雨の日は空がどんよりとしていて気分が落ち込みやすくなります。
やる気がなくなったり、うつ気分になったりする方にとっては「なぜ雨の日だけ気分が落ち込むの?」と不安になりますよね。
曇りや雨の日は晴れの日よりも気圧が低いので、気分の落ち込みだけでなく頭痛を引き起こしてしまう場合もあります。
今回はなぜ雨の日に気分が落ち込むのかについて解説していきます。
雨の日の過ごし方や気分が左右されない対処法についても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ雨の日に気分が落ち込むのか?天気痛の原因とは?
雨の日に気分が落ち込むのは「天気痛」の1つの症状です。
天気痛とは気象の変化によって持病が悪くなる気象病の中で、痛みや気分に関するものを指しています。[1]
天気痛が起こる原因として以下のことが考えられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
気圧が変化する
気圧の変化によって気分が落ち込むだけでなく、頭痛や肩こりなどを引き起こす場合もあります。
耳の奥にある内耳という器官が気圧の変化を感じると考えられており、内耳が敏感な人は気分が落ち込みやすいです。
気圧の変化を感じると交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまいます。
交感神経が活発になりすぎると頭が痛くなり、副交感神経が活発になりすぎると気分の落ち込みを感じます。
台風の時期も気圧は変化しやすいので気をつけましょう。
日照時間が短くなる
日照時間が短くなると日光を浴びる時間が減って、幸せホルモンであるセロトニンが作られにくくなります。
セロトニンは精神を落ち着かせる働きをする、脳内の神経伝達物質の1つです。
セロトニンが減ってしまうと気分が落ち込んでネガティブになりやすく、うつ病やパニック障害を引き起こすと言われています。[2]
曇りの日も日照時間が短くなるため、気分が落ち込む人が出やすくなります。
睡眠不足になる
気圧の変化で交感神経が優位になると、リラックスしづらくなって睡眠不足になりやすいです。
睡眠不足の状態では集中力が下がったり、イライラしやすくなってしまいます。
1日の睡眠時間が4時間半ほどのまま5日間続いてしまうと、不安や抑うつ気分の傾向が強まります。[3]
さらに6時間未満では2型糖尿病や認知症のリスクも増加するので、最低でも6時間以上は確保するようにしてください。[4]
また幸せホルモンのセロトニンは夜になると、眠りを誘う「メラトニン」というホルモンに変化します。
日光を浴びてセロトニンを作り、メラトニンの量を減らさないことが大切です。
うつ気分になりやすい雨の日の過ごし方
雨の日におすすめしたい過ごし方を4つ紹介します。
気分がだるくなりがちな雨の日にすっきりできる過ごし方です。
取り組みやすいものばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。
ストレッチをする
雨の日は無理をしない程度にストレッチをして体をすっきりさせましょう。
少しでも体を動かすと血の巡りが良くなって脳に酸素が行き渡ります。
脳に酸素が行くと体だけでなく頭もすっきりしてきますよ。
気分を改善する効果もあるため、うつ気分になりやすい雨の日におすすめです。[5]
YouTubeでは5分ほどの短い時間でできるものもあるので、自分に合うストレッチ方法を探してみてください。
デジタルデトックスをする
普段スマホを触る時間が長い方はデジタルデトックスをしてみましょう。
スマホからは良い情報も悪い情報も得てしまうので、時には遮断することも必要です。
特にSNSの利用頻度が高いとうつ病になるリスクが高くなります。[6]
例えば好きな映画を観たり、好きな音楽を聴いたりすれば気分を上げることができます。
ゆっくり過ごす時間は意識しないと作れないので、雨の日にデジタルデトックスを試してみてください。
ぬるめのお湯に浸かる
ぬるめのお湯に浸かると気分がリフレッシュできます。
お風呂の温度を38℃くらいに設定すると、副交感神経が働いてリラックスした気分になります。
お湯に浸かると体温が上がるため、体が冷えやすい方にもぴったりな雨の日の過ごし方です。
お風呂の時間が退屈と感じる方はマッサージやストレッチをしたり、好きな入浴剤を入れたりしてみてください。
シャワーだけで済ませがちな方もお風呂に入って、気分をリフレッシュさせましょう。
雨音を聴く
雨の日は雨音をじっくり聴いてみましょう。
実は雨音は「1/fゆらぎ」を持つので、リラックス効果があると言われています。
1/fゆらぎとは自然音の中に含まれている音の揺らぎのことです。
心臓の鼓動などと呼応し合って心地よく感じることができます。
また雨は水で洗い流すイメージがあるため、ネガティブな気分や疲れを流してくれるような気持ちになれます。
雨音を聴いて少しでも雨の日を楽しんでみましょう。
雨の日でだるいときの対処法
雨の日で気分が落ち込んでだるいときの対処法を紹介します。
自律神経を整えるために規則正しい生活が大切です。
天気で気分を左右される方はぜひやってみましょう。
耳をマッサージする
雨の日で気分が落ち込んできたら耳のマッサージをしましょう。
内耳が敏感な人は気分が落ち込みやすいため、耳まわりをマッサージして血流を整えることが大切です。
マッサージは1分ほどでできる簡単なものです。[7]
- 耳を軽くつまんで上・下・横に5秒ずつ引っ張る
- そのまま軽く引っ張ったら後ろに向かってゆっくり5回まわす
- 耳を包むように折り曲げて5秒間キープする
- 耳全体を手のひらで覆って、ゆっくり円を描くように後ろに向かって5回まわす
朝・昼・晩のそれぞれ1回ずつおこなうと、気分の落ち込み・頭痛など天気痛の症状の予防にもなります。
部屋を明るくする
朝起きたらカーテンを開けて、部屋に日光を取り入れましょう。
曇りや雨の日が続くと日光を浴びる時間が減って、気分が落ち込みやすくなってしまいます。
日光を浴びてセロトニンが作られれば、心のバランスを保てるようになります。
セロトニンは目の網膜から光を感じて活性化されるため、直接皮膚に日光を当てる必要はありません。
部屋が暗いと気分も下がってしまうので、太陽の光を取り入れて部屋を明るくしてください。
必ず朝ご飯を食べる
朝は時間がない・起きれない方もいるかもしれませんが、朝ご飯はしっかり食べましょう。
体にスイッチが入って生活リズムや自律神経を整えやすくします。
また朝ご飯を食べると副交感神経から交感神経に切り替わるため、日中を活動的に過ごせます。
時間がない方はバナナやヨーグルトなど手軽に食べられるものがおすすめです。
特にバナナは食物繊維やビタミンなどの栄養を豊富に含んでいて、腸内環境も整えてくれます。[8]
朝ご飯を食べれば気分の落ち込みを防ぐことにつながります。
まとめ
今回はなぜ雨の日に気分が落ち込むのか、雨の日の過ごし方、気分が左右されない対処法について紹介してきました。
気圧の変化や日照時間の短さによって、気分が落ち込む状態になりやすくなってしまいます。
雨の日は無理しない程度にストレッチをしたり、ぬるめのお湯に浸かって心と体をリフレッシュさせてください。
気分の落ち込みが何週間も続く場合は専門の医療機関に相談してみましょう。
おおかみこころのクリニックでは24時間予約受付をしているので、お気軽にご相談ください。
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参考文献
[1]雨の日は”ズキズキ” “気分が落ち込む”その不快感「天気痛」かも!? | 健康情報 | 全薬グループ
https://www.zenyaku.co.jp/k-1ban/detail/weatherpain.html
[2]セロトニン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
セロトニン | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
[3]睡眠不足で情動不安定や抑うつに | Science Portal – 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20130215_01/index.html
[4]良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと|厚生労働省
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/leaf-sleep_a5.pdf?1684281600048
[5]ストレッチ運動が気分と局所脳血流に与える効果|体力研究 2012,8 No.110 pp.8〜12
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tairyokukenkyu/110/0/110_8/_pdf/-char/ja
[6]SNSとメンタルヘルスとの関連 | 医療法人社団 平成医会
SNSとメンタルヘルスとの関連 | 医療法人社団 平成医会 (heisei-ikai.or.jp)
[7]1分で出来る!「くるくる耳マッサージ」 | 気象病を防ぐ方法 | 頭痛ーる:気圧予報で体調管理
https://zutool.jp/column/prevention/ear_massage
[8]専門家にお聞きしました!「朝食にバナナが良い理由」|スミフル