごせるようにしましょう。
⑪ 眠たくなってからベッドに入る
不眠症の方で多いのは眠たくないのにベッドに入ることです。
眠たくないままベッドに入ってなかなか寝つけず、焦って余計に寝られないと悪循環になってしまうことがあります。
起きる時間は一定にしても、寝る時間はその日の活動量や季節などにより変化します。
あまり早くベッドに入ると寝られるか不安になりなかなか寝られないということもありま眠たくなってからベッドに入るようにしましょう。
⑫ 寝る前の考えごとは紙に書き出す
寝るときにベッドの中であれこれと考えごとをしてしまうこともあるでしょう。
考え事はたいていネガティブなもののことが多く、不安になってしまったり、緊張してしまったりして、寝つけなくなります。
寝るときに考えごとをしてしまったら、考えたことを全て紙に書きましょう。
そして、紙に書いた内容は、明日考えると決め、夜は考えずにそのまま寝てください。
翌日起きてから紙に書いた内容を振り返って考えてみましょう。
紙に書くことで気になって寝られないということがなくなりますよ。
不眠症・睡眠障害を自力で改善できないときは病院へ
この記事で紹介した12個の対処法を試しても症状が改善しない場合は専門医に相談してみましょう。
眠れない原因によっては、内服治療や原因となっている病気の治療が必要になることもあります。
また、不眠症は生活習慣病やうつ病など、他の病気との関連も高いとされています。
「何科にかかればいいかわからない」という方は、かかりつけ医を受診してみるとよいでしょう。
また、おおかみこころのクリニックでは、24時間予約受付を行っているので、まずはLINEの友達登録をしておいてくださいね。
参考サイト
e-ヘルスネット 不眠症
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
e-ヘルスネット 体内時計
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-039.html
健康づくりのための睡眠指針 2014(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf
カフェインの過剰摂取について(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
参考文献
睡眠障害ガイドライン
https://www.ncnp.go.jp/nimh/behavior/phn/sleep_guideline.pdf
Masao Ishizawa et al, Effects of pre-bedtime blue-light exposure on ratio of deep sleep in healthy young men. Sleep Medicine, Vol84, August 2021, Pages 303-307.
- この記事の執筆者
- はるはる
看護師・助産師・保健士資格あり。助産師として総合病院で勤務。妊娠、出産、母乳ケアなどの業務に従事。