「毎日がしんどくて人生に疲れた」
「最近疲れが取れていない気がする」
このように感じていませんか?
人生に疲れている状態が、身体的な疲れか、こころの疲れなのかを見極めることはストレスケアにおいて大切です。
この記事では、人生に疲れた人の特徴や原因、そして回復に向けた具体的な対処法を解説します。
今のあなたの状態を客観的に理解し、適切な対処法を見つけられるようになるでしょう。「人生に疲れた」と感じることが、少しでも少なくなれば幸いです。
人生に疲れたと感じる原因
人生に疲れたと感じるときは、さまざまな原因が関係しています。
おもな原因を以下にまとめました。
- 睡眠不足
- 環境や生活の変化
- 人間関係のストレス
- 責任や期待のプレッシャー
- うつ病や適応障害など病気の可能性
たとえば、20〜30代はキャリア形成や将来への漠然とした不安から、精神的な疲れを感じることがあります。
また、40〜50代では現役で働きながら親の介護や子どもの教育など、多方面での責任を担うことが多いため、心身ともに疲れやすい傾向があるのです。
どの年代にも、人生に疲れたと感じるきっかけが隠れています。
人生に疲れた人の特徴5選
人生に疲れた人の特徴には、次の5つがあります。[1][2]
あてはまる特徴があると、疲れがたまっている可能性があります。
涙もろくなる
些細なことで涙が出てしまうのは、人生に疲れた人にあらわれる特徴です。
これまでは冷静に対処できていたことでも、感情のコントロールが難しくなり、涙という形であらわれている可能性があります。
とくに責任感の強い人ほど感情を抑え込みがちです。涙はこころの自然な反応であり、ムリに我慢する必要はありません。
涙もろくなることは決してあなたが弱いからではないため、こころが「助けを求めている」状態だと捉えましょう。
思い切り泣く時間を作り、泣いても必要以上に自分を責めないでください。

いっぱい泣いてスッキリするのもいいかもですよ💦
集中力が続かない
仕事や趣味に集中できない状態は、人生に疲れた人にあらわれる特徴です。
ストレスや不安が続くと考えや判断を行う前頭前野の働きが低下し、注意力や記憶力が鈍くなる人もいます。[3]
「物忘れが多い」「簡単な作業でもミスしてしまう」と感じたら、あなたの能力の問題ではなく、心身の疲れが原因である可能性が高いです。
仕事はこまめに休憩を取りながら取り組んでください。
また、趣味の気軽に取り組めるヨガやストレッチ、音楽鑑賞などをするのもよいでしょう。
自分を責めやすい
「自分が悪い」「わたしがもっとしっかりしていれば」などの批判的な考えが増えることは、人生に疲れた人の特徴のひとつです。
こころが限界に近づいているとあなたに非がなくても、自分を責めるという認知のゆがみが生じやすくなります。
認知のゆがみとは、物事の受け取り方に偏りがあり、自分を苦しめてしまう思考パターンのことです。
とくに完璧主義な人や周囲への気遣いを重視しすぎている人にみられます。
認知のゆがみに気づいたら、一度立ち止まって状況を整理しましょう。
認知のゆがみは10種類あります。詳しくは以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
寝ても疲れが取れない
十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、寝不足を感じていることも人生に疲れている人の特徴です。[4]
朝起きても疲れが残っていたり日中の眠気が強かったりする状態は、ストレスや抑うつが原因となっている可能性もあります。
また、ストレスにより睡眠の質が低下し、深い眠りができない状態が続くことも疲れが取れない原因のひとつです。
疲れているときは「ただの寝不足」と捉えずに、早めに病院に相談しましょう。
人と会うのが億劫になる
人生に疲れた人に見られる特徴には、人と会うのが億劫になる点があります。
会話によるエネルギー消耗や他人との比較でつらくなるのを避けるために、こころを守ろうとしているのです。
人と会うのが億劫になるとき、まずは休養を優先してください。
ムリに人と会う必要はないため、ひとりの時間をつくることも回復への一歩となります。

休息第一でゆっくりしましょう
人生に疲れたときの診断チェックリスト
ここでは、あなたの状態を理解できるようにチェックリストで確認しましょう。[5]
最近1か月間で思い当たる項目をチェックしてください。
▢ ミスが多い
▢ 食欲がない
▢ 落ち着かない
▢ イライラする
▢ よく眠れない
▢ やる気が出ない
▢ 身体の調子が悪い
▢ 不安を感じやすい
▢ 物事に集中できない
▢ 体力がない気がする
▢ 憂うつになりやすい
▢ 日中に強い眠気に襲われる
▢ 起床時にぐったりしている
あてはまる項目が多いほど、疲れたと感じている可能性があります。
うつ病や双極性障害などの病気を発症している可能性もあるため、ひとりで悩まずに病院への受診も検討してください。
疲れやすい体質は生まれつきなのかについては、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
人生に疲れたときの対処法
こころの疲れから回復するには、適切な対処法を実践することが大切です。
以下の方法を参考に、あなたに合うアプローチを見つけてください。
ひとつずつ詳しく解説していきます。
休息をとる
疲労がたまっているときは、意識的に休息をとることが重要です。
ただし、こころの疲れは横になって過ごすだけでは回復が期待できないこともあります。
睡眠を取ること以外に、次の方法も取り入れてみましょう。[6]
- 深呼吸をする
- アロマを焚く
- 軽い運動をする
- 好きな音楽を聴く
- 大切な人と過ごす
- 軽いストレッチをする
休息は心身を回復させる機会だと考え、罪悪感を持たずに堂々と休む時間を確保してください。
1日5分ひとりの時間を持つ
あなた自身の気持ちと向き合う時間をつくることは、こころの健康維持において有効です。
起床時や寝る前など、1日5分ひとりだけの時間を意識的に作ってください。
今の気持ちを整理したり、1日のできごとを振り返ったりするのに活用できます。
たとえば次のような内容を整理し、ノートやアプリを使って振り返ってみてください。
- 困ったこと
- 嬉しかったこと
- 感謝したいこと
- 疑問に思うこと
- 迷っていること
ただし、ネガティブな考えが頭の中をぐるぐると回ってしまう反芻(はんすう)思考になりやすい人は注意が必要です。
以下の記事で自己嫌悪のループから抜け出すための方法を紹介しているので、あわせてご覧ください。
考えを整理する習慣をつける
モヤモヤしている気持ちや考えを頭の外に出してみましょう。
具体的には、今の気持ちを素直に日記やノートに書き出してください。[7]
「どうして疲れを感じるのか」「何がストレスなのか」を言語化することで、漠然とした不安が明確になり、対処法を考えられます。
また、感謝できることや小さな成功体験も一緒に記録すると、ネガティブな思考に偏ることを防げます。
文章にするのが苦手な人は、丸や三角などマークを決めて記録したり、アプリを活用したりすることも検討してみてください。
まとめ
人生に疲れやすい人の特徴を持つあなたは、こころのエネルギーが消耗している可能性が考えられます。
疲れることは決して甘えではなく、気を張りすぎているからかもしれません。
疲れを感じている今の状態を受け入れ適切な対処法を実践すれば、回復への道筋が見えてきます。
あなたのこころの健康を第一に考え、ムリをせずに一歩ずつ前進していきましょう。
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【参考文献】
[1]ストレスのサイン|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/kokoro/kokoro_03.html
[2]うつ病|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html
[3]岡本 泰昌.ストレスを感じる前頭前野 -ストレス適応破綻の脳内機構-.日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)126,194~198(2005)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/126/3/126_3_194/_pdf
[4]うつ病の主な症状と原因|こころの耳
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad002
[5]労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト(2023 年改正版)
https://www.mhlw.go.jp/content/001084057.pdf
[6]休養・こころの健康│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b3.html
[7]今の気持ちを書いてみる|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_02.html