リワークなしで復職したいときにやること|再休職のリスクと復職条件










「リワークに通わないと復職できないの?」

そのような不安を抱えながら、モヤモヤした気持ちで過ごしていませんか?

リワークは法律で義務づけられたものではないため、通わずに復職することも可能です。

行かない選択がある一方で「通ったからこそ安心できた」「自分を見つめ直せた」という声も少なくありません。

この記事では、リワークなしで復職する方法リスクリワーク以外の選択肢についても紹介します。

今のあなたに合った準備や支えを見つけるヒントになれば幸いです。

リワークなしでも復職が可能な理由

「リワークに通わないと復職できないのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。

ただ、リワークは法律で義務づけられたものではなく、あくまで任意参加のプログラムです。

就業規則に明記されていない限り、リワークへの不参加が問題になることは基本的にありません。

主治医が「復職可能」と判断し会社側とも合意が取れていれば、リワークに参加せず職場に戻ることは十分に可能です。

リワークを利用しない場合は、試し出勤(リハビリ出勤)のように実際の職場環境で少しずつ慣らす方法もあります。

ただ、主治医が復職を許可しても会社がリワークの受講を強く勧めるときや、就業規則に記載がないのにリワークが復職の条件となっているときは、産業医や第三者を交えて調整することが大切です。

「そもそもリワークってなに?」と疑問に思うときは、こちらの記事を合わせてご覧ください。

リワークなしで復職したときのリスク

「できるだけ早く復職したい」という気持ちは自然なものですが、リワークを利用せずに復職すると再び休職するリスクが高まることが報告されています。[1]

実際に、リワークプログラムを受けなかった人の再休職のリスクは、受けた人に比べて6.21倍も高まるのです。[1]

また再休職をした場合、以下のように休職期間が長引く傾向も報告されています。[2]

  • 1回目の平均休職期間:107日(約3.5か月)
  • 2回目の平均休職期間:157日(約5か月)

リワークなしでの復職は可能ですが、再休職のリスクを高めるという現実もあるのです。

復職を焦らずあなたに必要な準備を選ぶことが、長く安定して働くための大きな支えになります。

それでも「リワークって意味あるの?」と気になるときは、こちらの記事をご覧ください。

【セルフチェック】リワークなしで復職できる目安

「本当にリワークなしで復職しても大丈夫?」と迷ったときは、復職の判断基準にあてはまるかを確認しましょう。

以下のような状態がととのっていると、復職後も安定して働けると判断されることがあります。[3]

▢ 労働意欲が十分にある

▢ 業務に必要な作業がこなせる

▢ 作業による疲労が翌日までに回復する

▢ 通勤時間帯にひとりで安全に通勤できる

▢ 注意力や集中力が回復しており業務に支障がない

▢ 決まった勤務日・勤務時間に継続して勤務できる

▢ 適切な睡眠・覚醒リズムがととのっていて昼間に眠気がない

これらはあくまで医師や産業医が復職できるかを判断する際の目安です。

すべてを完璧に満たしている必要はありませんが、不安が残るようならリワークの活用により、スムーズに職場復帰がしやすくなるでしょう。

「自分だけで判断するのが不安…」というときは、主治医や産業医、復職支援スタッフに相談してください。

こころちゃん
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リワークなしで復職したいときにやること

リワークなしで復職したいときにやることとして、以下が挙げられます。

それぞれ解説します。

主治医や職場と話し合いをする

主治医が「復職可能」と判断していても、会社側や産業医からリワークへの参加を求められるケースは少なくありません。

リワークへの参加は法的な義務ではありませんが、企業によっては独自のルールや判断基準を設けている場合があります。

スムーズな復職や復帰後の働きやすさを考えると、会社側の意向を無視せず丁寧に話し合いましょう。

復職に必要なのは症状の回復だけではなく、職場で安定して働き続ける力が回復しているかという点にあります。

そのためには、主治医や産業医、上司と話し合いを重ね、あなたの不安や希望を共有することが大切です。

リワーク以外の選択肢を考える

復職を考えるときは「リワークに行くか、行かないか」という二択で考えすぎないようにしましょう。

復職の際にできることとして、リワーク以外にも次のような方法があります。

  • 短時間勤務や試し出勤から少しずつ慣らす
  • 産業医との面談を続けながら復職のタイミングを調整する
  • 外来での通院やカウンセリングを継続しながら体調や気持ちをととのえる

大切なのは、あなたに合った方法で働く準備を進めることです。

リワークに行くことが強いストレスになるときは、あなたの状態に合った方法で安定した復職を目指しましょう。

リワークに行きたくない理由を言葉にする

リワークに行きたくないと感じたときは、その理由を言葉にしてください。

以下のように言葉にすることで、本当に必要な支援や準備が見えてくることがあります。

  • 「会社に命令されたくない」→ 自分の意思で進めたい、コントロールされたくない
  • 「ロールプレイが嫌だ」→ 本当の気持ちを出すのが怖い、自分を否定されそうで不安
  • 「通っても意味がない気がする」→ どうせ分かってもらえない…という前提で他者とかかわってしまう

こうした気持ちの裏には、これまで積み重ねてきた経験や傷つきが隠れていることもあります。

感情を丁寧に言語化して主治医やカウンセラーと共有することは、回復や復職の方向性を見つけるうえでも重要な手がかりになります。

まとめ|リワークなしで復職したいあなたへ

リワークは法律上の義務ではなく、状況によっては通わずに復職することも可能です。

ただ、リワークを受けずに復職した人は再休職のリスクが6倍以上になるという調査結果もあります。

復職できるかどうかだけでなく「復職後も安定して働き続けられるか」という視点が大切です。

おおかみこころのクリニックでは、リワークへの不安や迷いも含め丁寧にお話をうかがいながら、ムリのない復職準備をサポートしています。

リワークに通うかどうかを迷っている段階でも、まずはお気軽にご相談ください。

おおかみこころのクリニックのリワークに興味のあるときは、こちらから詳細をご覧ください。

おおかみこころのクリニック

【参考資料】
[1]リワーク機能を有する医療機関と連携した復職支援
https://www.nivr.jeed.go.jp/center/report/p8ocur0000000295-att/practice26.pdf

[2]主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/hojokin/dl/28_14010101-02.pdf

[3]心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/000561013.pdf

この記事の執筆者
とだ ゆず
精神科看護師としての経験を活かし、メンタルヘルスを中心とした記事を執筆。こころと身体のつながりを大切にしながら、そっと寄り添う文章を心がけています。
保有資格:看護師、保健師、上級心理カウンセラー、漢方養生指導士
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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