ピルを飲んで快適な生活を送りたいのに、不正出血に悩まされていませんか?
不正出血は、ピルの服用中に起こりやすい症状です。一方で、不正出血はストレスが原因でも起こるため、どう対処したらよいのかわからず困ってしまいますよね。
ピル服用中の不正出血には、ホルモンバランスの変化やストレスなど、さまざまな要因が関係しています。ピル服用中の不正出血を止めるためには、ピルの服用方法を見直したり、心身をリラックスさせたりすることが大切です。
この記事では、ピル服用中の不正出血とストレスの関係、ピル服用中の不正出血が止まらないときの対処法について解説します。不正出血の原因を探り、心身ともに健康に過ごすために役立てれば幸いです。
ピル服用中の不正出血とストレスの関係
ピルの服用の中に起こる不正出血には、2つの要因があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ピル服用による不正出血
ピルの服用は、不正出血の原因となります。[1]ピルを服用すると、体内のホルモンバランスが大きく変化することがあるのです。
ピルにはエストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンがピルに含まれており、子宮内膜に働きかけます。[2]服用開始から3か月ほどは、ホルモンバランスが不安定になり子宮内膜が剥がれるため、出血が起こりやすくなるのです。
不正出血は一時的なものであるため、身体が適応するにつれて改善されていく傾向にあります。
不正出血すると心配になりますよね💦
気になるときは病院に行きましょう!
ストレスによる不正出血
ストレスは、女性ホルモンのバランスを乱す要因となります。
東日本大震災後に閉経した女性を対象とした調査では、強いストレスにさらされた被災地域において、不正出血の症例が増加したと報告されています。[3]心理的なストレスが女性ホルモンのバランスを乱し、不正出血につながる可能性が示唆されたのです。
とくにピル服用中は、薬から女性ホルモンを補充している状態のため、身体がストレスの影響を受けやすくなっています。仕事や人間関係などによる慢性的なストレスは、不正出血のリスクを高める可能性があります。[4]ストレスをためないように、こまめに解消することが大切です。
ピル服用中の不正出血が止まらないときの対処法
ピル服用中の不正出血には、次の5つの対処法が効果的です。
それぞれについて解説します。
身体を温める
不正出血を止めるためには、身体を温かくしましょう。
ストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、末梢血管が収縮して血行が悪くなります。[5]血行が悪くなると、手先や足先まで血液が行き渡らなくなり、ホルモンバランスが乱れる要因となるのです。
たとえば、入浴やストレッチ、軽い運動で身体を温めることで血行が改善されホルモンバランスが整いやすくなります。下腹部や腰回りを温めると、子宮への血流を促進させます。
また、冷たい飲み物や食べ物は控えめにしましょう。温かい飲み物を飲むと、身体を内側から温めることができます。
ピルを続けて飲む
不正出血が起きても、ピルを続けて飲むようにしましょう。[6]
ピルは毎日決まった時間に服用することで、体内のホルモンバランスが安定します。服用を中断するとホルモンバランスが乱れ、不正出血が長引く可能性があるのです。
身体がピルに慣れるまで、3か月ほどかかります。不正出血があると不安になり、ピルの服用をやめたくなるかもしれません。出血が続いて不安なときは、病院に相談をすることが大切です。
ピルを処方してもらった病院に電話して確認してみるのもよいでしょう!
ピルの種類を変える
ピルを3か月以上服用しても出血するときは、ピルの種類を変えた方がよいか医師に相談してみてください。
ピルにはさまざまな種類があり、含まれるホルモンの量や配合が異なります。服用しているピルが身体に合わなければ、別の種類に変更することで出血が止まる可能性があるのです。
たとえば、エストロゲンの量が多いピルでは不正出血が起こりやすい人もいます。エストロゲンの量が少ないピルに変更すると、症状が改善するケースもあるのです。
ピルの種類を変更したいときは、必ず医師に相談してから行うようにしましょう。
質の良い睡眠をとる
良質な睡眠は、ホルモンバランスを整えるために必要です。また、睡眠は1日の活動でたまった疲れやストレスから回復させる働きもあります。[7]
睡眠の質を高めるためには、就寝前に副交感神経を活発にさせることが有効です。お風呂にゆっくり入ったり落ち着く音楽を聴いたりして、心身をリラックスさせましょう。
就寝する1時間前には、スマホやパソコンの使用を控えてください。画面から出るブルーライトは体内時計を乱す要因となり、眠りが浅くなります。また、寝室の温度を20度前後、湿度を40~70%に保つと快適な睡眠につながります。[8]
リラクゼーション法を行う
ストレスを和らげるために、リラクゼーション法を取り入れることは効果的です。具体的には、次の3つの方法があります。[9]
- 深呼吸
- 自己催眠
- 漸進的筋弛緩法
深呼吸では、吸う・吐くをそれぞれゆっくり3秒ずつ行いましょう。漸進的筋弛緩法とは、身体の各部分の筋肉に力を入れて脱力する方法です。自己催眠は「気持ちが落ち着いている」といった具体的な言葉を心の中で繰り返し、心身のリラックスを促します。
どれも手軽に実践できるストレス解消法で、心身をリラックスさせるのに有効です。就寝前にリラクゼーション法を行うと、質の良い睡眠にもつながります。
ピル服用中に不正出血があるときに性行為はだめ
ピル服用中に不正出血が起きたら、性行為は控えてください。
不正出血したまま性行為をすると、性器の傷や炎症など悪化するリスクがあります。出血している箇所に刺激が加わると、傷口が広がったり治りが遅くなったりするのです。
不正出血の原因が「性器クラミジア感染症」や「淋菌感染症」など性器の感染症である可能性もあります。[10]そのため、感染リスクを下げるためにも、不正出血の原因がわかるまでは性行為を控え、婦人科に相談をしましょう。
まとめ
ピル服用中に起こる不正出血は、ホルモンバランスの変化やストレスがおもな原因となります。身体を温めて血行を改善し、ピルを規則正しく服用を続けていきましょう。
必要に応じてピルの種類を変更したり、リラクゼーション法でストレスを和らげたりすることも効果的です。不正出血したときには、性感染症のリスクがあるため性行為は控えてください。
症状が続いて不安があるときは、ひとりで抱え込まずに婦人科を受診しましょう。医師が適切なアドバイスをしてくれますので、安心して相談してくださいね。
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【参考文献】
[1]避妊のためだけじゃない、ピルのこと、もっと知ろう|TOKYO YOUTH HEALTHCARE
https://www.youth-healthcare.metro.tokyo.lg.jp/story/1052
[2]経口避妊薬|公益社団法人 日本麻酔科学会
https://anesth.or.jp/users/common/preoperative_complications/28
[3]3.災害ストレスと疾患|日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/note/3-%E7%81%BD%E5%AE%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%81%A8%E7%96%BE%E6%82%A3
[4]The impact of today’s chronic stress on a woman’s menstrual function,O. L. Lovkina,N. G. Masibroda,O. A. Muntyan,V. V. Klivak,A. V. Vozniuk
https://reports-vnmedical.com.ua/index.php/journal/article/view/1152
[5]ストレスとは|働く女性の心とからだの応援サイト
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-3.html
[6]低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf
[7]健康づくりのための睡眠ガイド2023
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
[8]不眠症|e-ヘルスネット(厚生労働省)
[9]ストレスに対するリラクゼーション法について知っておくべき5つのこと|厚生労働省eJIM
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/16.html
[10]性感染症|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html