「また彼氏を怒らせてしまった…」と、自分を責めていませんか。
些細なことで怒鳴られたり行動を束縛されたりする毎日に、こころが疲れ果てているかもしれません。
彼氏からの暴力や過度な束縛はDVにあてはまる可能性があります。
このまま彼氏との関係を続けていると、あなたの心身が壊れてしまうでしょう。
ですが、彼氏との苦しい関係から抜け出す方法はあります。
まずはDVの特徴を理解し、彼氏との関係を終わらせるための知識を身につけていきましょう。
この記事では、DV彼氏の特徴や別れ方のステップを解説します。正しい知識を得て、あなたのこころと未来を守る準備を始めましょう。
DV彼氏の特徴
DV彼氏には、おもに次の3つの特徴があります。
もし、彼氏との関係に違和感を覚えたら、あてはまる点がないか確認してみましょう。
彼氏が依存的なときは、下記の記事を参考にしてください。
彼女を束縛している
DV彼氏の代表的な特徴として、彼女の行動を束縛する点が挙げられます。
はじめは「心配してくれている」と感じるかもしれませんが、束縛は「彼女を自分の管理下に置きたい」という支配欲のあらわれと考えられます。
「今どこにいるの?」「誰となにをしているの?」などの連絡が頻繁に来たり、返信を強要されたりするのは典型的な例です。
束縛が厳しくなると、次第に彼女は友人との予定を制限されるケースもあります。
彼氏は、束縛することで彼女を社会的に孤立させるのです。[1]
優しくなる瞬間もある
DV彼氏は攻撃的な態度をとったあとに、人が変わったように優しくなる瞬間があります。
DV彼氏の行動には特徴的なパターンがあり、次の3段階で繰り返されます。[2][3]
- 蓄積期:ストレスがたまる
- 爆発期:暴力を振るう
- ハネムーン期:ストレスが発散され優しくなる
ハネムーン期には「もう二度としない」「君が必要なんだ」などと謝ったり、プレゼントを贈ったりして愛情を伝えるのです。
彼女は「本当は優しい人なんだ」「わたしが支えてあげないと」と考えてしまい、関係を断ち切る決意が揺らいでしまいます。
身体的・心理的に攻撃する
身体的・心理的に攻撃することも、DV彼氏の特徴です。
DVには身体的暴力だけでなく、心理的な攻撃や経済的な圧迫、性的強要などさまざまな種類があります。[4]
心理的な攻撃とは、大声で怒鳴ったり恋人の人格を否定したりする行為です。
また、生活費を渡さなかったり外で働くのを妨害したりすることは、経済的な圧迫です。
さらに、嫌がっているにもかかわらず性的な行為を強要したり、避妊に協力しなかったりするのは性的強要にあたります。
どのような形であれ、彼女を支配し傷つける行為は暴力であるという認識が必要です。

あなたが安心できる関係かが大切です
DV彼氏の診断チェックリスト
彼氏の言動がDVにあたるのか、判断が難しいと感じるかもしれません。
下記のチェックリストで、彼氏の行動を客観的に振り返ってみましょう。[4]
▢ 暴力を振るうことがある
▢ 彼女の交友関係を細かく詮索する
▢ 気に入らないことがあると大声で怒鳴る
▢ 彼女が他の異性と話しただけで浮気を疑う
▢ 彼女が望んでいるにもかかわらず避妊に協力しない
▢ 壁に物を投げつけたり大きな音でドアを閉めたりする
▢ 彼女が経済的に困ると分かっていながら生活費を渡さない
▢ 「お前が悪い」といった人格を否定する言葉を日常的に使う
▢ 機嫌を損ねると、話しかけても長時間にわたって無視し続ける
▢ 彼女の服装やメイクにまで口を出しコントロールしようとする
▢ 彼女が嫌がっていても自分の欲求のために性的な行為を強要する
ひとつでもあてはまるときは、DV彼氏の可能性があります。
ひとりで抱え込まず、客観的な判断を仰ぐための第一歩として活用してください。
DV彼氏と別れたいのに好きな気持ちがあるときの対処法
彼氏からDVを受けていると理解していても、好きだから別れられないケースもあります。
「私が頑張れば彼は変わる」「愛で彼を救える」と思うかもしれません。
ですが、DV彼氏が自分で変わろうとしなければ行動を変えるのは困難です。[5]
「好き」という感情が愛情なのか、離れられないという思い込みか、立ち止まって考えてみましょう。
楽しかった思い出と暴力を振るわれた事実を切り離さず、「優しいときもあるが、暴力を振るう人」として、彼氏の全体像を受け止めてみてください。
優先すべきは、あなた自身のこころと身体の安全です。
暴力を受け続ける関係は、心身に深刻なダメージを与えます。
彼氏への気持ちが残っていても、まずは自分を守るために離れるという選択肢を検討してください。
離れるという決断は彼氏を見捨てるのではなく、あなたを大切にするための第一歩となります。

自分の身を守るために勇気をもって一歩踏み出してください
DV彼氏との別れ方ステップ
DV彼氏と関係を終わらせるための3つのステップを紹介します。
あなたの安全を最優先に考え、ひとつずつ着実に進めていきましょう。
STEP1:相談窓口を利用する
DV彼氏との別れを決意したら、専門の相談窓口を利用しましょう。
あなただけで別れ話を進めようとすると、彼の言動に感情的になり思わぬトラブルに発展する可能性があります。
専門の相談員に話を聞いてもらえば、客観的な視点からアドバイスを得られ、気持ちを整理することができるでしょう。
相談窓口では、相談員が個々の状況を丁寧にヒアリングしてくれます。その上で、安全な別れ方や別れた後の生活の立て直しなど具体的な支援策を提案してくれるのです。
「DV彼氏に悩んだときの相談窓口」で紹介する公的な窓口は、匿名でも相談できます。
まずは電話やチャットで、勇気を出して連絡してください。
STEP2:別れたいと伝える
相談窓口に相談し準備ができたら、彼氏に別れを伝えましょう。
別れを伝えるときは、伝え方と場所の選び方が大切です。
「あなたが暴力を振るうから」「束縛がひどいから」など彼氏の非を責めるような言い方をすると、反論されたり逆上したりする危険性が高まります。
「自分のために新しい道に進みたい」というように、理由は自分自身にあるという形で伝えるのが望ましいです。
話をする場所は、自宅や車の中など2人きりになる密室は避けてください。
カフェやファミレスといった周囲の目がある場所を選びましょう。
もし彼氏が感情的になっても、周囲に人がいることで冷静さを保ちやすくなります。
あなたの意思を伝えたら、速やかにその場を離れるように心がけてください。もし別れた後のつきまといやストーカー行為が不安なときは、法的にDV彼氏の接近を防ぐ「保護命令制度」があります。
次のステップで詳しく見ていきましょう。
STEP3:連絡を遮断する
別れを告げたあとは、彼氏からの連絡を遮断してください。情に流されて連絡に応じてしまうと、ずるずると関係が続いてしまう恐れがあるからです。
電話番号やメールアドレスを変更し、SNSアカウントのブロックや削除は徹底しましょう。接触を避けるために、引越しを検討するのも有効な手段です。
共通の知人がいるときは、信頼できる人にだけ新しい連絡先を教えるようにしましょう。
しかし、あなたが連絡を断っても、彼氏が職場や実家に押しかけてきたり、待ち伏せをしたりする恐れも考えられます。
そのようなときに、あなたを守るために「保護命令制度」があり、一緒に生活している相手に対して有効な制度です。
具体的には、自宅や職場などあなたの身辺につきまとったり、連絡したりすることを禁止できます。[4]
彼氏との接点をすべて断ち切り、新しい生活をはじめましょう。
DV彼氏に悩んだときの相談窓口
DV彼氏に悩んだとき、頼りになる相談窓口を3つ紹介します。
無料で利用でき、匿名での相談も可能です。
秘密は厳守されますので、安心して連絡してください。
警察
DV彼氏に悩んだときは、ためらうことなく警察に相談してください。
警察は、DVを深刻な犯罪と認識しており、被害者を守るための措置を講じてくれます。最寄りの警察署にある生活安全課や警察相談専用電話「#9110」に連絡しましょう。[2][6]
警察は相談内容に応じて、加害者への警告や被害者の身辺警護、一時保護などの援助をします。また、裁判所に申し立てることで、相手からの接近を禁止する「保護命令」という制度もあり、警察はその手続きについてもアドバイスしてくれます。
「大げさかもしれない」とひとりで抱え込まず、まずは相談するという一歩が大切です。
DV相談+
彼氏のDVに悩んだら、DV相談+(プラス)を利用しましょう。DV相談+は内閣府が運営する相談窓口で、専門の相談員が24時間365日対応しています。[7]
電話が難しい状況でも、チャットで相談できるのが大きな特徴です。チャット相談は、同居している彼氏に気づかれずに助けを求める手段として有効です。
DV相談+では詳しい話を聞いた後、支援が必要だと判断されれば面接や安全な場所の提供などもしてくれます。
深夜でも休日でも不安になったらいつでも連絡できる安心感は、精神的に追い詰められている状況において大きな支えとなるでしょう。
DV相談ナビ
彼氏からDVを受けていたら、DV相談ナビを活用してください。
全国共通の電話番号「#8008」にかけるだけで、発信地の最寄りの配偶者暴力相談支援センターに電話が自動で転送されます。[8]
配偶者暴力相談支援センターとは、DV被害者のための公的な専門機関です。
専門の相談員によるカウンセリング、加害者から逃れるための一時保護、その後の自立に向けた情報提供や支援など、総合的なサポートを受けられます。
公的な機関だからこそ、安心してあなたの悩みを打ち明けることができるでしょう。まずは一歩を踏み出し、相談員の力を借りることを検討してみてください。
まとめ
彼氏からの束縛や暴力と優しさを繰り返す態度、言葉や経済面での攻撃は、すべてDVに該当する可能性があります。
DVは決して許される行為ではなく、被害を受けている側に責任はありません。暴力の後で優しくされても、根本的な愛情とは異なります。
あなたのこころと身体の安全を最優先に考え、彼氏との関係から離れる勇気を持つことが未来のあなたを守るための選択です。
もし少しでも思い当たる節があれば、ひとりで悩まず相談窓口に連絡してください。警察やDV相談+など、力を貸してくれる場所はあります。勇気を出して、苦しい状況から一歩を踏み出していきましょう。
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おおかみこころのクリニック
【参考文献】
[1]「女性と人権 ~DV・デートDVの影響と二次被害~」|人権ライブラリー
https://www.jinken-library.jp/database/column/entry/10235
[2]恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案への対応|警察庁
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/rennmotu.pdf
[3]DVのサイクル|朝霞市
https://www.city.asaka.lg.jp/uploaded/attachment/18057.pdf
[4]DV(配偶者や交際相手からの暴力)に悩んでいませんか。一人で悩まず、お近くの相談窓口に相談を!|政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5667.html
[5]HAPPYなお付き合いをするためにーデートDVを知ろうー|仙台市
https://www.city.sendai.jp/danjo-kikaku/kurashi/manabu/danjo/leaflet/dv.html
[6]警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ|政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/201309/entry-7508.html
[7]DV相談プラス プラス相談箱|内閣府
https://soudanplus.jp
[8]DV相談について|内閣府男女共同参画局
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/index.html