カウンセリングとは、カウンセラーが相談者の話を聞いて受け入れることで、相談者の気持ちや状況を理解し、解決に導くよう支援することです。
中にはカウンセリングを受けたけど、意味がなかったという人がいるかもしれません。「すぐに効果を求める人」「カウンセラーを信用していない人」などには、カウンセリングの効果が出にくいと考えられます。カウンセリングを効果的に受けるには、目的を明確にして、カウンセラーに心を開いて話をしましょう。
この記事では、カウンセリングが意味ない人の特徴、必要な人の特徴について解説します。カウンセリングをより効果的なものにして、悩みや問題の解決につなげていきましょう。
カウンセリングが意味ないと言われる理由
カウンセリングが意味ないと言われる理由には、以下のことが考えられます。
- カウンセラーとの相性が良くないから
- 自分の性格や他人などは変えられないから
- 1回で終わりではなく、長期的に行うものだから
カウンセリングは悩みを解消するために、自分の気質や性格と向き合う方法を考える場です。他人を変えたり、生まれつきの自分の性格を変えることはできません。
カウンセラーとの相性が悪いと、カウンセリングの効果を発揮できない可能性があります。カウンセリングでは、話し手と聞き手の信頼関係が欠かせません。[1]
また、カウンセリングは通常1回で終わらず、繰り返し行います。カウンセリングを重ねて、自分の気持ちや考え方を徐々に変化させていくのです。
目に見えるものでもなく、少しずつ変化するものだから「意味がない」と言われるんですね。
カウンセリングが意味ない人の特徴
カウンセリングを意味ないと考える人には、以下の3つの特徴があります。
それぞれ見ていきましょう。
すぐに効果を求める
カウンセリングが意味ない人の特徴には、すぐに効果を求めることが挙げられます。
カウンセリングは繰り返しかつ長期的に行うものなので、1回だけでは効果が出にくいと考えられます。カウンセラーと会話していく中で、徐々に悩みや不安を解消していくものです。
「1回で効果が出る」と考えている人には、カウンセリングが意味のないものに感じてしまうでしょう。
カウンセラーを信頼していない
カウンセリングを意味ないと思っている人は、カウンセラーを信頼できていない傾向があります。
カウンセリングでは、話し手と聞き手との信頼関係が大切です。信頼関係がうまく築けないと、カウンセリングの効果が発揮できなくなるのです。[1]
カウンセリングには意味がないと思っていると、カウンセラーに対して悩みや考えを伝える気になれないでしょう。その結果、カウンセラーはあなたのことを十分に理解できず、アドバイスができなくなる可能性があります。カウンセラーはあなたの味方なので、悩みや考えを包み隠さず話してみてください。
心のケアに信頼関係は大切です。
過去にカウンセリングで失敗した
カウンセリングが意味ないと考えている人は、過去にカウンセリングで失敗した経験があるといえます。
カウンセラーとの相性が悪かったり、悩みが解決できなかったりすると「今回もうまくいかない」とネガティブに考えてしまう可能性があります。
相性が悪いカウンセラーだけでなく、あなたと相性が合うカウンセラーもいるはずです。「今回も意味がない」と考えず、次のカウンセラーに期待してみてください。
カウンセリングが必要な人の特徴
カウンセリングが必要な人には、以下のような特徴があります。
- まわりに頼るのが苦手である
- 自分で悩みを解決しようとする
- 薬物療法だけでは症状が改善されない
自分だけで悩みを解決しようとする人は、責任感が強いため、まわりに弱みを見せようとはしません。とはいえ、自分だけで悩みを解決するのが難しいときもあるので、思い切ってカウンセラーに頼ってみましょう。
精神疾患の治療では、薬物療法と並行してカウンセリングを行うことがあります。カウンセリングの中で自分の性格を見つめ直すため、根本的な改善が期待されているのです。
カウンセリングでできること
カウンセリングでは、以下のことができます。[2]
- 話を聞いてもらえる
- 今抱えている悩みを整理できる
- 自分の考え方のクセ、長所などに気づける
- 今の状況に適した考え方に切り替えられる
- 人付き合いにおいて、自分なりの方法を発見できる
悩んでいたり自分の気持ちがわからなかったりすると、何をどうしたらいいか迷ってしまうでしょう。カウンセリングで自分の悩みや考えを話して、カウンセラーに聞いてもらうことで、悩みの整理や考え方の改善ができるようになるのです。
カウンセリングはアドバイスや答えをもらうだけでなく、自分自身の力で立ち直るきっかけを作ったり、気持ちを整理するための場でもあります。カウンセリングを受けるときは、主体性を持って臨むと、よりカウンセリングの効果が発揮されます。
カウンセリングの効果的な受け方
カウンセリングの効果をより発揮するには、以下の3つを心がけてみましょう。
カウンセリングを受けるときの参考にしてみてください。
目的を明確にする
カウンセリングを受けるときは、目的を明確にするとより効果を発揮できます。
カウンセラーとの面談の中では、「どんな目的で相談に来たのか」「何を解決したいのか」をお互いに確認します。「症状を改善したい」「考え方のクセを治したいのか」など、自分がどうなりたいかを伝えましょう。具体的な目的を持つと、なりたい自分をイメージしやすくなります。
つまり、カウンセラーに委ねるのではなく、主体性を持って目的を決めることが、問題解決への第一歩と言えるでしょう。カウンセリングが始まる段階で目的が決まってなくても、焦る必要はないので、自分のペースで考えてみてくださいね。
心を開いて話をする
カウンセリングを受けるときには、カウンセラーに心を開いて話をすることを意識しましょう。
話し手と聞き手との信頼関係が築けていると、安心して話ができたり、素直な感情を伝えたりできるようになります。カウンセラーは、あなたがどのように考えているかを正確に知ろうとし、あなたを受け入れる姿勢で話を聞いてくれます。[1]
あなたの考えや悩みを批判したり、軽視したりするカウンセラーはいないはずです。カウンセラーはあなたを受け入れてくれるので、素直な気持ちや悩みを伝えてみてください。
全然知らない人だからこそ話しやすいこと…ありませんか?
すべてを任せっきりにしない
カウンセラーにすべてを任せきりにすると、カウンセリングの効果が出にくくなってしまいます。
カウンセリングでは「カウンセラーが相談者のために支援すること」と「相談者が自己理解を深めて行動できるようになること」が、影響し合って解決につながるのです。[3]
カウンセラー任せでいると、あなたの本来の目的が見えなくなる可能性があります。カウンセラーはどうやって問題解決のサポートをしたらいいか、判断できなくなってしまうのです。最終的には自分自身の力も必要になるので、克服しようとする意志を持って、カウンセリングを受けてみてください。
まとめ
カウンセリングが意味ない人の特徴には、「効果をすぐに求める」「過去にカウンセリングで失敗したことがある」などが挙げられます。ただし、「自分だけで悩みを解決しようとする人」「薬物療法だけでは精神疾患が改善されない人」にはカウンセリングが必要です。カウンセリング時には、自分がどうなりたいか目的を明確にし、カウンセラーにすべてを任せないようにしましょう。
おおかみこころのクリニックでは、カウンセリングサービスを実施しています。経験豊富なカウンセラーが、あなたの悩みを解決するためにサポートするので、ぜひ一度ご相談しにお越しください。
24時間予約受付中
【参考文献】
[1]大学等におけるキャリア教育実践講習|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000173665.pdf
[2]カウンセリングについて|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/counseling/index.html
[3]Q5:カウンセリング効果の実際は?:専門家が事例と共に回答~職場のメンタルヘルス対策Q&A~|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/mental-health-pro-qa/mh-pro-qa005/