感情を無くす方法はあるの?無くしたい感情が存在する理由とは

「仕事でのイライラを帰ってからも引きずってしまう」「不安な気持ちが大きくなって何も手につかない」など感情に左右されることはありませんか。

このようなネガティブな感情を無くして、感情に左右されないようになりたいと思う人もいるでしょう。

感情を無くすにはどのような方法があるのか、気になりますよね。

そこで今回は感情を無くす方法感情を捨てられない原因などについて解説します。

感情に左右されずに生きていけるための手助けができれば幸いです。

感情とは

感情はポジティブ・ネガティブなものがありますが、種類は27個あると言われています。[1]

感情の種類

敬服・崇拝・称賛・娯楽・焦慮・畏敬・当惑・飽きる・冷静・困惑・渇望・嫌悪・苦しみの共感・夢中・嫉妬・興奮・恐れ・痛恨・面白さ・喜び・懐旧・ロマンチック・悲しみ・好感・性欲・同情・満足

不安や恐怖などの感情は、側頭葉の内側にある扁桃体と深く関わっています。[2]

扁桃体の機能異常はうつ病、不安障害などの精神疾患における情動や対人コミュニケーションの障害と関連しており、薬物治療への応用が期待できると示唆されています。[2]

無くしたい感情が存在する理由

不安や怒りなどのネガティブな感情を「いらない」「邪魔なだけ」と考える人がいるかもしれません。

しかしネガティブな感情が出ることは「自分のまわりで何が起きているか」「どう対処したらいいか」を教えてくれます。[3]

たとえば、不安はこれから先のことに意識が向いたときの感情です。

不安が起きることで、これから起きる状況に対する準備ができます。

もし想定外の状況が起こったとしても、悪い結果になるのを防げるでしょう。

したがって、ネガティブな感情も状況によっては必要だと考えられるのです。

感情を捨てられない原因

感情を捨てられない原因には、おもに以下の3つがあります。

こころちゃん
こころちゃん

それぞれ見ていきましょう。

感情を出さない

感情を出さないと、感情を捨てられなくなってしまうでしょう。

つらい気持ちが溜まってしまい、ストレスにつながってしまいます。

感情を出すことは悪いことではありません。

喜怒哀楽を感じると脳の前頭葉が働いて、気力を向上させたり、知力を刺激したりする効果があると言われています。[3]

ただし感情のままに行動して、周囲に迷惑をかけないように気をつけましょう

行動しようとしない

感情を捨てられない原因は、行動しようとしないことです。

頭で考えているだけでは、不安が強くなる一方です。

何かしらの行動を起こさないと、悩みを解決することは難しいでしょう。

たとえ失敗してしまったとしても、別の方法で解決できないか探してみてください。

少しでも行動すれば、不安は軽くなります。

こころちゃん
こころちゃん

最初の1歩は勇気がいりますよね💦

物事を決めつけている

物事を決めつけることは、感情を捨てられないことにつながってしまいます。

「自分がこうだから他人もこうあるべき」と決めつけてしまうと、まわりと衝突して、イライラや怒りの感情が出てくるでしょう。

物事を決めつけている人は、考え方が偏ってしまう認知のゆがみの状態にあるかもしれません。

考え方の偏りに気づけるようになると、相手に振り回されることもなくなります。

自分は自分、他人は他人と割り切って考えるようにしてみてください。

感情を無くす方法

不安や怒りなどマイナスの感情を無くす方法は、以下の5つです。

こころちゃん
こころちゃん

やりやすそうと思ったものから試してみてくださいね。

感情を出し切る

感情を無くすには、自分の感情を出し切りましょう

ポジティブな感情だけでなくネガティブな感情も溜め込んでおくと、ストレスになってしまいます。

誰かに話ができれば、感情を吐き出せて気持ちがすっきりとしてきます。[5]

話をするのが苦手な人は、紙に書いて感情を出し切ってください。

「話す」「書く」などのアウトプットをすることで、自分の感情を客観的に見れるようになり、気持ちが整理できるでしょう。

感覚に意識を向ける

感覚に意識を向けることで、感情から切り離すことができます。

マインドフルネスや瞑想は、心を無にする方法です。

過去の経験や先入観にとらわれることなく、今の気持ちや身体の状態をありのままに受け入れます

呼吸に意識を集中させて、1日10〜15分ほど静かな場所でおこなってください。

心を落ち着かせて脳内を空っぽにできるため、無心になれるでしょう。

マインドフルネスにはストレスを溜めにくくし、仕事のパフォーマンスを上げる効果があると言われています。[6]

アプリやYouTubeにはガイドしてくれるものもあるので、ぜひ試してみてください。

自分を褒める

自分を褒めることは、ネガティブな感情を無くすことにつながります。

自分を褒める「ほめ日記」を2週間続けた大学生は、自尊感情、主観的幸福感、精神的回復力など健幸によい影響を与える可能性があると示されています。[7]

仕事が終わったら「今日も一日がんばって偉い」と褒めましょう。

結果が良くなくても、少しでもできたことがあれば自分を励ましてください。

自分を褒める習慣をつけられれば、気持ちが前向きになっていきますよ。

こころちゃん
こころちゃん

「セルフ褒め」簡単に始められますね♪

他人と自分は違うと考える

他人と自分は違うと考えることで、ネガティブな感情を無くせるでしょう。

「すべき思考」や「白黒思考」などの認知の歪みは考え方が偏っているため、他人の考えや意見を受け入れにくい傾向があります

認知のゆがみを直すには、ストレスが発生した出来事に対して「認知」と「行動」の面から解決をする認知行動療法が適しています。

認知行動療法について気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

認知行動療法の中でも、コラム法は自分だけでもできる方法です。

コラム法のやり方は、まず嫌な気持ちになった出来事を具体的に書き出してみてください。

次にその出来事に対して、どんな気分になったかを思い出して、気分のレベルを0~100で測ります。

そのときに頭に浮かんだ考えをいくつか書き出して、一番当てはまるものに丸をつけてください。[8]

いくつもの考えを客観的に見ることで、柔軟に物事を受け入れられるようになるでしょう。

断る勇気を持つ

断る勇気を持つと、ネガティブな感情を無くすことにつながるでしょう。

仕事を頼まれたり、行きたくもない飲み会に参加してイライラしてしまうなら、最初から断るようにしてみてください。

自分の感情を出さない人は「NO」と言うのを、ためらってしまうかもしれません。

たとえば、仕事を頼まれたときに「他の仕事で手一杯なんだ」と伝えれば、相手も納得して他の人にお願いしようと考える選択肢が増えます。

断ったからといって人間関係が悪化するわけではないので、自分の考えを素直に伝えましょう

こころちゃん
こころちゃん

ときには素直な気持ちを伝えることも大切ですね!

まとめ

今回は感情を無くす方法、感情を捨てられない原因などについて解説しました。

感情を捨てられない原因には「感情を出さない」「物事を決めつけている」などがあります。

したがって感情を無くすためには「感情を出し切る」「他人と自分は違うと考える」などを実践してみましょう。

感情を上手く吐き出せないという人は、ぜひ一度おおかみこころのクリニックに相談しにきてください。カウンセリングサービスを提供していますので、あなたの悩みを解決するためにサポートさせていただきます。

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参考文献

[1]Self-report captures 27 distinct categories of emotion bridged by continuous gradients
https://www.pnas.org/doi/epdf/10.1073/pnas.1702247114

[2]感情の中枢である扁桃体におけるドーパミンの役割を解明 – 量子科学技術研究開発機https://www.qst.go.jp/site/qms/1656.html

[3]感情ってどうして大事なの? | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/rinshoshinri/rinshoshinri_blog20221220.html

[4]感情的にならない気持ちの整理術 ハンディ版(特装版)
https://amzn.asia/d/hBEUPc2

[5]まず話を聞いてみる|子どものこころと向きあう|子どものメンタルヘルス|こころもメンテしよう~ご家族・教職員の皆さんへ~|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/mental/ftf/ftf_01.html

[6]「マインドフルネス」とは?めい想の方法・効果と「呼吸のめい想」のやり方 | NHK健康チャンネル
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_699.html

[7]ほめ日記が主観的幸福感などのウェルビーイングに与える影響
https://core.ac.uk/download/pdf/234067391.pdf

[8]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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