「短い診察で薬を出されるだけ」
「通っても変化が感じられない」
「メンタルクリニックって意味ないのでは?」
通院する中で、このように感じるときがあるかもしれません。
思うような変化が見られないと「意味ない」と思ってしまうのもムリはないでしょう。
大切なのは、メンタルクリニックに意味がないのではなく「今の治療法が合っていない」可能性があるという視点です。
この記事では、メンタルクリニックは意味がないと感じる理由や改善のためにできることを整理し、薬以外の新しい選択肢である rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法) についても紹介します。
治療に迷いや不安を抱えているあなたが、次の一歩を見つけるきっかけになれば幸いです。
この記事の内容
メンタルクリニックは意味ないと感じる3つの理由
メンタルクリニックが意味ないと感じる理由として、以下の3つが挙げられます。
それぞれ解説します。
治療が受動的になりやすい
メンタルクリニックが意味ないと感じる理由のひとつとして、治療が受動的になりやすい点が挙げられます。
たとえば「薬を処方されて飲むだけ」「診察で軽く様子を聞かれるだけ」では、あなたが治療にかかわっている実感を得にくいものです。
その結果、モチベーションが下がり「このまま通っていて意味があるのだろうか」と不安を抱きやすくなります。
もし治療に納得できないときは「わたしにできることはありますか?」と医師に尋ねましょう。
ムリのない範囲で取り組める提案をしてもらえるため、前向きに治療を続けやすくなります。

不安なことや気になることは先生に伝えてみましょう!
診察時間が短く十分に話せない
診察時間が短くじっくり話せないことは「メンタルクリニックは意味ない」と感じる大きな理由のひとつです。
たとえば「最近の体調はどうですか」と軽く聞かれて薬を出されるだけでは、悩みや不安を十分に話す時間がなく「これなら来ても意味がないのでは」と感じやすいかもしれません。
短い診察では相談による安心感を得にくいですが、メモを用意して要点を伝えたり疑問点を質問したりすれば、限られた時間でも治療を前に進めやすくなります。
「もっとじっくり話を聞いてほしい」と感じたときは、カウンセリングを希望するのもひとつの方法です。
気持ちを整理しながら治療を続けられるため、より安心して治療を続けやすくなります。
薬による変化があらわれるまでに時間がかかる
メンタルクリニックに通う意味がわからなくなる理由として、薬による変化があらわれるまでに時間がかかる点が挙げられます。
抗うつ薬は即効性があるわけではなく、変化を実感できるまで2週間以上かかることも少なくありません。
そのため、短期間での改善を期待していると「効いていない=意味ない」と思ってしまいます。
また、薬の効き方には個人差があるため、効果が出るまでに焦りや不安を抱えやすいでしょう。
「すぐに効かない=意味がない」とは限らないため、焦らず治療を続けることが大切です。
アンケートから見えるメンタルクリニックが意味ないと感じた理由
日本のメンタルクリニックは薬物療法が中心であり、患者の満足度は必ずしも高いとはいえません。
「精神障がい者の生活と治療に関するアンケート」では、薬物療法に対する満足度は以下のように報告されています。[1]
- 満足:11%
- まあ満足:28%
- どちらともいえない:31%
- やや不満:18%
- 不満:10%
つまり「満足」と答えた人は4割に届かず、半数以上が「どちらともいえない」「不満」と感じているのが現状です。
主治医に対しても「こちらから聞かないと答えてくれない」「質問しづらい雰囲気がある」といったコミュニケーション不足を指摘する声も多くありました。
さらに、薬に対する不満を診察時に伝えられる人は33%、薬剤について相談したことがある人は48%と、半数に満たない結果となっています。
こうした背景から「薬をもらうだけで十分に相談できない」「意味がない」と感じてしまう人が少なくないことがわかるのです。
もしあなたが精神科への不安を感じているときは、以下の記事も参考にしてください。
メンタルクリニックは意味ないと感じたときに知ってほしいこと
通院を続ける中で不信感を抱いたときは、メンタルクリニックに通う意味をあらためて整理しましょう。
それぞれ解説します。
診断を受けられる
メンタルクリニックに通う意味のひとつは、診断を受けられることです。
「これは病気なのか、それとも一時的な落ち込みなのか」と迷っているときに、医師の診断があるとあなたの状態をはっきり知ることができます。
たとえば、うつ病や適応障害などと診断されれば「自分の甘えじゃなかった」と納得でき、治療に踏み出すきっかけになります。
一方で、まだ病気ではないけれど注意が必要な状態と判断されれば「今のうちに生活をととのえよう」という安心感につながるでしょう。
また、診断書があると休職や勤務調整を希望するときに説明しやすくなり、傷病手当金のような公的な制度の利用も可能になります。
診断は、治療だけでなく生活や働き方を守るためにも大切な役割を果たしているのです。
安心感やつながりが持てる
通院により、専門家とつながる安心感を得やすくなります。
たとえば、家族や友人には話しづらいことでも、日常から少し離れた場所で専門家が相手であれば安心して話せるケースがあります。
ひとりで抱え込まずに済むため、気持ちが少し軽くなることもあるでしょう。
また、定期的に通っていれば体調の変化にも気づいてもらいやすく、悪化を防ぐきっかけとしても役立ちます。
通院は孤立を防ぎ「支えてくれる人がいる」と実感できる機会になるのです。
日常でストレスを感じたときも「次の診察で相談できる」と思えることが、安心感や気持ちの安定につながるでしょう。

気になることをすぐに相談できます♪
薬の調整や副作用チェックができる
薬の調整や副作用チェックができる点も、メンタルクリニックに通う意味のひとつです。
通院を続けていれば、体調の変化に合わせて薬の種類や量を見直しやすくなります。
「この薬、合っていないかも」と感じたときも、その都度相談できるのは安心につながるでしょう。
薬の見直しや副作用の確認を通して治療の手応えを実感しやすくなり、納得感を持って通院を続けられるようになります。
メンタルクリニックは意味ないと感じたときにできること
「通院しても意味ない」と感じても、治療をやめる前にできる工夫や選択肢があります。
例として、以下が挙げられるでしょう。
- 薬の見直しや変更を主治医に相談する
- セカンドオピニオン(主治医以外の診察)を受ける
- 心理療法やカウンセリングを受けたいと主治医に相談する
「意味ない」と感じたときは、治療を見直して次の一歩を考えるサインかもしれません。
主治医への相談や工夫を重ねながら、あなたに合った治療を探しましょう。
カウンセリングって意味あるの?という疑問があるときは、以下の記事をあわせてご覧ください。
新しい治療法であるrTMSという選択肢
「今の治療は意味がないのでは」と感じているときに、新しい治療の選択肢となるのが rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法) です。
rTMSは、脳の特定の部位に磁気をあてて刺激を与え、うつ症状をやわらげることが期待される治療法です。
おもなメリットとして、以下が挙げられます。
- 副作用が少ない
- 薬が効きにくい人でも変化が期待できる
- 通院で受けられるため生活や仕事と両立しやすい
おおかみこころのクリニックではrTMSの一種である iTBS(間欠的シータバースト刺激法) を導入しています。
1回の治療時間はわずか3〜6分と短く、忙しい方も選択しやすいのが特徴です。
rTMSについて詳しく知りたいときは、以下の記事を参考にしてください。
治療をやめる前にできることを見つけよう
「メンタルクリニックは意味ない」と感じるのは、治療による変化を実感できないときに抱く自然な気持ちです。
もし今の治療に納得できないときは、薬を見直したりや心理療法を受ける相談をしたりして、あなたに合った治療を継続することが大切です。
おおかみこころのクリニックでは、治療による変化を実感できない方に向けて rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法) という選択肢もご案内しています。
「意味がない」と治療を諦める前に、自分に合った方法を見つけることで回復への道は開けるでしょう。
「まずは話を聞くだけ」というお気軽な気持ちでご相談ください。
おおかみこころのクリニックではオンライン診療も行っております。
忙しくてなかなか受診する時間がとれなかったり、受診が憂うつになったりするときは、オンライン診療もお気軽にご活用ください。
24時間予約受付中
当日予約・自宅で薬の受け取り可能
【参考資料】
[1]公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会
精神障がい者の生活と治療に関するアンケート
https://seishinhoken.jp/files/medias__files/src/016yx0qdrr8kbzkagtxsfknw59.pdf
- この記事の執筆者
- とだ ゆず
精神科看護師としての経験を活かし、メンタルヘルスを中心とした記事を執筆。こころと身体のつながりを大切にしながら、そっと寄り添う文章を心がけています。
保有資格:看護師、保健師、上級心理カウンセラー、漢方養生指導士









