いい子症候群のまま大人になるとどうなる?チェックと治し方を紹介




「いい子症候群」とは、周囲からの期待に応えようとして、自分の気持ちを抑え込む状態です。子どもだけでなく大人にも見みられ、一見問題がないように思え見えますが、深刻な影響を及ぼす可能性があります。

いい子症候群には「親の言う通りに行動する」「自分より他人を優先する」などの特徴があります。いい子症候群を治すためには、他人と自分の境界線を引いて、自分の気持ちを優先させることが大切です。

この記事では、いい子症候群の特徴治し方について解説します。いい子症候群の治し方を知るとともに無理をしない生活を送れるようにしていきましょう。

いい子症候群の特徴

いい子症候群の特徴には、おもに3つあります。

それぞれ見ていきましょう。

親の言う通りに行動する

いい子症候群の人は、親の言うとおり通りに行動する傾向があります

親からの愛情を受けるために、期待に応えようとして、自分の意志や考えを押し殺します[1]たとえば、親が勧める習い事や進路を素直に受け入れ、従ってしまうのです。

また、親の機嫌を損ねないように、常に親の顔色を伺いながら行動します。親から叱られるのを極端に恐れ、失敗を避けるために慎重になってしまいます。

自分より他人を優先する

自分よりも他人を優先するのは、いい子症候群の特徴です。

周囲の期待に応えようとするあまり、自分の気持ちや感情を抑え込んでしまいます。自分の予定を後回しにして友達との約束を優先したり、上司から頼み事をされると断れずに引き受けてしまうのです。

いい子症候群の方は、他人からの評価や承認を得ることで、自尊心を維持しようとする傾向があります自分の本当の気持ちや欲求を無視し、ストレスや不満を抱えやすくなります。[1]その結果、人間関係のバランスを崩す可能性もあるでしょう。

こころちゃん
こころちゃん

もっと自分を出しても大丈夫ですよ💦

やりたいことが分からない

いい子症候群の方は、自分のやりたいことが分からないという特徴があります

他人の期待に応えるのを優先してきたため、自分の本当の興味や関心を見失ってしまいます趣味や将来の目標を聞かれても、はっきりした答えが出せないときがあるのです。

また、自分で決断するのに不安を感じ、常に誰かの意見を求める傾向があります。[1]失敗を恐れるため、自分の可能性を広げるチャンスを逃してしまいます。重要な選択を迫られたときに、自分の意思で決められず、周囲の意見に頼ってしまうことがあるのです。

いい子症候群になる原因

いい子症候群になる原因には、おもに2つあります。

  • 親が子どもに期待しすぎる
  • 子どもが親から褒められたいと思っている

親が子どもに期待しすぎることは、いい子症候群になる原因の1つです。親が「うちの子は頭が良い」と周囲に自慢すると、子どもはその評価を維持しようと必要以上に頑張ってしまいます。また、高校での成績に対して、親からの期待を過剰だと感じる子どもは、学業不安が高くなると報告されています。[2]

親から褒められたいという子どもの気持ちは、いい子症候群を引き起こす要因です。子どもは親から認められることで、安心感を得ようとします[1]ですが、親の期待に沿った行動をとり続けると、次第に自分の本当の気持ちを表現しにくくなるのです。

いい子症候群のチェックリスト

いい子症候群かどうかを確認するためのチェックリストを紹介します。当てはまる項目があるか、確認してみてください。

  • 失敗を恐れている
  • 感情表現が苦手である
  • いつも自分に自信がない
  • 指示がないと行動できない
  • 常に人の顔色をうかがっている
  • 小さなことで落ち込んでしまう
  • 嫌なものをはっきり嫌と言えない
  • やりたいことや自己主張をしない
  • 自分よりも他人を優先し過ぎてしまう
  • 自分で決めたり選んだりするのが苦手

3つ以上の項目に当てはまるときは、いい子症候群の可能性がありますただし、正確に診断できるものではないので、目安としてチェックしてみてください。

いい子症候群のまま大人になるリスク

いい子症候群のまま大人になると、おもに2つのリスクが考えられます。

  • 自己肯定感が下がる
  • 他人に依存しやすくなる

常に他人の期待に応えようとして、自分の本当の気持ちや欲求を無視し続けると、自分に自信が持てなくなります。仕事で失敗したときに「自分はダメな人間だ」と極端に自分を否定してしまいます。たとえ仕事で成果を上げても、自分の能力のおかげだと認識できず、常に不安を抱えたままになるでしょう。

自分の気持ちを抑える人は、他人に依存しやすく、主体的な行動をしないと考えられています[2]自分で判断することに不安を感じ、常に誰かの意見や承認を求めるようになるのです。些細な決定でもまわりに相談せずにはいられなくなり、自立した大人として成長するのが難しくなります。

大人のいい子症候群の治し方

大人がいい子症候群を治すには、おもに3つの方法があります。

それぞれ詳しく解説します。

カウンセラーに相談する

いい子症候群を治すためには、カウンセラーに相談することが効果的です。

いい子症候群は、自分の考えに基づいた習慣や価値観を持つため、自分だけで変えるのは難しいです。カウンセラーには専門的な知識と経験があるので、客観的な視点から問題点を指摘し、適切なアドバイスをくれます。たとえば、自己肯定感を高める方法や、自分の気持ちを表現する方法などを学べます。

また、カウンセリングを通じて、自分の行動パターンや思考の傾向に気づくきっかけにもなるのです自分の行動パターンや思考の癖を分析して、改善するための具体的な方法を提案してくれます。

おおかみこころのクリニックには、カウンセラーがおりますので、悩みや相談があればお気軽にお問い合わせください。

他人と自分の境界線を引く

いい子症候群の方は、他人と自分の境界線を引きましょう

他人の要求や期待に応えようとするため、自分の限界を超えてしまいます。そのため、自分と他人の境界線をはっきりと引くことが必要です。無理な要求には「すみません、それは難しいです」とはっきり断る練習をしてください

自分の気持ちや意見を、素直に伝える練習も効果的です。日頃から自分が感じていること、思っていることを察知しておくといいでしょう。最初は不安や罪悪感を感じるかもしれませんが、少しずつ実践すれば、自分らしさを取り戻せるようになります。

こころちゃん
こころちゃん

周りの人はもっと自己主張してるので、少し断っても大丈夫ですよ!

自分を見つめる時間をつくる

いい子症候群を改善するには、自分を見つめる時間をつくることが重要です。自分自身を見つめる機会が少なくなりがちなので、意識的に自分と向き合う時間を作ってみてください。

日記をつけたり、瞑想をしたりして、自分の気持ちや考えを整理する時間を持ちましょう瞑想は、ストレスや不安などを和らげると報告する研究もあります。[3]また、趣味の時間を作り、自分が本当に楽しいと感じることを見つけてみてください。

まとめ

いい子症候群の特徴は「親の言う通りに行動する」「自分のやりたいことが分からない」などです。いい子症候群の方は、周囲からの期待に応えようとするため、他人に依存しやすくなるといったリスクがあります。

いい子症候群を改善するためには、自分を見つめる時間を持ったり、カウンセラーに相談したりしましょう自分の本当の気持ちを知ることが大切です。

おおかみこころのクリニックでは、24時間来院予約を受け付けています。カウンセラーもおりますので、不安や悩みがある方は、ぜひ一度ご相談にお越しください。

【参考文献】
[1]大学生の「よい子」傾向と心理社会的発達段階の関連
https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00026792

[2]親の期待認知が大学生の自己抑制型好悪同特性および生活満足感へ与える影響:期待に対する反応様式に注目して
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/25/2/25_121/_pdf/-char/ja

[3]瞑想[各種施術・療法 – 医療者]|厚生労働省eJIM
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c02/07.html

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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