自律神経失調症の自力でできる治し方はある?呼吸法やストレッチできること




自律神経失調症を自力で治したいと考えていませんか?

めまい・肩こり・頭痛・食欲不振などの症状に振り回される日々から抜け出すためには、ストレス解消や生活習慣の見直しが大切です。

この記事では、自律神経失調症は自力で治るのか自力でできる治し方について具体的に解説します。

あなたが健康な生活を送る参考になれば幸いです。

自律神経失調症を自力で治すことはできるのか

自律神経失調症は適切な治療を受ければ治せる病気です。軽症であれば自力で治すこともできるかもしれません。

ただし、自律神経失調症とは別の病気が隠れている可能性もあります。

診断にはさまざまな専門的な知識が必要です。病院を受診して医師に適切な診断をしてもらった方がよいでしょう。

自己判断で過ごしていると、別の病気の発見を遅らせることにも繋がります。
自律神経失調症で病院に行くことの大切さについては、下記の記事で詳しくご覧ください。

自律神経失調症の自力でできる治し方

自律神経失調症の治療法は、生活習慣を整えることやストレスの解消といったセルフケアが中心です。病院を受診すると、心理療法や薬物療法など専門的な治療ができます。

ここでは、以下の対策を紹介します。

詳しく解説します。

呼吸法

人は緊張すると呼吸が浅く乱れ、リラックスするとゆっくりと呼吸できます。

これは、緊張しているときには交感神経が働き、ゆっくり深く呼吸をすると、副交感神経の働きが高まるためです。副交感神経を働かせるために、呼吸を意識しましょう。

呼吸の方法は以下のとおりです。[1]

  1. リラックスした状態で行う
  2. 「いーち、にー、さーん」と頭の中で数えながら、細く長くゆっくりと口から息を吐き出す
  3. 同じように3秒数えながら、今度は鼻から息を吸い込む
  4. ②③を5~10分くらいくりかえす

お腹が膨らんだり、へこんだりするのを意識すると、より深い呼吸ができます。

立った状態でも座った状態でもできるので、すきま時間にやってみましょう。

呼吸筋ストレッチ

呼吸筋ストレッチは、以下3つの効果があります。[2]

  • 息苦しさの軽減
  • 呼吸の効率の改善
  • 不安やストレスの軽減

呼吸筋ストレッチは5種類あり、ゆっくりと3回行うだけで効果が実感できます。ストレッチなので、日常的に行うと徐々に筋肉が柔らかくなり、効果が上がります。

1つ目は、首のストレッチを行います。

方法は以下のとおりです。[3]

  1. 肩の力をぬいてリラックスする
  2. ゆっくりと頭を右にたおす
  3. そのまま20~30秒キープ
  4. ゆっくりと戻す
  5. 反対も同じように行う

首の筋肉がのびているのを意識して行うと効果が上がります。

2つ目は、胸のストレッチを行います。

方法は以下のとおりです。[3]

  1. 左腕を上げて右腕で右にたおす
  2. 左の体側をのばす
  3. そのまま20~30秒キープ
  4. ゆっくりと戻す
  5. 反対も同じように行う

筋肉がのびているなと感じるところで止めましょう。

3つ目は、お腹のストレッチを行います。

方法は以下のとおりです。[3]

  1. うつぶせから上半身を起こす
  2. お腹の真ん中をのばす
  3. そのまま20~30秒キープ
  4. ゆっくりと戻す

細く長くゆっくりと口から息を吐きながら行うと、副交感神経が働き筋肉がのびやすくなります。

4つ目は、お腹の横のストレッチを寝て行います。

方法は以下のとおりです。[3]

  1. 足を交差させる
  2. 左手で右足をのばす
  3. 顔は右を向く
  4. そのまま20~30秒キープ
  5. ゆっくりと戻す
  6. 反対も同じように行う

身体を傷めないために、布団やヨガマットの上で行うとよいでしょう。

5つ目も、お腹の横のストレッチを行います。

方法は以下のとおりです。[3]

  1. ひざを立てた状態で身体をねじる
  2. 左足を交差させ右ひじでのばす
  3. そのまま20~30秒キープ
  4. ゆっくりと戻す
  5. 反対も同じように行う

椅子に座った状態でもできるので、すきま時間にやってみましょう。

ストレッチング

ストレッチングとは、筋肉や関節をゆっくりのばし、筋肉の緊張をゆるめ血行を促進する運動です。[4]

ストレスで凝り固まった筋肉にストレッチングをすることで、心身のリラクセーション効果が見込めます。

ストレッチングのポイントは以下のとおりです。

  1. はずみをつけずにゆっくりのばす
  2. 呼吸は止めずに自然に行う
  3. 10~30秒間伸ばし続ける
  4. 痛みを感じるところまでのばさない(無理はしない)
  5. のばしている部位に意識をむける
  6. 笑顔で行う

仕事や家事の合間にやってみてくださいね。

自律神経失調症を自力で治すポイント

あなたが「これならできそうかも?」「ちょっとやってみようかな?」と思えるものから始めてみましょう。ムリをしてストレスを感じてしまうと、自律神経が乱れる原因になってしまいます。

「やってみてダメだったら別のことをしてみよう!」くらいの気持ちで大丈夫です。

あなたの心が満たされる瞬間を大切にしてくださいね。

何をしたときに心が満たされるのか、一度ゆっくり自分自身と向き合ってみるのもよいでしょう。その充実感が、ストレス解消のポイントになりますよ。

自律神経失調症が治ったきっかけについては、下記の記事をご覧ください。

Q:自律神経失調症にコーヒーはよくないの?

自律神経に影響するため飲みすぎには注意が必要です。

コーヒーに含まれているカフェインは交感神経の活動を高め、めまい、興奮、不安、不眠などの症状が生じることがあります。[5]

カナダの保健省では、健康な成人でコーヒーは1日に3杯までと言われています。

カフェインはコーヒーよりもエナジードリンクに多く含まれており、エナジードリンク1本にコーヒー2杯分に相当するものがあるぐらいです。

とくに、副交感神経が活動する夜間の飲みすぎには注意しましょう。

Q:自律神経失調症はいつ治るのでしょう?

自律神経失調症の症状がよくなるまでの期間は人によって異なります。

自律神経失調症の主な原因はストレスや生活習慣の乱れには、人によってさまざまな理由が関係しているからです。

そのため、1~2ヶ月で症状が落ち着く人もいれば、何年もかかる人もいるといわれています。

自律神経失調症がどれくらいで治るのかについては、下記の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

まとめ

自律神経失調症を自力で治すことは難しいですが、ストレスを解消するためのセルフケアはできます。

今回紹介した呼吸法やストレッチをすることで、自分でも対策ができるでしょう。

自律神経失調症は、ひとりで治療するのは大変です。専門家の知識をもとに正しく診断してもらい、あなたに合った治療法を紹介してもらうことが一番の近道になります。

おおかみこころのクリニックは、いつでもご相談をお待ちしています。ひとりで悩まずに、わたしたちにお話しにきてくださいね。

【参考文献】
[1]腹式呼吸をくりかえす|厚生労働省こころもメンテしよう
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_03.html

[2]呼吸筋ストレッチ体操-心を癒す呼吸を目指して-|国立精神・神経医療研究センター
https://www.ncnp.go.jp/nimh/behavior/phn/stretch_explanation.pdf

[3]自律神経を整える呼吸筋ストレッチ5選|山下 健造

[4]ストレス|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/101004-6_0003.pdf

[5]食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

この記事の執筆者
柚木ハル
作業療法士。精神科16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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