「サヴァン症候群ってどんな人のこと?」「ギフテッドとどうちがうの?」
こんな疑問を持っている方はいませんか?
この記事では、サヴァン症候群の特徴とギフテッドとの違いについて解説します。
記事の後半では、アスペルガー症候群との違いも解説しているので最後まで読んでみてくださいね。
サヴァン症候群とは
サヴァン症候群とは、知的障害や精神障害を持ちながら、ある分野の能力だけが飛び抜けて高い状態のことです。
厳密にいうと、病気ではなく生まれ持った特性です。よって、医学的な診断基準や統一された定義は存在しません。
サヴァン症候群は女性よりも男性に多く、自閉スペクトラム症(ASD)の人に多く見られる傾向があります。
サヴァン症候群の特徴は、突出した能力およびそれ以外の能力差が大きい点です。
ある特定の分野の能力は突き抜けているものの、その他の日常生活に必要な能力が著しく低く、社会生活で困難を抱えている場合もあります。
サヴァン症候群は、現段階では左脳の損傷により特性が生じると考えられています。
サヴァン症候群の能力
「サヴァン症候群の特別な才能ってどんなもの?」とイメージがつかない方もいるかもしれません。
サヴァン症候群の突出した才能の一例を以下でご紹介します。
- 一度読んだ本を何千冊も暗記している
- 絶対音感を持ち、一度聞いただけの曲を再現できる
- 見た景色を写真のように記憶し、描き起こせる
- 計算能力が高く、「2056年1月26日は何曜日?」のようなカレンダー計算にも即答できる
サヴァン症候群では、上記のようなめざましい才能を本人が自覚していない場合があります。
「本の内容を暗記しているが、内容は理解できていない」「曲を再現できるが、楽譜が読めない」のように能力が極めて限定的な飛び抜け方をしているケースも多いです。
サヴァン症候群の症状は個人差が大きく、すべてのサヴァン症候群が天才的な能力を持つわけではないことを知っておきしょう。
偏見や先入観は当事者を追い詰めてしまうことを心得ておきましょう。
「有能サヴァン」と「天才サヴァン」
サヴァン症候群は「有能サヴァン」と「天才サヴァン」に大別されます。
なにそれ~!
有能サヴァン
有能サヴァンとは、全体的な能力に比べ、音楽や美術など、ある分野の能力のみ著しく高い状態です。
ただ、その能力は本人の中では突出していても、世間的には並外れて高い能力ではない場合もあります。
天才サヴァン
天才サヴァンとは、突出したある分野の能力が、世の中でも卓越している状態です。
音楽や美術、数学などの特定の分野で才能を発揮し、世界的に名を残している方もいます。
しかし、サヴァン症候群の人に能力の発揮を期待しすぎると、本人にプレッシャーを与えてしまいます。
精神的に追いつめてしまう場合もあるため、注意が必要です。
ギフテッドとサヴァン症候群の違い
サヴァン症候群とギフテッドの違いは、知的障害や精神障害の有無です。
サヴァン症候群は、知的障害や、発達障害などの精神障害がありながら、特定の分野に突出した能力を持つ人のことをさします。
一方でギフテッドは、知的障害や精神障害の有無は判断基準に含まれません。
また、能力が達する水準も異なります。
サヴァン症候群では、「本人の中で」能力が突出していても、世間的には飛び抜けた才能ではない場合もあります。
しかし、ギフテッドでは、世間的に見ても能力が突出しており、優秀な功績が世の中に認められる場合があります。
アスペルガー症候群とサヴァン症候群の違い
サヴァン症候群とアスペルガー症候群の違いは、知的障害の有無です。
アスペルガー症候群は発達障害の一種で、対人関係の苦手さや、極めて限定的な興味(執着)などの症状がみられます。
アスペルガー症候群も特定の分野で才能を発揮することがありますが、知的障害を持ちません。
サヴァン症候群も特定の分野で才能を発揮しますが、アスペルガー症候群と異なり、知的障害を持ち合わせます。
まとめ
今回は、サヴァン症候群の特徴と、ギフテッドやアスペルガー症候群との違いについて解説しました。
サヴァン症候群は、ある特定の分野に突出した能力を持つ人をさします。
サヴァン症候群では、突出した能力と、その他の能力の差が大きいのが特徴です。
また、ギフテッドやアスペルガー症候群と異なり、サヴァン症候群は知的障害や精神障害を持ち合わせます。
サヴァン症候群の人に、得意なことを求めすぎると、本人にプレッシャーを与え、追い詰めてしまうこともあります。
また、サヴァン症候群の状態は個人差が大きく、すべての人が天才的な能力を持つわけではありません。
当事者を追いつめないためにも、興味本意で状態を追及するのは控えましょう。