「仕事で嫌なことがあるとすぐに怒ってしまう」「関係ない家族に八つ当たりしてしまう」など、すぐに怒ってしまうことはありませんか。
すぐに怒ってしまうのをやめて、自分に余裕が持てるようになりたいと考える人もいるでしょう。
具体的にどんなことをしたら、怒りを抑えられるのか気になりますよね。
そこで今回は怒りを抑える方法を5つ紹介します。
すぐに怒ってしまう原因についても解説するので、怒りを抑えて少しずつ余裕を持てるようにしていきましょう。
下記の記事は、大人の癇癪の克服マニュアルです。気になる方は合わせてご覧ください。
この記事の内容
すぐに怒ってしまう原因
すぐに怒ってしまう原因は、おもに以下の3つがあります。
怒りの感情が湧いてきても、行動に移さないことが大切です。
それぞれ見ていきましょう
ストレスを溜めている
仕事、人間関係、子育てなどで嫌なことがあると、ストレスホルモンである「アドレナリン」が発生して、怒りの感情が出てきます。
さらに。ストレス状態が続いてしまうと、ストレスホルモンの「コルチゾール」が過剰に分泌されて、細菌やウイルスなどへの免疫力が低下することに繋がってしまうのです。[1]
怒りっぽくなったり、イライラしてきたら、ストレスが溜まっているサインかもしれません。
ストレスを溜めないように、こまめに発散していきましょう。
怒りとの付き合い方が分からない
怒りっぽい人は、怒りの感情との付き合い方が分からない場合があるでしょう。
怒りなど感情を扱う方法は、まわりの大人から影響を受けて、学んでいきます。
親から怒鳴られたり、暴力を振るわれたりした経験のある人は、怒ったときに親と同じことをしてしまう可能性があります。
怒りは誰にでもある感情なので、怒ってはいけないということはありません。
怒りをコントロールして、周囲に迷惑をかけないことが大切です。
「すべき思考」をしている
「すべき思考」とは、自分が決めたルールで自分や相手を縛ってしまう考え方です。[2]
他人の意見を認められず、衝突してイライラや怒りを感じるようになってしまいます。
ルールや正しさで自分を縛れば縛るほど、ストレスから逃れられなくなるでしょう。
人にはそれぞれの価値観があるので、まわりにまで自分のルールを押しつける必要はありません。
「すべき思考」を手放せば、怒ったりイライラしたりするのを減らせるでしょう。
「絶対にしなくてはならないこと」は、実はそんなにありません
怒りを抑える方法5選
怒りを抑える方法を5つ紹介します。
怒りが収まらないため、相手を「許せない」と感じるときもあるでしょう。
ぜひ職場や家庭などで実践してみてください。
6秒間は耐える
怒りのピークは6秒間とされているので、6秒間は怒っても耐えるようにしてください。
感情をコントロールしているのは、脳の前頭葉です。[3]
前頭葉が本格的に働き始めるまで、3〜5秒間かかると考えられています。
6秒間数えるときは、なるべくゆっくり数えてください。
好きな香りをかいだり、好きな歌のサビを思い出したりするのも、気が紛れてきます。
怒りのピークが過ぎれば、冷静に対応できるようになるでしょう。
自分に合った6秒間の気分転換を探しましょう
深呼吸をする
深呼吸をすると、怒りやイライラを抑えることができます。
怒りを感じているときは、交感神経が優位になっているため、深呼吸をして副交感神経を優位にしましょう。[4]
呼吸するときは鼻から息を吸って、口から吐く息を長くしてください。
ゆっくりと深呼吸をすると、怒りやイライラは少しずつ落ち着いてきます。
呼吸に集中すると瞑想状態になるため、自分の状態を客観的に見れるようになるでしょう。
思い出し怒りが止まらないときも、深呼吸を試してみてくださいね。
ストレスを解消する
ストレスが原因ですぐに怒ってしまうこともあるため、こまめにストレスを解消しましょう。
ストレス解消法には「好きな映画を観る」「軽く体を動かす」などがあります。
ただし愚痴を話すことは、ストレス解消に向いていません。
話をするたびに怒りを思い出して、記憶に定着してしまいます。
話しているうちに、事実を歪ませる可能性もあるので気をつけましょう。[5]
暴飲暴食をしてストレスを発散するのも、健康的ではないので控えてください。
気分転換をしてストレスを発散しましょう
紙に書き出す
やり場のない怒りを発散するために、紙に書き出す方法があります。
きれいに書こうと思わなくていいので、自分の怒りの感情を紙に書き出しましょう。
書き出したら思いっきり紙を破ると、気持ちがすっきりしてきます。
自分がどんな時に怒るかを把握したい人は、怒りを記録する「アンガーログ」をつけてみましょう。
アンガーログでは、怒りを感じたら都度記録し、怒りの強さを書きます。
例:飲食店でオーダーが通っていなかった。
アンガーログをつけることで、怒りの傾向が分かるようになります。[5]
他人に期待しない
他人に期待しないことは、怒りを抑えることにつながります。
「気持ちを察して欲しい」「仕事を頼まないで欲しい」と相手に甘えず、自分の言葉で伝えるようにしましょう。
「すべき思考」をしてしまう人は、自分の思い通りにならなかったときに、怒ってしまう場合があります。
「すべき思考」は認知のゆがみの一つであり、認知行動療法を用いて治していきます。
「こころの日記」は、怒った出来事とそのときの感情のレベルを記録できるアプリです。
病院やカウンセリングに行かなくても、自分だけで認知行動療法を試せるアプリです。
認知行動療法アプリ「こころの日記」について気になる人は、下記の記事もご覧ください。
怒りを抑える魔法の言葉
怒りを抑える魔法の言葉を3つ紹介します。
怒りのままに行動しそうになったら、上記の言葉を思い出してみてください。
それぞれ見ていきましょう。
「なんとかなる」
「なんとかなる」とつぶやくと、本当になんとかなりそうな気がしてきますよね。
怒りや焦りに苦しんでいたとしても、なんとかなる未来を想像できれば、不思議と気持ちが落ち着いてくるでしょう。
心の中だけでつぶやくのではなく、実際に口に出して言ってみてくださいね。
最初は気にして言っていたら、そのうち口癖になりますよ
「明日になったら忘れる」
「明日になったら忘れる」は、誰にでも経験のあることです。
睡眠中、海馬をはじめとした記憶に関わる部位は活発に活動をして、日中に体験した記憶を整理したり、必要な記憶の定着をしたりするとされています。[3]
怒りが収まらないときは、思い切って早く寝るといいでしょう。
「たいしたことない」
「たいしたことない」の意味は「程度が軽くて特に問題ないさま、それほど大きくないように感じられるさま」です。
口に出すことで、客観的に見れるようになり、落ち着いて判断できるようになるでしょう。
仕事でトラブルがあったときにも、ぜひこの言葉を思い出してみてください。
まとめ
今回は怒りを抑える方法、すぐに怒ってしまう原因などについて解説しました。
すぐに怒る原因には「ストレスを溜めている」「怒りとの付き合い方が分からない」などがあります。
怒りを抑えるためには、趣味や運動をしてストレスを発散したり、怒りを感じたら6秒間は耐えたりすることが大切です。
怒ることは悪いことではありませんが、周囲に迷惑をかけないようにしましょう。
すぐ怒るのをやめられない人は、ぜひ一度おおかみこころのクリニックに相談に来てください。
カウンセリングサービスを実施していますので、悩みを聞いてサポートしていきます。
24時間予約受付中
参考文献
[1]セルフメンタルヘルス, p7|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000881325.pdf
[2]図解 認知のゆがみを直せば心がラクになる, p13
[3]眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話, p6
[4]怒り状態の心理・生理反応, p5
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/57/1/57_27/_pdf
[5]アンガーマネジメント超入門 怒りが消える心のトレーニング, p72-73
[6]同上, p87
[7]眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話, p122-123