仕事のストレスが原因で「吐き気」に悩んでる方が年々増えています。甘えからきているのではないかと自分を責める方もいますが、必ずしもそうではありません。
今回の記事では、仕事のストレスからくる吐き気でお悩みの方へ「吐き気が起こる理由」「ストレスのセルフチェック方法」「ストレスを軽減させる方法」を紹介していきます。
ストレスで吐き気が起こるメカニズム
そもそも、ストレスで吐き気が起こるのはなぜなんでしょうか?
吐き気の作用機序
ストレスで吐き気がおこる原因として「自律神経の乱れ」があります。
自律神経には、昼間活動しているときに活発になる「交感神経」と夜間やリラックスしているときに優位にはたらく「副交感神経」の2種類があります。
ふだん2つの神経はうまくバランスを取っていますが、ストレスなどで乱れると心身に支障をきたしてしまうのです。
その影響の一つとして、胃酸の過剰分泌があり、結果として「吐き気」や「胸焼け」を引き起こすことがあります。
ストレス以外の吐き気の原因
吐き気を伴う原因はストレスだけではありません。
たとえば、以下のような疾患は吐き気の原因になります。
- 胃腸炎
- 胃潰瘍
- 腸閉塞
- 肝炎
- 胆石症
- 脳血管障害
- 薬の副作用
- つわり
中でも胃腸の粘膜に炎症が起きる胃腸炎や胃潰瘍が一番多く、それ以外では、胆のうに石ができる胆石症や肝機能に異常をきたす肝炎などにも吐き気が見られます。
また、妊娠時のつわりや抗生物質などの薬の副作用で吐き気が起こることもあります。
吐き気の原因がストレスかどうかのセルフチェック
「吐き気」の原因にはさまざまなものがあることが分かりました。自分の「吐き気」はストレスが原因なのかセルフチェックをしてみましょう。
自分のストレス状況を客観的に調べてみたい
ストレスセルフチェックは、さまざまな種類のものが出ています。厚生労働省から出ているものは短時間でできるので、おすすめです。ストレスの原因因子や心身反応、ストレス影響因子を知ることができます。
出典:5分でできる職場のストレスチェック|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(自殺対策を含む)
吐き気の原因がストレスかどうか知りたい
吐き気の種類には大きく分けて2種類あります。
生理的な反射が原因で起こる「嘔吐反射」とストレスや習慣によって起こる「機能性ディスペプシア」です。
「嘔吐反射」は、身体の生理的な反射で起こる吐き気です。歯を磨くときに「おえっ」っとなった経験がある方は多いのではないでしょうか?
一方、「機能性ディスペプシア」は、症状の原因がはっきりしないにもかかわらず、慢性的に吐き気や胃もたれの症状が出る状態のことをいいます。
こちらはストレスや睡眠不足、生活習慣などが関わっていると考えられます。
仕事のストレスを軽減させる方法【吐き気を起こす前に】
仕事のストレスを、軽減させる方法を知っていれば、身体が悲鳴を上げる前に対処できます。
ここでは
上の通り、3つに分けて「ストレスを軽減する方法」を解説します。
ストレスに対する耐性を上げる
ストレスの軽減方法の一つとして、「ストレス耐性」を上げる方法があります。「ストレス耐性」とは、ストレスに対してどのくらい適応し処理することができるかを意味しています。ストレス耐性が高い人には4つの特徴があります。
① ポジティブな考え
不利な状況でも「今後に生かそう」と、次に向けて考えることができます。
② 楽観思考
周囲を気にしすぎたり、起こったことに振り回されないのでストレスが溜まりにくいと言われています。
③ 自己肯定感
自分の価値観がはっきりしているので、他人の評価を気にしすぎない傾向があります。
④ 集中力
「今、するべきこと」に集中できるため、余計なことを考えずに済みます。
物事の受け止め方は、今までの経験に基づいています。少しずつ意識して変えていきストレス耐性を上げましょう。
ストレスの原因を取り除く
次に原因を探り取り除いて行きます。職場のストレスは、大きく分けて3種類あります。
① 仕事の量
仕事量は適切でしょうか?残業が多かったり、休憩が十分に取れていなかったりすると、身体が疲れやすくストレスも感じやすくなります。
② 仕事の失敗・責任の発生
仕事の失敗や責任の大きい業務は、ストレスの原因になりやすいです。
③ 仕事の特性
「今の仕事内容が、自分の特性と合ってない」ということはないでしょうか?例えば、「人と話すことが苦手なのに新規営業をしなければいけない」などです。仕事の特性と自身の性格が合っていなければ、それがストレスの原因になっているかもしれません。
症状に直接アプローチする
ではストレスにどのように対処すると良いのでしょうか?
ストレスに対処する行動を「ストレスコーピング」といいます。ストレスの種類によって、2方向からアプローチする方法です。
1つめは、問題焦点型コーピングです。
ストレスの原因そのものに働きかけて、それ自体を変化させ解決するものです。例えば、人間関係がストレスの原因であれば、相手に直接働きかけて解決するなどですね。
2つめは、情動焦点コーピングです。
これはストレスの対象ではなく、自分の感じ方や考え方を変えようとするものです。具体例では、友達に相談して話を聞いてもらうなどですね。
ストレスの原因が、変化できそうなものであれば、問題焦点型コーピングが適当で、変化が難しいものであれば情動焦点型コーピングが良いでしょう。
仕事のストレスで吐き気が起きたら注意すること
ストレスが原因で吐き気が起きたら以下のことをチェックしてみましょう。
- いつ頃から症状が出ている?
- どれくらい症状が続いている?
- 原因を改善できそう?
- 相談できる人はいる?
症状が1週間以上続いている場合や、原因であるストレスが改善できない場合は症状が悪化して、うつ病など精神疾患を発症する可能性もあります。
医療機関相談、精神科もしくは内科疾患
もしも、症状が慢性化しているようであれば、心の相談窓口や、医療機関の受診を検討してみましょう。
https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/
また、内臓に疾患がある可能性もあります。専門医の受診も考えてみましょう。
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必要があれば職場環境の改善や転職
ストレスの原因である仕事内容や環境の改善が難しければ、部署の異動や転職も検討してみても良いでしょう。
まとめ
ストレスが溜まると、自律神経の乱れから、吐き気や睡眠不足など身体にさまざまな不調を引き起こします。
現代社会において、全くストレスを感じないということはなかなか難しいものですが、不調が1週間以上続くようであれば早めに専門医へ相談しましょう。
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