外に出られないあなたへ|受診の目安と病院に行かずに診察できる方法










「病院に行った方がいいのはわかっているけれど、外に出られない」

「甘えてると思われないか」

そんなふうに、自分を責めていませんか?

実は、外に出られない状態は甘えや怠けではなく、心や体が限界を知らせているサインかもしれません。

我慢を続けるうちに、朝起きるのもつらくなったり、人と話すのが苦しくなったりと症状が強まってしまうことも。

外出が難しくてもオンライン診療や訪問診療など、自宅で無理なく相談できる方法があります。

この記事では、受診をした方がいい症状の目安や、自宅で受けられる診察方法をご紹介します。

あなたの不安が少しでも和らぎ、「今のままでも、助けを求められる方法がある」と知っていただければ幸いです。

外に出られないのは心の不調かも|診察が必要な病気のサイン

「外に出たいのに体が動かない」「外に出るのが怖い」

そんな状態が続くと、「怠けているだけでは?」と自分を責めてしまう方も少なくありません。

「外に出られない」状態は意志の弱さではなく、以下のような心の病気が隠れている可能性があります。

まずは、「自分にも当てはまるかもしれない」と気づくところから始めてみましょう。

「何もしたくない」「全部がしんどい」という状態が続くときの心のSOSについては、こちらで詳しく紹介しています。

うつ病・気分障害

気分の落ち込みや、何をしても楽しく感じられない状態が長く続くときは、うつ病や気分障害の可能性があります。たとえば、下記のような状態です。

  • 体が重く感じて疲れやすい
  • 夜寝付けず、朝起きるのがつらい
  • 好きだったことに興味が持てなくなった
  • 食欲がわかない、または食べすぎてしまう
  • 涙もろくなった、または何も感じなくなった

「外に出よう」と思っても体が動かず、出かける準備がしんどく感じてしまうのはなってしまうのは、心のエネルギーが少なくなっているサインかもしれません。

「どうして動けないんだろう」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。

「休んでもよくならない」「何をしても気持ちが晴れない」と感じるときは、ひとりで抱え込まなくて大丈夫。

医師や専門家に話すことで、少しずつ回復のきっかけが見つかりますよ。

不安・パニック障害

外に出ようとしたときに、突然の動悸や息苦しさに襲われたことはありませんか?

そのような症状の背景には、不安障害やパニック障害が関係していることがあります。

パニック障害は「息ができない」「死んでしまうかも」というような強い恐怖や、不安の発作(パニック発作)が起こるのが特徴です。[1]

心の不安が体の反応として表れるケースもあります。

  • 外出しようとすると動悸・息苦しさが出る
  • 電車や人混みなど、逃げられない場所が怖い
  • 「また発作が起きるかも」と常に不安を感じる
  • 外に出ること自体が怖くなっている

動機や息苦しさの症状は、過去の発作がきっかけで「また起きたらどうしよう」と強い不安を感じ、外出自体が怖くなってしまう状態です。

無理をして外に出る必要はありません。オンライン診療や電話診療など、安心できる環境で気持ちを伝えてみることも一つの方法です。

適応障害

適応障害とは、仕事・家庭・人間関係などの強いストレスが続いたあとに、気分の落ち込みや体調不良があらわれる心の病気です。[2]
たとえば、下記のような症状がよく見られます。

  • 仕事に行こうとすると気持ちが沈む
  • 朝になると強い不安や動悸が出る
  • 家を出る支度をするだけで疲れてしまう
  • 原因となった出来事を思い出すと涙が出る
  • 胃痛や食欲不振、下痢・便秘が続く

ストレスの原因から離れると、徐々に回復するケースもあります。

症状が長引いたり、「自分が悪い」「いなくなりたい」といった気持ちが強くなる場合は、うつ病に進行しているサインかもしれません

「このままでは苦しい」と感じたら、ひとりで抱え込まないでいいんだと心に留めておいてください。

適応障害の可能性が気になる場合は、こちらのチェック項目もあわせてご覧ください。

【重要】こんな症状があれば早めに診察を

見過ごされやすいのが、「もう少し様子を見よう」と我慢しているうちに、心の不調が悪化するケースです。以下の症状がある場合は、一人で抱え込まずに、早めに医療機関への相談が必要です。

心や体がSOSを出していることに、気づいてあげましょう。

生活に支障が出ているとき

「着替える気力が出ない」「シャワーを浴びるのもつらい」など、普段当たり前にしていたことさえ負担に感じていませんか?

  • 朝起きても布団から出られない
  • 顔を洗う・歯を磨くのが面倒に感じる
  • 部屋を片付けられず、散らかったまま

「怠けているだけ」と思うかもしれませんが、心が疲れていると、体も動かなくなってしまうのは自然なことです。

このまま我慢を続けると、外に出られないだけでなく、睡眠や食事など、生活全体に影響が出てしまうケースもあります。

少しでも「おかしいな」と感じたら、その時点で相談して大丈夫です。

体の不調が続いているとき

病院で検査をしても「異常なし」と言われるのに、つらい症状が治らない場合、心の不調が原因の可能性があります。

心の疲れは、頭痛・腹痛・吐き気・めまい・肩こりなど、体の不調として表れることがあるのです。

体の症状だけを薬で抑えても、根本的な回復にはつながりません。

心療内科やメンタルクリニックでは、心と体のどちらにも目を向けて、あなたに合った治療方法を提案してくれますよ。

自分を責める気持ちや死への考えが浮かぶとき

「自分なんていなくなった方がいい」「迷惑をかけてばかりだ」そんな考えが浮かぶときは、心のエネルギーが限界に近い状態です。

うつ病や適応障害などでは、自分を責める気持ちや生きる意欲の低下が、症状として現れることがあります。[3]このようなときは、ひとりで我慢せず、すぐに専門機関へ相談してください。

オンライン診療や電話診療なら、外に出ることが難しい場合でも利用できます。今すぐ誰かに話したいときは、下記のような窓口もあります。[4]

  • いのちの電話:0570-783-556(午前10時~午後10時)
  • 東京いのちの電話:03-5286-9090(24時間対応)
  • よりそいホットライン:0120-279-338(24時間対応・無料)

「死にたい」と感じるほどつらい気持ちは、あなたが「弱いから」ではありません。どうか一人で抱え込まず、誰かに話すことから始めてください。

外に出なくても診察を受ける方法

診察を受けてよくなりたい気持ちはあるのに、外に出るのがつらくてためらってしまうこともありますよね。

今はスマホや電話、訪問診療など自宅で受けられる診療の仕組みが整っています。今のあなたの体調や気持ちに合わせて、無理のない方法を選びましょう。

【おすすめ】オンライン診療|スマホで完結

外に出るのがつらいときでも、オンライン診療なら自宅にいながら医師の診察を受けられます。スマホやパソコンのビデオ通話で医師に相談するだけなので、特別な準備は不要です。

薬の処方や次回の予約も、オンライン上で完結できるクリニックが増えています。

移動の負担がなく、話を聞いてもらうだけでも気持ちが少し楽になりますよ。

こころちゃん
こころちゃん

無理しなくて大丈夫。あなたのペースでいいんですよ。

電話診療|顔を見せたくない方向け

「画面越しでも顔を見られるのが怖い」という方には、電話診療という方法があります。

電話診療は、スマホや固定電話で医師と音声だけで話す方法です。顔を映す必要がないため、身だしなみを整えたり、表情を気にしたりする必要もありません。

電話診療は症状の確認やお薬の継続処方が中心ですが、「まずは話を聞いてもらいたい」「オンライン診療はまだ緊張する」という方におすすめです。

訪問診療|医師や看護師が自宅へ来てくれる

訪問診療は、定期的に医師や看護師が自宅を訪れて、診察や薬の処方を行う仕組みです。採血や処方など、通常の外来とほぼ同じ内容の診察が受けられます。

訪問診療でも健康保険が適用され、費用の負担も通院と大きく変わりません。

「自宅に来てもらうのは不安」という場合は、オンライン診療や電話相談から始めて、少しずつ慣れてきたら訪問診療を検討しても大丈夫です。

外に出られないと感じる今は、オンライン診療から始めてみませんか。

おおかみこころのクリニックはオンライン診療も行っています。ご予約はWebから24時間可能です。ご自身のペースでご相談ください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

オンライン診療で診察を受けるための3ステップ

「病院に行かないと」と思っても、体や気持ちがついてこない日ってありますよね。

そんなときは、自宅から受けられるオンライン診療という方法があります。

初めてだと、「どんな準備が必要?」「ちゃんと診てもらえるのかな」と不安に感じるかもしれません。オンライン診療がどんなステップで進むのかを知るだけでも、少し気持ちがラクになりますよ。

ステップ① クリニックを選んで予約する

オンライン診療や電話診療を行っている心療内科・メンタルクリニックは年々増えています。[5]

まずは、「話してみてもいいかも」と思える場所を見つけるところから始めましょう。

予約サイトや公式ホームページで、「オンライン診療」「電話診療」「訪問診療」と明記されているかを確認します。予約を考えるときは、下記のポイントを意識してみてください。

  • 初診からオンライン診療が可能か
  • 保険が使えるか(自費のみの場合もある)
  • 処方薬を郵送または薬局配送できるか
  • カメラをオフにして受けられるか

もし調べるのが難しいときは、電話で「外出が難しいのですが、オンライン診療はできますか?」と一言伝えるだけでも大丈夫です。

無理にいくつも比較する必要はありません。「ここなら少し話せるかも」と感じられる場所が見つかれば十分です。

ステップ② 診察前に準備すること

オンライン診療の前には、「スマホの充電」や「症状のメモ書き」など、簡単な準備をしておくと安心です。

難しいことはありません。体調や気分に合わせて、できる範囲で大丈夫です。

スマホやパソコンの充電診察の途中で電源が切れてしまうと不安になります。フル充電にしておきましょう。
通信環境をチェックWi-Fiが安定していない場合は、なるべく電波の良い部屋を選びます。
話したいことをメモ「最近眠れない」「気分が沈む」など、簡単なメモで十分。うまく話せなくても、メモを見ながら伝えれば大丈夫です。
保険証や身分証を用意初診の場合は、カメラ越しに確認を求められることがあります。

何を話せばいいか分からなくなっても心配いりません。医師が質問をしながら、あなたの状態を一緒に整理してくれますよ。

「部屋を片付ける元気がない」というときは、カメラをオフにして音声だけで診察を受けることも可能です。

診察は準備が整ってからでなくても始められます。「今なら少し話せるかも」と思えたタイミングを大切にしてください。

ステップ③ 当日の診察の流れ

オンライン診療の当日は、スマホひとつで完結します。外出の支度も不要なので、できるだけリラックスして臨みましょう。

①予約時間になったらURLを開く事前に送られてくるリンクをタップするだけで診察が始まります。
②医師が体調や生活の様子を確認する眠れない、食欲がない、気分が沈むなど、感じていることをそのまま話して大丈夫。
③必要に応じて薬の処方や次回予約を行う処方箋は自宅へ郵送や、近くの薬局にFAXされることが多いです。

診察当日に体調が悪くて受けられなくなった場合は、無理せずキャンセルや予約変更を伝えましょう。

通信が途中で切れてしまったり、つながらなくなった場合も、落ち着いて再接続を試みれば大丈夫。それでもうまくいかないときは、後ほどクリニックから連絡が入ることがほとんどです。

こころちゃん
こころちゃん

焦らず、「またつなげばいい」と思っておきましょう。

まとめ|自宅からできる相談を始めましょう

外に出られないことは、甘えや怠けではなく、心や体が「もう少し休んで」と伝えているサインかもしれません。

今はオンライン診療や電話診療、訪問診療など、自宅からでも心のサポートを受けられる時代です。どんな形であれ、いまの自分を助ける方法があると知ることが、つらさを和らげるきっかけになります。

話してみるだけでも、気持ちが少し軽くなることがありますよ。

おおかみこころのクリニックでは、自宅からでも相談できるオンライン診療を行っています。来院が難しい方も、24時間Webからご予約いただけます。どうぞご自身のペースでご相談ください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

【参考文献】

[1]パニック症の診療ガイドライン|日本不安症学会 / 日本神経精神薬理学会
https://www.jsnp-org.jp/news/img/guidelines_20250901.pdf

[2]働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」|厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1653/

[3]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf

[4]まもろうよ こころ|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/

[5]適切なオンライン診療の推進について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001340999.pdf

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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