精神的に弱ってる時の過ごし方5選|やってはいけないNG行動も










「精神的に弱っているとき、どう過ごせばいいんだろう?」

「ムリに元気を出そうすると、かえって疲れてしまう…」

理由もなく気分が落ち込んだり、普段ならできることが億劫に感じたりして「わたしが弱いからだ」と責めていませんか。

その不調は、こころが休息を求めているサインかもしれません。

精神的に弱っているときは、過ごし方を工夫するだけで気持ちが楽になるケースがあります。ただし、具体的になにをすればよいか分からず、戸惑ってしまう人も多いでしょう。

この記事では、精神的に弱ってるときの過ごし方避けるべき行動を解説します。あなた自身を大切にするヒントが見つかり、少しでもこころが軽くなるきっかけとなれば幸いです。

精神的に弱ってる時にあらわれるサイン

精神的に弱っているときにあらわれるサインを、次の3つの側面から紹介します。

まずは、どのようなサインがあるのかを知り、あなたの状態を振り返ってみましょう。

身体面

精神的に弱っているときに身体にあらわれるサインには、下記のものがあります。[1][2]

  • 頭痛
  • 腰痛
  • 肩こり
  • めまい
  • 食欲不振
  • 便秘や下痢
  • 寝つきの悪さ

腰痛や肩こりが起きるのはストレスで無意識のうちに身体に力が入り、筋肉が固まって血の巡りが悪くなるためです。[2]

また、強いストレスを感じると、数日から数週間続く一時的な不眠を経験するといわれています。[3]

いつもと違う身体の変化にきづいたら、こころが休息を求めていると考えましょう。

精神面

精神的に弱っているときは、精神面にも変化をもたらします。[1]

  • イライラしやすくなる
  • 理由もなく涙もろくなる
  • 些細なことで不安になりやすい
  • これまで楽しめていたことにやる気が起きない

たとえば、イライラすると感情のコントロールがうまくいかず、普段なら気にならないことにも腹を立ててしまうのです。

また、些細なことでも不安になりやすいため、ドラマや音楽に触れただけでも涙が出ることがあります。

感情の変化は、こころがエネルギーを消耗しているサインと考えましょう。

行動面

身体やこころだけでなく、日々の行動にも変化があらわれます。[1]

  • 人付き合いが面倒に感じる
  • 話しかけても反応が薄くなる
  • 身だしなみに気を使わなくなる

精神的に弱っているときは、周囲の人への関心が薄れてしまうのが特徴です。

人と会って話すことが負担になり、ひとりでいる時間を選びがちになります。

そのため、身だしなみを気にしなくなり、服装や髪形をととのえる気力がなくなるのです。

行動の変化は、本人よりも周囲の人が先に気づきやすいサインです。もし、家族や友人から心配されたときは「休んだほうがよい」というメッセージとして受け取りましょう。

下記の記事では精神的に疲れてる人の特徴を解説しているので、あわせてご覧ください。

精神的に弱ってる時の過ごし方5選

精神的に弱っているときの過ごし方には、次の5つがあります。

すべてをやる必要はないので「これならできそう」と思えるものから試してみてください。

散歩をする

精神的に弱っているときの過ごし方には、散歩があります。

家のまわりを5分歩いてみるだけでも気分転換になります。外の空気を吸いながら歩くうちに、頭の中を占めていた悩みごとから距離を置けるようになるのです。

また、運動にはネガティブな気分を発散させたり、心身をリラックスさせたりする効果が期待できます。[4]とくに有酸素運動は「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促します。[5]

「運動しなきゃ」と気負わずに、まずは外の空気に触れることから始めてみましょう。

音楽を聴く

好きな音楽を聴くことは、精神的に弱っているときの過ごし方として有効です。

音楽を聴くと、思考や感情などにかかわる脳のさまざまな部位を活性化させるためです。[6]

こころがざわついて落ち着かないときは、ゆったりとしたクラシックやヒーリングミュージックを聴くとリラックスできます。

逆に、気分を盛り上げたいときはアップテンポな曲を聴きましょう。

ムリに元気な曲を聴かなくてもよいので、あなたの気持ちに合う曲を選ぶのがポイントです。

こころちゃん
こころちゃん

好きな音楽で気分をととのえましょう!

朝に日光を浴びる

精神的に弱っているときは、朝に日光を浴びる習慣を取り入れましょう

人間の身体には、約24時間周期の体内時計が備わっています。起床後に太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、活動モードに切り替わるのです。

また、日光を浴びることで精神の安定にかかわる「セロトニン」の分泌が促されます

セロトニンは夜になると睡眠を促す「メラトニン」に変化するため、朝に光を浴びる習慣は夜の自然な眠りにもつながるのです。[7]

まずはカーテンを開けて部屋の中に朝日を取り入れるだけでもよいので、試してみましょう。

部屋の片づけをする

精神的に弱っているときは、部屋の片づけをして過ごすとよいでしょう。

部屋の状態は、こころの状態を映す鏡といわれてます。

もし部屋が散らかっていたら、少しだけ片づけをすると気持ちを整理する助けになるのです。

たとえば「今日は机の上だけ」「棚の1段目だけ」というように、5分程度で終わらせられる小さな目標を立てましょう。少しずつきれいになっていく様子は、達成感をもたらしてくれます。

ムリのない範囲で取り組むのが、気持ちをすっきりさせるためのポイントです。

気持ちを紙に書き出す

精神的に弱っているときは、気持ちを紙に書き出しましょう

もやもやした気持ちを整理するために、紙に書き出す方法は有効です。

頭の中で考えている悩みや不安は、文字にして客観的に眺めると冷静に受け止められるようになります。[8]

誰かに見せるものではないので、文章のうまさや構成を気にする必要はありません。頭に浮かんだ単語を羅列するだけでも、今の感情を書きなぐるだけでもよいのです。

こころの中にあるものをすべて吐き出すつもりで、5~10分だけでもペンを動かしてみましょう。

精神的に弱ってる時にやってはいけないNG行動

精神的に弱っているときにやりがちな行動が、かえって回復への道を遠回りさせてしまうことがあります。ここでは、避けるべき過ごし方を3つ紹介します。

心当たりがあるときは、少し立ち止まって過ごし方を見直すきっかけにしてください。

暴飲暴食

つらい気持ちを紛らわすための暴飲暴食は、控えたい行動のひとつです。

食べる行為は一時的に満足感や幸福感をもたらしますが、根本的な問題の解決にはなりません。

むしろ、食べ過ぎた後に「またやってしまった」という罪悪感や自己嫌悪に陥り、さらに気分が落ち込むという悪循環に繋がるのです。

また、栄養バランスの偏りは体調不良を招く原因にもなります。さらに、食べることで感情をコントロールする癖がついてしまうと、摂食障害につながるリスクも高まります。[9]

精神的に弱っていると感じたら、食べる以外のこの記事で紹介した5つの方法で気分転換しましょう。

ギャンブル

精神的に弱っているときのギャンブルは、依存のリスクが高いため避けたい行動のひとつです。

ギャンブルによる強い刺激や興奮は、つらい現実を一時的に忘れさせてくれるかもしれません。ただ、勝ったときの高揚感や負けを取り返そうとする焦りが、冷静な判断力を失わせ、のめり込みやすくさせます。

ギャンブルは、経済的な問題や人間関係の破綻を招くリスクがあると言われています。[10]

借金やウソを重ねることで新たなストレスを生み出し、孤立を深めてしまう原因になるのです。

こころの隙間を埋めるために、ギャンブルに手を出すのは控えましょう。

こころちゃん
こころちゃん

ギャンブルはさけましょう💦

過度な飲酒や喫煙

精神的に弱っているときは、過度な飲酒や喫煙を避けてください。

アルコールは眠りを浅くし、夜中に目が覚めやすくなる原因になるとされています。[11]結果として翌日の疲労感が増し、気分の落ち込みを悪化させるのです。

一方、たばこに含まれるニコチンには一時的な覚醒作用やリラックス作用がありますが、効果が切れると離脱症状としてイライラや不安が生じます。イライラや不安を解消するために、また次の喫煙を求めるという悪循環に陥りやすいのです。[12]

飲酒や喫煙に頼らず、別の方法で心身を回復させましょう。

まとめ

精神的に弱っていると感じたら、まずそのサインに気づき、ゆっくりと休む時間をつくる過ごし方を意識しましょう。

今回紹介したように、身体面・精神面・行動面にはさまざまなサインがあらわれます。

それらのサインを無視せず、あなたの心身の声に耳を傾けてみてください。

散歩をしたり音楽を聴いたりと、ムリのない範囲でできることから試してみましょう

もし、つらい状態が長く続いたり、ひとりで抱えるのが困難だと感じたりしたら、まわりの人を頼ることも忘れないでください。

おおかみこころのクリニックではカウンセリングも行っています。悩みを話すだけでもかまいませんので、お気軽にお問い合わせください。

おおかみこころのクリニック

【参考文献】
[1]ストレスのサイン|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/kokoro/kokoro_03.html

[2]No.1 ストレスと腰痛:身体のストレス反応から考える職場のメンタルヘルス対策|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/column/body001

[3]不眠症(睡眠障害)|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=XpsDJBKfyaGD0mIx

[4]体を動かす|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html

[5]数字で見る! スポーツで身体に起こる気になる「6」つのデータ|スポーツ庁 Web広報マガジン
https://sports.go.jp/special/value-sports/post-29.html

[6]音楽と健康[各種施術・療法 – 医療者]|厚生労働省eJIM
https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c02/23.html

[7]健康づくりのための睡眠ガイド 2023|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

[8]今の気持ちを書いてみる|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_02.html

[9]摂食障害|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_05.html

[10]ギャンブル依存|久里浜医療センター
https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/case/gamble_case.html

[11]お酒と睡眠~「眠るための飲酒」は避けましょう~|横浜市
https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/kenko-iryo/kokoro/kokorosoudan/column/20211013162348942.html

[12]禁煙の医学|禁煙推進Webサイト
https://www.med.or.jp/forest/kinen/medical

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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