「家にいたくないな」と感じることはありませんか?
仕事や学校が終わった帰り道や友人と解散した後、なんとなく遠回りしたりカフェに立ち寄ったり。
本当は疲れているのに、家に向かう足が重くなる…
どこか寄り道できるところを探してしまう…
このように多くの人が「家に帰りたくない」という漠然とした気持ちを抱えています。
この記事ではあなたが「家にいたくない」と感じてしまう原因や対処法と逃げ場を解説します。
あなたのこころが落ち着く居場所をつくりましょう。
家にいたくないと感じる原因
家にいたくないと感じる原因はおもに以下の3つが考えられます。
それぞれの原因を解説していきます。
家族関係がよくない
家にいたくないと感じる原因のひとつ目に、以下のような家族関係がよくないことが挙げられます。
- 母親が過干渉
- 父親が威圧的
- 家族が療養中
親から進路や交友関係、お金の使い方まで細かく口出しされると、自分のプライベートな時間や空間が奪われたような感覚になります。
母親からの過干渉や口出しを煩わしく感じ、口論が増えると家にいることがストレスになってしまうでしょう。
また、父親が威圧的であったりなごやかな会話がなかったりすると、家族が集まる場所の居心地が悪く孤独に感じることもあります。
ほかにも、家族の誰かが病気を患っているときには、家全体が重苦しい雰囲気に包まれがちです。
家の中が気を遣わなければならない場所になると、自然と外にいる時間が長くなります。
家族関係がよくない状態が続くと「家にいたくない」と感じてしまうのです。

家が疲れる環境だったら帰りたくなくなっちゃいますね💦
生活環境に問題がある
生活環境に問題があると、「家にいたくない」という気持ちになるでしょう。
たとえば、以下のような状況では居心地が悪いと感じます。
- 家が物で散らかっている
- 不快な匂いがこもっている
- 設備が古くて不便に感じる
- 狭くてプライベート空間がない
- 隣の部屋からの話し声や騒音が気になる
物が散乱していたり、不便さ・不快さを感じたりする家は暗い印象を与えてストレスの原因となるでしょう。
生活がマンネリ化している
毎日の生活が単調で刺激や楽しみがないと感じるときも、家にいたくないと思うことがあります。
学校もしくは仕事と家の往復のように、同じことの繰り返しで生活に彩りがないと感じるかもしれません。
家族との会話も毎回同じような内容になりがちで、新鮮味がなくなってしまいます。
とくに若い世代にとって新しい体験や出会いは重要であり、外の世界に魅力を感じるのは当然です。
マンネリ化した状況が続くと、家は単に寝るだけの場所となり、積極的に過ごしたい空間ではなくなってしまうのです。
家にいたくない気持ちへの対処法
「家にいたくない」という気持ちの原因が分かったら、対処していくための具体的な3つの方法を試してみましょう。
ひとつずつ詳しく解説していきます。
家族関係を見直す
家族との関係を見直すためには、話し合える環境づくりが大切です。
話し合いでは攻撃的にならずに、あなたの辛い気持ちを素直に打ち明けてみましょう。
過干渉な母親には「心配してくれるのはありがたいけれど、もう少し自分で判断させてほしい」と具体的に伝えてください。
何かと口出しされて煩わしく感じるのは、あなたが成長している証です。
母親にとってはあなたはいつまでも子どもという存在であり、愛情ゆえに口うるさくなっているのかもしれません。
そのようなときは、「もう大人だから大丈夫だよ。ありがとう」と感謝を添えて伝えるのもよいでしょう。
ときには「この料理作りたいんだけど、作り方教えて」というようにあなたから頼り、母親の「何かしてあげたい」という思いを満たしてあげる程度の距離感を見つけてください。
一方で、父親は威圧的な態度で家族にストレスを与えていることに気づいていないこともあります。
「もう少しおだやかに話してほしい」「いつも怒っているのを見るのはつらい」など普段あなたが感じていることを丁寧なことばで伝えてみましょう。
「最近仕事はどう?」とあなたから父親を気に掛けるような会話をしてみると、父親のこころがなごむかもしれません。
家の中で、あなたのプライベートな時間を確保することも必要です。
ひとりの時間が必要であることを理解してもらい、干渉されない時間帯を決めるなどの具体的なルールを作ることで、家庭内のストレスを減らしてください。
生活環境をととのえる
生活環境を見直すことで、家での時間を快適に過ごせるようになります。
たとえば、以下のようなことから始めてみましょう。
- プライベート空間をつくる
- 整理整頓して部屋をととのえる
- 好きな雑貨やインテリアで部屋を彩る
プライベート空間がないときは、使っていない部屋や物置になっている場所などがないか相談してあなただけの空間をつくる提案をしてください。
金銭的な余裕があれば、思い切って引っ越すのもひとつの手段です。
部屋が散らかっていたり物が多かったりするときは、整理整頓や断捨離をしてスッキリさせましょう。
プライベート空間には、好きな雑貨やインテリア家具で彩ると晴れやかな気持ちになります。
アロマを置いて好きな香りに包まれるとリラックスできてよいでしょう。
生活環境をととのえることで、こころの負担を軽減できます。[1]
信頼できる人に相談する
ひとりで悩みを抱え込まずに信頼できる友人や先輩につらい気持ちを打ち明けると、こころが楽になります。[2]
友人と外食をしながらゆっくり話を聞いてもらったり、同じような経験をした人からアドバイスをもらったりしてみましょう。
人と話すと、ひとりでは気づかなかった新たな見方や選択肢に気づくことができます。
悩みを解決する糸口が見つかり「どうして長いこと悩んでいたんだろう」と思えるようになることもあります。[2]
家にいたくないときの逃げ場
家にいたくないと感じたら、実際に外に出ていくこともストレスをやわらげるきっかけになります。
ここでは、以下のような逃げ場として利用できる場所を紹介します。
あなたの趣味や生活スタイルに合わせて、自宅以外で過ごしやすい場所を探してください。
- 公共施設:図書館・公園・公民館・地域のコミュニティセンター など
- 娯楽施設:カラオケ・ネットカフェ・映画・スーパー銭湯 など
- 神社やお寺
- 気の合う友人宅
- 趣味のサークル
- 旅行・ホテル宿泊
- ショッピングセンターやファミレス
公共施設は無料でできることが多く、金銭的な心配をせずにゆっくりと過ごせます。
娯楽施設では、時間の限りあなたの好きなことをして過ごせるため、ストレスを発散したりリフレッシュしたりできるでしょう。
ほかにも、気の合う友人に声をかけてみるのも一つの手です。悩みを聞いてもらいながら、食事をしたり出かけたりすることができるため気分転換になります。
スポーツや音楽などのサークル活動を始めると、継続的に家にいる時間を減らすきっかけになるでしょう。
また、思い切って旅行にいくと気持ちがリフレッシュできます。
ショッピングセンターやファミレスでは、読書や勉強をしてあなたのペースで過ごすことができます。ただし、混雑する時間帯は他のお客さんの迷惑にならないように注意して利用してください。
さまざまな選択肢を試しながら、あなたのこころが安らぐ場所を見つけてください。

あなたが過ごしやすい場所を探しましょう
家にいたくないと感じるときの注意すべきサイン
家にいたくない気持ちが一時的な感情にとどまらず、長期間つらく感じるときは専門的なサポートが必要です。
注意すべきサインとして、以下のような症状が挙げられます。[3][4]
- 身体症状:食欲不振・睡眠障害・動悸・息苦しさ・肩こり・頭痛・下痢・便秘
- 精神症状:抑うつ気分・不安・緊張・イライラ
家にいたくない状態が長期間続き、睡眠障害や食欲不振などの身体症状や抑うつ気分、イライラなどの精神症状があらわれているときは注意しましょう。
また、ミスを頻発するなど学業や仕事に支障があるときも専門家に相談するタイミングです。
ひとりで抱え込まずに心療内科やカウンセラーなどの専門機関へ相談してください。
家にいたくないときは環境を変えてストレスを軽減しよう
家の居心地が悪いと「家にいたくない」と感じるのは自然な感情です。
家族関係の悪化・生活環境の問題・日常のマンネリ化など、その原因はさまざまですが、適切な対応をしてストレスを減らしていきましょう。
まずは家族とのコミュニケーションを見直し、お互いを尊重する関係づくりを心がけてください。
同時に、あなたの生活環境を快適にととのえることで、家で過ごす時間をより心地よいものにできます。
また、ひとりで悩まずに信頼できる人に相談することも大切です。
眠れなかったり抑うつ症状が続いたりして学業や仕事に支障をきたすときは、心療内科やカウンセラーなどの専門機関へ気軽に相談してください。
おおかみこころのクリニックは、あなたのこころの悩みを気軽に相談できる場所です。オンライン診療も可能ですので、気になる症状があればお早目にご相談ください。
24時間予約受付中
おおかみこころのクリニック
【参考文献】
[1]住環境満足度と居住者のストレス・健康観の関連分析https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/78/686/78_359/_pdf/-char/ja
[2]まずは、誰かに相談してみよう│こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/way/way_01.html
[3]こころの情報サイト|国立精神・神経医療研究センター
https://kokoro.ncnp.go.jp/health_understanding.php#02
[4]ストレスとうまくつきあう│ここもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/kokoro/kokoro_03.html
- この記事の執筆者
- すみこ
作業療法士歴13年の経験を活かし、医療記事を中心に活動するWebライター。 読者の皆様のこころと身体の健康をサポートし、前向きな気持ちになれる文章を心がけています。