眠れないまま朝を迎える理由と治療法5選!病院受診の目安は?




「眠れない日が続くのは何かの病気?」「朝まで一睡もできない日があるけど、このままで大丈夫?」

このように悩んでいませんか?

こころちゃん
こころちゃん

朝まで眠れないのはきついね~

浅田先生
浅田先生

もしかしたら
病気のサインかもしれないよ!

睡眠障害は、心身の病気のリスクを高めるだけではなく、仕事のミスや交通事故などにつながります。

この記事では、朝まで眠れない日が続くときに疑われる病気や、受診の目安について解説しています。

記事の最後では、それぞれの治療法についても解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

朝まで眠れない日が続くときに疑われる病気5選

眠れないまま朝を迎える理由【考えられる病気5選】

「今日も朝まで眠れなかった…」

そんな日が続くのは、病気のサインかもしれません。

今回は、不眠の症状があらわれる5つの病気を紹介します。

こころちゃん
こころちゃん

心あたりがあるか
確認しながら読んでね!

不眠障害

不眠障害とは「眠りたい」という思いに反し、十分な睡眠がとれず、心身の不調をおこす症状のことです。

不眠のパターンには以下の4つがあります。

入眠困難:寝つくまでに時間がかかる
中途覚醒:夜間に何度も目がさめる
早朝覚醒:早朝に目がさめ、再び眠れない
熟眠障害:よく眠れるものの、疲れが取れない

こういった症状がひとつ以上あり、日中の眠気や疲労感が強い場合には、不眠障害の可能性を考えましょう。

また、この上記の症状が週3日かつ3ヶ月以上続く状態を「慢性不眠症」1)といいます。

不眠障害の原因は様々で、原因によって対処法が異なります。2)

  • 身体的な原因:かゆみ、痛みなど
  • 精神的な原因:ストレスやうつなどの精神疾患
  • 生活によるもの:不規則な生活やアルコールなどの嗜好品
  • 薬剤によるもの:内服薬の副作用

まずは自分がどのタイプの不眠なのかを知り、ふだんの生活で何か原因がないか、ふり返ってみましょう。

1) 不眠症(休養・こころの健康)|e-ヘルスネット

2) 不眠症(健康用語辞典)|e-ヘルスネット

うつ病

不眠は、うつ患者の80〜85%に出現するとされています。逆に、不眠をきっかけにうつ病を発症することもあります。

「眠れない」という悩みだけでなく、「食欲の低下」や「ものごとへの興味の減退」があるなら、うつ病を疑いましょう。

うつ病の原因でもっとも多いのは「環境要因」です。

大切な人との別れや家庭内のトラブルだけでなく、職場の人間関係が引き金になることもあります。3)

うつ病に特徴的な症状は「早朝覚醒」です。また、入眠困難も多く合併することがわかっています。

「通常より2時間以上早く目が覚め、再度眠れない日が続く」「夜、布団に入ってもなかなか寝付けない」という方は、うつ病の可能性があります。

うつ病は、早く治療を始めるほど治りやすい病気です。眠れない日が続く場合は、できるだけ早く専門のクリニックを受診しましょう。

おおかみこころのクリニックでは、24時間予約を受けつけています。ぜひ、気軽に相談してくださいね。

3) うつ病の主な症状と原因:ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

4) 気分障害に併存する睡眠障害 | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

自律神経失調症

自律神経失調症とは、体を興奮させる交感神経とリラックスさせる副交感神経のバランスが崩れる病気です。5)

以下のような、さまざまな症状あらわれます。

  • 全身症状:だるさ、疲れがとれない
  • 身体症状:動悸、めまい、下痢
  • 精神症状:イライラ、不安

原因として、ストレスによる刺激や生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。

自律神経失調症では、ストレスに対する身体反応として睡眠障害がおきます。

ストレスを受け続けると交感神経が優位となり、夜間も交感神経が休まらないために不眠の症状がおこるのです。

5) 自律神経失調症|e-ヘルスネット

6) 第2章 心のケア 各論:文部科学省

概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害とは、「昼に活動して夜に眠る」というサイクルが乱れ、夜遅くまで眠れなくなったり朝に覚醒したりする病気です。

症状として以下のようなものがあげられます。

  • 寝るのが朝方になり夕方まで寝ている
  • 起きる時間が徐々に遅くなる
  • 朝起きられず、学校や会社に行けない

交代勤務や不規則な生活習慣による「体内時計の乱れ」によっておこることが多いです。

朝起きられないので遅刻や欠勤の欠勤の原因になるため、社会生活に支障が出るようになります。

概日リズム睡眠障害を知らない人からは「怠けている」と思われることも多く、周囲の理解が得られずにうつ病につながることもある病気です。

朝起きられない自分を責めた結果、自己嫌悪に陥ることもあります。うつ病に進行する前に治療介入しなければなりません。

7) 過眠症の杜 kaminsho no mori | 過眠症状を引き起こす病気 | 概日リズム睡眠覚醒障害

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。

深い睡眠がとりづらいため、日中の強い眠気から居眠りをしてしまいます。

睡眠中の低酸素状態や日中の眠気はストレスになるため、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などのリスクが高まります。

寝ている間の呼吸を自分で観察することは難しく、睡眠時無呼吸症候群は自分では気づきにくい病気の一つです。

  • 睡眠中に息が止まる
  • 強い「いびき」がある
  • 日中に居眠りをしている

このような症状を家族に指摘されたことがあるなら、耳鼻科や呼吸器内科、睡眠専門外来などを受診しておきましょう。

朝まで眠れない日が続くとどうなる?【不眠症のリスク】

朝まで眠れないまま日が続くとどうなる

人間は睡眠中にホルモンの分泌や免疫力の補強をし、体調を管理しています。

そのため、眠れない日が続くと、心身に以下のような悪影響が生じてしまうのです。

  • 疲労が取れない
  • 体がだるい
  • 血圧低下
  • 太りやすくなる
  • 意欲低下・イライラする・落ち込みやすい

睡眠不足は、仕事のミスや交通事故の原因にもなります。高血圧や糖尿病、うつ病などのリスクを高めることにもなるため、早めに医療機関を受診しましょう。

朝まで眠れないときに病院を受診する目安は?

朝まで眠れないまま日が続いた時の病院受診の目安は?
こころちゃん
こころちゃん

病院に行くかどうか
決めるのが難しいなあ……

浅田先生
浅田先生

「週3回かつ1ヶ月以上」
が目安だよ!

一般的に、満足な睡眠が取れない状態が「週に3回以上かつ1ヶ月以上」である場合には、医療機関の受診が推奨されています。

ただし、不眠は数日続くだけでも心身を消耗させ、仕事のミスを生むリスクは高まります。

上記の受診目安を満たさなくても「眠れなくてしんどい」「最近調子がおかしい」と感じたら、早めに診察を受けましょう。

医療機関を受診するときには、以下の内容を記録しておくとよいでしょう。これらは正しい診断をする上で貴重な情報になります。

  • 布団に入った時間
  • 就寝時間
  • 起床時間
  • 中途覚醒の有無
  • 起床時の気分
  • 日中の眠気
  • 昼寝の有無

参考:睡眠日誌の書き方 | 阪野クリニック

他には、睡眠を記録するアプリも手軽で使いやすいでしょう。記録することが負担にならないように、無理のない範囲で取り組んでください。

浅田先生
浅田先生

「何科に行けばいいか」は
下の記事に詳しく書きました!

朝まで眠れないときの治療法は?【症状別の睡眠障害治療法】

朝まで眠れない症状・病気の治療法
こころちゃん
こころちゃん

実際にどんな治療をするのかなあ……

と気になっている方もいると思います。

ここでは「朝まで眠れない日が続くときに疑われる病気5選」で紹介した病気ごとの治療法を簡単に解説します。

※治療法は症状によって異なるため、あくまで選択肢の一つとして考えてくださいね!

不眠障害の治療

不眠障害の治療は、睡眠薬や精神安定剤の力を借りて身体をリラックスさせていきます。また、認知行動療法を並行して行うこともあります。

不眠障害に対する認知行動療法の目的は、睡眠についての不安・心配への解決方法を身につけることです。睡眠薬のような即効性はありませんが、いったん身につければ半永久的に効果が持続するというメリットがあります。

8) 『不眠の科学』付録 2 不眠の認知行動療法 実践マニュアル

うつ病の治療

うつ病による不眠は、睡眠薬や抗うつ薬といった薬物治療が中心になります。

薬の力を借りて夜間の睡眠を確保し、脳を休ませるのが目的です。カウンセリングや認知行動療法などの心理療法を併用することもあります。

「よし、頑張って治そう」とはりきる気持ちはわかります。ただし、うつ病の急性期は休むことが何よりの治療になります。

無理に体を動かしたり、本を読んだりする必要はありません。「何かしたい」という気持ちが自然に湧き上がるまでは、ただただゆっくり過ごしましょう。

自律神経失調症の治療

自律神経失調症の治療では、ホルモン剤や抗不安薬などによる対症療法を行います。

たとえば、不眠症状に対して睡眠薬や漢方薬を使ったり、精神症状を抑えるために抗不安薬を投与したりします。

自律神経失調症の治療において、もっとも大切なのはストレスの軽減と生活習慣の改善です。

ストレスが加わると交感神経の作用が活発になり、自律神経のバランスが乱れてしまいます。ストレスをコントロールできるかが大切です。

不規則な生活習慣により、体内時計が乱れると自律神経のバランスも乱れてしまうため、ストレス管理と生活習慣の見直しを並行して行いましょう。

概日リズム睡眠障害の治療

概日リズム睡眠障害は、高照度光治療器やカウンセリング、薬物療法などが治療の選択肢になります。

高照度光治療器は、強制的に強烈な光をあてて、体内時計のリズムを正常に戻す方法です。カウンセリングでは、生活スケジュールの作成をしながら社会復帰をサポートします。薬物療法としては、メラトニン作用薬などを服用して体内時計を正していく方法もあります。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療では、経鼻的気道持続陽圧療法(CPAP療法)がもっとも効果的とされています。

これは鼻にマスクをつけて圧力をかけることにより、空気を肺に送り込む方法です。肺への酸素流入が改善されるため、呼吸の乱れが少なくなります。

睡眠時無呼吸症候群の治療には「体重管理」も大切です。気道の周りに脂肪がつくと、圧迫されて空気の通り道が狭くなり、寝ている間の呼吸障害がおきやすくなります。

生活習慣病の方や肥満気味の方で睡眠障害がある場合には、体重を落とす必要もあるでしょう。

まとめ

眠れないまま朝を迎える病気にあった治療が必要!

今回の記事では、眠れない日が続くときに疑われる病気や治療法をわかりやすく解説しました。

不眠は誰しもにおこりうるため、軽視されがちな病気です。しかし、睡眠障害は心身の病気や交通事故など、重大な問題の引き金になるリスクにもなります。

眠れない症状を軽視せずに、早めに医療機関で検査をしてみることをおすすめします。

当院でも相談しやすい環境を整えてお待ちしております。まずはお話だけでも聞かせてくださいね。

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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