最近、ずっと心がざわざわするんです…落ち着いてほしいのに、なんだかざわざわしちゃって…わたしってもしかして、なにか病気なのかなぁ?
ずっと心がざわざわして落ち着かないのはツラいですね。今回は、自分でできる対処法について紹介していきましょう!
「最近なんだか落ち着かない…」
「いろいろなことを考えすぎて心がざわざわしてしまう」
このようなことは、ありませんか?
身体やメンタルの不調によって、いつもは気にしないことでも気になり不安になってしまうことは誰にでもあります。しかし、不安が強すぎると心が落ち着かず日常生活にも支障をきたすこともあるでしょう。
この記事では、心がざわざわするのは病気なのか、なかなか落ち着かない心を整えるために自分でできる対処法などを解説していきます。
あなたの心が少しでも落ち着きますと幸いです。
この記事の内容
「心がざわざわする…落ち着かない」のは病気なのか
「心がざわざわして落ち着かない…」このように不安に思うことは誰にでもあることです。
不安が続いているからと言って必ずしも病気とは限りません。
ここでは、「正常な不安」と「病的な不安」の違いと、不安によって生じる症状について説明していきます。
正常な不安と病的な不安
正常な不安は、原因がはっきりしています。[1]
例えば…
「みんなの前で話さないといけない」
「明日までに納品しなければいけない…間に合うかな?」
「4月から新しい学校が始まる」 など
誰もが、日常と違うことやプレッシャーを感じることがあると不安になるでしょう。これは、正常な不安と言えます。原因が取り除かれると不安は解消されることが特徴です。
病的な不安は、不安が強すぎて日常生活にも影響する不安です。
例えば…
「あの心配事が解決したの、なんだか落ち着かないな」
「特に気になることがないのに、ざわざわしちゃう」 など
また、病的な不安は原因と思っていた不安を取り除いても、心が落ち着かない場合が多いです。
病的な不安には、心の病気が隠れていることがあります。
後ほど紹介する「心がざわざわして落ち着かないときに考えられる病気」を参考にしてくださいね。
不安によって起こる症状
小さな不安も放っておくと大きな不安になってくることがあります。
不安が大きくなると、心や身体に下記のような様々な不快な症状が現れます。
- こころの症状
- ・些細なことで不安になる、不眠、動悸、抑うつ、イライラ、集中できない、人に会うのがめんどうになる など
- からだの症状
- ・頭痛、冷や汗、めまい、手足が冷える、寝つきが悪い、便秘または下痢 など
このような症状があると、対処しなければ日常生活に支障をきたしてくるでしょう。
不安が続いたときの受診目安
不安からくる症状で日常生活に支障をきたしてくる場合は、一度心療内科やクリニックの受診を考えてみましょう。
日本では、歯が痛いときには歯医者に行くのに、精神科やクリニックは「なんだかちょっと…」と懸念される傾向にあります。しかし、目に見える症状じゃないからこそ早めの対策が大切なのです。あなたの不安についてゆっくりとお話を聞かせてください。気軽におおかみこころのクリニックを頼ってくださいね。
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また、厚生労働省が運営している電話やSNSでの相談サポートもありますので、自分に合ったサポートを利用してみるのもおすすめです。
心がざわざわして落ち着かないとき考えられる病気
不安が募りすぎて心がざわざわして落ち着かず、ストレスになり日常生活に支障をきたしている場合は下記のような病気が隠れているかもしれません。
とはいえ、不安の感じ方はひとり一人違います。そのため、自己判断が更なる不安につながることがあります。気になった場合は専門家に相談してみましょう。
ひとりで抱え込まないで、気軽に相談してくださいね♪
全般性不安障害
全般性不安障害とは、人から言われた言葉を悪い方に捉えたり、起きてもいないことを「もしかして悪いことが起きたらどうしよう」と不安に思ってしまう病気です。不安が大きいというより、安心感が欠如している状態をいいます。[2]
通常の不安とは違い、不安すぎて日常生活に支障をきたしている状況が強く続いたり、頻繁に起きます。その不安から、動悸や不眠、めまいやイライラなどの症状が生じます。[3]
治療には、薬物療法や認知行動療法が有効です。気になる方は、専門家に相談してみましょう。
不安の症状で夜間眠れなくなることがありますが、何科を受診したらいいのか分からない方は、下記の記事もご覧ください。
パニック障害
パニック障害は、100人に1人くらいの割合で起きる不安障害の1つです。なんの前触れもなく急なめまいや呼吸困難などを伴う強い不安に襲われるパニック発作をくり返す病気です。[4]
そのため「また発作が起きたらどうしよう」と予期不安があり、飛行機や新幹線など逃げ場がない状況が苦手になるなど、生活範囲が制限されてしまうことが多くあります。
治療には、抗うつ薬や抗不安薬などを用いた薬物療法や認知行動療法が有効とされています。
パニック障害については、下記の記事をご覧ください。
うつ病
一日中落ち込んで気分が上がらない、何に対しても興味や関心が持てないなどの症状が2週間以上続くと、もしかしたらうつ病かもしれません。
脳内伝達物質の「セロトニン」や「ノルアドレナリン」の減少が原因と考えられています。
朝の方が抑うつ気分が強く、夜にかけて良くなってくることが多くあります。[5]
下記の記事では、うつ病は一生付き合っていく病気なのか、うつ病を長引かせないためのポイントなどが記載されてます。気になる方はご覧ください。
自律神経失調症
自律神経とは、自分の意思とは関係なく呼吸や体温、血圧や心拍を調整している神経です。自律神経失調症は、その自律神経がストレスや生活習慣の乱れによって、バランスを崩してしまう病気です。[6]
身体に不調があるにも関わらず、それに合った原因が見つからない場合、自律神経失調症であることが多くあります。
自律神経失調症について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧下さいね。
「心がざわざわする…落ち着かない」ときに自分でできる対処法5選
不安の原因は、ストレスに対する弱さや環境の変化、不安について考えすぎている、自律神経の乱れなど様々な要因が考えられます。
心を落ち着かせるには、交感神経を刺激せず副交感神経に働きかけることがポイントになります。
自分でできる心を落ち着かせる対処法を5つ紹介していきます。
腹式呼吸をする
腹式呼吸をすることで副交感神経が優位になり、心を落ち着かせる効果があります。
呼吸法を整えることで自分で不安をコントロールできるようになる効果があります。[7]
方法:身体から緊張が抜けていくのをイメージしながら、ゆっくりと息を吐きます。
上記の方法で一回10分毎日数回トレーニングします。
不安になりそうなときは、この呼吸方法をやってみて不安を軽くしましょう。
気分転換をする
不安の症状の厄介なところは、不安なことを考えて、その不安から新しい不安を考えてしまうことです。つまり、頭の中が不安のループに陥ってしまうことに問題があるのです。[2]
その不安のループを断ち切るためには、自分の好きなことに集中し気分転換をすることが大切です。
じつは、精神科作業療法で意識している点でもあります。人の心が健康であるためには、不安な症状にばかり捉えられていてはいけません。症状から離れて、日常生活の中に健康的な時間を増やしていくことは大切なのです。気分転換をして健康な時間を増やしていきましょう。
規則正しい食生活をする
規則正しい食生活は自律神経のバランスを整えてくれます。
朝起きて日光を浴びることで、幸せホルモンのセロトニンが作られます。セロトニンが減少すると不眠や頭痛・攻撃性が高まり、精神症状に影響すると言われています。[8]
朝起きて、バランスの良い朝食を摂り、日中は軽く身体を動かし、夜は湯船に浸かってリラックスをし、良い睡眠をとりましょう。規則正しい食生活は心の健康に大切なのです。
カフェインアルコールを控える
カフェインやアルコールは交感神経を刺激してしまいます。不安を和らげるには、リラックス神経の副交感神経を優位にしましょう。 [2]
不安が強く体調のすぐれないときは、カフェインやアルコールの摂取によって交感神経を刺激するのは避けましょう。
今の気持ちを吐き出す
誰かに相談したり、ノートに自分の気持ちを書きだすのもよいでしょう。
不安を強く抱えている方は、その不安が永遠と続くと思ってしまう独自の認知のゆがみがある方が多くいます。その「不安が続く」と思うことが、また新たな不安を引き起こしてしまいます。
不安が不安を呼ぶ思考のクセがついてしまっている場合は、認知行動療法が有効です。
下記の記事では、自分でできる認知行動療法を紹介しています。気になる方はご覧くださいね。
心がざわざわして落ち着かない|まとめ
生きていていくには不安はつきものです。しかし、不安が大きすぎて心身ともに大きなストレスを与え、日常生活に支障がきたしては困ります。それは病的な不安と言えるでしょう。
不安を抱えたまま生活すると、二次的な不安が増え更に症状が悪化していきます。
「最近心がざわざわして落ち着かないな…」と思ったら、一人で抱え込まずに、わたしたち専門家がいることを思い出してください。
あなたの不安を吐き出してもらって大丈夫です。いつでもお気軽に相談してくださいね。おおかみこころのクリニックはいつでもあなたの味方です。
24時間予約受付中
参考文献
[1]不安障害|厚生労働省 こころもメンテしようhttps://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html
[2]不安障害|金 吉晴
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/1/102_183/_pdf
[3]不安症/不安障害|e-ヘルスネット
[4]パニック症/パニック障害|e-ヘルスネット
[5]うつ病|こころもメンテしよう
https://www.mhlw.go.jp/mobile/m/kokoro/kokoro/youth/mobile/stress/know01.xhtml
[6]自律神経失調症|厚生労働省 こころの耳
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1591/
[7]息をすることは生きること~良い呼吸で健康づくり~|稲冨惠子
https://www.juntendo.ac.jp/assets/2-10.pdf
[8] セルフメンタルヘルス|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000881325.pdf
- この記事の執筆者
- 柚木ハル
作業療法士。精神科での16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。