家庭で嫌な事があったり、仕事でミスをしてしまったりすると、人は不機嫌になることもあるでしょう。
ですが不機嫌を表に出してしまうと、まわりの人たちを困らせてしまいます。
身近に不機嫌を表に出す人がいた場合、どうやって接したらいいか悩むことはありませんか。
そこで今回は「不機嫌を表に出す人の心理」や「考えられる病気」について解説します。
「不機嫌を表に出す人にしてはいけない対応」についても紹介するので、あなたの心を守る手助けができたら幸いです。
また、同じ内容の動画も用意しています。動画の方が分かりやすい方は下記からご覧ください。
不機嫌を表に出す人の心理
不機嫌を表に出す人の心理には、おもに以下の5つが考えられます。
機嫌が悪いのを態度に出す男性・女性の心理について、それぞれ解説していきます。
かまって欲しい
不機嫌を表に出す人には、かまって欲しい・気遣って欲しいという心理があります。
たとえば仕事での「業務量が多い」「正当に評価されない」などの不満を、態度に出してアピールしているのです。
不機嫌を表に出せば、誰かが助けてくれるかもしれないと考える傾向があります。
自分の状況を理解してもらいたいために、不機嫌な態度をとっているのです。
八つ当たりしたい
八つ当たりしたいという気持ちは、不機嫌オーラを出す人の心理の一つです。
自分の感情を上手くコントロールできないため、まわりに八つ当たりをしてストレスを発散させています。具体的な行動として、「言葉遣いが荒くなる」「嫌味を言う」などがあります。
また八つ当たりをしてくる人は、物事を冷静に判断できない状態です。自分が悪くても、他人のせいにして自分を守ろうとする傾向があります。
仕事や家庭で何か問題が起きたら、相手を責めずに、客観的に状況を伝えて対応していきましょう。
八つ当たりされるのはツライですね💦
自分のことしか考えられない
不機嫌を表に出す人は、自分のことしか考えられない傾向があります。
「怒り」「イライラ」などの感情を態度に出すほどの状態になると、周囲を気遣う余裕がなくなってしまうのです。
職場・家族など不機嫌を表に出す人が身近にいたら、不機嫌になるのは常識と思ってしまうかもしれません。
「親が子どもに不機嫌アピールをする」「上司が部下に八つ当たりする」など、立場が弱い方に不機嫌な態度をとるケースもあります。
不機嫌を表に出す人には、他者の気持ちも考えてもらうように伝えましょう。
周囲をコントロールしたい
不機嫌を表に出す人は、周囲をコントロールしたい心理があります。
自分の思い通りに事を進ませて、周囲に自分の機嫌をとらせようとするのです。
「お腹が空いた」「眠い」などの理由で泣く赤ちゃんと同じように、まわりに不機嫌アピールをして、自分の状況を解決してもらおうとします。
誰かが不機嫌アピールに気づいて機嫌をとってしまうと「次もまた助けてくれるだろう」と考えて、相手をコントロールしようとします。
周囲の人が不機嫌を表に出す人の機嫌をとらないようにすると、コントロールされるのを防げるでしょう。
自分の気持ちを言葉にできない
自分の気持ちを言葉にできないことは、不機嫌を表に出す人の心理の特徴です。
気持ちや状況を言葉で伝えるのが苦手なので、態度に出して周囲に察してもらおうとします。
気持ちが言語化できないので、なぜ自分が不機嫌になっているのかを把握できていない場合もあります。
不機嫌になっている理由を察してもらうのではなく、不満に感じていることがあれば言葉で伝えたり、紙に書いたりしてもらいましょう。
言語化するのが苦手な人は、どうやって伝えるのではなく、何を伝えるかを明確にするといいです。
伝えるべきことと、伝える必要のないことを考えるといいですね。
不機嫌を表に出す人にしてはいけない対応
不機嫌を表に出す人に対して、してはいけない対応は以下の3つです。
これらの対応が、相手を余計に不機嫌にさせる可能性があります。
それぞれ見ていきましょう。
感情的になる
不機嫌を表に出す人には、感情的にならないようにしましょう。
不機嫌な態度をとって他人を不快にさせて、精神的に苦痛を与えることを不機嫌ハラスメントと言います。
不機嫌ハラスメントには、不機嫌が周囲にうつるという特徴があります。[1]
もしあなたも感情的になったり、無視をしたりしてしまうと、相手はより不機嫌になるかもしれません。
状況を悪化させないためにも、冷静に対応してくださいね。
深呼吸するといいでしょう♪
不機嫌ハラスメントについて気になる人は、下記の記事もご覧ください。
だらだらと話し続ける
話をするときは、だらだらと続けないようにしましょう。
話の要点が見えないと、相手はさらにイライラして不機嫌になるかもしれません。
気を遣いすぎて、話が必要以上に長くなってしまわないように気をつけてください。
上司が不機嫌を表に出す人の場合は、仕事の「報連相」はなるべく簡潔に伝えて、結論から話せるようになるといいでしょう。
機嫌をとろうとする
不機嫌を表に出す人には、機嫌をとらないようにしてください。
相手の機嫌をとろうとすると「自分の状況を察してくれた」と思って、不機嫌な態度をとり続けてしまいます。
不機嫌になる度に自分の機嫌をとってもらおうと、あなたをコントロールしようとするので注意が必要です。
相手が不機嫌になっていると思ったら、放っておくようにしましょう。不機嫌が落ち着いたら、相手の気持ちや状況を聞いてみてください。
落ち着くのを待って話し合いましょう
不機嫌を表に出す人に考えられる病気
不機嫌を表に出す人に考えられる病気は、3つあります。
これらの病気は「不機嫌な態度をとる」「イライラする」などの症状が特徴です。
それぞれ見ていきましょう。
双極性障害
双極性障害とは、活動的になる躁状態と、無気力になるうつ状態を繰り返す病気です。
双極性障害では、躁状態とうつ状態が同時に起こる混合状態が見られます。混合状態の症状には、不機嫌な興奮や怒りがあります。
双極性障害の混合状態について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
気分と行動が一致していないために、怒ったり焦ったりしてしまうのです。
強迫性障害
強迫性障害とは強い不安(強迫観念)が起きてしまい、その不安を打ち消すための行動(強迫行為)を繰り返してしまう病気です。
鍵を閉めたか気になって何回も確認しに戻る、手が汚れていると思って何時間も洗うなどが症状にあります。
強迫性障害の方は、強迫行為をやめたくてもやめられない状況なので、精神的に疲れてしまいやすいです。[2]
そのため、イライラして不機嫌になってしまうこともあります。
強迫性障害になりやすい人の特徴について気になる人は、こちらの記事をご覧ください。
境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害とは、感情・行動や対人関係の不安定さから、日常に支障をきたしてしまう病気です。
相手から見捨てられるのを恐れていて、対人関係で不安になると、不機嫌になって激しく怒ることがあります。[3]
また感情を制御するのが苦手なので、気分の波も激しくなりやすいです。
境界性パーソナリティ障害を含む、パーソナリティ障害について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
まとめ
今回は不機嫌を表に出す人の心理や考えられる病気、不機嫌を表に出す人にしてはいけない対応について解説してきました。
不機嫌を表に出す人の心理には「かまって欲しい」「周囲をコントロールしたい」という自分中心に考えている面があります。
相手にコントロールされないためにも「感情的になる」「機嫌をとろうとする」などの対応はしないようにしてください。
感情を制御できず不機嫌になってしまう場合は、双極性障害や境界性パーソナリティ障害などの可能性も考えられるでしょう。
自分の感情がコントロールできず辛いと感じたら、おおかみこころのクリニックに相談に来てください。つらい気持ちを軽くできるように、一緒に治療を進めていきましょう。
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参考文献
[1]「フキハラ」の正体 なぜ、あの人の不機嫌に振り回されるのか?
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[2]こころのクスリBOOKS よくわかる強迫症
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[3]パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか
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