「ADHDでも障害者手帳が取得できるのか知りたい」「障害者手帳を持つメリットを教えてほしい」
このような悩みはありませんか。
障害者手帳を取得しようか悩んでいるけど、ほんとうに交付されるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、障害者手帳の申請条件やメリットなどをお伝えします。ADHDで障害者手帳に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
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ADHDは障害者手帳を取得できる
ADHDの方は障害者手帳を取得できます。
申請する手帳は「精神障害者保健福祉手帳」です。発達障害者専用の障害者手帳はなく、精神障害者とおなじ手帳を保有します。
精神障害者保健福祉手帳の対象疾患は以下の通りです。
- 統合失調症
- 非定型精神病
- てんかん
- 中毒精神病
- 器質性精神障害
- 発達障害
- その他の精神疾患
精神疾患やてんかんなど、さまざまな疾患が該当します。
ADHDで障害者手帳を取得できる条件
ADHDの診断をうけてから6ヶ月後に障害者手帳の申請が可能です。
長期間にわたる精神疾患の影響で、生活が制限されている方に障害者手帳が交付されます。
診断が確定していないグレーゾーンの方は診断書を発行できないため、障害者手帳交付の申請がおこなえません。
また、障害者手帳が交付されるかどうかは自治体が審査をおこない判断します。審査には1ヶ月から3ヶ月ほどかかることも覚えておきましょう。
障害者手帳の等級について2つ紹介
障害者手帳の等級について、覚えておいた方がよいことを2つ紹介します。
症状によって等級がかわる
障害者手帳には1級〜3級があり、症状に応じて等級がかわります。
以下は等級別の症状です。
等級 | 判定基準 |
1級 | ・日常生活を送ることが困難 ・食事摂取は援助がないとできない ・入浴や更衣など援助がないと清潔保持ができない ・援助がないと服薬を規則的に行うことができない |
2級 | 日常生活を送ることができない 食事摂取ができない 入浴や更衣など清潔保持ができない 服薬を規則的に行うことができない |
3級 | 日常生活は送れるが活動に制限がある 上の2級の動作を自分で行えるが援助が必要な時もある |
判定基準は抽象的ですが、各自治体の精神保健福祉センターで一人ひとり時間をかけて審査をおこないます。
障害が生活にどの程度影響をうけているか、診断書の内容などから総合的に判断します。
等級に応じて障害年金支給額がかわる
等級別の障害年金給付額は2023年8月時点で以下の通りです。
等級 | 障害国民年金支給額(年間) | 障害厚生年金支給額(年間) |
1級 | 993,750円(月額81,020円) +子の加算 | 報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金額228,700円 |
2級 | 795,000円(月額64,816円) +子の加算 | 報酬比例の年金額+配偶者加給年金額228,700円 |
3級 | なし | 報酬比例の年金額 ※1最低保証額596,300円=障害基礎年金(2級)の額×(4分の3) |
初診日に加入していた年金制度から障害年金が支払われます。
現在では厚生年金に加入していても初診日に国民年金加入者であれば、国民年金支給額が給付されます。
障害厚生年金における報酬比例の年金額の計算式は以下の通りです。
平成15年3月以前の厚生年金加入期間
障害が認められる日までの平均給与× 7.5/1000 × 平成15年3月までの厚生年金加入期間の月数
平成15年4月以後の厚生年金加入期間
障害が認められる日までの平均給与(ボーナス含)× 5.769/1000 × 平成15年4月以後の厚生年金加入期間の月数
わかりにくい制度なので、くりかえし確認しましょう。
参照:障害者と税|国税庁
また、子の加算とは子供がいる場合に追加で支給されるお金のことです。第1子、第2子は228,700円で、第3子以降は76,200円が年間支給額に追加されます。
ADHDで障害者手帳を取得する3つのメリット
ADHDが障害者手帳を取得するメリットは3つあります。
障害者手帳を使うことで、さまざまな制度が利用可能です。
税金が安くなる
一部の税金が控除されます。控除とは、ある金額から一定額差し引くことです。
対象の税金は以下の通りです。
- 所得税
- 相続税
- 贈与税
たとえば所得税の場合、障害者控除として27万円が所得金額から差し引かれます。
通常は300万円の収入に対して税金がかかるものの、障害者控除が適応されるため、272万円に対して所得税が計算されます。
つまり、支払う税金が減るということです。
さまざまなサービスが割引でうけられる
公共交通機関や施設の入館料など、あらゆるサービスが割引でうけられます。
割引がうけられるサービスの一部を以下に記載しました。
- 電車運賃半額
- 携帯電話料金割引
- 博物館や美術館が入場無料
- ホテル代割引
- Jリーグ観戦チケット割引
- 航空券割引
- 有料道路割引
家計の助けになる割引が複数あるので、積極的に活用しましょう。
障害者雇用が利用できる
障害者雇用とは、障害のある人が障害のない人とおなじように働けるために、企業が雇用する制度のことです。
障害者雇用をおこなっている企業は障害特性に対する理解があることが多く、働きやすい環境です。
「人混みが苦手だから通勤ラッシュを避けて出勤したい」のように病気にあわせた事情に配慮されるため、柔軟な働き方が期待できるでしょう。
障害者雇用は一般職と比べると収入が低いので、障害年金などを活用する場合もあります。生活状況にあわせて申請を検討してください。
ADHDで障害者手帳を取得するデメリットはない
障害者手帳を取得するデメリットは特にありません。
人によって手帳を持つことにより、障害者になったというネガティブな気持ちが生まれたり、職場や友人に知られるかもしれないと心配したりする人がいます。
しかし、手帳を人に見せない限り人に知られることはありません。
税金や割引サービスがうけられることを考えるとメリットの方が大きいでしょう。
障害者手帳の申請手順を4ステップで解説
障害者手帳の申請は以下の4ステップでおこないます。
申請の流れを把握してスムーズな手続きをおこないましょう。
書類の準備
はじめに以下の書類を準備します。
- 申請書
- 診断書
- 本人の顔写真(たて4cm×よこ3cmで1年以内に撮影したもの)
- マイナンバーがわかるもの
申請書は自治体の窓口かWebサイトからダウンロード可能です。
診断書は初診日から6ヶ月経過後にもらいましょう。
自治体に申請
必要書類が準備できたら自治体の窓口で申請します。
障害福祉担当の窓口では申請書類に不備はないか確認され、問題なければ受理されます。
窓口にいくことがむずかしい方は、代理申請が可能です。
代理人にお願いする場合は、委任状と代理人の身分証明書が必要になるため、あわせて持参しましょう。
審査
障害者手帳の審査は1〜3ヶ月ほどかかります。
自治体により審査完了までの期間が異なるため、連絡が来るまでまちましょう。
交付
審査に通過したら自治体からの連絡をうけて交付されます。
申請した窓口にいき、手帳をうけとったらすべての手続きが完了します。
障害者手帳は2年に1度更新が必要
障害者手帳は2年に1度更新が必要です。
症状の変化や生活への影響をあらためて審査します。
必要書類は以下の通りです。
- 手帳
- 1年以内に撮影した顔写真(たて4cm×よこ3cm)
- マイナンバーがわかるもの
- 代理人の場合は認印
必要書類を準備した後、自治体の障害福祉担当窓口で申請します。
1〜2ヶ月ほど審査をおこない新しい障害者手帳が交付されます。
万が一、更新を忘れた場合は気づいた時点で自治体に連絡しましょう。担当者の指示にしたがい更新の手続きをおこなってください。
ADHDで障害者手帳をもらうなら条件を満たそう
ADHDで障害者手帳をもらうなら、診断後6ヶ月以上経過していることが条件です。
6ヶ月という期間は、障害が生活に影響していると判断に必要な時間です。そのため、6ヶ月経過しないと障害者手帳交付の申請がおこなえません。
障害者手帳はメリットが大きいので、取得を迷っている方にはおすすめです。
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