たとえば、友人から結婚の報告をされたとき。
同僚が自分よりも大きな功績をあげたとき。
あなたは一緒に喜べているでしょうか?
もしかしたら「おめでとうって言ってあげられない」「どうして自分は素直に喜べないんだろう……」と苦しく感じていませんか。
相手に共感して祝福できないと、周りにも伝わってしまい、人間関係がうまくいかなくなるかもしれません。
実は人の幸せを喜べないのは、自分の中に原因があるケースがほとんどです。
自分の幸せが何かをしっかり把握し、他人と自分を分けて考えられれば、今の苦しみも軽減されるでしょう。
まず心を落ち着かせたい方はまとめから読んでみてください。
人の幸せを喜べない人の特徴5つ
人の幸せに対してもやもやした気持ちを抱いてしまう人には、こんな特徴があります。
詳しく見ていきましょう。
競争心が強い
他人と張り合う気持ちが強いと、相手の幸せを素直に喜べないかもしれません。自分が相手に「負けた」と感じてしまうためです。
仕事で同僚が良い成績を出したり、友人が先に結婚したりすると、無意識に勝ち負けで判断してしまうのです。他人の幸せに対して「ねたみ」を抱いてしまうため、一緒に喜べなくなります。
共感力が低い
共感力の低い人も、他人の立場に立って考えることが苦手な傾向にあります。人の喜びや幸せに対して、関心を持ちにくく理解しづらいためです。
自分は自分、他人は他人とドライな考えを持つことも多いでしょう。
他人に関心を持てない人は多くいます。
自分に自信がない
自分に自信がない人は、他人の成功を見ると「自分はなんてダメなんだ」と落ち込みがちです。そのため、祝福する気持ちになれない傾向にあります。
誰かが成功したからといって、自分の価値が下がるわけではありません。それでも、自分に自信が持てないと、身近な人の幸せで劣等感が強まることがあるのです。
完璧主義なところがある
完璧主義者は人にも自分にも厳しくなりがちです。常に高い基準で物事を判断しています。そのため、誰かが成功したのを見ると「自分はまだまだだ…」と焦るかもしれません。
いつも万全でいたい気持ちが、他人への嫉妬を生むケースもあります。
自分にも他人にも厳しくなっているのかもですね💦
他人の環境や能力を気にする
自分と他人の環境や能力を比較する人も、相手の幸せを一緒に喜ぶのが難しいでしょう。
こうした癖がある人は「あの人は私よりも周りに恵まれているんだ」と考えます。価値基準が自分ではなく他人なのです。
こうした考え方を持っていると、自分にとっての幸せが何かを把握しにくくなるでしょう。
人の幸せを喜べないのはなぜ?隠された4つの心理
他人の幸せを喜べないとき、心の裏側には4つの心理が隠れています。
ここからは、この4つについて探っていきましょう。
現状に不満がある
自分自身の現状に不満があると、なかなか他人を祝福する気持ちになれません。
たとえば、職場や学校で誰かが功績をあげたのを見ると「自分はこんなに頑張っているのに評価されない」と感じます。そして「私よりも良い環境にいるから成功したんだ」と悔しくもなるでしょう。
自分が置かれている環境に満足していない人は、他人の成功に嫉妬する傾向にあります。
劣等感を抱えている
劣等感が強いと、他人の幸せを見ると気持ちが沈むことがあります。自分を過小評価する癖があるからです。
たとえば、「友人が夢を叶えた」「転職に成功した」といったニュースを聞いたとします。すると「あの人は順調なのに、自分は何も成し遂げられない」と考えてしまうのです。
こういった人は、決して能力が低いわけではないのに自分を卑下することがあります。
一度自分と向き合ってみることも大切ですね!
結構できていることって多いものですよ♪
他人をうらやむ気持ちが強い
他人の成功や幸せをうらやむ気持ちが強い人も、人の幸せを喜べない人が多いといえます。
誰でも、自分が欲しいものを他人が持っているとうらやましいと感じるものです。それ自体は少しもおかしくありません。
ただ、あまりに他人のものに目を向けていると「自分は何も持っていない」と辛くなってしまいます。相手が持っているものは、本当に自分が求めているものかを考えてみるとよいでしょう。
自分と他人を比較する
何かにつけ、自分を他人と比べる癖があると、人の幸せを喜びにくいでしょう。
他人が何かで賞賛されたり幸運に恵まれるのを見て「自分はついてない」と感じがちです。
こうした人は、自己肯定感が低かったり、根深い劣等感を持っていたりする可能性があります。
家庭環境が原因で、成長段階で劣等感を植え付けられた人もいるでしょう。
人の幸せを喜べない気持ちは、誰にでもあるものです。しかし、そのような感情にとらわれすぎると、自分自身の幸せを遠ざけてしまうかもしれません。
他人の幸せを喜べない背景には、これまでの人生経験が影響しているケースもあります。
自分では気付かなかった原因が隠されていることもあるでしょう。
誰と話してみると、自分自身と向き合うきっかけにもなるでしょう。
良いことがあった人を前にしてモヤモヤした気持ちになると「素直に祝福できない自分が嫌だ」と感じますよね。少しきついかもしれませんが、原因を探ってみましょう。意外なきっかけに気付く可能性があります。
あなたが人の幸せを喜べない根本的な4つの原因
ここまで、人の幸せを喜べない人の特徴や心理について触れてきました。
こうした状態には、4つの原因が隠されています。
順番に解説していきます。
メンタルが弱っている
心が疲弊していると、他人の幸せがまぶしく、自分への不甲斐なさや劣等感が刺激されるかもしれません。
ストレスがかかっていると、周囲の何気ない言葉が気にかかったり普段以上にネガティブな思考に陥ります。
また、可能性のひとつとして挙げられるのはなんらかの精神疾患の影響です。
他人の言動を過度に気にする、自己を過小評価しがちなど、個人の特性が関係していることもあるでしょう。
うつ病の特徴として、憂うつな気分や意欲の低下などがあります。これらの影響で、他人の喜びに共感しづらくなっている人もいます。
うつ病については、下記の記事をご覧ください。
また、HSPの人は自己肯定感が低い傾向です。また非常に繊細な感性を持っているため、他人の成功がプレッシャーと感じられることがあります。心に負担がかかり、人を祝福する気持ちにはなれないでしょう。
HSPについては、下記の記事をご覧ください。
メンタルに不調が起こると、なかなか他人に共感できないのは当然のことです。まずは自分を癒してあげることから始めてみましょう。
兄弟姉妹と比べられて育った
幼い頃から常に兄弟姉妹と比較されてきたことが原因になることもあります。
兄弟姉妹の方が優秀だと感じたり、親から認めてもらえなかったりした経験はないでしょうか。
こういったつらい記憶は、大人になってからの人生に影響を及ぼすことがあります。自己肯定感が下がり、他人への劣等感が芽生えるためです。
昔のことと思っていても、無意識に他人と比べては「自分の価値は低い」と感じているかもしれません。難しいかもしれませんが、自分のことを大切な存在だと認識してあげることが重要です。
あなたにはあなただけの良いところがありますよ!
常に完璧を求められる環境だった
失敗が許されない環境が原因となることもあります。
完璧でいるのが当然という環境にいると、どうしても自分や他人への基準が高くなりがちです。また「もっと頑張らなくては」と自分を追い込んでしまいます。そのため、小さな成功では満足しづらく、逆に他人の成功には焦りを感じやすくなります。
他人に対して競争意識を持っているので、相手の幸せな様子を見ると「負けた」と感じる人もいるでしょう。
人間は完璧な生き物ではありません。「多少の欠点や違いは当たり前」と意識するように心がけてみましょう。
欲しいものをなかなか得られなかった
人は、自分が欲しているものを手に入れた人をねたんでしまうものです。
たとえば、家庭が経済的に苦しかったり、親が厳しかったりすると、なかなか欲しいものは手に入りません。友達と比べて何かを我慢したといった経験はありませんか?
このような経験があると、他人の幸せに対して強い羨望を抱くこともあるでしょう。
本来、自分と相手の価値観は違います。追い求める幸せも別物です。ただ、欲しいものが手に入らなかった悔しい気持ちは、嫉妬に繋がりやすいものです。
もし他人をうらやむ気持ちが大きくなってしまったら、まず自分は何が欲しいのか具体的に考えてみてください。相手が持っているものは、あなたが欲しいものとは違うかもしれません。その点に気付くと、妬む気持ちがやわらいでいくでしょう。
「相手の欲しい物」と「自分の欲しい物」は本当に一緒なのかを考えてみましょう。
劣等感や競争心を拭い去り人に共感する10個の方法
相手の喜びを共有するためにできることは10個あります。
一度にすべてを試す必要はありません。簡単にできそうなものをちょっとずつ試してみましょう。
表面上だけでも一緒に喜んでみる
いきなり難しいと感じるかもしれませんが、一度試してみてください。
最初は気持ちが乗らなくとも、周りと一緒に「おめでとう」と笑顔で伝えてみましょう。たとえ表面上でも、笑顔を作ると心が上向きになります。行動が感情を変えることもあるのです。
自分が他人を祝福すれば、相手も自分を祝福してくれるようになります。人間関係のうえでプラス効果の連鎖が期待できるでしょう。
最初は表面上でも、意外とクセになることもありますよ♪
人の幸せを喜べない自分を認めてあげる
「他人は幸せそうなのに自分は違う」と悲しくなるのは当然のことです。その気持ちを、まず自分自身が認めてあげましょう。
人を羨んだり妬んだりするのは、人間なら誰しも抱く感情です。決して自分を卑下しないでください。
「今、私はあの人を羨ましいと思っているんだ」と素直に気持ちを受け入れてみましょう。
自分の気持ちを書き出す
頭の中で思考を繰り返しても、なかなかスッキリできないときもありますよね。
そのようなときは、自分の感じている思いを紙に書き出すと、感情を整理しやすくなります。
紙でもスマホでも、パソコンでもかまいません。大切なのは、ありのままを表に出して目に見えるようにすることです。
自分でも気付かなかった感情が浮かび上がるかもしれません。
なぜ他人を祝福できないのか、根本的な原因を見つけるきっかけになるでしょう。
人の幸せを喜べない原因を考える
自分の感情と向き合えたら、次は他人の幸せに対してネガティブな感情を持つ原因をハッキリさせましょう。
悩みや問題を解決するには、まず原因を知る必要があります。
もしかしたら、幼い頃の経験がきっかけとなっているかもしれません。他人をねたんだり、うらやんだりする原因が何かをきちんと見極めましょう。
自分にとっての幸せが何かをはっきりさせる
人の幸せを喜べないのは、自分が何を求めているのかが分からないからかもしれません。
他人の幸せでモヤモヤした気持ちになるのは、幸せな「相手」に焦点を当てているからです。
「自分」はどんなことに幸せを感じるかを思い出しましょう。他人とあなたは別の人間。価値観も違いますし、欲しいものも違うでしょう。
自分が本当は何を求めているのか、深く探ってみてください。
自分にとっての幸せを明確にすることで、他人と比べずに相手を祝福できるようになります。
自分が幸せだと思えることに取り組む
自分が幸せを感じることに時間を使ってみましょう。趣味に没頭したり、思い切り美味しいものを食べたり、楽しい時間を意識的に増やしてみてください。
以前好きだったこと、行ってみたい場所などをピックアップして、取り組みやすいものから始めてみましょう。まずは自分を幸せで満たしてあげるのが大切です。幸福感が高まると、他人の幸せを喜ぶ余裕が生まれます。
小さな成功体験を積み重ねる
ささいなことでも良いので、達成感を得るのも大切です。
人の幸せに対して「自分はまだまだだ」と感じる人は、自分に自信を持てない傾向にあります。
まずは自己肯定感を高めるために、日々の小さな成功体験を意識して積み重ねましょう。
- 早起きができた
- 気持ち良いあいさつができた
- 周りの人と協力して仕事ができた
このような、日常の「できた」を増やすと自己肯定感が高まっていきます。自分の中に自信が生まれ、他人と比べることも少なくなるでしょう。
下記の記事では、自己肯定感の高め方を紹介しています。合わせてご覧ください。
SNSをお休みする
SNSから離れるのもひとつの方法です。
他人の発信を見ると、自分との差に落ち込むときもあるでしょう。
SNSでは「旅行に行った」「欲しかったものを買った」など、喜びの発信であふれています。
それにひきかえ自分は…と悲しくなるかもしれません。
SNSで気持ちが沈むなら、いったん見るのをやめてみましょう。人のことを気にすることなく、自分の心に向き合う時間を作ってみてください。
見てつらくなるなら、見ないようにしましょう。
人の輪からいったん抜けてみる
人と接する機会を減らし、ひとりになる時間を持ちましょう。
あえて周りの人達と離れることで、ゆっくりと心の整理をすることができます。
人の幸せな様子を見るのがつらいと感じたら、そっと輪から抜けて気持ちを落ち着けましょう。我慢せず、自分を逃がしてあげるのも選択肢のひとつです。
信頼できる相手に話を聞いてもらう
信頼できる友人や家族に、自分の気持ちを聞いてもらうのも効果的な方法です。
共感と理解を得られると気持ちが楽になります。心に寄り添ってもらうと自己肯定感が上がり、前向きな気持ちを取り戻せるでしょう。
身近な人に言いづらいなら、カウンセラーに自分の感情を話すのもひとつの方法です。
大切なのは、ひとりで抱え込まないこと。
対話の中で、自分に対する理解が深まることもあります。人の幸せを喜べない理由が見つかりやすくなるかもしれません。
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まとめ
人の幸せを素直に喜べないからといって、自分を責める必要はありません。羨望や嫉妬は、誰にでも起こりうる自然な感情です。無理に抑え込まず、認めてあげましょう。
「一緒に喜んであげたいのに、難しい」と感じたら、その原因を確かめるのも大切です。家庭環境や職場での人間関係など、日常の中に解決の糸口があるかもしれません。
ですが、ここで何よりも大切なのはあなた自身です。
他人を羨む気持ちを持つ自分を責めず、受け入れてあげましょう。そして、あなたにとってどんな状態が幸せなのかを考えてみてください。
「幸せの形はそれぞれ違うんだ」と感じられれば、人の幸せを心から祝福できるでしょう。
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参考文献
1)【心の情報サイト ストレスとセルフケア】
https://kokoro.ncnp.go.jp/
2)【心の情報サイト うつ病】
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=9D2BdBaF8nGgVLbL
3)【こころの耳 うつ病とは】
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad001/
4)【こころの耳 カウンセリング効果の実際は?】
https://kokoro.mhlw.go.jp/mental-health-pro-qa/mh-pro-qa005/
5)【Japan Sensitivity Research】
https://www.japansensitivityresearch.com/
- この記事の編集者
- 佐藤恵美
介護福祉士・社会福祉士保有。リハビリ病棟にて介護職を7年経験し、デイサービスや介護老人保健施設の相談職に従事。現在はフリーのWebライターとして活動中。